ここだけの話 第8話 そもそもの話 感想
今回は初見モードと2周目以降モードに分けさせていただきました。2周目モードはネタバレを多分に含みますので8話が未読であるという方はその旨承知の上でお願いいたします。
まずは初見モードから。
・「それじゃみなさん」「今月もお疲れ様でした〜」今月もってことは月例飲み会ですね。仲のいい職場だなぁ。
・酔いつぶれているさわちゃん先輩はダメかわいい。ちょっと離れたところから一部始終を見守りたいかわいさ。
・「いやあ いつも悪いね!あとはよろしく!お先に〜」怒涛のように押し寄せる社交辞令。
・『結局いつもどおりだし』溜息と共に諦めがつくくらいには既に慣れてしまっている模様。
・以下回想シーンへ。
・「岩崎くんじゃない?」「誰ですか岩崎さんて」そこでもう岩崎でいいですってならないだけ忍耐強いな青年(諦めたことあるやつ談)。
・これだけ酔っ払ってるのに頭痛も吐き気もないの純粋に羨ましい。強いのか、はたまた実際はそこまで量を飲んでいないのか。
・「ごめんね〜山崎くん」「違います」岩から石が取れて山になった。
・「くそっ 常習犯か」お酒飲んだ後の行動は大体画一化するので。
・下戸は辛いよな。わかるぞ青年。
・「そりゃいいや!おめでとう大崎くん さわちゃんお世話係決定ー!!」手書きのすっごくかわいい任命書作ってくれそう。
・「すげえなツッコミどころしかない」気が合うな青年。一字一句の狂いもなく同じことを思ったぞ。
・お世話係で嫌な思い出‥‥。私も下戸なんで無くはないですが、それよりも酔いつぶれかけた彼女を助けにも行けず電話越しに話聞くことしかできないことの方が辛かったなぁ(遠距離経験有)。それはさておき。青年、自分の目や手の届かないところで知るべが不幸になるくらいならボヤキながらでも面倒を背負ってしまうんじゃないかな、と。
・「このまま見放すのは目覚め悪いんで送りますけど」「ホントいい人なんだねぇ」だって嫌でしょ。置いてった人が翌日出社して来なかったら。
・「ごめん」「なおさら君にお世話係しててほしいな」無邪気そうな笑顔の陰にどんな感情が潜んでいるんだろうとか色々勘ぐってしまうのは私の悪い癖ですが。ここは特になにかこう、心の軋みみたいなものが見え隠れするんですよねぇ。
・「私は」「お酒があったら楽しくなれちゃうし」「酔ったらすぐ眠くなっちゃうし」「寝て起きたらその夜のことすぐ忘れちゃうし」「だからたぶん君みたいな優しい人にいっぱい迷惑かけてきたと思うんだよね」このシーン、台詞だけで顔が見えないのがすごく好きなんですよ。敢えて読者の想像に委ねるという。直前と直後の表情から類推するのがとても楽しくて。何度も何度も読み返しては楽しんでいます。
・「私のこと言い訳にしてほしいんだ」ここも同様。こちらはセリフのみなので、より想像の翼が広がります。直前の少し照れたような表情からさまざまな可能性を見つけていくのがとても素敵な時間でした。
・「逃げ出す口実に」というのはwin-winになるように、という提案なんでしょうけども。逃げ出した先に待っているのも結局酔っ払いの相手であることに変わりなく。
・「なんだろ」「きょう飲みすぎたのかな」「なんかいつもより楽しかったからか‥」「‥っと!」ここが第1話の「君といるとたのしくてだめだぁ」につながるわけですね。気づいて思わず読み返してしまいましたよ。ええ。そして気が利く青年が救いの手を差し伸べる。こういうとこですね。きっとこういうところが、一緒にいて楽しいところの一部分。
・「大丈夫だよ」酔っ払いはみんなそう言うんです。
・「心配はかけないか」「ら‥」私だったらタクシー乗せた後も心配だし、きっと青年もそうだと思うけどなぁ。
・『なーんかほっといちゃいけない気がして』きっと、ここが始まりなんですねぇ。
・回想終わり。
・「あ、ここ そしてこの光景懐かしいなー」「呑気なこと言ってないで」「先輩酒癖悪いのもホント大概にしないといつか寝込み襲われますよ」というか、ずっとこういうことを続けてきて一度も怖い目にあったことがないっぽいんですよねぇ。奇跡の存在。
・「だいじょうぶだよ」「そのための聡太くんなんだから」しれっとこんなこと言われたらそらまぁむっとしますわな。
・「‥‥まぁ君がそういうかたちでこれまでのお駄賃を払ってほしいっていうならそれもいいんじゃないかな」「でも君はそうじゃないんでしょ」「うっ」見透かされてるな青年。で、また嬉しそうな顔してるんだ、ここのさわちゃん先輩。きっと青年がそうじゃないことが嬉しいんでしょうな。
・「じゃ、じゃあ‥」「どういうかたちでならたまりにたまったお駄賃のツケを払ってもらえるんでしょうか」柄にも無く緊張してるぞ青年。可愛いとこあるなぁ。
・「って寝てるし!!」実にいい振り回し方だし、振り回され方だ。がんばれ青年、落ちない城はない。
・「蒸し返し方がわかんねーからいつまでたっても世話係なんだっつーの!」それは教えてもらうもんじゃない。自分で見つけるものだ。がんばれ青年。
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2周目モードの感想
こちらは2周目モードなのでネタバレを含みます。以降の話を未読の方はお読みにならないことをお勧めします。
というわけで。これを書いております時点で103話お城の話まで公開されておりますが、そこまで読んでいる人間としての感想を以下に書き連ねて参ります。
今回はいつもの箇条書きではなく総論として。
この2人がようやくなるようになった地点からこのお話を振り返ってみますと。まず何より思ったのは男女のファーストコンタクトとしては一見最悪に思えるけれども、決して悪い出会いじゃなかったんだなということです。
結局この時の「一緒にいると楽しくなる」と「ほっといちゃいけない」が積もり積もって花開き、時間をかけて労苦の末に実を結びました。そう思うとこの回は読み返すほどに感慨が増しますね。初見モードでも書きましたけれども、第1話とはまた別の意味で全てはここから始まったんだなぁ、としみじみします。
互いの第一印象というか、最初に抱いたインスピレーションというものは思いのほか正しかったようです。
そもそも青年は振り回されることが本当に不快であればきっと自分から巧みに遠ざかっていったのではないかと思うんです。そのくらいには世故長けているというか、処世術は身につけている印象です。
まぁ、だからこそさわちゃん先輩を青年に任せた部長の人選は正しかったな、としみじみ思うわけです。その時は単に妻子の元に早く帰りたかっただけかも知れませんが。
あと、こけそうになって青年に助けてもらった時にかなりさわちゃん先輩の好感度ゲージ一気に上がったんじゃないかなぁって。今改めて読み直すとそんなことを思ったりもしました。
以上、倍盛モードでお届けしました。第1話、第102話と並んで特にお気に入りの回なので気合いが空回りしてしまった感がありありと出ておりますがどうかご容赦ください。
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