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ふさ千明のおたネタ日記

漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。

台湾旅行記2009 3日目

 初めに。この日はほとんどオタネタがありませんが、かといって3日目だけ無いのも変なのでアップさせていただきます。



 この日の朝はちゃんと妻を起こし、2人で揃って朝食会場へ。私がどうやってメニューに変化を付けようかと算段していると、妻は山盛りにサラダを取り分けている。普段全くと言っていいほど朝食には固形物を受け付けないのに、旅行に出ると食欲おう盛になる不思議な現象。1年の半分くらい旅行していたらもっと健康になるのか、とか考えてしまう。

 2人ともよく食べて、満足して部屋に戻る。まだこの時9時前。朝が遅い台湾の街に出ても、やっているお店は限られる。
 なので、11時までは待機タイム。

 ならば。

 「お灸を受けにいかないか?」と提案する。台北駅から程近いところにある川堂養生館というところでへそにお灸を受けられるのだが、時間が90分かかるので今まで断念していたのである。ここは朝早くから開いていて、今回時間にも余裕がある状況ということで提案してみたが「お灸って熱いんでしょう」と妻は乗り気でない。「行くなら1人で」ということで、私1人で行くことになった。
 ホテルを出て、地図を頼りにうろつくことしばし。途中、謎の鉄道車両に出会ったり、暑さに耐えかねてセブンイレブンでハンドタオルを購入したりしながらうろついて、なんとか目指す場所にたどり着くことができた。

 ほぼフルに日本語で会話可能なため、意思疎通に何の問題も無く、施術が開始される。
 上着を脱いでベッドに仰向けで寝ると、ヘソの部分が開いたタオルケットをかけられる。あとは何しろ寝ていたのでよく見えなかったのだが、何かをヘソに塗られたあと、お灸開始。独特の機材を使っていたようだったが、迂闊に動けないので確認できない。覚悟していた熱さは全くなく、むしろ心地よさにどんどん眠くなる。起きてまだ2時間と経っていないのに、すっかり眠りに落ちてしまう。定期的にヨモギの継ぎ足しかなにかをやっていたようで、その際だけ目が覚めたが、あとは完全熟睡モード。声をかけられた時にはもう終わっていた。

 確かに身体が軽い。仕上げに明日葉のジュースをいただいて完了。6000元にプラス10%のサービス料ということだったが、「10%は結構です」とおまけしていただいた。多分カードではなく現金で支払ったのが良かったのだと思う(カードだとカード会社に手数料を取られる)。

 お値段は張るものの効能はバッチリだったので、血行の悪い人にはお勧めである。というか、次回はなんとか説得して妻を連行したい。

 終了報告のメールをしてからホテルに戻ると、妻は私のパソコンでネットをやっていた。つなぎ放題なのでフィーバーしていたらしい。

 さて。どうするか。色々選択肢はあったのだが、前回行けなかったので故宮博物院へ行くことにする。今度も時間の節約を大義名分にタクシーで移動。途中の道行きはスムーズだったのだが、肝心の故宮の入り口がだいぶ混雑しており、観光バスの間を縫うようにして下車。

 入り口がごった返していたので、一旦喫茶室に退避。ふつーに珈琲紅茶にしておけば良かったのだが、目についた珍しいものを頼んでしまい、飲み終わるまでちょっと時間を要した。

 このインターバルが逆にいい結果を生む。若干ではあったが先程より空いてきていた。あんまりに混雑していたら順路を変えようかとまで思っていたが、無事に1階から順に見て回ることができた。前回来たときは無かった清朝時代の貴族が使用していた家具等の工芸品が私の目を引いた。今は亡き松江のティファニー庭園美術館の時もそうだが、どうも私はこの手のものに非常に弱いらしい。中国の伝統的な技術と西洋風のアレンジが加わった独特のデザインが実に美麗で、いつまでも見ていたくなる。

 とは言え、実際はそうもいかない。妻に先導されるように順繰りに展示を見て見て回る。1階2階はまぁまぁノンビリ動くことができたのだが、3階がもういけない。大陸からのツアー客が文字通りひしめいていた。これは見て回るどころではないと退避。退避した先にあったのが本屋だったのはもう運命と思うしかない。ここで我々は長い時間捕まってしまった。

 しかもここの本屋、当然と言えば当然なのだが、故宮博物院の図録だの図版だの研究書だのといったここで無いと手に入らないと思うようなものがずらりと並んでいた。元々歴史オタクで中国関係の研究をやっていた私と、バリバリの史学科卒でシルクロードオタの妻にとっては宝の山だ。しかしこの宝の山は有料でしかも持ち出すのも自前なのだから、目移りする。せざるを得ない。二手に分かれてチェック開始。
 まず「乾隆重要戦争之軍事研究」という本が目に入った。中身を見てみると、清代乾隆帝時代の戦争で何人動員されどんなものが必要とされ、その用意と移動でいくらかかったか、ということを綿密に研究したものだった。以前なら間違いなく即確保だったのだが、もうそういう小説を書くことも無いだろうと思うと、若干購入意欲が削がれていく。あと、何しろ日本語じゃないので読むのもホネだろうし、と思いとりあえず保留。

 図版関係は大きさがネックになって早々に断念。レア度合い&欲しい度合いで言うとかなり上位だったので、だいぶ諦め悪く算段したのだが、最後は常識が勝利した。しかしこれを書いている今でも若干後悔の念がわいて来る。

 あと目についたのは博物院が定期刊行している雑誌。タイトルを失念したが、幅広く色んなネタが扱われているのでかなり魅力的だった。しかしこれもどの号を買うか絞りきれず、悩んだ挙句に断念。

 30分近くを費やして購入した本は『四庫全書纂修之研究』という本。どんな本かというと、これは『四庫全書』という清代に時の皇帝の命令で作られた書物の編集過程を研究したもので、まぁまず日本では手に入るまいと思われる代物。国家事業としてどのように取り組まれたか、というのは小説のネタ云々を超えて(もちろんネタにできれば万々歳なのだが)非常に興味深く、時間をかけても読んでみたいテーマだった。
 ちなみにお値段は350元。

 妻は妻で散々悩んだ挙句シルクロードの研究書を手にしていた。揃いも揃って業が深い。

 購入後、展示室に戻ろうとしたが、もはや鑑賞できる状況ではなかったので諦めて外へ出た。
 さぁ。お昼ご飯である。故宮博物院の改装工事後、グランド・フォルモサ・リージェントがフードコートを出しているそうなのでそこへ行ってみることにした。ご存じない方のために簡単に説明すると、フォルモサ(漢字で書くと晶華)は台湾指折りの5つ星ホテルである。私は新婚旅行の時に1日だけ泊まった事がある。

 正面玄関を出て右手に進み、階段を下りて地下に行くとそこが府城晶華。
 メニューには麺、ご飯、点心、海鮮点心、肉類、スープ、デザートに飲み物と揃っている上、これらが一通り食べられるセットもある。
 お腹が空いている上にメニューの豊富さが合わさってかなり迷わされたが、但仔麺2つに茹で青菜、香腸(台湾ソーセージ)と豆花(豆乳プリン)2つを注文。ちなみに注文はテーブルにある紙にチェックを入れて渡す方式な上、紙にはきちんとした日本語が表記されており、安心である。

 値段は夜市よりちょっと高いかな?という程度で、味はフォルモサの名に恥じない高級感のある物だったのでお得感が高い。特に豆花はそれだけ食べにきても良かったくらいにうまかった。個人的なお勧めは小豆入りのヤツ。

 すべてを綺麗に食べ終え、笑顔で店の外へ出る。室内の強い冷房と外の熱気のギャップに身体を慣らす作業もぼちぼち身に付いてきたので、そんなにくらくらはしなかった。

 食べたおかげで気力体力も回復してきたので、人ごみへ再度突入することに。と言っても、展示室ではなく土産物売り場なのだが。職場への土産を買いたいという妻に付きあってただうろうろするだけのつもりだったのに、見ているうちにどんどん欲しくなって来るのが困りもの。
 個人的に一番受けたのは中国歴代王朝有名皇帝チョコボール。世界史の教科書か資料集には大体載っている唐の太宗(李世民)、宋の太祖(趙匡胤)、元の世祖(フビライ・ハーン)、明の太祖(朱元璋)の4名の肖像画がそれぞれ味の違うチョコボールのパッケージになっている。
 こういう発想はどっから湧いてくるのか。
 ちょっと迷ったものの、職場の土産として購入決定。

 妻は妻でネイルデコアートシールを確保している。これがまた漢字とか陶磁器とか普通では見かけないものがシールになっているという代物で、土産物としてはインパクト十分である。
 この他、自分用に故宮博物院オリジナルTシャツと収蔵品を解説したDVDを買い込んで終了。

 お会計を済ませ、再び外へ。

 妻はカメラを抱えて風景の撮影に。その間私は荷物番。せっかくなのでデジカメを取り出してその場で撮れる範囲で何枚か私も撮影してみる。せっかくなので、とうっかり最高画質にしたばっかりに容量が大きくなりすぎてブログにアップできなくなることは勿論この時知る由もなく。
 数枚撮った後は、欄干に寄りかかって眼前に広がる緑豊かな眺めを堪能。この時、庭園があることに気がついた。
 妻が撮影から戻ってきたので「ちょっと行ってみよう」と誘い、眼下の庭園へ。意外と急な階段を下りていくと、至善園という看板が見えて来た。どうやらこの庭園は『至善園』というらしい。自動改札機に入場料20元を入れて中へ。

 所謂中国式庭園というヤツで、思っていたよりもずっと規模が大きい。西遊記などの中国古典に出てきそうな、詩人たちが酒宴でもしていそうな雰囲気だった。
 中でも松風閣という名前の楼閣は柱に龍や鳳凰の彫刻が施されている上、2階からは園内を一望することができるので、それこそ物語の登場人物にでもなった気分である。その他にも古典文学に由来する建物や池がそこかしこにあり、それこそ曲水の宴という遊びを再現できる川も流れており、中の展示に勝るとも劣らないほど我々を楽しませてくれた。
 それに加えて、ここから眺める故宮博物院本館が実にいいのである。

 そうして1時間程も居ただろうか。何時間でもここに居たいと思ったが、流石にそういう訳にもいかないので頃合いを見て撤収。出た後で、反対側に至徳園という庭園もあることを知り、次回訪れた際は必ずそこを訪れることが決まる。

 出てからはロータリーに止まっているタクシーに乗り、一路ホテルに戻る。
 戻って、まだ5時だった上にまだ体力的に余裕があったので「よし、今からもう1カ所行こう」ということになった。さぁ、どこへ行くか。ふと思いついて電車の時刻表をめくると、ちょうど頃合いの特急があったので台北の北にある港町基隆(キールン)まで足を伸ばすことを提案する。
 良さげな夜市があることと、台北からわざわざ買いにいく人が居るくらい評判のパイナップルケーキ屋があること、そして台湾北部最大の港であること。その3点からずっと行きたいと思っていた

 あっさりと妻の同意も得られ、とっとと台北駅へ。せっかくなので指定席を取ろうと窓口に並び、『17:45自強號 台北→基隆 2人』と書いたメモを渡す。無事に意味は通じて、きっぷを手にすることができた。

 売店で飲み物を買い、ホームで少し待つと入線してきたのは太魯閣(タロコ)号専用車両。JR九州885系と同じあの車両。あれ?おかしいな、と思ったら我々がホームを間違えていたのだが、折角なので記念撮影。
 取って返して反対側のホームでさらに待つ事しばし。今度は間違いなく基隆行きの自強号がやって来た。さすがにこの距離で自強に乗ろうという人も少なく、車内はがらんとしていた。前後にゆとりがある座席と、深く倒れるリクライニングシートがまるでグリーン車のようだ。
 テーブルを出して飲み物を置き、台鉄本舗で買った時刻表を見ながら、ようやく叶った念願のひとときを味わう。
 途中までは地下を走るし、地上に出てからも都市近郊の風景なので、以前台南から隆田までのように目に焼き付いて離れないというような感動はあまり無かったが、それでも十分車窓は楽しめた。

 18時23分、定刻どおり列車は基隆駅に到着した。ひと息入れてから、徒歩でまずはパイナップルケーキ屋『李鵠餅店』を目指す。その途上に基隆港があり、鮮やかにライトアップされた眺めに圧倒されて思わず足が止まる。島国台湾に来たのに、これまで海に縁がないところばかりうろついていたため、非常に新鮮。私は元々船好きなのでもうこの眺めだけでも基隆に来た甲斐があったとすら思えてしまった。

 まぁ、さすがにそんな訳にもいかないので、移動再開。ガイドブックの地図を頼りに歩いていくと、それほど迷うことも無く店にはあっさりと到着できた。
 しかし、問題はこれからだった。
 小さな店に大量の客が溢れかえっており、商品の品定めをするのも一苦労。さすが人気店。ぼーっとしていてはいつまでたっても買い物ができないので、妻に必要な量を確認すると手空きの店員さんを捕まえて購入交渉に入る。まず、メインのパイナップルケーキを3箱。それと『蛋黄酥』というお菓子がうまそうだったので、これも4個購入。あまりたくさん買い込んでも、この後の夜市観光に差し支えるのでここで打ち止め。帰国後「ああ、もっと買っておけば良かった」と後悔するのはいつものパターン。
 ちなみに蛋黄酥は外側がパイ生地、中が二重餡になっているお菓子で、我々が買ったのは小豆あんと卵あんのコンビ。小豆の甘さと卵の塩味がなかなか面白い組み合わせだった。

 続いて基隆一と言われる廟口夜市へ向かった。店からは迷いようも無い程すぐのところの入り口があったのだが、これまた物凄い雑踏。前に進むのにスキマを見つけてそこに身体をねじ込むような感覚で歩かなければならず、紙袋を抱えて表面積が大きくなった私は往生した。その上、もともと人ごみに弱い妻があっという間にギプアップしてしまい、飲み食い1つせず撤収するという大変残念な結果になってしまった。
 台湾に来てから曜日の感覚が無くなっていたが、この日は土曜日であり、混雑して当たりまえ。次回は平日に来ようと心に決めて駅に戻った。

 どこかでお茶でも飲んで一休みしようかという提案にも妻は「早くホテルに戻りたい」と言うのみであったので、とっとと列車に乗って台北へ戻る。部屋に入るとベッドに倒れ込み寝てしまった。寝付く前に「夕飯はどうする?」と聞くと「1人でどっかで食べて来て」とのこと。こういう時は起こすと怒られるので、あきらめて台北地下街へ出る。
 せっかくなので、前から気になっていたが妻に気兼ねして言い出せなかった吉野家へ行ってみた。日本の味とどう違うのかと箸を付けてみたが、日本とほぼ同じ味。むしろ違いを見出すほうが難しい。ショウガが紅ショウガではなく寿司屋に置いてあるような酢漬けのショウガだったことくらいか。しかし、これがまた不思議に合うので、あっという間に食べ終えてしまった。みそ汁もちゃんとダシが利いていてうまかった。こういう味付けが台湾の人たちに合うのか合わないのかはともかく、こっちに来ている日本人には有り難い存在だろう。

 ビビって牛丼の並を頼んでしまったので、ちょっと物足りなく感じている胃袋をなだめるためにセブンイレブンであれこれ買い込んでからホテルに戻った。余ったら妻に手伝ってもらおうと思ったが、ネットをやっているうちになんだかんだで食べ終えてしまったのは、我が事ながらどうしたものか。

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台湾旅行記2009 2日め

 起床は朝7時。日本時間だと8時。いつものことだが、妻は疲れていて起きてこない。
 起こすと機嫌を直すのに大変な労力がかかるので、起こさないようにそっと部屋を抜け出し1人で朝食を取りに行く。

 ここの朝ご飯はシェラトンには譲るものの、質量ともに十分なものを提供してくれる。そもそも選択肢に和洋中揃ってるだけでまず十分だと思う。ただ、個人的には和をもう少し減らしてもいいから、中や洋のおかずのバリエーションを増やして欲しい。ぶっちゃけ言うと、納豆は無くていい。どうしても和だというのなら味海苔を希望。

 最初に和メイン、次に洋メインで食べて、〆はフルーツとヨーグルト。腹をくちくして部屋に戻ると妻はまだ寝ていたので、起こさないようにと屋上のルーフガーデンへ行ってみる。ジャグジーと四阿を備えたミニ庭園で、池には錦鯉が泳いでいた。道挟んだ向こうには台北駅が有るんだが、そのことが信じられなくなるような光景。摩訶不思議。せっかくなのでガーデンの写真と台北駅の写真をケータイで確保。

 ほどほどに楽しんで部屋に戻ると、もう既に起床していた妻に怒られる。「起こせ」と。「朝食を楽しみにしていたのに食べ損ねた」と。
 こういうときは反論しても無駄なのでひたすら平身低頭。

 その甲斐あってなんとかご機嫌が直ったのでまた本日の予定を相談する。故宮博物院やら迪化街やら候補地は色々挙がったのだが、結論は「前回行きそびれたメイド喫茶に行こう」だった。今思うと、メイド喫茶は土日でも開いていたが、迪化街が日曜お休みだったので、この日のうちに行っておけば良かったと反省しきり。ちなみに、迪化街に有るというコスプレ衣装を作ってくれるとの噂があるお店には今回結局行きそびれた。

 ホテルから地下道へ出て、地下鉄で一駅、西門へ。6番出口から地上に上がると、地図を確認しながら目的地へ向かう。
 地上に上がったらまず回れ右して交差点へ出る。ここを左折し、すぐ後方にある中華路という大通りをずんずん進む。中国時報のビルのところでまた左折し、武昌街二段という名前のついた道に入ってすぐの所に目立つ看板があった。

 これは…。

 とりあえず撮影。



 田中理恵さんは台湾でも人気らしい。


 アニメイト(台湾では安利美特)が入っているビルの1階と2階は別の本屋なので、エレベーターで4階に上がる。エレベーターの中がこれがまた…。




 下りたフロアはキャラクターグッズフロア。全面キャラグッズが所狭しと棚にみっちり。まぁ、それは日本のアニメイトと一緒なのだが。私のこのフロアにおけるサーチ対象はもちろん絶望先生グッズ。1周ぐるっと回ったがは見つけられなかったので「ないのか!やっぱりないのか!」と絶望しかけたものの、2周目で無事見つかった。結構新しめの物が並んでおり「在庫処分ではないのだな」とちょっと嬉しくなった。
 しかし、台湾オリジナルのものは無く、日本で買えるものばかりなので「端から端まで1個ずつ全部」とかいう行動には出なかった。

 結構迷った挙句、かさばるうろぺんぬいぐるみはパスし、逆の理由からコースターを選択。あと、土地柄を考えてそくひえも購入。徘徊に耐えきれなくなったら開封して使う算段。お値段はレートが有利なおかげで日本で買うのとほぼ同じかちょっと高いくらい。商品自体は日本から輸入しているので本来もっと割高なはずなのだが、円高というのは恐ろしい。

 購入後、住所と地図の入ったアニメイト台北店(正確には台北西門店)の名刺をいただいて3階へ下りる。3階は本にCDDVDが並んでいる。翻訳ものに加え、日本直輸入の本も多数。DVDもたくさんあったが、当然と言えば当然なことにCDは言葉の壁に阻まれて少数在庫のみ。
 絶望放送かうらGおのCDがあったら買おうと期待していただけにこれにはがっくり来るが、考えれば考えるほど自明な結果なので気を取り直して本を物色することに。台湾版のアニメ雑誌に絶望先生の記事があれば買おうと思っていたのだが、表紙には載っていなかったのでだいぶ迷う。アジアさんや新谷さんあたりも記事になっていなかったようなので、スーツケースの容量を鑑みてスルー。その後も、メジャーマイナー問わずみっちりと翻訳漫画やライトノベルが並べられている書棚を見ているだけでも楽しくなってくるので、ぐるぐるぐるぐる回って堪能してから階段を下りて店の外へ。

 ぼちぼちといい時間になってきたので、隣のメイド喫茶でお昼ご飯を食べることに。



 可思客と書いてCOSIC Cafeと読むらしいこのお店は、アニメイトの隣のビルの2階にある。階段を上がって中へ入ると、さすが平日だからか、空いている。「日本人の方ですか?」と聞かれたので素直に「ハイ」と答えると、日本語のメニューが用意された。店内は落ち着いた雰囲気なのに、置いてあるインテリアがサンダーバード1号や宇宙戦艦ヤマトのプラモとか人間大のロボット模型だったりとか、方向性がやっぱりアレである。

 料理は時間帯的にスパゲティのみとのことだったので、妻がクリーム、私がミートソースを注文。待ち時間、店内インテリアに対するツッコミを一通りしたあと、置いてあるメイドノートを読んだりして充実して過ごす。
 思いのほか待ったのは、おそらく茹で置きのスパゲティが無かったためと思われる。味は無難で、偏食でなければだいたい安心して注文できるレヴェルではないかと思われる。

 エネルギーを補給したので、店の外へ出て西門の街をぶらつく。もらったレシートを見て店の名前が『開拓珈琲館』と書いてあったので「結局店名はどっちなんだ?」と悩んだりしながら、とりあえず足は萬年商業大樓へ。
 ここは3年前にも来たことがある。おしゃれビルかと思えばガンプラやゲームも売っている上にゲーセンや漫画喫茶もあるカオスビルである。
 大体、ここに入っているおしゃれげな店も『天下一武道会』と書かれたTシャツ売っていたりするから、日本のおしゃれビルよりは随分オタクに優しい仕様である。

 古本屋で各種初回限定版漫画やら無数の日本直輸入古雑誌やらを眺めたり、プラモ屋で日本の軍艦とドイツの戦車ばっかり置いてあって、肝心の台湾海軍の軍艦が無かったことにがっかりしたり。ちなみに、大日本帝国海軍所属として生を受け、その後戦時賠償艦として台湾に引き渡された雪風(台湾での名前は丹陽。駆逐艦ながら旗艦として迎えられた)も置いてあった。ちなみに丹陽バージョンの雪風は青島から出ているので、どうしても欲しかったら日本で買えばいいのだが。

 体力と時間に余裕があったので前回はスルーしたゲーセンにも足を向けてみた。クレーンゲーム以外は台湾オリジナルのものは見られなかったが、せっかくなのでいくつかやってみる。怒首領蜂・大往生とかは軽い気持ちでやってクリアできる代物ではないが、それでもなんとか1面だけは突破できた。ちなみに、ビデオゲームは格ゲーが主流で、もじぴったんはあったら面白いだろうけど多分無いだろうなと思っていたが、やはり無かった。

 ふらっと寄っただけだったのに、結構堪能して外へ出た。一旦ホテルに戻ろうかということになり、西門駅を目指すことになったのだが、見事に道に迷う。というか、どうせ妻はここを読んでないので書いてしまうと、いつもの悪いクセで、分かっていないのに先へ行くものだからどんどん外れた方向へ進んでしまう。気温が35℃とかその辺りで推移しているので、ちょっと歩くだけでも結構消耗するので「諦めてタクシーで」と言ったのだが、聞いてもらえない。
 結構な時間をぐるぐるしていたが、耐えきれなくなって私が先導する。持っていた地図と大きな建物とを見比べて、大体の方角に当たりをつけると、そう時間をかけず西門駅に出ることができた。

 消耗が激しかったのでとっとと帰ろうとしたが、今度は私の悪いクセが出て、台北駅の鉄道グッズショップ臺鐵本舗に足が向く。来ると毎回買わずにはおれない臺鐵時刻表をまず確保し、この他に『全国鉄道旅行ガイド』(意訳)と『台北バス案内』(意訳)も購入。あと、『鉄道旅行』という雑誌の最新号が欲しかったのだが、置いてあったのがうちにあるヤツまでで買えなかった。あと、買えなかったと言えば鉄道Tシャツは欲しいデザインのものがあったがサイズが合わずに購入断念。

 ちょっと心残りはあったものの、概ね満足の行く結果だったのでホクホク顔でホテルに戻った。

 部屋でちょいと一休みのつもりだったが、結構疲労がたまっていたようで、目が覚めたのがもうだいぶ遅い時間だった。

 疲れを取ろう、という主旨で、前々から行ってみたかった呉神父健康中心というマッサージ屋さんに行くことを提案。ここが地下鉄の駅からちょっと遠いので、時間節約のため(ここが重要)タクシーで、というとすんなり要求は通った。運転手さんに地図を示すと、すぐに理解が得られ、走ること10分あまりで目指すビルについた。
 ただ、ビルがガイドブックだと百貨店と書いてあったのだが、現状は普通の雑居ビルだったのと、名前が十足健康に変わっていたのとでちょっと戸惑いつつも、無事にたどり着けた。

 中へ入ると、ちょうど空いていてすぐにできるとのこと。足裏だけでなく全身マッサージもできるということなので、各30分ずつ受けることにした。
 ここは対応表を見ながら足ツボマッサージを受けられるので、「ああ、今やってるところが痛いってことは、自分はどこどこが悪いのだな…痛い痛い痛い」と理解しながら受けることができる。

 まず長椅子で足湯を10分ほど受けてから、専用の施術用椅子に移る。夫婦揃って眼精疲労が持病なので、目/肩/背中/腰あたりとつながるところは特にぐりぐりと念入りにほぐされる。私は偏頭痛持ちなので、それプラス頭も。

 長いような短いような30分が過ぎ、今度はベッドに移って施術を受ける。指が悪いところを的確に探り当ててくれる効果的なマッサージに、足をほぐされたことと相まって、すぐに眠たくなってしまう。気がつけば30分はあっという間にすぎていた。

 これで1人1000元は大変安い。格安というほかは無い。

 店を出て、夕飯の算段でもしようかと思ったが、まだそれほど切実でなかったため、すぐ近くにあった『頂好(wellcome)』という名前のスーパーに行ってみることにした。
 実は、前回及び前々回台湾に来た際、台北101の中にある食料品売り場で普段使い用に烏龍茶のティーパッグを買っていたのだが、「これは普通にスーパーで買ったほうがお得に違いない」と思い、買い物の機会をうかがっていたのである。

 ハイ、大正解。
 そう言いたくなるくらいに充実した品揃えと安い値段。天仁茗茶の凍頂烏龍茶100個入りが130元。台湾産の乾燥マンゴーが49元。3個入りのパイナップルケーキ20元。
 この他、ホテルのリンスインシャンプーが気に入らなかったのでシャンプーとコンディショナーも購入。これは台湾産ではなく香港のメーカーのもので、2つセットで145元。洗顔フォームを持って来忘れたので探していたら使い慣れたビオレのを売っていたので購入。119元。ついでにカミソリも。これは日本の貝印は置いてなかったのでジレットの2本セットを選ぶ。45元。

 他にも色々買いたいものはあったが、まだ2日目なのと、このあとも移動するスケジュールなので自重。

 買い物終了後は、程近くにある誠品書店という本屋へ。ここは日本で言うと紀伊国屋かジュンク堂に該当するであろう巨大書店。書店部分は24時間営業だし、それ以外にも文具やCDDVD、フードコートまで揃っている。

 まずは書店部分へ行き、雑誌コーナーで台湾プロ野球を扱った『職業棒球』の九月号を発見して確保。事のついでに『Taipei Walker』(もちろん台湾角川発行)九月号も確保。この他、専門書コーナーで野球解説本を探したのだがそもそもスポーツ書籍のコーナーが無い。途中、中華民国秋海棠地図、という蒋介石以来の行政区分で中国大陸を描いたものを発見したのでこれも確保。北京が北平になってたり首都が南京だったりするので現実とのギャップが楽しい。

 結局諦めて、以上の3点だけ購入。レジに誠品書店のオリジナルエコバッグがあったのでこれも購入。

 文具コーナーを見てからフードコートに行ったら、もう営業時間が終わるとのこと。じゃあ、ということでCDDVDコーナーを丹念に見て回る。日本アニメのコーナーはもう昼間散々見たので、今度はアニメ以外の日本映画のコーナーを見ていたら、小津安二郎シリーズの他に戦争ものが思いのほか充実していてビックリした。日本海大海戦とか連合艦隊とか。どの層に受けているのか。やはりお年寄り向けなのか。
 あとはクラシックCDコーナーで買うか買わないか、かなり迷ったが最後は手ぶらで店を出た。

 さぁ、夕飯の算段だが、もう遅いしコンビニでなんか適当に買って帰ってホテルで喰うか、とも思ったが、せっかくなのでまだ開いているであろう士林夜市に向かう事にした。台湾だとこの「せっかくだから」が結構原動力として生きる。

 誠品書店前に止まっていたタクシーに「我想去士林夜市」と書いたメモを見せ、夜道をすっ飛ばす事20分ほど?で到着。



 さすがに人でみっちりという事は無かったし、一部にはもう閉まっている店もあったが、それでもまだまだ十分にぎやかで、食べるものにも不自由しない。目移りするので、焦って飛びついて「あ、あっちのほうが良かった!」にならぬために、とりあえずぐるっと一周回る。

 回った結果選択したのが棺材板という、字面だけではとても食べ物とは思えない不思議な名前のソレである。おおざっぱに言うと1/3斤くらいに厚切りした食パン(耳はカット済)のなかにクリームシチューを放り込んで揚げるという、これだけだと大変油染みてこってりした料理に思われるだろうが、意外とそうでもない。

 前回台湾に来た時に台南でこれを食べて旨さが忘れられなかったので、夕食のボリュームとしては物足りないが「ここでとりあえず棺材板を食べてからもう1件回ろう」という結論で決着。

 中身の具材が色々選べたので、私は牛、妻が鶏を選択。他には羊とか海鮮とか大体6種類ぐらいあったと記憶している。

 うまい。台南のものを台北に持って来て大丈夫かと思ったが、大丈夫だった。そもそもあんまり土地柄が関係しない食材だし。これまであんまり物を食べてなかった事もあって、あっという間になくなる。

 2件目はふつーの店。魯肉飯があって青菜炒めがあってという至極オーソドックスなお店。ビールが置いてあるのが珍しかったけども、我々は基本飲まないので恩恵にはあずかれず。その他、目についた結構あれこれ注文し、「あれ?頼みすぎた?」と思うくらいに頼んで、それでも空腹の成せるワザから無事全部食べきることができた。

 さすがに食べ過ぎたので、市場内をうろついて胃の中をデフラグする。途中、目についた冬瓜茶を見て「おお、冬瓜茶がある」と言ってたら店の人が注文と勘違いして用意されてしまう。タピオカ入りでおいしかったのだが、胃の中をデフラグしているさなかだったので若干苦しみながら、それでも漢方の力か、飲んでいるうちに胃の中が楽になって来る。
 余裕が出て来たのでトドメに台湾ソーセージの香腸をいただいて〆とする。

 帰路もタクシーでホテルに戻った。。夜市は地下鉄剣潭駅が目の前にあったのだが、もうお腹いっぱいで動きたくなかったというダメな理由で。

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台湾旅行記2009 初日

 寝たのが4時半。起きたのが7時。趣味のために寿命を削るのはもうやめようと決意したのはいつだったか…。
 とりあえずシャワーを浴びて目を覚ます。

 意外と疲労感はない。ハードな勤務が自分を鍛えてくれたのかそれともこれから台湾に行くという事実が生み出す高揚感のためか。

 飛行機の出発時間は11時20分。チケット受け取りや荷物検査その他の出国手続きなどにかかる時間を考えても9時くらいまではここでのんびりしていられるのだが、今日は絶対可憐チルドレン18巻の発売日。これは出国前に入手しておきたいところ。とっとと身支度をして早めに宿を出てツタヤへ向かう事に決定。このとき、宿備え付けのカミソリが安物で顔をちょっと切ってしまったのだが、大事には至らず。次回泊まる時は自前でカミソリを用意しようと心に決める。

 チェックアウトを済ませ、まずは最初の予定どおりツタヤへ。しかし絶チルは新刊コーナーを探しても見当たらず。そのため店員さんに頼んで探してもらうと、配送便の荷解きがまだ終わって居なかった事が判明。特別に早めに荷解きをしてもらい、無事に入手する事ができた。朝の忙しい時に何をさせているのか、という点については大いに反省。

 無事に入手できたので、あとは朝食である。喫茶店でちょっと甘みの強いコーヒーを飲んで済ます事もできたのだが、せっかくなのでフードコートに陣取って2人でめいめい自分の好きなものを買ってくることにした。
 妻はコーヒーのみだったが、私はせっかくだからと朝から寿司を食べるという暴挙に出る。しかも1人前だけにしておけばいいのに、「お、穴子がある。さんまもある」とガスガス追加してとんでもない量に。大量の寿司が朝から目の前に。寝不足のテンションなのか。なにやっているのか。

 一応、「妻にもお裾分けをしようと思って」という言い訳はあったのだが、1貫しか食べてもらえず。ヒィヒィ言いながらなんとか予定時間内に最後まで食べ切る。

 食べ終えて、セキュリティチェックを受けに向かうが、その前に出国手続き自動化登録を済ませておく。これが関空では出国当日のこの日から受付開始ということで、このなんとも稀な偶然によって、登録番号が一ケタになる。

 あとは特にやる事もないのでとっととセキュリティチェックを済ませてしまうことにした。毎回毎回、ここに関してはどれほど時間的余裕があってもイライラさせられるのだが、今回もご多分に漏れず。直前まで何の準備もせず自分の番が来て初めて慌てだす人とか見ていると、どうしてもどうしても。

 無事通過後今度は出国手続き。自動か登録が無事済んでいるので、並んでいる人たちを尻目に、専用ゲートへGO。専門の係官に介添えされて、パスポートを読み取り機にかざし、指紋登録した指をあてる。
 この間30秒足らず。無事通過。登録した甲斐があった。通過後、夫婦揃って小さく小さくガッツポーズ。

 さて。搭乗開始までずいぶんあるし、マッサージでも受けて待とうと思っていたのだが、ゲート通過後の区域にあったその手の施設が軒並み改装工事中という。わざわざケータイに関空のサイトをブックマークして事前に色々調べていたクセにこういう重要な情報が抜けている私。
 見事になにもする事が無くなってしまい、せっかくだからと今回の搭乗口とは逆方向に見物に行って時間つぶし。これで意外と時間が潰れてしまい、あとは道々買い物しつつ搭乗口へ。

 ありがたいことにゲート通過後の売店に売っている飲料は機内持ち込み可なので、がっつり購入しておく。台湾でしこたまお茶を飲む予定なのにも関わらず、敢えてお茶を購入。しかも2本。

 カバンに余裕があったので、小腹が空いた時用にドーナツも買う。これがまさか帰国翌日の朝ご飯になろうとは、このときの私には予想だにしなかった。

 買い物も終わって、搭乗口前の待機場所へ。椅子にだいぶ空きがあったのでスペースを利用して荷物整理などしつつじっくり待つ。到着後の予定などあれこれ打ち合わせているうちに搭乗開始時間がやってきた。
 本日満席と聞いていたが、それほど人が居ないことに首をひねりつつ機内へ。

 真ん中4人がけの通路側から2人で座る。荷物は足元に置いて、いつでも引っ張りだせるようにしておく。どうせ2時間半のフライトなので読書にせよ文章を打つにせよそれほどまとまった時間は取れないが、それができるという状態にあるだけで気分的に大きく違うので。

 満員という事前アナウンスのとおり席はどんどん埋まっていき、座ってから数分のうちに気がつけばもう空席はほとんどなかった。「じゃあみんな乗ったし、早めに離陸しようか」という訳にもいかないのだろうが、この後ちょっと待たされたのちにようやく離陸。この間にとっとと毛布を借りておいたのは前回空調の利き過ぎで苦労した経験に基づくもの。
 離陸に関しては、さすがに飛行機に乗り馴れたので特に感慨もなく。「早くベルトサイン消えないかなあ」くらいにしか思わなかった。隣の妻は気圧変動に弱いのでそれどころではなかったようだが。
 
 待望のベルトサインが消え、さてパソコンでも出すか、と思ったが座席が狭いので本にしておく。絶チルを一気に読破し、「ああ、感想まとめなきゃ」と思ったが狭くてパソコンが出せないので以下略。今度は昨夜買った文庫本を取り出す。駅前旅館が期待以上に面白い。さすが井伏鱒二。
 しばらくしてやって来た機内食は量こそ減ったものの、味は落ちていなかったので十分満足できた。
 食べ終えて緑茶で一息つく頃には、もうぼちぼち尖閣諸島上空。台湾はもう目の前である。なにしろフライト時間は2時間50分。新千歳〜福岡便とさして変わらない。

 そんなわけでなんだか海外旅行に出た気がしないまま無事に飛行機は桃園国際空港に着陸。

 荷物が足元にあるので座席からの離脱もスムーズにいって、とっとと機外へ出る。どうせ荷物の拾いあげで時間がかかるのだから焦って出る必要はないのだが、やはり狭っくるしい飛行機の中は苦手だ。
 出て、まず一番近い両替所(兆豐国際商業銀行)で1万円分両替。このときのレートが3470台湾元。これに30が手数料取られて3440元が手元に残る。これだけあれば空港内で何か買い物をするには十分過ぎるし、今日1日の活動にも支障ないだろう。去年来た時が大体3000元前後だったのでだいぶお得。

 その後、入国審査も無事済んで、あとは荷物を拾い上げてガイドさんのところへ行くだけ。この拾うための待ち時間に妻も台湾銀行の両替所へ。リアルタイムで変動している事と、銀行ごとで若干のレート違いがあるようで、3510元に同じく手数料30元だった。
 無事に荷物を拾い上げ、税関検査も通過。ようやくロビーに出ると、近ツーの書類を持ったガイドさんが待っていた。李さんというそのガイドさんにお世話になって、トヨタのワゴン車で一路台北市内へ。
 車内で日程の説明、時差の事や通貨の事、お勧めマッサージ店のお話などを聞きながら、車窓からの眺めにわくわくが止まらない。晴れ渡った青空の下に広がる光景は、眠っていた記憶を次々に呼び覚まし、これからこの街で過ごす日々への期待はいやが上にも高まっていく。一番テンションが上がったのは台北駅と台北101がセットで見えたときだ。この近代と現代が融合した眺めこそ、台北の象徴だろう。

 そんな感じで過ごしていたため、車中の40分もあっという間に過ぎてしまい、我々はお茶屋さんで両替するみなさんと別れ、シーザーパーク台北にて下車。チェックインを済ませ、部屋で一息入れる。

 妻が思ったより早く回復したので、とっとと出かける事にした。第一目的地の場所柄を考えて、手持ちの現金を増やしておこうと思い、出かける前にホテル近所の銀行に両替へ行く事に。シーザーパークのすぐ隣にあった慶豐商業銀行にて30000円ほど。両替にはパスポートが必要という事をぼんやり覚えていて携帯しといたのが幸いして、慌てて取りに戻るという事はしなくて済んだ。

 警備員さんに「2階ですよ」と教えてもらって、階段を上がる。「Please,Exchange Japanese Yen New Taiwan Doll」かなんかのアヤシい英語が無事に通じて、3万円ほど両替してもらった。ここは手数料無し。レートは1万円あたり3517元。3万円で10551元を入手し、これで手元には空港で入手したのとあわせて約14000元が。

 気を大きくして、早速光華商場へ向かう我々。MRT台北駅から板南線南港行きに乗って2つめ、忠孝新生駅で下車。4番出口を上がって目の前の大通りを北に向かって歩くと、ほどなく光華數位(デジタル)新天地のビルが見えてくる。



 以前来たときはビル完成前だったので、プレハブの仮小屋のようなところに店がみっちり詰まったカオスっぷりで、狭いながらも活気溢れて楽しかったのだが、通路のスペースを広く取ったことで店舗スペースが常識的な配置にとどまっており、そういう意味でのインパクトは減少した。それでもアキバのラジオ会館にも似た独特の空気は我々夫婦のオタ心を十分刺激してくれた。
 まずはエレベーターで一番上まで昇り、各店舗の確認。オタビルというよりは電脳ビルなので、パソコンとか携帯電話とかを扱っている店舗が多い。どっちも買って帰るわけにはいかないのであんまり物欲を刺激されない。MP3プレイヤーも先日新しいのに買い替えたところで食指が動かない。ソフト屋が思ったよりなかったのが意外と言えば意外だった。
 むしろ蛙蛙書店という本屋が私を引きつけた。翻訳された日本の漫画やライトノベル(こちらの言葉だと軽小説)が所狭しと陳列されており、わくわくしながら店内を探検する。そんなに広い店舗ではなかったので収穫としては絶望先生台湾版の十六集のみ。1階のコンビニで飲み物を仕入れて、中庭のテラスで一休み。私は台湾に来たら烏龍茶かパパイヤ牛乳と決めているので、とりあえず両方仕入れる。疲れているのでカロリー補給のためパパイヤ牛乳にしておく。うまい。しみる。

 休憩を終えて、今度は交差点の向こう側にある八徳玉市へ。買う買わないはさて置いても宝飾品は見ているだけで楽しいので。ホントにそれだけのつもりだったのだが、光華數位新天地に入っていた蛙蛙書店の本店がこっちにあった。店舗の広さが段違いなので置いてある本の冊数もこちらが格段に上。日本でも普通の本屋には置いていないような漫画の台湾版がずらり。当然のようにBLコーナーなんかもあったりした。
 書棚を丹念に見ていくうちに、さきほど購入した絶望先生台湾版の最新刊十七集が面出しで置いてあることに気づいた。十六集が台湾での最新刊だと思っていたのだが、十七まで出ていたのか。これはまずなにより即確保。

 さぁ、あとはどうするか。
 スーツケースを一回り大きくしたとは言え収納スペースは無限ではないので手当り次第に購入というわけにはいかない。しかもまだ初日だ。焦りは禁物。じっくり店内を見回し、いささかでも冷静になったところでそう結論付け、絶望先生以外は台湾版週刊少年マガジンの新少年快報41号のみで留めておいた。


 そのあと、諦め悪く近辺をうろついていたら、2階にあるお店が大当たり。基本的にそのお店は日本でいうところのとらのあなというかメッセサンオーというかメロンブックスというか。神保町でいうところの芳賀書店というか。売っているアニメ漫画は18禁がメイン。なんと驚く事に繁体字訳した同人誌まで置いてあるという奇怪なまでに力の入った品揃え。

 ここに、さよなら絶望先生DVDの台湾版はあった。1期と俗と両方あった。






 どちらも売値が2枚組で160元なので「これ、どうみても正規版じゃないよなあ」とか思いつつも、さんざん探しまわった事でストッパーが振り切れており、勢い込んで購入。発売元が松竹になっていたり原作が森山敦って書いてあったりする上によく見ると一部簡体字だったりと、どう見ても大陸の拷貝(コピー)製品だが、もう買っちゃったので後には引けない。


 初日としては十分な収穫を得て、ホテルに戻る。荷物を置いて一息入れて、夕食をどうするかの相談に入る。候補はそれこそ無数に挙がるが、初日の割に余力があったため少し遠出をしようという事になり、臺鐵で一駅、松山駅で下車して食堯河街觀光夜市へ向かった。松山駅はいつの間にか地下駅になっており、場所も去年来た時に比べていささか東に寄っていた。おかげで去年よりちょっと余計めに歩く事になった。

 さて、夜市だが。
 名物の胡椒餅は行列ができていたのでパス。とりあえずぐるっと一周回って目星を付ける事にした。私は基本的に魯肉飯さえ食べられればあとは何でも良かったので、気軽にぶらぶらと歩く。途中、しばしば漂ってくる臭豆腐の臭いにクラクラしながら、ああでもないこうでもないと言いあっているうちに、反対側の門まで到達してしまった。
 どこもこれだ!という決め手を欠いたのでちょっと話し合って「臭豆腐の臭いを嗅がずに食べられればいいや」という結論に達し、ちょっと戻った所にある四神湯という看板の出ている店に入った。
 看板どおりここは四神湯が名物らしいのだが、魯肉飯で頭がいっぱいになっていたのでスルーしかける。店員さんに確認されてようやく発注。
 四神湯は漢方流薬膳スープで、若干のクセはあるものの、さほどの苦もなくすいすい食べられた。ただ、他にもあれこれと頼んでしまったために量的な意味で食べ切るのに苦労はしたが。
 3回めの台湾だというのにまた料理の頼み過ぎやってしまった。もはやお約束状態だな、と苦笑しながら腹ごなしに夜市を歩く。

 途中、明日以降に備えて足だけでもマッサージを受けておこうということになり、今度はマッサージ屋を探して夜市をさまよう事しばし。特に良し悪しの判定基準もないので、目についたところに飛び込む。
 入った所は今時珍しく、按摩さんのいるお店だった。

 素早く足湯の準備がなされ、椅子に腰掛け足を湯につける。
 ここも椅子にテレビが付いていたのでつけてみると、台湾版アニマックスがやっていたのでここにチャンネル固定。やっていたのは「涼宮春日の憂鬱」。台湾の声優さんが現地語を喋っていて、しかもこれが繁体字字幕という超地元仕様だったが、なんだかんだで7年中国語をやって来た恩恵か、なんとか理解できた。そもそも日本でもハルヒのアニメは見てこなかったのだが、断片的に色々持っていた知識でカバーできた。

 正直な話、途中から見たのに非常に面白かった。国境を越えてファンが付く訳である。残念だったのはエンディング主題歌が流れなかった事。日本語がそのまま流れるのかそれとも歌詞を翻訳した台湾版が流れるのかに非常に興味があったのだが。

 ハルヒが終わってそのあとが零之使魔(ゼロの使い魔)。これはちゃんと釘宮ボイスが聞こえてきた。幻聴ではなく日本版の映像に繁体字字幕のパターン。やっぱり釘宮病は国境を越えるのか。

 肝心のマッサージは非の打ち所がないと断言できるほど上手かった。やはりこの道一筋で生きてきた方の技術は並大抵ではない。
 軽くなった足に「これなら明日もバッチリ動き回れるな」とニコニコしながら夜市をあとにした。
 松山駅まで戻り、ちょうどやってきた自強号(特急)に乗って台北駅に戻る。

 一番前の座席に座ったのだが、目の前には食品会社のポスターがあった。食品会社のポスターというと、大体起用されるのは男性にせよ女性にせよ20代30代が多いと思うのだが、左卜全似の老人がメインになっているのポスターは台湾ならではだと思う。
 このポスターがきっかけで台湾滞在中気にかけてポスターを見てみたのだが、起用される人間の年齢層が日本よりも高かった気がする。

 初日とは思えないみっちりと詰まった日程に流石に疲れが出たので、部屋に戻ったあとはとっととシャワーを浴びて就寝。

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その後

道挟んで反対側の八徳玉市になぜかオタ本屋があり、そこには絶望先生の17巻が面出しで置いてありました。もちろん即買いでしたとも。
一緒に台湾版週刊少年マガジンこと週刊新少年快報も買いました。
さらには玉市の二階にあったエロの殿堂みたいな店で絶望先生のDVDも無事に発見しました。
明日は西門町のアニメイトで絶望放送のDJCD探します。



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台北光華商場数位新天地にて

絶望先生のDVDは見つからず。とりあえず単行本16巻は見つけたので確保しました。円高のため、かなり物価が安く感じられるのでガンガン購入したいんですが、物理的障壁があるので、その辺はスーツケースの空きスペースと相談ですね。



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台湾旅行記2009 出国までの道のり編

 今年は自分の居る部署で1人、3ヶ月ほど休職する人が出たため「夏休みはその人が出てくるようになってから取ってね」と言われ。
 そのため9月15日以降に取る事になり。「じゃあ5連休と絡めてとってもいいですか?」「おっけー」ということで最初はかなりハイテンションになったものの。

 まずつまずいたのが手配の段階。かなり早い段階で動き始めたのにも関わらず、人が休む時期なので長々と滞在する事が難しい。出発日を9月17日にしたことで、延泊さえしなければ3泊4日シーザーパークホテル2人で10万を切るという大変魅力的なフリーツアーが存在したのだが、これをもう1泊延ばそうとしたところでかなり苦労させられることに。本当なら1泊ではなく2泊延泊が希望だったのだが、各方面に探りを入れて、別のもっと高いプランでどうにかこうにか1泊延泊にて決着。

 本当に連休に旅行をするという事は大変なんだな、と結論づけるのはまだ早かった。8月30日夜半から体調不良になり、4日ほど寝込む。高熱と発疹でふらふらになり、一時期は出国が危ぶまれたが翌週には無事完治して一安心。

 この病気がきっかけで、関空に前泊する事を決定。出国日が平日という事もあり、遅れがちの阪和線朝ラッシュ回避というメリットもある。
 しかし、好事魔多しという言葉のとおり、まだ障害が発生するという…。出国日直前になって、諸事情により急遽職場で配置転換が。なんとか夏休みは確保される事になったが、最悪の場合旅行そのものを中止しなければならなくなりかけて冷や汗がだくだくと流れた。
 見習い業務で朝6時から手に血豆を作りながらあくせく12時間労働という状況になった代わりに、出国前日が午後3時に勤務終了という思わぬ特典が付いたのだが。帰宅→荷物確認→出発という流れもスムーズに、まずは京都駅へ向かい、仕事を終えた妻と合流。
 まずはいつもの京都タワー温泉で汗を流してたまった疲れを癒す。ここもすっかり知られてしまったようで、だいぶにぎやかだった。まぁ、人気があるうちは無くなる心配もしなくていいという事でもあるのでありがたい限りだが。

 さて。夕食とどうするか。中華料理は論外として。色々検討した結果伊勢丹にある柿安へ。バイキング方式で和洋中満遍なくおいしくいただいて、せっかくなので祝杯もあげてから特急はるかに乗り込む。
 仕事のあとなので着席即居眠り開始となって、関西空港までの道のりもあっという間だった。
 到着してとっととチェックイン。日航系のホテルに泊まるの初めてだが、さすが関西の国際玄関口にあるだけあって豪華。ネット予約のおかげで安く泊まれるからこそこの選択が可能だった訳だが、正規料金だったら妻を説得できなかっただろう。

 さて。
 部屋に荷物を置いて関空内部に買い物に行く。既に結構夜遅い時間だが、24時間空港なのでまだまだ開いている店は多い。主目的地はツタヤとローソンなのだが、せっかくなので2人でちょいとあちこち探検もしてみる。事のついでに店がほぼ閉まっているフロアのトイレをわざわざ使ってみたりとかも。大変子供じみている事を自覚しつつ、最後に飲み物食べ物と小説2冊を手に宿へ戻る。

 ちなみに小説は井伏鱒二の駅前旅館と山本周五郎の町奉行日記。ツタヤにはオタ系の本もあったものの、その手の本は台湾で何冊買う事になるか分からなかったので、ここはスルー。

 あとは軽くシャワーでも浴びて寝ればよかったし、実際妻はそうしていたのだが、私はブログの更新用文章を打っていたので寝たのは午前4時を回っていた。そのためにホテルの部屋をネットつなぎ放題にしたとは言え、何やっているんだ本当に。

 絶望放送何回聞いたのか分かりませんよ。ええ。

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台湾応援のための更新をしたいのですが

 文章が上手くまとまりません。
 それでもあまり遅くなると意味をなさなくなりますので、見切り発車で申し訳ないのですがいくつか書かせていただきます。

 まずは八八水災に遭われたすべての皆様にお見舞い申し上げます。支援のための文章やサイトリンクはなどは後日として。今回はとりあえず台湾を応援したくなる動画を貼っておきます。




 ああ、こういう事をやっている国を愛さずにはいられません私。

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どこまで続くか分かんないけどとりあえず企画を立ち上げてみる

【東方】台湾の東方コスプレイヤー大集合!【台湾】←リンク先ニコニコ動画につき、要アカウント。

 旅行までの間、こんな感じでじわじわと台湾ネタを取り上げていくつもりです。が、初っぱなから人を選ぶネタですいません。でもこういう国だから好きになったんです台湾。オタネタに国境は無い、というよりも、日台間が異様に近い気がしてならないんですが。
 日本の同人ゲーのオンリーイベントが他国で開かれるだけでも結構凄いと思うんですが、その上この盛り上がり。ぜひぜひ今回の旅行では台湾のオタな方々と交流を深めたいと思ってしまいます。具体的に何をどうしていいのかさっぱり浮かびませんので、とりあえず繁体字で名刺を作ってみようかと画策してます。

 「こうするといいよ!」というアドバイス等ございましたらぜひぜひお願いいたします。

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お知らせ

 9月の17日から遅めの夏休みを取って台湾に行って参ります。今度は4泊5日の結構長めの旅で、もちろん今回もフリープランなので色々回ってくる予定ですが、なにしろその場の思いつきで動くのが大好きな夫婦なので、ろくに見通しが立っていません。ただ、前回行きそびれた光華商場数位新天地にはぜひぜひ行ってみるつもりです。あと、絶望グッズの充足度チェックでアニメイト台北店にも。

 そんな感じでリアルタイム現地レポート等もしていきたいと思いますのでその節はよろしくお願いいたします。

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