楽園 Le Paradis5 感想
・絵面的には今までで一番のどかかも知れません。
・でも相変わらず画面の外から伸びてくる謎の手は存在するんですよね。この手があるおかげで色々と妄想の幅が広がりますね。例えば…書けませんが。
・満開手前の花は、女性の年齢にも掛けてあるのかな、等々も考えてしまいますね。ええ。
・まぁ、あとは、庭でほころぶ花を楽しみつつ横になっていると、あらわになった太腿その他に発情した男が誘いをかけている図、とか色々想像の翼は広がります。
花火の恋
・事の最中に意識がそれるようなヤツは袖にされてもやむを得まい。
・おかーさんかっこいいな。二宮流女傑。
・愛とは何か。10代のうちに簡単に定義できるもんじゃないし、人に教えてもらうもんでもないと思います。
・おさんどん、という古びた言葉を引っ張り出してきたくなるような少女、花火。
・「あたしよりよっぽど」「老けてんじゃん?」「このこたち」損得でしか物が考えられないのはエネルギーに欠けていると思うんですよ。あと、「すぐしちゃったらすぐ飽きられる」というのも、ねぇ。
・愛される理由、欲しいけど、欲しくない。
・「エロまんが家の娘はやっぱしエロだろうって」「期待したのかよ!!」親というフィルター越しに自分を見られる事は堪え難いのでしょうね。特に、彼氏彼女の関係たる相手には。でも、ホントにそんな期待だけで付き合ってたらとっくに逃げてると思うんですけどね、この展開なら。
・そして、やや唐突に、全てが明らかになる。なってしまう。
・扉越しに訴えかけるおかーさんがかわいい。かわいくて涙が出そうになる。
・「悪い?」が好きです。抜け出してきたのか、飛び出してきたのか。いずれにしても街なかをパジャマで突っ切ってたどり着いてきた経緯を勘ぐると楽しくてしょうがありません。もちろん、その心のうちも。
・愛は言葉より、心身ともに実感したい。相手の行動の端々にほとばしってくれると、胸を打つ。
・そして、花火は咲きました。きっとこの子はいい女になるでしょう。2人の母親に似て。
コップと泥棒、その妻と愛人
・正直村と嘘つき村は寓話で知られていますが、前回はかぐや姫でしたし、なるほど、沙村先生はこの路線で行くんですね。
・「……嘘つき村がこーいうモノであって欲しいッ!」おっさん、ダメ人間だな。
・まさかのバウリンガル。この発想が沙村先生クオリティ。
・前回もそうでしたが、男がひどい。
・ひどい男がちゃんとひどい目に遭うのも寓話的。
・ああ、なるほど、こっちが嘘つき村だったか。納得。
14歳の恋
・できて当たり前はつらいものがありますよね。まぁ、それなりに得られる物もあるんですけど、中学生時分じゃ大して実感できないでしょうし、つらいだけに感じてもやむを得ないか。
・スケブで会話かぁ。相変わらずこの2人はニヤニヤさせてくれる。
・和樹、スッと他薦できるところとか、いかにもだなぁ。自分と同じクラスに居たらきっとムカつき半分な存在なのかもしれない。
・「「ああ 今」」「「顔が赤くなってない自信がない」」
・「彼方の」「後ろ姿」「いいし」なかなかじっくり見られるもんじゃないものね。ここだけを取り上げて彼を尻フェチ呼ばわりしてはいけません。いけませんってば。
・逆光がもたらした僥倖。見つめあう瞳と瞳。
・直視できねぇ和樹にうっかり萌えそうになった。いかんいかん。
・おそろい。いいね、おそろい。何かを共有したいという切なる願い。
・「学校で持ってたいの!」そしてその願いは今イチ和樹に届いていない模様。
・そして乙女の結論はいつも男を置き去りにする。そりゃ、眩しすぎて直視なんかできませんわな。
・のちのち、間柄がもっと進展したらもっと色んな事をするんでしょうが、この密やかなドキドキは何にも替えがたい、それこそ一生残るドキドキでしょうね。
被嗜虐深度
・黒咲先生は今回も絶好調です。
・若干小生意気で若干小心な少年と、淑女でワルいおばさんのお話でした。
・少年がわずかにイラついてるのは、待ちきれず逸る心ゆえか。納得。
・「少し暑いね」ゲーム開始。
・上着を脱いだ時の、びくっという反応に思わず笑ってしまいました。こういう初々しさはむしろ羨ましい。
・誘っているのか誘われているのか。少年に勇気を振り絞らせる、ゆるい駆け引き。
・全てが終わった後、後悔の念に駆られる少年と、やや冷めたようなおばさんと。
・しかし、全ては年の功の賜物だった、と。ワルいなぁ。
あまあま
・『14歳の恋』よりもちょっと先に進んじゃった裕司と美咲という2人のお話です。
・二者二様の胸の内が…でも中学3年でこれかこいつら。羨ましいなんてレベルじゃねーですな。
・策士の様でいて、実はめろめろでダメダメな部分もある美咲は、ある種の理想です。
・合格発表を先に見ちゃうのは主導権握りたがりなんだろうというのが見て取れてニヤニヤします。
・で、ベッドの上でも主導権を握ろうとするわけで。こいつらときたら…。
・時に大胆に、時に細心に。男子たるもの束縛されたり振り回されたりは多少の範囲ならご褒美だとつくづく思う。
・ベルトは痕がつきにくいから重宝するよね、うん。
サブリミナル
・色んな意味でタイムリーだったので、いつも『刺さる』シギサワ漫画の中でも今回は特に刺さりました。
・軽佻浮薄なイメージの中に、実際は色々抱え込んで抱え込んで、ついには抱え込みきれなくなってしまった男。そんな男を警戒していたはずなのに、受け入れてしまった女。求めたものは得られたのか、得られなかったのか。
・家族というのはなかなか厄介な物でもあります。たとえ少人数でもそれがチームとして組織として機能していくためには相応の努力が必要です。しかし、その余力すら無い程に追い込まれていたとしたら…。
・主人公の父が亡くなった知らせのシーンから先を読んでいくうちに、まぁ、そんな風に色々考えさせられました。ちょうどこの号を購入したのが、先輩の父の葬式帰りだったからかも知れません。もしくは、昨年夏に亡くなった私の義父の事を思い出させたからかも知れません。なんというシンクロニティ。
・人の死って刺さるんですよねぇ。身近で起これば起こる程に。そして、その時に身内がして欲しくない事を仕出かしてくれると、そいつを引き裂いてやりたくなる程の怒りと、真っ暗な虚無にどこまでも墜ちていくような虚しさを覚えます。義父の葬式の時は妻とはそういう事は無かったのでまだ救われましたが、もしこの作品のように「ようやく…なの?」とか聞かれた日には。
・そんな状況にあって、妻子があっても、他の男と付き合っていても、自分を救ってくれそうな女性を求めてしまう男を、私は責められない。
・あぁ、また感想でもなんでもない物になってしまった。すいません。ホントすいません。
ひたひた
・環境漫画だなぁ。海と裸と猫が楽しめます。シギサワ漫画でぐしゃぐしゃになった頭と心を解放してやるのに最適。どちらがいいという物でもなく、どちらも載っているから、この雑誌が好きなんだと思います。
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