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ふさ千明のおたネタ日記

漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。

台湾旅行記2024 3日目

最終日。

 帰国便は14時20分発なので午前中いっぱいは楽しめる。空模様は不穏だったがやれることはいくらでもある。
 昨日より少し早い時間に朝食を食べ終えてとっととチェックアウトしてしまい、ホテルの人に呼んでもらったタクシーで空港地下鉄台北駅へと向かう。
 初日に30分待たされたあのタクシープールに降り立つと、もう帰らなければならないのかという思いで全身が満ちる。しかし帰らなければならないからこそ、残りの時間を悔いなく使うべきである。
 そのためにもまずはインタウンチェックインカウンターで中華航空に荷物の預け入れをしてしまう。
 スーツケースを預けてしまう。このあと買い出しをするのでそのあと預け入れるのでもよかったが、離陸3時間前がタイムリミットなのでもしギリギリアウトということになると泣くに泣けない。
 概ね欲しいものは揃ったし、どうせそんなには買えないのでストレスを軽くする道を選択。
 ちなみに台北駅で預け入れが出来るのは今回の中華航空を初めとする台湾系航空会社ばかりなので、この便利さを覚えてしまうとどうしてもそれを念頭に航空会社を選ぶことになるのである。
 さらにちなみに。日本でも京都駅などで同じ試みをしていたことがあったと記憶しているが、2001年のテロ事件きっかけでやめて以来復活していない。まぁ、日本の場合成田はともかく関空でやろうとすると京都新大阪から荷を関空特急はるか号に積んでということになるわけだが、これが経由する阪和線の遅延率が高かったのでさもありなんと思ったものである。
 南海は遅延率が低いのでそちらだけでもなんばから利用出来るようにしたらよかったのかも知れないが、まぁ、いずれにしても台北~桃園空港間と違って有料特急の車両に積むことになるだろうから無料でサービスするというのは厳しいだろう。
 閑話休題。
 さて。身軽になったところで午前中のハイライト、希望廣場で開催される農市へと向かいたいところだったが開場は10時から。
 今回オタ向けの本屋にしか行けていないので一般向け書店である誠品書店のうち24時間営業している支店がある松山文創園区へと向かった。
 最寄りは地下鉄板南線の国父紀念館駅。台北駅から乗り換えなしの5駅な上、希望廣場のある善導寺駅とも同じ路線なので何かと都合がいい。
 まもなく完成する台北ドームの最寄り駅でもあった。
 記念撮影用に顔出しパネルが設置されたのミニグラウンド(なんとロッカールーム付き!)、壁面いっぱいに「看棒球,搭捷運!(地下鉄に乗って野球を観よう!)」のポスター。なるほどここが台北の新しい野球の都になるのだな、と感慨深くなった。
 地上に出ると、目の前にいきなりドーム球場が聳えていた。外壁にはガラス張りの部分が多く、あまり見たことのないタイプだ。ちらりと覗く丸っこい屋根だけがここを野球場だと主張しているようだった。
 予期せずにいいものが見られたと思ったら、それを埋め合わせるかのように雨が降ってきた。南国台北とは言え冬はそれなりに寒い。希望廣場と違ってこっちはそれなりに駅からの距離がある。雨に打たれてうっかり風邪でも引いてしまうと出入国が面倒なことになる。
 最悪の事態だけは避けたいので泣く泣く断念して希望廣場へ。駅出口からは横断歩道以外は屋根のある部分がほとんどなので無事濡れずに到着。
 まだ10時にはなっていなかったがどうせ早めに開けているだろうと思って行ってみると案の定もうフルオープンしていた。
 ただし、記憶よりも面積が減じており、いささか小ぢんまりしていた。減った部分はきっちり駐車場に変わっていたのでこの辺りの変化も観光客減少の影響なのかも知れない。
 ともあれ、夢にまで見た農市である。
 今回のメインターゲットは茶葉と珈琲豆。いつもはこれらに加えて蜂蜜も買うところだが、もうスーツケースを預けてしまったのでこれはどれだけ売られていても見送るしかない。
 ぐるっと一周まわって見ての印象では売り物はしいたけ、葉物野菜、柑橘系果物、米が多かった。しいたけはどうだったか定かでないがそれ以外は確実に持って帰れない。そしてスーツケースを先に預けたことを後悔するくらいには蜂蜜が売られていた。
 ともあれ。珈琲豆は1カ所、烏龍茶は4カ所ほど取り扱いがあったのでとりあえず豆を先に買い、あとはもう一度値段や種類を確認しなおしてからこれぞと思った店で茶葉を買う。
 たとえ気に入っても農市は個人レベルの業者ばかりなので出会ったものはもう2度とは買えない。いざ産地まで買いに行くとなると台北から往復に丸一日かかるような場所にあるのがほとんどであるし、送ってもらおうにも台湾国内でならば取り寄せ可能でも国際通販していることは皆無だからだ。
 むしろ、だからこそ我々夫婦はこの農市を愛してやまない。この便利な時代に一期一会という言葉をこれほど噛み締められる場所はない。
 実はもう1カ所、花博農市というものもあるのだが残念ながら時間と体力気力の関係からパスせざるを得ない。
 少なくない成果を手に空港地下鉄台北駅へと戻り、まだ少しだけ時間が取れたので関空からの運転を想定して20分だけマッサージを受ける。『摩力充電站』という実に素敵な店名のそこは視覚障害を持つ方の施術が受けられるのだが、これが実に上手で。体内の奥深く密かに潜んでいた頭痛の種がスウッと退治されていくようだった。
 心身ともに軽くなり、地下鉄に乗り込む。発車5分前の快速列車は既に座席がほぼほぼ埋まっており、嫁さん分をようやく確保して私は立っていると。地元っぽい方から話しかけられた。新北がどうこうというのだけは聞き取れたがそれ以上は無理だったので必死に記憶の淵を掻き回しながらようやく「對不起、我是日本人。我不知道(すみません、私は日本人です。わかりません)」とだけ返した。念を入れて英語でも同様のことを告げようとしたところ、途端「え?」という顔をされて「スミマセン」と片言の謝罪をされた。別に謝っていただくほどのことはなく、かえって申し訳ないという思いすらある。
 かつて、毎年台湾旅行をしていた頃はそのたびに毎回毎回地元民と間違われて道を聞かれてきたものがまさかこの2泊3日という短い滞在でも遭遇するとは思わなかった。
 あとは特筆すべき何事もなく、桃園空港に到着。
 40時間ぶりくらいに再会した改札をくぐりチェックインカウンターの行列を横目にとっとと保安検査場へ。
 土曜日にしては空いている、くらいの待ち時間でクリアするとまずは昼食。搭乗後に機内食が出るのをわかっていても、桃園空港のフードコートで台湾料理を食べたくなってしまう。これもまた、かつて何度も繰り返してきた習慣。嫁さんは香港のチェーン店らしい萬芳冰室へ、私は昨日の昼に食べ損ねた小南門へと向かう。昨日うっかり羊を選んで食べ損ねた魯肉飯定食にここでようやくありつけた。
 さぁ、これで悔いはないか。ノー!もしくは不是!
 残り時間を生かしての買い物タイムは空港最後のお楽しみ。まずは自分用土産として日本に持ち込める自販機のお茶をと思ったらこれがことごとく緑茶だったことにくずおれそうになった。
 まぁ、これはこれでということで1本買ったが出鼻を挫かれたのは間違いのないところ。結局このあと土産物店を数々まわってみたが欲しいと思うものには出会えなかった。
 ただ、休憩用ソファの横にマジンガーZの立像を見つけた。人の背丈ほどのそれは以前からここにあったのかも知れない。偶然なのか意図的なのかはわからない。しかし、今ここに被災地輪島とつながりがあるものが展示されているということに台湾らしさを感じた。
 これが結局一番の空港土産となった。



 謝謝台湾、再見台湾。

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