絶望先生SS 日塔奈美の日記 その22
「なみ平ってそんなにラーメン好きだったっけ?」「え?あ、うん。そうだよ。気がつかなかった?」
久しぶりに会った友人とご飯を食べることになって。ラーメン屋を選んだときに、そんなことを聞かれ、私は少しだけ嘘をついた。
確かに元々好きではあったのだけれども。私が今みたいにラーメン好きになったのは、ついこの間のこと。こんなになっちゃったのは、ある人に出会ってから。
「糸色先生、ラーメンお好きでしょう」
その会話を耳にした時は。へぇ~、先生ってラーメン好きなんだ。と。そう思っただけだった。
先生のことが好きになって、付きあい始めてから、一緒にご飯を食べにいくことになって。「日塔さん、何が食べたいですか?」と聞かれて、思わず「ラーメン!」と答えて。そのとき、先生が嬉しそうな顔をしたから。「じゃあ、私の行きつけの店があるんです。そこにしましょう」って、弾んだ声で答えてくれたから。そしてその日、2人で食べたラーメンがとってもとってもおいしかったから。食べてる時の先生の笑顔が、初めて見る顔だったから。
そうして私の好きな食べ物は、ラーメンになった。
(第八集第七十二話「数とともに去りぬ」P22より。あと、数々のラーメン好きネタから着想)
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