2024年2度目の台湾旅行記(4日目)
土曜日。フルで使えるのは今日まで。明日は帰国せねばならない。大変残念だが来た以上は帰らなければいけない。それが定めである。
この日の日程は珍しく最初から決まっていた。土日にだけ開催される産直マーケットを2か所ハシゴするのである。まずはホテルから近くて規模の大きい希望廣場へ。
体育館くらいの面積に、東部の花蓮県と南部の苗栗県を中心に様々な産物が並ぶ。最近は農産物だけではなく魚介も取り扱うようになったが、やはりリスクが大きすぎて買って帰るに至らない。面倒な手続きは不要だし検疫に引っかかったりする恐れもないが、冷凍品が溶けだしてスーツケースの中のものをダメにしたり悪臭を放ったりという可能性を排除できない限りはむつかしい。保冷バッグとて市販品は遥か数百キロのフライトを想定したものではない。
かくして大好物のサバヒーという魚を持ち帰り自力で調理するという夢は今年も断念。
その代わりというわけではないが蜂蜜や珈琲豆、茶葉などを購入。面白かったのは珈琲の葉で淹れたお茶を飲める出店があったこと。こういうものは店だけを回っていたのでは到底巡り合えない。飲んでみると香りは珈琲だが飲むとお茶、という摩訶不思議な味わい。非常に貴重な体験であった。
買ったものは結構な分量にはなったがまだ部屋には戻らず今度は花博公園の方へと向かう。こちらは特に出店者のエリアなどは固まっておらず、台北近郊から来ている店もあった。いずれにしても台湾各地から集まった品々を生産者の方から直接買える貴重な機会なのは希望廣場と同じ。
生の果物野菜は持って帰れないのでやはりドライフルーツや茶葉珈琲豆がメインターゲットとなる。ついつい買ってしまうのはその場で飲める生絞りフルーツジュース。これが実に美味い。炎天下をウロウロしているからというのは要素としてはあるだろうが、それを差っ引いても美味かったのは今年1月に経験済み。
そんなこんなで入手した成果をいったん部屋に置いて。代わりにタオルを複数枚リュックに入れて再び出発。
目指すは行義路温泉。台北の温泉というと北投が知られているが、そこよりも市街地寄りにあるのが旅行者には大きなメリットである。
地下鉄淡水線石牌駅からバスで10~15分。それだけの移動で景色はすっかり山。
温泉街には日帰り入浴可能なところがいくつかあるが、我が家のお気に入りは川湯温泉館。バス停からはえっちらおっちらと坂を下って階段を下りて5分ほど。
ここは日本スタイルの全裸で入る温泉である。洗い場にはボディーソープとシャンプーも常備されていてタオルさえ持っていけばあとは不自由なく楽しめる。
湯温の熱めな大きく広い浴槽に打たせ湯が出来るぬるめの小さな浴槽、水風呂にサウナまであるのでぐるぐる回っているといつまででも入っていられそうだが、成分が濃いのであんまり長湯をしているとノボせてしまう。
程々のところで切り上げねばと思いつつ、大変心地いいのであと少しあと少しと長湯をしてしまう。
そんな入り方をしてしまうと上がってからもなかなか汗が引かない。血行が良くなっていくのをじわじわと感じつつも、夫婦そろって眠くなってきたので昼食をキャンセルして急ぎ部屋に戻る。
涼しい部屋で昼寝をする幸せを噛みしめて熟睡し、目が覚めた時にはもう日が暮れていた。
昼食をキャンセルしたので空腹かと思えばさにあらず。じゃあ昨日やらなかったコンビニ飯を買い出ししてくるから腹が減ったらそれを食べようという結論に至った。
ただしまだそんなにお腹が空いていないということなので先に買い物に行かせてもらった。どこへ行くかと言えばとらのあなである。アニメイトとらしんばんもあるのだが、あちらは人が多すぎて物を探すどころからウロウロするだけでも一苦労なのでとらのほうがありがたい。
売り場は商業誌と同人誌が半々という感じ。今回のターゲットは主に成人向け。台湾の成人向け同人誌というものに大変興味があったのでぜひこれぞというものを発掘したかった。
成人向け売り場のなかにひっそりとある中文原創(中国語オリジナル)コーナー。1冊1冊確認してみて、見本誌があり内容を読んで気に入った百華荘という中華ファンタジー系の漫画を選択。
もうひとつ、これは日本の漫画の翻訳版だが「放學後的資優生」(和題:放課後の優等生)を購入‥‥しようとしたところ年齢確認のために身分証明書の提出を求められた。
当然である。日本ではこういう事態に備えて運転免許証でもマイナンバーカードでも常時持ち歩いているのだが。ここは海外ということで悉く部屋の金庫の中である。
やむなく取って返し嫁さんに事情を説明するとゲラゲラ笑って「いってらっしゃい」と送り出してくれた。せっかくなので手元にある身分証関係全部持ってて再び出発。
律儀にもレジ横に取り置かれた2冊を無事購入。日本語に堪能な店員さんに「身分証は日本語のものでも大丈夫ですけどどうされますか?」とおっしゃっていただけたのだが、ちょっと迷って結局無難にパスポートを提出。
その店員さん曰く「日本と台湾で修正の違いがありますので、ぜひしっかりとご確認ください」とのことで。帰国後じっくりと拝見したが確かに差があった。あまり詳細には書けないので気になるかたはぜひとらのあな台北店でご購入の上、ご自身の目で見比べていただきたい(ダイレクトマーケティング)。
また、台湾でも「海苔修正」という表現を使うという大変貴重な知見を得た。
帰途、近場のセブンイレブンに行くついでに峰圃茶荘という老舗のお茶屋さんへ足を運ぶ。割と茶葉の量は充足しているのだが、ここには毎回来ているので今回だけ来ないというのも座りが悪い。高級品からお値打ち品まで一通り購入する。
セブンイレブンではレンチンする小籠包やら鶏飯おにぎりやらフルーツビールやらを購入。歩き疲れて痛み止めを飲んでしまった嫁さんにはノンアルコールビールを渡して乾杯。この旅最後の夜もご機嫌のまま更けていった。
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