ここだけの話 第24話 続・ホワイトデーの話 前 感想
・青年、ネットを参考にするのはいいけど、そこに正解は転がってないからな。たった1人に向けた贈り物は最大公約数じゃダメなんじゃよ。
・『何度目だっつの‥』何度でも反芻しなされ。幸せな記憶じゃないか。
・こういうのはね、過去も参考にならないのよ。結局お返しという行為自体は同じでも対象が別の人だから。
・下戸でも酒の選びようはあるんですけども、やっぱり自分で味を確認して贈りたいんでしょうな。真面目だから。真剣だから。
・「あ」そして、降りてくる天啓。
・「えっと‥」「今日の夜って空いてますか」「ちょっと渡したいものがあるんスけど」バレバレなのに形をしっかり守ってくるのが青年らしいなぁ。逆に、なんだかんだで当日までかかっちゃってるのがらしくなくて。苦戦のあとが窺えます。
・「うん いっこだけ用事あるけど」「そのあとでもよかったら」嬉しそう。めっちゃ嬉しそう。そらそうでしょうな。
・深いため息。『くっっっっっっっっそ緊張した これしきのことで』『大丈夫か俺 顔に出てなかったか』これしきじゃないよ。よくやったって自分を褒めてやれ青年。
・でもやっぱり表情固いな。
・『ホワイトデーに待ち合わせってそれは意味深すぎないか』‥いやいや、君もやぞ?というか「すぐ済むからね」が飛んじゃってますねぇ。こんな青年は実に珍しい。まるで初恋にもがく高校生のようだ。
・『何を考えているかわからないあの人のことだ』『「彼氏?」「いるよ?」とか言い出す可能性も』うーん。疑心暗鬼もここに極まれり。
・何を考えているかわからないのは確かにそうだけども。酔った後に運ばせるくらいならまだしも、クリスマスディナーを一緒に過ごしておいてそれは流石にちょっと。どこにそんなこと許す彼氏がおりますか。例え海外赴任中の超遠距離中だってそんなことはしないしさせないでしょう。でも多分こんな言葉をどれだけ突きつけたところで今の青年には無意味なことくらいは私にもわかります。
・過去を振り返れば「君といるとたのしくてだめだぁ」から始まって、これまで青年だけが受け取れた言葉がたくさんあって。それなのにこんなふうになってしまうのだから、恋は怖い。
・『何だよあの顔』『見たことないんですけど』それが誰のためのものなのか、いつもなら気付けたかも知れないですね。
・「じゃあ私」「先に出るからゆっくり来てね」ゆっくり来るくらいで済む用事なんですよね、本来。
・聞こえない会話、見えない相手の顔。疑心暗鬼が青年を更なる暗闇に叩き落とすには十分すぎる条件。
・また見たことない表情しているって、思ったのかな。思ってるっぽいですね。
・「すみません今日はなしにしましょう」「俺としたことが渡すもの家に忘れちゃったみたいなんスよね」「明日にでも渡すんで 引き止めちゃってすみませんでした」嘘が上手だし、強がりまでスタイリッシュだな。
・「俺のことはいいんでさっきの人追いかけてあげたらどうスか?」きっと、ぎりぎりのところで絞り出した言葉。どこまでもどこまでも見栄っ張り。
・「待ってよ そうたくん!」背中が煤けてるなぁ青年。もしかしたら『こんな夜は少しでも酔えたらいいのにな』とか思ってるかも知れない。
・今回は感想書いていて今までで一番メンタルキツかったです。色々とフラッシュバックしちゃって。まあそれは完全に私の自業自得なんですが。でも、今回のお話はお気に入りなので色々と振り絞って書かせていただきました。痛みを知ればこそ出てきた言葉もあるので、あの日あの時の傷に感謝します。
作者ご本人のあとがきはこちらからどうぞ。
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