コミック乱 四月号 感想
・嫁姑話は古来より尽きないものですが、今回のは特に染みました。亭主が死んじゃった後だったのが余計に染みたんでしょうねぇ。もし自分が死んでしまったら我が家はどうなるのかなぁ…とか色々考えちゃいました。おっさんな感想ですいません。
・喧嘩するほど何とやら。古来より言われておることでございますが、この話においてはやや物騒でしたな。
信長戦記
・いよいよ『戦国時代のラスボス』こと太閤殿下登場。
・太閤記だと墨俣一夜城なのが、本作だと松倉架橋ですね。城を築く功績のほうが派手ですけど、橋を架けた功績も劣らず立派だと思うんですけどね。まぁ、子供向きじゃないのは分かります。
・これだと、城攻め中挟み撃ちにされちゃいそうですな。長井の爺さんの不敵な笑みと言い、美濃攻めは地獄だぜ、な予感が。
仲蔵狂乱
・おとっつぁんは死に急いだようにしか見えません。彼の場合は喉をやられて芸から離れざるを得なくなったときから、この最期は決まっていたのかもしれません。合掌。
・そしておっかさんも。本当に、仲の良い夫婦だ…。
・私事で恐縮ですが、先日母が入院しまして。しかも割と長めに。その上退院後に看病しに実家に10日ほど滞在したものですから、今回のシチュエーションは身に染みました。
・そして。今回の話を読んで、うちのおふくろはおしゅんさんのように安心して目をつぶれるのだろうか、と我と我が身を振り返りまして何とも情けなくなりました。親孝行1つし得ないで何が一人前だと自嘲するばかりです。
風雲児たち
・困ったちゃん軍師はその魅力的な人柄故に困ったちゃんであり続ける。たとえ牢の中に居ようとも。
・吉田松陰が明治維新まで生き抜けばどうだったか、というのは魅力あるイフの1つですが、結局萩の乱が大きくなるだけだったのかもなぁ、と思ってしまったり。能力が高く、また志操も固い人物だからこそ現実とうまくつきあえず、かえって混乱を招いてしまう人が世には居るものですが、松陰先生は偉大であればあるほど困ったちゃんなんだな、と思った次第です。
・伏見要駕策へのこだわりの強さは、追いつめられた故の執着なのか。それとも、本当にうまくいくという勝算があってのことなのか。どうにも前者に見えてならないんですよね。
・「何とかしたまえ」はひどいよね。どうにもならんから困ってる訳で。とは言え長州藩の武士はみんなこんな状況だったということを考えると…。みんなビンボが悪い、としか言えまへんなぁ。
・スミさんカワイソス。英雄豪傑の影に泣く女性は星の数ほどいたでしょうけど、天下国家のために奔走する男性ってのは家庭から見れば困ったちゃんであることが多いようで。
・『無事逮捕』ってのは長州藩各位の偽らざる本音でしょうなぁ。
・「死を望んではならないし死を恐れる必要も無い」「生死に迷わされる事なくまっしぐらに進んでいくのです!!」「生や死にとらわれるのは結局小さなことです」教育者としてはホントに超一流だったと思います。こういう教育を受けて育ちたかったと心底思います。
剣客商売
・色々感想はあるんですが、どうしても食い物に触れざるを得ないのが池波作品。今回の話の中では大根を炊いて粉山椒振って食べるのが一番うまそうでしたな。その次は酒かなぁ。
・拳で語る、という言葉がありますが、今回の話は剣を通じて語り合った2人の老剣士は、短い時間で多くのことを分かりあったのでしょう。私は拳も剣もろくすっぽ鍛えて来なかった人間ですが、好きなことに打ち込んできたことはあるので、こういう分かりあえる瞬間に憧れます。
浮世艶草子
・今回は江戸時代のアダルトグッズショップ、四ツ目屋のお話でした。
・人間何が楽しいと言って、アレほど楽しいものも無いということで、金に糸目をつけず楽しもうというお大尽から、あまり金はかけられないけどちょっと変わった楽しみ方をしたいという層まで幅広く需要はあったようですね。前者の代表例は商家の旦那や、今回出てきた大奥の上のほうの方々ですね。特に大奥は楽しみの少ない上にストレスの溜まる職場だったそうで。
・頭抜け大一番小判型っていう名前は落語の『付き馬』って話に出てくるんですが、あっちは早桶でしたな。
・男衆を引っぱりこんで楽しんだお女中の一人が後の絵島だったりするのかなぁ、とか夢想するのも楽しみの1つです。
御誂人情幕ノ内
・金はもらっても真心はもらってない。そんな子供が現代日本にもたくさんいるようですが。
・人の気を惹くのにお金を使うことしかできない人に物凄く心当たりがあります。というか、今回は物凄い風刺漫画になっていた気がします。月1500万円の子供手当とかを連想せざるを得ない。
・「金持ちだからっていい気になるな」「物乞いじゃねぇぞ」この言葉、言ってやりたい相手が居ます。
・「後々面倒になると主人よりお叱りを受けますので」とことん心というものが欠如してるのが凄いよなぁ。感謝も謝罪もしてないという。
・幼子に幸あれ、としか言えないなぁ。
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