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ふさ千明のおたネタ日記

漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。

ヴンダーカンマー1巻 感想

 徳間書店より出る奇才、徳間書店に還る。というわけで実はこれが徳間書店から出る西川魯介先生の初単行本でした。考えてみれば屈折リーベはキャプテン休刊後に白泉社から出たものでしたし、考えるまでもなくその後の作品は連載していた各出版社から出ておりましたので、当然と言えば当然なんですが、あとがきを読んで初めて気がつく迂闊。

 古巣に戻ったからという訳ではないんでしょうが、らぶこめ、ドイツ、異形の者、メガネ、ツンデレ、メカといつもながらの西川節全開で、すべてを拾いきれないほどに溢れんばかりの小ネタと趣味的描写で満ち満ちておりました。また、過去作から引き継いだネタや設定もあちこちあって、結構長いこと追っかけて来た身としては嬉しい限りです。


 また、今回はそれと知らずたまたまなのですが、メロンブックスで買ったためメッセージペーパーを入手することが出来て大変ラッキーでした。こういうことが有るから「とりあえずメロン」という買い方になりやすく、販売戦略としては大変妥当なものと申せましょう。

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シグルイ12巻 感想

 凄絶。この漫画の新刊を読んだ感想はいつもこの2文字に尽きてしまいます。凄にして絶。生まれる因縁があり、絶たれる命があり。読むほどに心が引き締まる思いがします。読む時は一気に読み、ながら読みをするような真似はとても出来ません。そんな作品を語るには乏しい私の言葉ですが、語らずにはいられないので拙いことと言葉足らずなことを承知で毎回書かせていただいております。

・敗残者に冷たい社会。これだからこそ、当時の武士は進んで自ら死を選んだのではないか、と感じさせてくれる良い演出。
・そこにはない打鮑を、有るが如く食らう藤木。そこには身体の一部を失った者のみが感じる何かが見えていたのではないかと思います。
・骨子術が出てきましたが、伊良子の過去話と見せかけて、実は…というこの辺の展開のさせ方がお見事でした。
・無明という言葉が大変重かったです。見る者を死に至らしめるほどの闇に満ちた心は、果たしてこの後どこへ向かうのか。
・いくと源之助の間に横たわる過去が暖かければ暖かいほど、今が惨い訳で。この辺の話運びもさすが山口先生。
・死して尚、虎眼先生は猛威を振るいます。今も続く伊良子と藤木の闘いですら、虎眼先生の手のひらの上の出来事なのかもしれない、とすら思います。

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good!アフタヌーン 3号 感想

 すいません。すっかり発売日忘れてまして、店頭で見かけて即確保でした。

 にしても毎号看板級が休載ってのはどうなんでしょうか。雑誌としての立場がまだ弱いんだろうなあ。

 表紙
 アフタヌーン本誌と違って明るい色調を心がけておられるようですが、すべてはヒヨスの太ももに持って行かれちゃってる気がします。足の開き方の無防備さがいいですね。


 私物プレゼント
 すげぇ。『かもすぞ』と『龍神丸』が出てる。応募するためだけにこの雑誌買う人も出てきそう。
 他にも垂涎の一品が出てますが(藤島先生の作画セットとか都築先生のイラスト入りカードリーダーとか)、我が家的には石川先生のおかげで何に応募するか決まってしまいました。

 純潔のマリア
 異端審問の話来ました。我が家にも『魔女裁判』なんて本がありますんで、個人的にはなじみのある話なんですが、一般的にはどうなんですかね?腐れ坊主の手練手管などは結構ニヤニヤしながら読めましたが、あの辺は馴染みの有る無しで評価が変わってくるような気もします。
 にしても「そなた達が知るこれらの常識はヤハウエの創造でもイエスの言葉でもない」という台詞、ホント当時のヨーロッパに聞かせてやりたいですね。現代でも似たようなことやってるところはあるのかも知れませんが。

 ウチはおおきい
 ゆる4コマ新連載来ましたね。こういうのは雑誌に1本あるといいなと思ってました。good!アフタヌーンは濃い漫画が多いので、箸休め的な存在は雑誌全体にプラスになると思います。
 「大学の後輩で元同級生で元先輩」とか「動物の飼育を認める」とか棟梁の半纏に萌とかアイマスクに対閃光防御とかネタが私好みなので次号も楽しみです。

 サヤビト
 なかなか面白いですね。読み応えありました。話の誘導の仕方も良かったですし、ぱんつとか入浴シーンとかもバッチリでしたし。
 こういう主従股旅ものは一回書いてみたかったほど好きなテーマなので、個人的には大歓迎してます。絵もストーリーもよく出来ていると思いますし、駆け足にならずじっくり描いていってほしいですね。

 夏の前日
 いいなぁ。いいですなあ。童貞喪失直後の男の戸惑いと振り回され方がうまく描かれてます。「童貞捨てても世界は変わらない」と言いつつガンガン変わっていく主人公がいいですね。視線の向け方とか人を見つめる時の表情とか。
 でもやっぱり「今日は2時間くらいしか寝られなかったが…………」「正直」「悪くない」が最高ですね。私は2時間は経験ありませんが似たようなことはしたものです。
 すいません。えろす方面ばっかり話が行ってしまいましたが、「ただ」「あたし見たいのよ」「彼と」「彼の見る世界を」という締めの台詞、見事でした。恋を象徴する言葉として実に見事です。

 路地恋花
 私にも、身近に絵を描く人間が居ました。才能にあふれ、しかし処世術は無く、「ああ、将来こいつが絵で飯を食うようになったらマネージャーでもやってみたい」と思わせてくれるようなやつでした。本心を言えば「俺の書く文章にこいつの挿絵で」だったんですが、正直自分はプロになれるとは思えず、しかしそいつの描く絵はお金のもらえるレベルになると確信できました。
 残念ながらそいつは絵を描く仕事にこそ就きましたが漫画家やイラストレーターにはならず、私をマネージャーにすることはありませんでした。もちろん私も作家になることもライターになることも無く、現在一介の小役人として細々とやっております。それでも文章を書くこと、そしてそれを人に読んでもらうことが止められないのでこうして書いておりますが。

 今回の話はそれを思い出しました。
 我々男同士だったのでもちろん今回の話のような展開になることもなったんですが、「壊れたらええわ」と、どちらかがどちらかに突きつけることが出来れば、また違った人生があったのかなあと思いました。

 蹴球少女
 1ページとは言えフルカラーとは。
 後ろ向いてる娘誰?と思ったら新キャラでした。
 今回はぱんつとかおっぱいとかよりも巨乳要塞四〇五高地でお腹いっぱいでした。1ページ使って何描いてんですか。
 しかしこうやって3人を11人に増やすって何話かかるんですか。こうやってハーレム漫画になっていくんですね。分かります。にしてもこのまま行けば1人男であと10人女の子か。1人か2人、女装男子が入る予感。

 やまとものがたり
 今回は「オオナムチもオオヒルメムチもヤマトの大神として共にお祀りしましょう!」につきますね。なぜ多神教なのか、八百万の神なのか、という答えの一端がここにあります。
 大切なのは、そして大切にしてきたものは、神を祭りたいと思う心です。
 次回から新展開のようですが、どんな切り口で描いてくれるのか、大変楽しみです。
 
 ハルシオン・ランチ
 「無力」「無軌道」「無関心」三拍子そろってしまいました。
 窒素爆弾には「ああ」と膝を打ちました。あの「能力(ちから)」、こんな使い方も出来るんですね。
 とりあえず今回でストーリーの背骨部分はよく分かりましたが、よりカオスになりました。新キャラのトリアゾはまともに会話が出来るタイプなので話が若干でも進むかな?と思った私が甘かったです。沙村先生もっとやってください。

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アオバ自転車店07巻 感想

 すいません。遅くなりました。

 いい出来でした。今回大ネタが入っていたので、今までよりパワーアップした感じでした。やっぱり今の制作ペースを若干落として取材に時間掛けた方が良いんじゃないかなあと思ってしまいました。もともと月刊ペースだったのが、今はヤングキングとアワーズと両方に連載(毎号ではないにしろ)ですからねぇ。いくら何でもハイペースすぎます。

 まぁ、提言はこのくらいにして。

 十字號かっこいいよ十字號。
 てか軍事関係の知識でしか知らなかったものがまさかアオバで出てくるとは…。裏表紙見て「お」とは思いましたが。さすが軍用部品使用のジュラルミン自転車。まだ現役で走ってるとは知りませんでした。
 あと、ブレーキやフロントフォークの話は知りませんでした。やっぱりヒコーキ屋、しかもあの身軽が身上の零戦の三菱、安定性は二の次ですかそうですか。
 
 十字號、乗ってみたいとは言いませんが、ぜひ一度、この目で見てみたいと思っておりました。その夢がちょっとだけ叶ったようで、大変嬉しく読めました。

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ヴィンランド・サガ 7巻 感想

 表紙のクヌート王子が往年のオルドナ・ポセイダルを彷彿とさせてました。『神を許さぬ。』という帯と相まって迫力に満ちています。にしても王子、目つき悪くなりましたねぇ。

 本編でも王子メインで展開し、すっかりトルフィンが脇にまわってしまってます。今のままだとトルフィンは埋もれてしまいそうですね。まぁ、こっから一段二段と成長し、主役然とした活躍をしてくれるんでしょうけども。

 今巻、その王子と双璧を成す活躍をしたのがアシェラッドでした。王子バーサス王の場面で颯爽と割って入ったシーン、決闘2件、過去話。いいですなあ。勇あり、智あり。オヤジの魅力満載でしたよ。見てきた地獄の分だけ抱えてる武器も多いということでしょうか。

 あと、衝撃的だったのはユルヴァが母親になり既に3人の子持ちであるという情報です。相手はどこのどいつなんでしょうか。なんて事はない村の青年だった、という逆意表をついてくるかも知れませんが、こういうところに伏線を感じてしまうので、とりあえず期待して待っておきます。

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ワシズ 1巻 感想

 帯の推薦文は赤木しげるでした。
 表紙の絵は見る者に「答え」を要求しているかのような目をしたモノクローム鷲巣様でした。ある意味キャッチーですが、気後れする人も結構いそうな気がします。

 さて。
 私は連載を追いかけているので単行本の内容自体は全部既読の物でしたが、やっぱりまとめ読みするとがっつんと来ますね。鷲巣様の狂気が織りなす物語があまりにも強烈です。しかし、それが単なる狂気ではなく、一本筋が通ったある種の哲学を含んでいることが、読み進めていくことで理解できます。「俺一人の戦争」「地下帝国」「人材だ」等々、名言の数々がそれを生み出す精神世界を嫌でも理解させずにはおきません。

 今から2巻の発売が楽しみです。
 

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聖☆おにいさん買ってみました

 しかも1、2巻まとめて。
 購入はある坊さんの影響です。といってもその人と直接の面識はないんですが。

 この漫画、ヘタリアよりも危険な香りがしますね。でもそこがどうしようもなく面白いです。ヨシュア(現地読み)とブッダの2人(?)の、ずれたりかすったりする愉快な東京生活が。
 例を挙げるとブッダのブッダ全巻衝動買いとか。「偶像崇拝禁止しとけば良かったな」とか。ヨシュアで言うと湖面歩きネタとか「ミカエルは猫派でビンゴ」が面白かったですねぇ。会話で言うと「ねぇ君もしかして看病とかしたことない?」「病人とか私が近づいた時点で治っちゃうから」が好きです。凄すぎてダメって言うのは新しい気がします。

 基本的にしっかりもんのブッダとやんちゃでうっかり者のヨシュアですが、どっちもダメ人間の色をにじませているのがこの漫画をさらに愉快にさせているのだと思います。
 来月発売予定の3巻はきっちり発売日に押さえようと思います。

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ファイト一発!充電ちゃん5巻 感想

 また見逃してましたすいません。というか、1月は正月だったので1日にうっかり備忘録を作らなかったんですよね。そらあ見逃すわ。

 前説と言う名の言い訳はこのくらいにして。
 お話は急展開と言うか結構な勢いで進み始めましたが、その一方でらぶこめ部分も順調に、かつじわじわと進捗しております。惚れた男の顔面に涎垂らすのがらぶこめかどうかは微妙なところですが、そのあとのドタバタはきっちり正統らぶこめでしたねぇ。

 そんな緊迫した状況の中で、ぷらぐが人間兵器扱いされているのをうらやましがるだけでは飽き足らず、自ら第二陣を志願するとかいうアレスタのアレっぷりにはあきれる通り越して感心しました。

 そんなこんなでライフコア編がこの巻で一応一段落した訳ですが、らぶこめ街道とはまた別の血ヘドを吐く覚悟でぷらぐが選んだ道は彼女や彼女に関わるものに対していったい何をもたらすのか。それは次巻のお楽しみ、でした。大変きれいにまとまっておりました。
 5巻がいつもより若干厚みが薄めなのはアニメ放映に合わせて急いだからではなく、ライフコア編の終わりに合わせたからなんだと、読み終えて納得した次第です。

 そんな感じで今回はあんまりギャグで笑うような部分はなかったので、一番笑ったのはおまけ漫画の部分で閃登が角生やされちゃったところでしょうか。そっちのせんとと絡めてくるとか、相変わらずこの人の漫画は油断ができません。

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深夜食堂第3集感想

 いつも行く近所の本屋に置いてなくて、別の店で買ってきました。そこでも最後の一冊でした。売れているようで何よりです。

 今回一番良かったのは半分こです。半分こはいいものです。我が家でもよくやります。うちはさすがにここまでぶつかりあったりはしませんが。「一人にはちょっと多いね」がしみました。我が家がなんかの事情で一人夕飯になるとお互いぞんざい飯になっちゃうのはこの辺があるからでしょうか。

 逆に引いちゃったのが鍋焼きうどんです。いい話だけどなあ…さすがにこれは、と思うのはまだ青いからでしょうか。筆おろし自体はいい話かも知れないですが、受験生を朝まで寝かさないとかはなぁ。「今年もあったかそう」じゃないっての。

 また、本作は基本的に連載誌が対象年齢高めのビックコミックオリジナルなので登場人物の年齢も高めだったりしまして、私等まだまだ若輩者である事を改めて認識させてくれる事もこの歳になるとうれしかったりします。なんかこないだから書いてる事がおっさんくささ倍増ですいません。

 あと、どうでもいい事だとは思いますが、3集で午前4時、5時と来たのでおそらく次の4集では6時7時になりますが、その後どうするんでしょうか。これ自体やめちゃうだけならいいんですが、万が一にもそこで連載終わりとかは勘弁してほしいところです。

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リイドコミック乱3月号 感想

 なんか雑誌のカラーがここ数ヶ月で徐々に変わってきててちょっとした違和感がありました。

 一十郎とお蘭さま
 いい話で終わりました。ずいぶんラストをかえてしまったので賛否両論あるところとは思いますが、これはこれで良かったんじゃないでしょうか。原作がどぎついお話ですので、このくらい薄めてちょうどいいくらいではないかと。単なる「身分制度厳しき時代に咲いた身分違いの恋」というありがちな話にはなっていないと思いますよ。あの骨カリカリシーンのおかげで。
 

 風雲児たち
 巨星墜つ。
 あり得たかも知れない未来を思うと、その死を惜しまずにはいられません。合掌。
 幻の十日間が遺したものは良くも悪くも大きかったようで。安政の大獄後半部分はこのとき井伊直弼が味わった恐怖の反作用なのかとすら思ってしまいます。
 しかし、斉彬侯、日本を変える前に親父さんからなんとかしなきゃいけなかったですね。てーかまだ生きてたんですねあの人。すっかり忘れてましたが。

 その一方で今回は蔵六さんの名言がありました。「現場主義も結構だがそれなら天文学は宇宙へ行かねば分からないという事になる」「美しい宇宙の法則も紙の上に再現できるから私は萌えるのです」お見事です。現場主義だけでも机上の空論でもダメ。現実と理論がかみ合うから「萌え」なわけですな。文系人間の私にもちょっとしみました。

 料理屋花善物語
 「この器がはっきり申しております」いいなあ親方。これ読んで思わずこの日の夕飯は妻に任せず私が作ってしまいました。三十路になっても漫画に影響されやすい生き物です。
 娯楽の少ない時代であればこそ、そして飢饉という言葉が肌に迫る恐怖であった時代であればこそ、食べる楽しみという言葉には、想像もできない重みがあった事と思います。

 人斬りの走馬灯
 司馬遼版人斬り以蔵とはまたひと味違う悲哀のこもったお話でした。貧窮問答歌そのまんまの苦境が支配階級であるはずの武士の家で起こっていたという事実は他国では理解されないでしょうねぇ。ドイツなんかだと郷紳と呼ばれる階級は結構貧しかったそうですし、そうでもないのかな?
 それにしても「一つぐらい…人間らしい事を…」という思いが結果として師匠を売る形になったのは歴史の皮肉でしょうなあ。

 でんぢらう日記
 親孝行は難しい。特に性別が違う方の親に対しては。あと、嫁孝行も難しい。身につまされました今回の話。

 剣客商売
 グロいお話でした今回。いろんな意味できつかったです。これはこれで楽しめたのですが。己の面が原因で家督も継げず、17歳にして流人同然の身の上。これだけでも醜男の私には結構きつかったんですが、その歪みが生んだ技のキレと性的志向。きっついなあ。
 最後、名人上手の手にかかって生涯を終える事ができたのがせめてもの慰めでしょうか。剣の道を知らぬ私には想像もできぬ事ですが、そんな事を思いました。

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