コミック乱2012年七月号 感想
・桜田門外の変、後始末続く。
・安藤さんも苦労人っぽい顔してるなぁ。
・「かの文面お手柄にござる」「届け出通りご存命とする旨老中を説得いたし申した」「現在大老井伊直弼様は生きて藩邸でご療養中」「家督願い提出なされば万が一の時もご子息愛麿殿に相続くだされます」まさかの温情判決。
・「決して水戸様と事を構えるなど不穏な動きはなされぬよう………」温情判決の理由はこれでした。
・「ありがたいこれで井伊家の」「首はつながった……」ブラックジョークだけど笑っちゃいました。
・主君が首を取られた事を隠そうとする井伊家の姿勢に怒り心頭の遠藤但馬守。何でかと思ったらこの人も赤鬼の被害者でしたか。
・「積年の恨みはらさでおくべきや〜〜〜」元禄11年に転封されて以来約150年間の恨みか。それは重そうだ。
・あと、外様って書いてますけど、実際は准譜代扱いで但馬守は若年寄にもなってますね。
・「加田殿のお顔は存ぜぬが」「首の主はよくよく見知っているお方である、と」おお、ぐうの音も出ない程の正論。
・「貴藩の使者が遠藤家に何度も追っ払われている事」「大名たちの間に知れわたっており申すぞ」「それゆえなおの事家来の首として受け取らねばなりませぬ」「殿の首と認めるのは路上横死を認める事になり申すっ」これはこれで正論。
・「首のない胴を『生きてる』として幕府が押し通すのですから」「胴のない首も生きていて何の不思議もない」というわけで双方何とか面目を保ち、井伊直弼の『身柄』は彦根藩邸へ帰還。
・「半日ぶりに直弼の五体がつながった」長い半日だなぁ。
・井伊家対水戸家の全面戦争になれば幕府そのものにも大きな傷になりますからな。それを防ぐために神経を尖らす安藤さん。
・とは言え、まぁ、襲われた側としたら警備を厳重にするくらいはさせてもらわないとねぇ…。
・「非常事態宣言っ」この人ホントに有能だなぁ。
・今度は一路水戸藩邸へと向かう駕籠を阻んだのは大砲の陣列。一体誰が何のために。
剣客商売
・今回のお話は独り身の剣士牛堀九万之助。
・「お前の好きな牛堀の九万さんの顔を見て来るぞ。」「私がよろしくいっていたとかならず伝えてくださいよう。」「わしがあの世へ行ったあとは……お前を嫁に、もらってくれと、たのんでおいてやろうよ。」「ええ、たのんでおいてくださいよう。」この夫婦ならではのきわどい冗談。
・「よう、権ちゃん いつも達者で結構じゃな。」「権ちゃんはやめてくれというによ、おらもう六十七になるだよう。」今回小兵衛先生ウキウキですな。
・石山甚市なる剣士、腕前は確かなようですが、どうしても頭の突起が気になってしまう。
・「御指南をいただかなくては此処へまいりました甲斐もござりませぬ」ここだけ聞くとまぁ分からなくもないですが。でもなんか教えを乞うという感じではないんですよねぇ。
・「八千石の大身となれば三万石の大名にも匹敵する大層なものだ。」そう言えば、旗本は石高が低い分官位は高いのを貰ってるんですよね。
・その石山、廃屋の庭で抵抗できない男を滅多打ち。
・「わしを斬る気かえ。」小兵衛先生の眼光。
・「ばかもの」そして一喝!このシーンはちょっと往年の手塚漫画っぽく感じました。
・逃げる石山と、その被害者。
・屋敷内での石山の扱いの悪さは涙を誘われる。他人事とは思えない。
・そして、今回の件の経緯が明らかに。ああ、鬱憤晴らしだったのか。気持ちは分かるが、やっちゃいかんことがある。
・「人の本性は後姿にあらわれるというが、彼奴めは狂犬ではない… そう……独り法師なのじゃ。」さすがの眼力、小兵衛先生。
・「ええい、もう これだけ世間から見捨てられたおれだ。」「こうなれば橋本先生直伝の無敵流でおもう存分に暴れ回り死んでくれるぞ!」こうやって自棄になりやすいというのは、人間、独りであるという事はやはり危険なのですよね。
・こういう境遇であればこそ、暖かく接してくれた人間には人一倍報いる。いい奴なんだよなぁ…。
・「浅草にな、わしのせがれが小さな道場をやっている……」「そこでいっしょに稽古をしよう、どうじゃ?」「わしと一緒に稽古をするとおぬし、生き返るぞよ。」あたたかい、小兵衛先生のお言葉。
・「これでよし、これでよし。やはり…こうしてみてよかったわえ。」しかし…。
・牛堀経由で話は既に豊田に届いてしまっていた。放逐されて、せっかくの小兵衛先生の計らいも水泡に。
・1人斬り、2人斬り、3人、そして4人。斬って斬って、最後は民家に立てこもる。
・そして、小兵衛先生と最初で最後の手合わせ。斬られた顔の、なんと柔らかな事か。人を追いつめるのも救うのも殺すのも、やっぱり人。
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