昭和生まれの平成懐古話第13回 「トラウマアニメシリーズその6『ミラクルジャイアンツ童夢くん』」
ストックしていたのは実は別のネタだったのですが、球場ラヴァーズにあてられて色々思い出してしまいましたのでこれで書かせていただこうと思います。
ご存知の方は多いのでしょうか少ないのでしょうか。この『ミラクルジャイアンツ童夢くん』という作品は、今は色んな意味で無理だと思われる実在の選手がバンバン出てくる野球アニメでございます。
主人公の新城童夢が、父・夢人の遺志を継いで小学生ながら読売巨人軍に入団し、数々の魔球を駆使して活躍するというストーリーです。当然というか必然というか、童夢くんのライバルになるのは実在しない少年選手ばかりで、その中のひとりは男装女子です。童夢くんと恋仲になったりもします。
巨人なので当然放映していたのは日本テレビ系列ですし、東京ドームのイメージキャラクターとして人形になったりもしていました。私は当時巨人ファンでしたので、なんのためらいもなく視聴していたのですが、他球団のファン、特に一切の描写が無かったパリーグのファンだった人には実に複雑な思いを抱かせた作品だったのではないでしょうか。
ストーリーはアニメとしては割と王道路線で、少年の成長やらラブコメやらが描かれていて普通に楽しめたのですが、トラウマだったのはやたらインフレしていく魔球描写でした。
最初の『東京ドームの、ドーム球場ならではの気流を活かした消える魔球』であるスノーミラージュボールや同様の理屈で開発された分身するレインボースパークボールまではまだ良かったんですが、球速が300km近くにまでなってしまうサンダーバキュームボールや野球のボールからなぜかブラックホールが発生するハイパースピンブラックホールボールはさすがにちょっとついていけませんでした。
これをフィクションとして割り切るにはちょっと現実味がありすぎました。なにしろ実在の選手達がわらわら出てくるのですから…。コロコロコミックに連載されていた『リトル巨人くん』のように人間ドラマメイン路線だとアニメとしては厳しかったんでしょうけれども、魔球で無双→破れる→特訓→新魔球で無双→破れる→特訓→さらに新魔球で無双というエンドレスワルツは子供でもキツかったです。あれがなければもっと好意的な記憶として残っているんでしょうけども。
あと、蛇足的に今思い出したことを書きますが、阪神タイガースに大財閥の御曹司が入団したり大洋ホエールズにトンガから来た巨漢の少年が入団したりしたのはやっぱり『巨人の星』リスペクトだったんでしょうか…。
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