台湾旅行記2018(初日)
今年は12年で初めての事態が起きた。
何かと言えば旅行1週間前に職場で転倒して右肋骨を打撲するけがをしてしまい、それが完治しない状態で出国しなければならなくなったのである。
こうなると痛み止めを飲む関係からお酒も嗜めないし足つぼ以外のマッサージを受けるのも難しい。
それでも一時は旅行自体が取りやめになるかも知れないと覚悟したのだから、そうならなかっただけでも良しとしなければならないだろう。
この日の早朝。あの豪雨が嘘のような晴れ空のもと、自宅から高速で一路関空へ。
駐車場を出たところで修学旅行生の一行と鉢合わせてしまい思わぬ迂回を強いられたもののあとは特段のトラブルもなくチケット発券とスーツケースの預け入れを完了。
あとはWI-FIをレンタルして検査を通過するだけ、だったのだが。
私はこの4月にパスポートを更新したばかりなので自動化ゲート使用のための指紋登録をやり直さなければならない。狭い通路にたむろする人、人、人をかき分けるように進んで入国管理局の事務所に出向くと、3人ほど先客がいた。また、係官が研修中の新人さんということもあって思いの外待たされたが、無事に登録は完了した。
たったこれだけのことでもちょっとした疲れを覚えたのでサンマルクでコーヒーブレイク。私は痛み止めを飲むために固形物も胃に入れておく。
店内、ざわざわとしてどことなく落ち着かないので飲み終えたらとっとと出る。目指すは保安検査場。去年までと比べて一部のレイアウトが変更になっていたが、その分審査そのものはスピードアップしていて想定よりも随分と早く通過することができた。
あとは登録したばかりの指紋認証で自動化ゲートを通過して無事出国完了となる。
それはよかったのだが、この出国後の所謂KIX AIRSIDE AVENUEというゾーンは飲食店の数が少なくどこも非常に混み合っているので、ゆっくりと時間を過ごせるのがラウンジしかない。だが我々はゴールドカードなど持っていないし航空券も一番安いエコノミーシートである。これではラウンジを利用することなど出来はしない。
そこでちょっと休憩しただけで搭乗口まで行ってしまうことにした。
我々の利用する13番搭乗口の周辺もそれなりに混雑はしていたものの、遥かにマシ。のんびりくつろぐというところまではいかないまでも、これからの旅の計画を話すくらいのことはできた。
さてそろそろという頃合い、「空域混雑の為」なる理由で出発が遅れるというアナウンスがあった。これはおそらく被災地救援のために臨時で航空機が飛んでいる影響もあるのだろうと思うと何も言えない。
少しの遅れは出たものの無事搭乗し、離陸となる。
格安チケットなので4人並び席の真ん中に家人とふたり収まる。
飛行機といえば必ずあるのが安全器具の使い方を説明した所謂セーフティービデオの上映なのだが。
これがインド映画でも流し始めたのかと勘違いしてしまうような謎の演出をしており、動きと演出に気を取られて内容が全く頭に入ってこなかった。
去年はこんな内容ではなかったはずだが。
先日乗ったスターフライヤーといい、こういうのが流行っているのだろうか。
機内食を食べ終えると、あとは本を読むか寝ておくかなのだが、今回は機内ビデオで『探偵はBARにいる3』をやっていたのでついつい見入ってしまった。
当然短いフライトなので最後まで見終えることはできず、なんともすっきりしない状態で台湾桃園空港に到着。
どうせイミグレは混雑していることであるし、喫茶店でもあれば先に休憩してから並びたいところだったが、あいにくとそういうものは存在せず。粛々と列に並ぶ。
幸いにして進みは大変早く、10分ほどの待ち時間で私の番はやってきた。
この時初めて「パスポート変わりました?」と聞かれていささか戸惑うもそれ以外は何事もなく無事通過。
台湾ドルへの両替に外国人向けフリーWi-FiサービスiTaiwanの登録といつもの儀式を終えると地下のフードコートで休憩するのが我が家の習わしなのだが、今年は席が全て埋まっていて空きがなかった。
やむなくスターバックスに入る。これまで台湾に来てまでスタバはなぁ、という思いから利用したことがなかったのだが、メニューを見ると阿里山烏龍茶や東方美人茶がある。となれば話は別だ。
烏龍茶は品切れとのことで家人とふたり、ポットに入った東方美人茶をいただきながら今後の予定を相談する。加齢と共に体力的には下降線一方なのであまり無理をすることも出来ない。
明日は初の台湾離島チャレンジとなる金門島行きを決行するので特に今日は体力の温存を図りたいところだ。
セブンイレブンが異様な混み具合だったので飲み物の追加購入は断念してMRTのホームへ。空港から台北駅までは直達車(急行)で37分。市中に入ると渋滞に捕まってしまうバスと比べれば本当にあっという間だ。
空港MRTの台北駅から滞在先のシーザーパークホテルはちょっとだけ離れているのだが、スーツケースを転がすのに苦になるほどの距離ではない。
無事チェックインも完了して、ホテルの部屋でホッと一息。この12年、幾つかの例外を除いて大体ここを利用してきたのでやはり落ち着く。
最低限の荷解きや確認をしながら相談した結果、この日の夕食は台北駅を挟んで反対側にあるQスクエアのフードコートへ行ってみることにした。
台北駅2階や三越地下、台北101などのフードコートは既に経験済みだったが、ここはまだだったからというのが主な理由である。
行きがけ、三國無双8や不可思議的幻想郷などの広告を目にして台湾があいわからずであることを再確認。
賑わう人波をかき分けるように歩いて私がチョイスしたのは炒飯に牡蠣オムレツ、茹でた青菜に魚肉ボールのスープ。典型的な、というほどではないが十分台湾らしい食事ではある。味は大変良かったのだが、非常に残念なことには私の胃袋がそろそろこういうもので腹いっぱいにすることが苦しくなってきた。
悲しいことではあるが、残さず食べられただけ良しとせねばなるまい。
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