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ふさ千明のおたネタ日記

漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。

昭和生まれの平成懐古話第10回「トラウマアニメシリーズその3『無責任艦長タイラー』」

 実家には資料が唸りをあげるほどにあるんですが、今は手元に無いのでネットで検索した情報と記憶で書きますので、不十分な内容になるとは思いますが、どうかご容赦ください。
 にしても調べてみたら食玩とか出てたんですな。ビックリ。

 本作は1993年1月25日から7月19日まで全26回に渡って放送されたテレビアニメでした。また、これも調べて知った事ですが、現在まで続く製作委員会方式の嚆矢でもあります。

 まぁ、今ですからわりかし冷静に書けてますけど、アニメ化発表当時は大いに困惑したもんです。何しろその頃の私は今で言う『原作信者』、しかもバリバリの。どっちかと言うとむしろ狂信者?というくらいに。
 その私が落胆とともに迎える事になったこのアニメ化。情報を入手すればするほどに「ほとんど別ものじゃねぇか!」と叫んだり叫ばなかったり。
 まぁ、ご存知の方はご存知しょうけれども、何しろ設定から何から改変というレベルではなく、初めてその事を知った時には正直落胆しました。まず絵柄からして小説版の挿絵とまったく違いましたし(後日、この影響で小説の挿絵担当が交代するという事態に)、肝心の主人公であるジャスティ・ウエキ・タイラーもおっさんから20歳の青年に。中身も無責任というよりは飄々とした性格に。その乗り込む軍艦も重巡洋艦『阿蘇』から駆逐艦『そよかぜ』に。その他の面々も大なり小なり改変が施されてしまっていました。

 そもそも。アニメ化の1年半ほど前に発売されたカセット文庫版の無責任艦長タイラーがあまりにも原作に忠実で、テープがすり切れるんじゃないかというほどに愛聴していた私には、耐え難いほどの大幅改変でした。
 カセット文庫版と言えば。アニメ化に伴って声優さんが全面的に交代となっていたのも残念要素でした。まぁ、そもそもテレビアニメ版が原作とはまったく異なるキャラクターになっているので、今思えばその辺はしょうがなかったんですが、カセット文庫版があまりに理想的だったもので当時は大いにがっかりしたものです。

 と、ここまで散々あれこれとネガティブな話を書いてきましたが、アニメの放映が始まるとしっかり全話見てしまったわけです。そりゃもう、ビデオに録画してしっかりと。

 オシャレでカッコイイオープニングテーマ『just think of tomorrow』、原作の事さえ忘れてしまえばちゃんと面白い本編、そして見事にクールダウンさせるエンディングテーマ『ダウンタウンダンス』。ぶつくさと文句を垂れつつも、見ないではいられないのが何とも悔しかったですねぇ…。
 「くそ!何でこれがタイラーなんだよ!これならタイラーじゃなくても良いじゃないか!」そんな嘆きを何度発した事でしょうか。これがオリジナルアニメだったら何のためらいもなく絶賛できたでしょう。しかし。『無責任艦長タイラー』と名がつけば、やはりそこには自分が大ファンである原作テイストを求めてしまうのです。ストーリーにもキャラクターにも世界観にも。
 ですんで、割と原作そのままに近かったセッシュウ・ミフネ中将及びススム・フジ中将などは安心して楽しめたキャラでした。

 苦い顔をしながら半年かけてこのアニメを見ていた私は、全て見終えて大きくため息をついた後「面白かった」と白旗を揚げました。高2の冬~高3の夏というある意味青春時代真っただ中の時期だったので、そうするのはかなりの精神力が必要でしたが…。
 敗北宣言をして吹っ切れた私は放送終了後間もなく始まったラジオ番組『タイラー無責任倶楽部』も録音しながら聞いていました。ただし、当時の資金力の限界から、OVAには手が出ませんでしたが。

 かくて私は原作とアニメの違いという大きな壁を克服し、大概のものを楽しめる身体になってしまったのでした。これがトラウマアニメでなくてなんでしょうか。
 後日、アニメ版が波及して『真・無責任艦長タイラー』というタイトルでアニメ設定踏襲した小説が出るとは思えませんでした。もうさすがにそちらには手を出しませんでしたが…。さらに最近、初代の内容で挿絵を都築先生に戻したスーパーデラックス版なんてのも出たようで。買いませんけど。

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