絶望先生SS 日塔奈美の日記 その5
今日先生と「どちらにするかさんざん迷ったあげく全然違うもの選んじゃう事」という話をして、家に帰ってからふっと「もしかして私が選ばれたのもそういうことなの?」と思った。千里ちゃんか、まといちゃんか、もしくは霧ちゃんかで迷ったあげくの私って事は十分あり得る、というか、今まで謎だった「何で私なのか」への回答としてはあまりにも的確すぎて物凄く物凄くへこんだ。
明日、先生の顔をちゃんと見られそうにない。また学校休んじゃおうかなぁ。
(第十集第九十六話「私は日本には帰りません そういう決心をできませんでした」より)
○月○日
結局学校休んじゃって、夕方先生が様子を見に来てくれた。最初は会いたくないって言ったんだけど、先生に頼まれると拒みきれなくて、部屋に入れてしまった。
やっぱり来てくれた事が嬉しかったんだと思う。
学校にいかなかった理由を聞かれて、なかなか言えなかったんだけど「私のせいですか?」という先生の言葉に負けて全部話しちゃった。
「……日塔さん、私の事が嫌いですか?」「そんな事はないです。先生の事、好きです!」「私もです。それではいけませんか?」せっかくの先生の言葉に、ちゃんと返事が出来なかった。そしたら先生は「皆に隠して付き合っている以上、寂しい思いをさせる事も多いでしょう。理由とか根拠とか、目に見えないものに形が欲しくなる気持ちは分かるつもりですが、それでも私はあなたの事が好きなのですよ」って言ってくれて、やさしくやさしく、キスをしてくれた。
嬉しくて嬉しくて、涙が出た。
親不知な事、増えちゃった♪もっとたくさん増やせると良いな♪
(第十集九十七話「隠蔽卒」)
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