昭和生まれの平成懐古話第11回「トラウマアニメシリーズその4『ゲンジ通信あげだま』」
はい。今回は物凄くマイナーなネタを持ってきてしまいました。たくさんの方を置き去りにするネタですいません。でもその名のとおり私の中では避けて通れないトラウマアニメなのでご容赦ください。
知名度があまりない作品だと思いますのでちゃんと解説をしましょう。本作は平成3年10月4日~平成4年9月25日にかけてテレ東系で放映されたテレビアニメです。
ヒーロー星(星の名前です)から夏休みを利用して地球の盛蕎麦市にやってきた主人公源氏あげだま(CV:佐々木望)が普段は小学生として生活しつつ、事件が起これば相棒ワープ郎と合体してあげだマンに変身し、謎の合成獣と戦いご町内の平和を守るというアクションギャグアニメです。
あげだマンの対立軸となるのがノットリダマス11世こと九鬼雷蔵とその孫の九鬼麗(怨夜巫女に変身)、そしてその部下の鈴木田中佐藤の3人衆なのですが、どうにもこいつらがダメダメで、見れば見るほどに非常に愛着がわいてしまう困ったヤツらでした。
金にモノを言わせて横暴の限りを尽くす成金の雷蔵、その雷蔵にワガママいっぱいに育てられた上、仕事で忙しく飛び回る両親の愛情を知らずひねくれてしまった麗、安月給でコキ使われる上にそんなに有能でもないためやられ役の哀愁漂う部下3人衆。ハッキリ言って途中からは悪役サイドを楽しみに視聴しておりました。
挙句、作中では監督初めとするスタッフが悪ノリの限りを尽くしております。監督本人がキャラとして登場したり小ネタとしてパロディを随所に差し挟んでくるぐらいならまだ良かったんですが、テレビアニメで堂々と1回まるまる宮崎アニメのパロディ回をやった上(第37話「クッキーはつむじ風」)、当時大好評放映中だったセーラームーンの月野うさぎと本作のヒロイン平家いぶきの中の人が同じだったため、ワンダーいぶきに変身するシーンをそのまんまほぼ同じにした上決めゼリフもほぼ同じ(「愛と気合いの小学生美少女戦士ワンダーいぶき(仮名)、あげだマンに代わっておしおきよ!」)にするなどの大変な問題作でした。
問題作と言えば、忘れられないのがエンディングテーマソングで。2パターンあったうちの後期バージョンがその名も『完全無欠の女王様』です。九鬼麗役の玉川紗己子さんが朗々と歌い上げるこの怪曲は歌い出しからして『♪クレオパトラも楊貴妃も小野小町も目じゃないわ』ですよ。その後も自らの素晴らしさを自画自賛し続けた挙句、締めは部下3人衆の1人が『麗様、救急車来ました!』と言うセリフで終わります。残念ながらこの中にウソは1個も入っておりません。こんなもんを毎週毎週欠かさず見てたらそりゃ私のアニメオタクっぷりも悪化しますわなぁ。
あと、夕方枠(18:00~18:30)のテレ東系アニメとしては今では信じられないというかほぼ不可能なことと思いますが、小学生ヒロインを堂々と脱がしてます。悪役の九鬼麗もハイパー怨夜巫女に変身するシーンで、シルエットヌードなどではなくかっちり肌色(一部ピンク色)で脱がされてます。
いい時代でした…じゃなくて、とんでもないアニメでした。
で、これが今だとニコニコアニメチャンネルに入ってるんですよね。怖くてまだ確認出来てないんですけど、宮崎アニメパロった回とか、変身おヌード回とかは無事に視聴出来るんでしょうか。見たところ『諸事情により欠番』とかにはなってないようですけど…。だとしたら随分ニコニコ動画も肝が太いというか腹が据わっているというか。正確には最終回の第51回が見れないみたいですけど、この件とは多分無関係かと。
ともあれ。うっかり勧めるには全51回と大変長い作品ですし、長く続いた分当たり回もハズレ回もあります。それでもぜひ、今日(こんにち)のアニメの隆盛を築いた90年代の影のあだ花として、妙に色んなところで愛されてしまった本作を、ぜひぜひ一度ご覧いただきたいものです。
くどくどしくならないようになるべくさらっと書いたつもりですが、それでもこの分量…。何しろここまでご紹介した中でも私にとっちゃ一番のトラウマアニメですからねぇ。
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