台湾旅行記2008(オタ目線ver)3日め
どうしたものか。とりあえず腹が減ったのでまだ寝ている妻を置いてバイキングで朝食を取る。毎日似たようなメニューなのでいささか飽きてきたが、込みの料金なので食べないともったいないような気がしてしまうのである。貧乏くさい話で申し訳ないが。
食べ終えて、ホテル内にあるビジネスセンターで新聞を読む。日本のプロ野球の結果とかも載っているので重宝する。
部屋に戻ると妻が起きだしたので、これからどうしようか相談。ホテルで1日過ごしても良いような気にもなったが、それもさすがにもったいないので特に目的を持たずぶらぶら歩きで十分楽しめそうな台北駅地下街を探検しようと言う結論に至った。
地下街への入り口はホテルのすぐ横にあるので、暴風吹き荒れる中でも濡れずにもぐりこめた。降りて行くと、台風の影響からかシャッターが下りている店がいくつかある。それにめげることもなく端から端までを目標に探検開始。
土産物屋がある。宝石屋がある。洋服屋がある。ゲーセンがある。オーディオショップがある。ゲームショップがある。オタク向けのよろず屋もある。プラモ屋がある。当然食べるところもある。
立ち寄ったところを全て書いていくときりがないので抜粋してお話しさせていただくが、まず我々が立ち寄ったのがゲーセン。台湾ではバスケゲーム大流行りの模様だが、それにはチャレンジせず、もやしもんのぬいぐるみキャッチャーがあったので両替してそれにチャレンジ。1回10元なので10回やっても360円ということもあり、日本でやると後が大変になるお大尽アタックを炸裂させた。
アームがゆるゆるで苦労したが、それでもセレビシエを一体確保できた。台風でヒマだからかギャラリーが集まってきてしまい、取れた時には賞賛をいただくことができた。これ、日本人がクレーンゲームに興じているのが珍しいだけかと思ったが、後程全く同じ光景を別の場所でも見かけたので、台湾ではよくあることらしい。
オタク向けのよろず屋には日本語の雑誌がたくさん。というか、台湾の雑誌がほとんどない。漫画や小説の単行本はさすがに台湾語の方が多いが、日本語のものもきっちり存在した。プラモやらフィギュアやらDSやらWiiやらPS3やらも売っているし、よほどディープなオタでない限りはここで用が足りてしまいそうなお店。しかしここでも我々が探していたもやしもん台湾版は見つからず。「おそらく出版されていないのだろう」という結論に達するものの、このあとも機会があると探してしまうのはオタクのサガ。
ゲーム屋は単価が高いのでチラ見程度で済ます。多分突っ込んでいけば何らかの戦果はあったものと思われるが、規格が合う合わないという点も怖かったので概ねスルー。近くにあった長門のポスター画像だけ確保。
あとは出国直前に仕事用の腕時計がぶっ壊れたため、ここで台湾産のデジタルを購入。300元。特に不自由ないが、日付表記が日、月の順になっているのにちょっと戸惑った。
こんな感じでぐるっと一周回り終えて、今度は昼飯を何にしようか算段する。飛騨ラーメンとカレーと回転寿司で迷って回転寿司が勝ったのは、ひとえにカレー屋から漂う香りが日本風ではなくインド系のそれだったことによる。
店に入ると店員さんが「光臨」と迎えてくれたはいいが、その後のヒアリングができないので「Please speak English or Japanese」と頼む。「できれば日本語で」と付け加えると流暢な日本語でシステムの説明をしてくれて最後には「お味噌汁か茶碗蒸しはいかがですか」と勧めてくれた。ホントにどこにいるのか分からなくなる。実はここ梅田の地下街だったりしないだろうなあ。
寿司は一皿30元なので単価的には日本と変わらない。味は酢が抑えめで妻には好評だったが、私はひと味足らないような気がしてしまう。ご飯もやや固めだったような…。まぁ、総合的には日本で食べるのと遜色ないレベルであったので、不満は無かった。わざわざ鮭を空輸してくる熱意と言い、店のオリジナルマスコットを開発してしまう感性と言い、むしろ大いに気に入ったと言える。
ちなみに妻は「寿司には不満は無かったし、青菜とブロッコリーがありがたかった。日本でもやってくれれば良いのに」と言っていた。
そんなこんなで2人合わせて16皿を平らげ、満悦して外へ出た。
腹もくちくなったので一旦ホテルに戻ると、もう台風は台湾から去っていた。
じゃあ、ということで観光再開。
荷物を置いて、一路光華商場へ。MRTで忠孝新生駅まで出ると、駅構内に光華商場への案内地図があり重宝した。
それに従って歩くこと数分。途中、「光華を台湾の秋葉原に!」というキャッチフレーズを見て反応に困りながら進んで行くと、旧光華商場の大プレハブ長屋が見えてきた。移転途中のころ使用されていたこの長屋、カオスっぷりが大好きだったのでなくなったのは非常に残念だが、最初から一時的な使用と決まっていたのでまぁ仕方なかろう。
新しい光華商場は「光華數位(デジタル)新天地」という巨大ビルになっている。規模がでかい分、在庫も多く店の種類も豊富で掘り出し物もあるだろうと期待は膨らんだ。
見上げんばかりのビル。しかし、人影はない。悪い予感にさいなまれながら近づいて行くと「休暇:星期一(月曜定休)」と書かれている。
年中無休に慣れてしまった日本の感覚からはあり得ない話だが、まぁこれはこれで貴重な情報だ。せめて記念にと思い携帯に画像をおさめておく。
止むなく行き先変更。目的地は台北101。タクシーを止め「台北ワンオーワン」と言うとちゃんと通じた。
隣の紐育紐育(NY.NY)とあわせてこの2つのビルが一大商圏となっているため、降って湧いた休日にたくさんの人達が繰り出して大変混雑していた。
まず地下のフードコートにおりてコーヒーとケーキで一休み。ここは地元の味も海外料理も楽しめるので何かと重宝。前回無かった柿安が進出していた。次来た時にココイチが入っていてもおそらくビックリしない。
さて。休憩が済んでまずは本屋へ。ここの本屋は巨大で、品揃えが豊富なので学術書関係も充実している。もちろん漫画も。と、思ったら売り場の編成替えがされており、漫画売り場が大幅に縮小され児童書コーナーがその後を埋めていた。それはまぁいい事なのかもしれないが、幼児達が多数座り込んで本を読んでいるので移動しづらい。
妻は少年陰陽師の繁体字版と天工開物のDVDを発見して購入していたが、私の方はこれというものを見つけられず。以前来た時に購入した猫雑誌も見当たらない。
迷ったのが李登輝元総統のDVDだが、以前買ったDVDが2倍でしか早送りできず不便な思いをしたので購入に踏み切れず断念。
手ぶらで買えるのもしゃくだなと雑誌コーナーを眺めていたら「Cplus 創作&奇想の物語〜」と書かれた雑誌を発見。おお、これこそ台湾のオタ向け雑誌と、即決即購入。
中には台湾名産の茶を擬人化したイラストとか載っていて、日台のオタが接近していることをうかがわせた。そらニコニコ動画も普及するわなあ。
地下の食料品売り場で買い物をしてから隣の紐育紐育へ。ちなみにここの食料品売り場は当然のような顔をして日本製品が多数並んでおり、ここに来れば100%日本式の食生活を送ることも可能であろう。
紐育紐育はこちらも売り場の改変があったようで目当ての雑貨屋がなくなっており、とっとと撤退。さて。これであとは夕飯を食べて終わりかと思ったが1つ大事なことが残っていた。パイナップルケーキの名店犁記餅店に行っていなかった。
再度タクシーを走らせ犁記餅店へ。ガイドブックでもネット上でも名高いこの店に来たい来たいと思っていたので、来られて良かった。職場用に30個入りを2つと自分用にバラ売りの高いやつを6つ購入。後で食べたら言語を絶するほどうまかったので6つしか買わなかったことを後悔したが、このときは満足してホテルに戻った。
さて、夕飯であるが、あれこれと気になるものをほぼ制覇してきたのでこれがいいというものが浮かんでこなかった。そこで提案したのがマッサージと薬膳料理が一緒になっていると言うお店。帰国に備えて行ってみようということになり、出発。
タクシーで行くしか無い場所なのでホテルの前のタクシーにガイドブックの地図を見せたが分からないらしい。とりあえず近くまで運んでもらって自力で探すかと思ったら、運転手さんはホテルの人に場所の確認をしに行ってくれた。
快調に飛ばして15分ほど。着いたというので外を見てみると明らかに別の建物だったので違う違うというと運転手さんはもう一回外に出て確認に。信号1つ間違えていたことが判明し、無事到着。
ガイドブックが古いためか今回齟齬があちこち出てしまったが、その最たるものがこのお店で、ここ6星集足體養身では薬膳料理をやっていないとのこと。
仕方ないのでマッサージのみを受けることに。足を薬湯に漬けながら20分ほど肩と背中をやってもらい、その後2階に上がって足裏を40分ほど。料金はちょっとお高めだが腕は確かなので、お勧めできる。
ちなみに2階では椅子にテレビが付いており、見ながらマッサージを受けられるのだが、なかなかこれという番組が見つからず、多チャンネルなのをいい事にほいほいとチャンネルを変えていくと、さも当然な感じで流浪人剣心をやっていた。大久保卿暗殺のあたりだった。
せっかくなので見ていると結構引き込まれてしまい、気がつくとマッサージ終了だった。
軽くなった身体で外へ出て、夕飯を食べるべくタクシーで最寄りの饒河観光夜市へ。ここはつい先日までなんばでも食べられた胡椒餅の発祥の地だそうで、まずはそれを食べようという話になる。
しかし探してみると扱っている店は1つしかなく、しかも行列ができている。止むなく並ぶが、大量購入組がいるため列はなかなか進まない。特に我々の直前に並んでいた家族連れが20個も買っていったため大いに待たされたが、一口食べればそれも忘れてしまう。要は台湾風ピロシキとでも言うべきもので、あんまり夏向きではない食品のはずなのだが、食べ始めると止まらない。外側のカリッとしたパン生地と、それに包まれたスパイスのきいた肉がなんともうまい。
食べ終えて腹ごなしに歩くとクレーンゲームに熱くなっている爺さんを発見。多数のギャラリーに囲まれているので詳細は不明だったが、絶妙なテクニックで数々の獲物をつり上げている模様。台湾のこの物見高さも他人とは思えない。
あの熱狂の中に参戦する気にはなれないので、スルーしてさらに歩く。火鍋とかステーキとか色々あったが、やはり薬膳にしようという結論に達し、鶏鍋屋へ。
混雑していたのでちょっと待ってから店内へ。私は烏骨鶏、妻は山鶏を選択。薬膳なので味は美味かというとそうではないが、身体が喜んでいるのが分かる味だった。それほどクセは無いので苦ではなく、もうちょっと塩気油気があればありがたい程度。
すっかり平らげ、デザート代わりに別の店でメロンジュースを飲んで夜市を後にした。
ホテルにどう帰るかでちょっと迷ったが、私の我侭を通して夜市からほど近い台鐵松山駅まで歩いていきそこから一駅乗って帰ることにした。
台風のおかげでダイヤがおかしくなっており、40分以上待たされることになったが、そのおかげで台東行き呂光号を見ることが出来、日本では失われつつある座席夜行列車の旅情を味わうことが出来て結果オーライ。
何だかんだで日付が変わるころにホテルに戻った。
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