シュガーはお年頃3巻 感想
失踪したアサミを巡って右往左往するところは大変良かったです。噂に振り回されて、噂に慣れてというくだりもリアリティがあって胸に迫るものがありました。
あと、本田とアサミの出会いのシーン、なんだか非常に懐かしくなりました。虚勢のための読書ってのがまたあの年頃に独特の行動というか。学校って意外と時間を持て余すんですよね。1人だと。
つらつら思い返すと、中学生の頃自分にもちょっかいかけてくる女子居たことが蘇ってきました。私はオタになりたての頃で非モテ気質バリバリだったので深追いしないようにしてましたが、今となってはどこをどう行動していたら良かったのかが見えてしまうだけに、惜しいことをしたと思う反面「当時の自分じゃ絶対無理」というのも分かるので、どっちかというと思い出したくない記憶になってます。
そして、狂気の目。これにも思い出があります。思い詰めた、すべての合理性を否定する目。あの目を見てしまうと何も言えなくなり、そして何もできなくなってしまいます。あれこそ男が女に勝てない理由じゃないかな、と思っています。
最後に。ラストシーン、完全にしてやられました。すっきりした終わり方ではなかったですが、3回ほど読み返して「これはこれで」と思えるようになりました。決して「納得」ではないですし、できればもっと続けていただきたいのですが、すっきりしない出来事を積み重ねて生きてきた自分と重ね合わせてしまうと、なんだか同級生の昔話を聞いたようで自分でも意外なほどに受け入れられてしまいました。
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