忍者ブログ

ふさ千明のおたネタ日記

漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。

絶望先生SS 日塔奈美の日記 その8

ずらっとならんだ急場しのぎの誕生日プレゼントと、マリアちゃんのクラス内ODAを見比べて、ちょっとため息。
そしたら
「まぁ、こういうのは気持ちが大事ですから」
と、先生がフォローをいれてくれた。
「で、先生はなにをくれるんですか?」
「?」
「まさか、用意してなかった、なんて言いませんよね?」
ちょっと意地悪な気持ちになって、にやにやする。
「それとも急場しのぎ力を見せてくれるんですか?」
ほんとうになにも用意されてなかったら絶対へこむくせに、そんな事ないって分かってるから、にやにやできる。
「何が欲しいですか?」
「え?もしかしてほんとうに用意してないんですか?」
「いえいえ。用意していたものとは別に、希望の物をもう1つプレゼントしますよ」
「いいんですか?」
「もちろんです。今日の出来事はあんまりですからね」
やっぱり先生優しいな。
「じゃあ、先生と大人のデートがしてみたいです」
「いいですよ。そのかわり、顔見知りに見つからないように遠出をしないといけませんが、ご両親にうまくごまかせますか?」
「うちは大丈夫ですよ。それこそ、外泊してもなんにも言われません」
「今時の普通のご家庭ってそんな物なんですかね」
「普通のご家庭って言うなあ」
「いえ、うちが厳しかったものですから」
そういえば先生のところは旧家だっけ。にしても、結構勇気を出して外泊OKって言ったのに、さらっと流されたぁ。
「では、来週の土曜日でいいですか」
「はい!」
やったー。先生のエスコートでデートだ。どんなかな。……変なところに連れて行かれてもへこまない心づもりだけはしとかないと。
「では、今日のお祝いをお渡ししておきましょうか」
リボンのついた小箱を渡してくれた。
「日塔さん、誕生日おめでとうございます。箱は家に帰ってから開けて下さいね。こないだのブランドものバッグみたいな事があると危険なので」
あれは怖かった。
「ああ、そうそう。ちゃんと親御さんには、外泊の件OKもらっておいて下さいね」
最後にそんな事言われたから、この日は寝るまで顔が赤いままだった。

(第十三集第百二十四話「尼になった急場」P51〜53より)

拍手[0回]

PR