台湾旅行記2017(初日)
しかし、今年はなぜか「これ」というものが決まらなかった。
今回は6泊7日という長大日程なので大概のことはできるのだが、そしてやりたいことはたくさんあるのだが、なぜだか「これだけは必ずやろう」というものが決まらない。
「おかしい」「おかしい」と言いつつ結局決まらないまま出発の日を迎えてしまった。
今年はいつもの中華航空ではなくエバー航空のBR131便。理由は簡単、こちらのほうが安かったのである。
なにしろ往復で25700円(税等別)なのでかなりのお値打ちだった。
当日朝、車に荷物を積み込んで出発。3連休最終日ということで渋滞も覚悟してかなり早めに出発したが、予想に反して下道も高速も空いていて何のために早起きして出てきたのか分からないほどだった。
カーナビの予想到着時刻がどんどん前倒しされて、予定よりもだいぶ関空大橋に到達。天候に恵まれ、橋からの眺めも堪能できた。
さて。あまりにも時間に余裕があったのでまだ航空会社のカウンターも受付を開始していないし、今のうちに朝ごはんを食べておこうということになった。となると魅惑の食堂群を前にしていささか嬉しい悩みが生じる。
何しろ明石焼きや握り寿司、果ては朝から生ビールまでいただけてしまうのだ。
実に悩みがいのあるテーマだったが、卵かけご飯はさすがの台湾でもまだ見たことがないので鶏三和というお店へ。朝食限定の生卵定食には鶏出汁のスープに唐揚げ、ミートボールまでつくので朝から割としっかり目な内容となった。
その後、海外用携帯wi-fiレンタルや保険加入などの所用を済ませてもなお受付が開始されなかったので、久々に来る関空1タミをぶらぶら歩いて時間を潰す。とはいえスーツケースを抱えているのでそれほど回ったわけではないが、エレベーターが任天堂仕様になっていたり、住吉大社のお神輿が出張展示していたりとなかなか楽しめた。
ようやくチェックインが完了すると、その足で保安検査場も出国審査も通過。
保安区域内は店が少なく、過去足場にしていたネットカフェも撤退してからは居場所確保に苦労していたのだが、今年は幸いにして喫茶店が空いていて、のんびりコーヒーなどいただきながら飛行機を眺めて時を過ごせた。
店内に人が増えてきた頃合いを見て搭乗口へ向かうと、思わぬ場所にファミリーマートができていてギョッとする。
どんなものかと覗きに行けば実にごく普通のファミマで、Tカードも使えるしファミチキも扱っていた。一般的な店舗との違いと言えば、せいぜい店内で電気炊飯器を売っていたところくらいか。
搭乗開始までそんなに時間もなかったのでじっくり見て回ることはなかったが、搭乗口付近に来ても時間を有意義に使える場所が増えたのは嬉しいことだ。
機内食は煮卵やビーフンといった台湾メニュー。思わずドリンクにビールを注文してしまうくらいにはテンションが上がった。
食後は酔い覚ましを兼ねてお昼寝タイム。有料ながら機内でwi-fiが使えるということにはちょっと魅力を感じたものの、シャレで手を出すにはいささかお高い。
ふたり分、12万円を差し出すと31474台湾ドルが戻ってきた。手数料30台湾ドル差し引いて、実質1台湾ドル=3.8円という人生初の高レート。事前に確認済みとはいえちょっとした衝撃くらいは受ける。
いつもどおり地下のフードコートで休憩。私はセブンイレブンで烏龍茶のペットボトルを購入し、妻は春水堂で一息つく。喉を潤しながら「ああ、台湾に来たなぁ」と思うひとときである。
気力体力を回復させたところで、出発。今年はバスではなく、ようやく開通した桃園捷運(MRT)に乗ると決めている。帰りにはインタウンチェックインもできるということなので、ホテルをユナイテッドから台北駅前のシーザーパークに変更したりもしている。
直達車こと急行ならば台北駅まで37分。途中まではバスもいい勝負ができると思うが、向こうは市内に入ると途端渋滞に捕まるのでやはり鉄道のメリットは大きい。
MRTの駅は台鉄や高鉄の台北駅からはいささか離れてはいるが、段差がないように配慮されていたこともあってかスーツケースを転がすのにそれほど苦ではなかった。もっと言えば空調が効いている場所を歩けたというのも真夏の台湾では大変ありがたかった。
今回はこれを使ってみたいがためだけにホテルを台北駅前のシーザーパークに切り替えたのだが、そうしてよかったと思うくらいには便利だった。
出来立てで殺風景な通路を抜けて台北地下街へ出るといきなり華やかな雰囲気になる。もともとメイド喫茶があったり一番くじの公式取扱店があったりするくらいにオタ濃度の高い場所なので、荷物さえなければゆっくり回りたいところだが。
せめてものこと、FGOの巨大広告だけは撮影しておいた。
数々の誘惑を振り切って無事シーザーパークに到着。せっかくコンビニでフルカラー印刷してきたバウチャーを「無くてダイジョウブです」と言われたりしつつ、チェックイン完了。
案内された部屋は台北駅が眼下に広がるステーションビューだったので私ひとり無性にテンションが上がる。
荷物を置いて一息つくと、時間的にも夕飯はどこにしようかという話になる。毎年のことだが、初日の夜ということもあり遠出は避けて近場で済ませようという結論になった。
近場と言っても台北駅前の三越や地下街、駅の反対側にはなるがQスクエア等々、近辺だけでも選択肢は多い。
若干迷ったものの、台北駅2階のフードコートへ行き台湾料理では一番の好物である虱目魚(サバヒー)を食べることにした。注文したのは蒸した虱目魚に白ご飯、茹で野菜とスープがつく定食風。
ウナギとヒラメのいいとこ取りをしたような味はワサビ醤油と実によく合う。これを食べると台湾に来た実感が湧くという食べ物のひとつ。
食べながら、明日から何をしよう、どこへ行こう、何を食べよう等々、食事を終えてもなお話は尽きず。デザートに『小南門』で豆花を買い、それをホテルの部屋で食べながら、ガイドブックやタブレット、ノートパソコンを見ながら「ああもしたい」「こうもしたい」と計画とも希望ともつかぬ内容を延々と語り合った。
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