アオバ自転車店16巻 感想
・しかし、ハイペースだから悪いという事はありません。むしろ今巻は私好みのお話が多くて、個人的に当たりでした。
・最初は大沢親子の、ハートウォーミングなお話。だるまチキンがうまそうだったという感想以上に、自営業は大変だなぁ、と思う所アリ。あと、おツルさん早く帰って来てあげてください。
・「なんでミニスカサンタ~~」赤面三倍段&ニーソとミニスカが織りなす絶対領域。宮尾先生ありがとうございます。
・「黒いサンタ!?」ここでの、黒ちゃんのとぼけた表情が面白い。ちゃんと仕事として向き合ってる感じが出ています。あと、もともとはサンタって赤くなかったんですよね。某清涼飲料会社が広告として使った時に赤くしたのが由来とか。
・大学進学とその後に悩む受験生の話は、自分が受験生よりその父親に近い年齢になったことを痛感しました。『三国志を原典で読みたいから』という理由で進学し、結局文学ではなく思想を学ぶことになった私にとって大学とは、自分の器を広げる場でした。今現在、なんとか社会人として踏みとどまっていられるのは間違いなく大学に行って諸々学び経験したおかげです。
・さぬきペペロンチーノには、香川人宮尾先生の魂を垣間見ました。
・ミホちゃん、ついに長岡家へ。「わたし柳ミホと」「申す」あるあるないい間違えでつかみはオッケー。本人はそれどころじゃないんでしょうけども。ちなみに私ん時はこういう愉快な言い間違いは夫婦どちらもありませんでした。
・アルバム見ながら嫁姑で仲良く話をするのはいい入り方だなぁ。
・「うわぁー」「甘ずっぱーい」楽しそうだな。
・「責任は……」「とってくれないんだ」「そだよね」「ごめん!クミコちゃん」「昔のことはいくらでも謝るけど……」「オレこの人と結婚する!」タツロウ、漢を見せる。
・そして不謹慎な父親が賭けていたことが判明。
・「悪ィ」「ちょっとビビった?」「よかったね愛されてんじゃん」結婚式のスピーチのネタになりそうなエピソードだなぁ。
・事故のお話は本当に身につまされます。45歳にはまだ10年弱ある私ですが、歳取ってから大ケガすると治りが悪いんですよねぇ。
・自転車は人が乗ってこそ、というのはこの漫画の通しテーマのひとつであると思いますが、45年物の新古品でそれをやるというのがいいですねぇ。約半世紀日の目を見なかった存在が、折れた心に火をつける。
・「ケンコー号で健康になる」…もしかしてこのネタがやりたかっただけだったらどうしよう。
・そして、アオバ自転車店でもやってくれました、地震ネタ。絶望的状況で光を描ける宮尾先生に敬意を表します。
・私はあの地震発生当日京都におりました。テレビで見ていただけなので、その日の状況については実感としては一切持ち合わせておりません。なので、
・手付金だけでお客さんを見事捌いたワカバさん、自分のピクニカを貸しちゃったミホ、そのミホに自分のストライダを貸すタツロウ。皆、その状況下でベストを尽くす姿に『美』を感じました。
・「世の中いろんな事がおきるけど」「人を信じることをあきらめないで」同意、と言う以上に何も言うことはありません。
・地震関連のお話、続く。今度は計画停電でございます。自転車に乗り馴れない人が自転車通勤するとどうなるか、そして、夜の暗闇で走るとどうなるか。よく研いだ刃物のように鋭く、そして端的に事実を指摘する内容だけに、ぞっとしましたね。私が知らないだけで、もしかしたらここで想定された事故が実際にも起こっていたのかも知れません。何事も甘く見てかかると恐ろしいのです。
・「のココロだー」小沢昭一の小沢昭一的こころネタなんて何人が分かるんですか一体。
・あとがきでおっしゃっておられる、漫画家だから漫画で伝える、というその志は、当たり前の様でいて非常に難しいことだと思います。しかし、そんな宮尾先生だから、私はこの漫画を読み続けて来たのでしょう。本当に、読み続けて来て良かったです。そして、これからも読んでいきます。
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