絶望先生SS 日塔奈美の日記 その1
○月○日
今日から日記をつけ始める事にした。なぜなら、今日から先生と付き合い始める事になったから。
ダメもと、というかほとんど勢いだけで告白しちゃったけどまさかOKしてもらえるとは思わなかった。
ただし、「卒業するまで人前では隠し通す」という条件がついてしまった。えー、と思ったけど、「あなた、スコップで埋められたいですか?」と言われると何も言えなかった。
マジメな話、バレたら先生は辞めなきゃいけなくなるし、私だって学校にいられなくなるだろう。2人でこっそり付き合うって、これから卒業まで結構あるけど、うまくいくのかなぁ?
○月○日
今日は先生とデート、だったんだけど。
珍しく先生から誘ってくれて、嬉しかったんだけど。
「うちのクラスで野球に見に来るような人もいませんし」ということで、2人で球場に行ったまでは良かったんだけど。
「これで3時間は2人っきりですね」って言われて嬉しかったんだけど。
「あの選手はこういう選手で、このチームはここが面白くって」って結構熱心に教えてくれるのがかわいくて良かったんだけど。
途中で「いけない。大草さんがここでバイトをしてる」という事に気がついてしまって、言おうかどうしようか迷ったんだけど、やっぱりバレたらダメだから、「先生、大草さんが売り子してます」って耳打ちして、しぶしぶ席を離れた。
で、先生が大草さんと接触してから出て行ったんだけど、先生カモフラージュのためとは言え大草さんに抱き着いたり、私に「わざと性能落として普通にしてる」とか、ヒドすぎ!
今度絶対埋め合わせさせてやるんだから!
(第十一集第百六話「劣化流水」より)
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