CD「マリオネット」購入しました
とりあえずジャケットには突っ込まないでおくとしまして、曲の内容を中心に。
アニメの歌というものは放送サイズの場合決行結構編集されているもので、フルで聴いてみないと分からないものですが、このマリオネットもやってくれました。2番の歌詞に「オナペット」はさておくとしても、絶望少女達のソロパートがあるとは。しかもキーが物凄く高いし。野郎はもちろんのこと女性だって歌えない人結構居そうなくらい高いこの部分が曲に透明感を加えてグッと心をつかまれました。
ただ、アニメのエンディングなので、目をつぶって聞いていると靴ひも結んでいる先生とかポーズ取ってる普通とか庭に集う糸色一族とか浮かんでくるのはもう致し方ないというよりむしろ当然至極の事態かと。それだけこの歌が絶望先生という作品とマッチしているということでもあります。全く作品のイメージにそぐわないタイアップ曲が世に出る一方で、絶望先生は本当に恵まれていると思います。人として軸がぶれているから始まって、これしかあり得ないというくらいビシッとハマった曲ばかりです。
また、カップリング曲の「オマモリ」についてですが。
只野菜摘ってすげーな、という感想がまず真っ先にあります。デッドラインダンス、デスの時に全面降伏したんですが、今回もう一段持っていかれました。素人がこんな褒め方をするのは大変僭越で、かえって叱られるかも知れませんが、絶世美人の詞を書いて、あれとそれこそまさに同工異曲みたいなコンセプトのこの曲の詞がここまでのものになるとは、文字屋としての引き出しの、その中身の多さに脱帽最敬礼。嫉妬も出来ないくらいです。
ゾンで韻を踏むところがやっぱりエロスとタナトスだったりとか、ザクロという果物が死にまつわる逸話のある(鬼子母神でググると出てくると思います)な上に絶望先生の作中にも出てくると言うまさに絶妙なチョイスだったりとか。
こういう人がプロの作詞家になるんだなぁと納得した次第です。
だって、同じことを二度やるのって大変ですよ。同じ畑から同じ作物を収穫して、「こないだの料理と材料も調味料も一緒だけど、でも違うものにして」と注文されているようなものです。
話をちょっと広げますと、松宮恭子さんと言う作詞家さんがおられまして、この人も敬意や敬服を通り越して全面降伏したくなるような詞をお書きになります。私が作詞家という分類で個人に興味を持ったのはこの松宮さん以来です(岡崎律子さんや山本正之さんはシンガーソングライターなので私の中ではまたちょっと違う分類になります)。
比較するのも失礼になりますが、ド素人のまねごとで私も作詞なんぞしたことがありまして、詞の力で曲を歌にしていくという作業の大変さについては思い知らされたことが何度もありました。その記憶からも、やはり只野菜摘すげー、になるわけです。
と。脱線しすぎましたので話を戻します。
音楽には好みがありますから迂闊に勧めることは出来ないのですが、さよなら絶望先生のアニメを楽しめる人には買って損のない可能性が高い1枚であると思いました。
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