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ふさ千明のおたネタ日記

漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。

限界集落温泉2巻 感想

・オタクの力で温泉街の再生というテーマはラブプラスが大掛かりにやってしまいましたねぇ…。まぁ、あっちがかなり大掛かりだったこともあって、ネタがかぶったりはしないと思いますが。どうあれ、この作品が面白ければ読み手としては問題はないのです。そして、2巻もしっかり面白かったです。
・しかし、この漫画は他の作品のように個別の場面を拾っていって突っ込み入れる形での感想が書きにくいですね。展開が早いからでもなく、突っ込むべき事柄がないからでもなく。おそらく、1つ1つの事象が密接につながりすぎていて、切り離して語ることが難しいんでしょうね。
・ということで珍しく総論的感想を。現在の主人公的存在であるゲーム屋のおっちゃんが、行動力と口のうまさとちょっとした知識とで物事を切り抜けていく展開は往年のクレイジーキャッツ映画を彷彿とさせました。論理的に正しいことよりもその場の雰囲気で押し切っちゃう方が大事だったりしますよね。実際も。
・と言いつつ、群像劇的な面もあるので、彼の思惑だけでは物事が動かなかったりするところもありますが。この辺、集団を御する、導くということの難しさがよく出ていました。特に今は情報が溢れかえっていますので、不確定要素が多すぎます。色んなものに振り回されつつも、縁ができた人間同士が、互いの存在やつながりを悪しからず思い始めていくというのも古いタイプの人間である私には大いにグッと来ました。
・田舎独特のしがらみの多さよりも、都会の疎遠さの方がむしろ恐ろしかったりするのかも、というのは都会モノのタワゴトなんでしょうねぇ。しがらみの多さはネットワークの強さと表裏一体でもあるので一概には否定出来ませんが、物事を新しく始めたり別方向へ押し出したりしようとする時には何よりも強力な障壁になります。そういう面をしっかり描きつつ、その中でその田舎を己の居場所と定めて突き進もうとしているゲーム屋のおっさんの姿は痛快ですらあります。そのおっさんが強気一辺倒ではなく、鬱に襲われたりしているからこそ、余計に。
・そして、この漫画のもう1人の軸であるネットアイドルアユポンですが、まだ今のところ『物語を転がすためのエンジン』という視点でしか見ることができません。彼女を1人のキャラクターとして見るにはあまりにも便利な存在過ぎるので。中願寺有希という新たな女性キャラが登場したことで、キャラクターとしての存在感を増していくことに期待します。

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