ヴィンランド・サガ10巻 感想 感想・レビュー 2011年04月24日 ・戦いから『解放』されて、奴隷として平和に過ごすトルフィン。奴隷という言葉の語感からは違和感があるかも知れませんが、どうやら史実でもこんな感じだったところもあるようですね。勿論こういうのはケースバイケースなのでそうでなかったところも多々あるでしょうけれども。・戦いから遠いように見えても、人が集まるところでは、争いの種、揉め事の種は尽きず。悩みも尽きず。・麦の芽に感動するトルフィンの目が清々しい。・個人的には元奴隷のパテールさんのような生き方とポジションの取り方が出来るといいかなぁと思ったりします。・大旦那様には大旦那様の考えがあり、旦那様には旦那様の苦悩がある。失うものが有るということは無いよりはマシであっても、それが新たな苦しみを生む事もある。・戦いに明け暮れて過ごしたため、気がつけば戦い以外の事が空っぽだったトルフィン。そこに、今からでも遅くないからと色々覚えさせている大旦那様。こういう老人との出会いは、今も昔も貴重です。・他人の畑にまで来て、貴重な自由時間を浪費してまで、麦を全滅させていった奉公人達。人の足を引っ張りたい、どん底にたたき落としたい、自分より不幸にしたいという暗い情熱。その強固な軛からは、1000年前も現在も、人はなかなか自由になれないようです。・トルフィンの悪夢は、まだ止まない。魘される夜は続く。今回、暴力からの訣別を決意していましたが、それで解放される日は近づくのでしょうか。 [2回]PR