まもなく台湾出国します 台湾 2010年12月25日 戦果は色々ありました。しかし何回来ても、帰国時にはもっと長くここに居たいと、そればかり思ってしまいます。というわけでまた来ると思います。ちなみに画像はターミナルの待合室にかかげてあった、半導体部品で作られたMADE IN TAIWANの文字列です。 [1回]PR
ただいま雙連朝市 台湾 2010年12月25日 狭い路地に様々なお店がひしめきあっております。あいにくの空模様ですが、朝ご飯代わりの豆乳を飲みながらのぶらぶら歩きはなかなか楽しめました。ちなみに収穫は傘と烏龍茶です。 [0回]
突発的台湾旅行 2日目 台湾 2010年12月24日 マッサージの威力か、それほどの疲労感も無く起床。この日は予定をみっちり入れてしまったため朝食もパスして宿を出る。目指すは台湾の古都・台南。いつもお世話になっている台南の振發茶行へお茶の買い出しに行くのである。台北市内にも数々お茶の名店はあるのだが、創業1860年という台湾一の老舗の存在感、そして夏の旅行記を読んでいただいた方は既にお分かりと思うが、我々が単純にあの店主の老人にお会いしたいという気持ちも、動機としては強い。あの老人の中に、今失われつつある昔の日本が確かに存在するからだろうか。 ともあれ、そのために台北発8:30の新幹線に乗る。これは日本で言う『ひかり』タイプの速達型で、停車駅は板橋、台中、そして終点の左営と最低限しか止まらない。肝心の台南を通過してどうするのかと思われる方も多いだろうが、そこが今回の実験のタネである。 左営では台鉄(在来線)の新左営駅と接続している。そこから台南まで在来線で行くのと、普通にこだま型で行って市街地から遠い高鐵台南駅から接続バスで台鉄台南駅まで行くのとどちらが速いか、というのを確認しようという試みだ。ちなみにこの試み、その1週間後に高鐵台南駅まで台鉄が支線を伸ばし、台鉄台南駅まで連絡するようになるので、今回が現条件下で行える最後のチャンスなのである。 さらに可能であればセブンイレブンできっぷを買えるようになったそうなのでそれも実際にやってみたかったが、さすがにそのためだけに遠回りするのは面倒である。更に言うと時間帯的に店が混雑するので、そのために乗り遅れでもしたら元も子もない。車両こそ日本の新幹線と同じだが、本数は圧倒的にこちらのほうが少ないので、1本逃すと時短作戦を放棄して次のこだま型(要は各駅停車)に乗らざるを得なくなる。また、混雑するという点では駅の有人窓口でも同じ事なので、自動券売機へ向かう。クレジットカードも使える優れものだが、日本のと違ってパネルで空き具合を直接確認して座席指定、ということは出来ない。そんなわけで今回はBC席並びになってしまったが、発車15分前に飛び込みで確保できたのだから不満は無い。あとは朝食を構内の便當(台湾では弁当をこう表記)本舗とセブンイレブンで購入すれば準備完了。 前置きが長くて申し訳ない。そんな経緯で我々は無事車上の人となった。車内販売のコーヒーがなかなか美味しいので、朝食後の楽しみとして購入。私はおにぎりと一緒にコーヒーを飲むのはあまり好まないのだが、おにぎり後のコーヒーは無性に美味しく感じる不思議。 食べ終えて、後は流れゆく車窓を楽しみながら終点に到着するのを待つばかり。台北市内が薄曇りだったということもあるが、北回帰線を越えたあたりから差し込み始めた南国の陽光が眩しかった。今が冬であることをすっかり忘れてしまう。 それは新幹線を降りてから、より一層顕著になる。左営の駅はすっかり春の陽気で、ジャンパーを脱いでしまいたくなった。台北市と高雄市の気候の違いは日本で言うと福岡市と鹿児島市のそれに近いかも知れない。 そんな感慨を抱きつつ、改札を抜け同じ建物内の台鉄新左営駅へと向かう。時間に余裕があればセブンイレブンにでも寄りたかったが、乗り換え時間が15分しか無い。不測の事態が発生した場合はせっかくの試みも台無しになってしまうので、わたわたとせわしなく移動し、券売機で台南までのきっぷを購入。ここの駅は日本の急行列車に当たる『キョ(草冠に呂)光号』が停車するのだが、ちょうどいい時間のものがなく、今回は各駅停車に当たる區間車に乗ることに。 自動改札を通り、ホームへ降りると、程なくして電車がやって来た。車内はロングシートで、日本の通勤電車を連想してもらえばいい。ひとつ違いを挙げるとすれば、ホームより車両の床が高い高床車仕様なため、車内に3段ほどの階段がある。そのため、乗り降りに若干時間がかかる。 しばしば遅れると言われる台鉄だがこの日はそのようなこともなく、定刻どおり11:01に無事到着。 台鉄台南駅は構内に台湾角川直営の本屋があったのだが、なくなっていて残念。ケロロ軍曹とガンダムが大看板で、グイグイ前面に出されていた光景は今でも忘れられない。 後は馴染んだ道行きなので、振發茶行目指して一直線。途中に通る道がたまたま台南の電気街で、漫画専門店なんぞもあったりするのだが、無視してガンガン進む。 細い路地を通り、段差の多い歩道を越えて行くと、若干汗ばんでくる。電気街の先にある普通の通りには正月向けのお札(ふだ)を大量に積み上げている店も有り、「ああ、こんな陽気だけどもうすぐ正月なんだな」と実感する。 そんなこんなで歩くこと15分程。もう何度も来ているので、迷う事なく無事振發茶行に到着。 店主の老人はこの日もお元気で、ニコニコと我々を迎えてくれた。助手と言うかお弟子さんと言うべきか、ちょうど老人の娘くらいの年格好の女性も奥から出てきて我々にあいさつしてくれる。 この日はちょっとした企みもあったのだが、まずは商談。前回購入してあっという間に飲みきった杉林渓という品種をまず450g。これは老人の太鼓判が押された優秀な銘柄なので値段もそれなりだったりするが、それでも味から考えればまだ安い。 あとはいつもの高山茶を600g。 ちなみに、購入している量が若干半端なのは、このお店は単位が昔ながらの「斤(1斤=約600g)」を使っているため。 買い物が終わり、お金を支払ってから「実はおじいさんに贈り物があるんです」と、我々は紙袋を差し出した。「以前、日本各地のお茶どころを回っておられたと聞きましたので、いつも美味しいお茶を分けていただいているお礼に買ってきました」と、説明しながら八女茶、静岡茶、宇治茶の3点セットをお渡しする。 「これは私一人で飲む訳にはいきません。皆と、いかに日本人が情に厚い人たちか説明しながら飲ませていただきます」とおっしゃっていただけた。 そして、『日月潭蜜香紅茶』と書かれた包みを2つ手にすると「これは台湾政府が開発した新しい品種の紅茶です。砂糖を入れなくても甘い香りがするものです。これをどうぞ」と。「いえいえ、とんでもない。いただけません」と一旦はお断りするが、いつもどおりの温和な笑顔で「どうぞお持ちください」と言われてしまうと断れなかった。 また、この店が現在台湾政府のプッシュを受けているそうで、それによりポスターや名刺なども製作され、ネット上にサイトも出来たとのこと(リンクはこちらから)。この店は私の知る限り台湾1の老舗なので、こういう扱いを受けても不思議ではないが、夏に来た時には何も無かったので、あまりの急展開に少し驚く。ともあれ、めでたいことなのでお祝いを述べる。 帰り際「良いお年を」という声で送ってもらって、外へ。 さぁ、この後台北市内で行われている国際茶芸博覧会を見に行く予定なので、急いで取って返さねばならない。いつもなら台南市内で何かしらのごちそうを食べてからになるところを、無茶もいいところの大強行軍。何しろ明日の昼前にはホテルに迎えが来てしまうのだ。この国に居られる時間を少しでも有効に使わなければ。 とはいえ一応、確認は取ったのである。妻に対して体調確認はしたのである。「大丈夫」という答えをもらったし、そもそもその博覧会は妻が行きたいと言っていたので、私も台南での昼食を諦めたのであるが。 が。新左営に向かう『キョ(草冠に呂)光号』のきっぷを購入した時分からおむずかりが始まってしまった。 そのあと時間があればパイナップルケーキの新規開拓ということで佳徳糕餅という洋菓子屋も行くことになっていた。国際茶芸博覧会は世界貿易センタービルで行われており、その隣の台北101ビルの地下フードコートで遅めの昼食を取ることも出来る。とにかくここだけ乗り切れば…というところだったのだが、一旦曲がった機嫌はそうそう直るものでもない。 帰りは商務車(日本で言うグリーン車)にしたのだが、状況は変わらず。宿に戻っても同様だったので、大友さんのところにハンコを取りに行くのは私1人の任務ということに。 薄曇りどころか小雨が降ってきた台北市内を独りノソノソと歩く気になれなかったので、まず台北駅構内にある『台鉄本舗』という鉄道グッズ屋に行く。台湾の鉄道雑誌『鐵道情報』は隔月刊誌で、大型書店でも割と探すのが大変だったりするのだが、ここでは割と確実に手に入るので助かっている。 その他にはあまり目当てが無かったのだが、今回は思わぬ収穫があった。台湾で猫の居る村として知られるようになった侯[石同]村グッズがなぜか置いてあるのである(侯[石同]村についてはこちらが参考になるかと)。表紙の猫2匹にやられてしまい、思わず卓上カレンダーを購入。ことのついでと「小心 猫出没注意」と書かれたTシャツも購入。 思わぬ収穫にホクホクになったはいいが、雨がいよいよ強くなってきた。やむなく、タクシーで行く。 「おおともとくさんこうし」をこちらの言葉でどう言えばいいのかはさっぱりだったが、以前行った時に店の名刺をもらっていたので、それを運ちゃんに見せれば万事オッケー。まぁ、それがなくても文字で書けばいいのだが。 短距離だがイヤな顔もされず、スムーズに到着。 大友さんのお店で、ハンコを受け取るついでに職場土産としてパイナップルケーキと自家用に烏龍茶のティーバッグを購入。「まだ茶を買うか」とお思いだろうが、葉から沸かすのがメンドクサイ時もあるので。 さて。買い物終わって店を出ると雨もやんでいたので帰途は徒歩で…と思ったのだが、せっかくなのでちょっと歩いて地下鉄善導寺駅まで出て、一駅乗る。これで大友さんの店に行く際の善導寺ルートも補完できた。 台北駅の地下街で台湾版絶望先生二十二集と新少年快報の次の号、そして台湾オリジナルの『五都争覇』という漫画を購入して宿へ戻る。この漫画は台湾の5大都市を擬人化したもので、ストーリー部分と4コマ部分が収録されていた。語学的壁があるのでまだ全部を読み切れてはいないが、分かる範囲だけでもなかなか楽しい。特に4コマ部分。 部屋に戻っても妻のご機嫌はあまり回復していなかったが、夕飯を食べに行く頃合いにはどうにかなかったので何より。とは言えあまり遠出も出来ないので、台北駅2階のフードコート微風廣場で適当に見繕うことに。日がよりによってクリスマスイブなので、カレーとか牛肉麺とか、あと大戸屋で和食、という選択肢も取りづらい。昔は割とそう言うのを2人揃って気にしないどころか、むしろクリスマスイブにこそ、人が行かないところで飯を食っていたのだが、堕落してしまったものである。 1周して、混雑具合とか見て決めようということになったが、その途中天仁茗茶の売店でさらに茶のティーバッグを買い足す我々。もはや個人輸入の域か。寄り道しつつまわった結果、小龍包のお店、上海湯包館に決定。 この日は疲れていたのでビールは飲まず、かと言って食べるほうでもあんまりスパークしなかった。…の、はずだったのだが、食べ終えた時には休憩しないと動けなくなっていたのはなぜか。どれが余計だったかを休憩しながら検証してみたが、どれも食べないわけにはいかなかったというダメな結論に。だって全部旨かったんだもの。 というわけで、はち切れそうな腹の消化を助けるために、台北駅の地下街をウロウロする。今回散々うろついているので、いつもはスルーするCDショップに行ってみると、案の定日本アニメがDVDコーナーの一角を占拠していた。リージョンコードが違うので日本では見ることができないが、あんまりにも安いのでちょっと買ってもいいかなと思ってしまう。割と古いのも置いてあるが、やっぱり絶望先生のは無かったので購入はせず。代わりと言っては何だが、CDコーナーにモンゴル族とウイグル族の民族音楽CDが置いてあったので、嬉々として購入。ホクホク顔で部屋に戻った。後日、iTunesの曲名登録で死ぬ思いをするとも知らずに…。 [0回]
突発的台湾旅行 1日目 台湾 2010年12月23日 我が家には悪習がある。夫婦揃ってストレスが高じるとどこか遠くへ行きたくなると言う非常に厄介なものなのだが、これが原因で去年は沖縄日帰りと言う暴挙をやってのけることになった。そして今年、ついに突発旅行は海外へ。 あまり詳細に書くことは出来ないが、色々あって遠くへ行こうとする企画を立てているさなか、私は諸事情から急遽12月24日が休みになった。おかげさまで4連休である。これはどこかに行かねば勿体ない。しかし妻は暦通り仕事であるし、私一人で18きっぷを使って未踏破路線の乗り潰しでもしようかと考えていた。 そんなある日、思いつきでジェットスターアジアの台北往復料金を調べてみると、随分安い価格が提示されていた。宿を自前で押さえても、フリーツアーよりも安く行ける。 「これは…行けるんじゃないか?」ここでやめておけば良かったのかも知れないが、あいにくと夫婦揃っていっぱいいっぱいだったため、盛り上がってしまった。H.I.Sのフリーツアーも年越しまたぎプランよりは随分と安かったため「行くか」「行くしかなかろう」ということで、12月10日にH.I.S(移転したばかりの京都ヨドバシ店)で各種プランを検討させてもらい、結果12月23日出発の25日帰国、キャセイパシフィック航空のホテルはシーザーパークと言ういつものプランに落ち着いた。 しかし、キャセイパシフィックは楽勝だったのにシーザーパークが取れない。キャンセル待ちをお願いし、第2第3希望まで挙げて一旦引き上げ。ちなみに第2希望はユナイテッドで第3希望がシェラトン。 数日後、無事にシーザーパークが取れたとの連絡があり、一安心。 かくして、企画立案2週間前、チケット等の最終確保が10日前、さらにはチケットその他必要なものが手元に揃ったのが8日前と言うなかなかギリギリな突発旅行は後戻り出来なくなった。 今回は節約のためホテル関空を使わず、早起きする。眠い目にカツを入れて、早朝、京都から特急はるか号で一路南下する。 心配の種だった阪和線の遅延もなく、列車は無事関西空港駅に到着。キャセイパシフィックのカウンターは長い長い行列ができていたが、前日のうちにWEBチェックインをすませておいたので、専用カウンターでほとんど並ばず手続き完了。 スタバあたりで時間ギリギリまでノンビリすることも考えたが、落ち着かないのでとっとと荷物検査を受けて通関する。自動化ゲートに登録してあるので、並ばずにすっと通れたのはありがたかった。まぁ、これはこれでハンコをパスポートに押してもらえないという欠点はあるのだが。 節約できた時間をうまく使えないか検討したが、あまり時間もなかったのでとっとと搭乗口まで移動することにした。途中コーヒーだけ買って、連絡用モノレールに乗り3番搭乗口へ。来てみるとなんだかんだで混雑しており、早めに来ておいたのはやはり正解だったようだ。 マッサージチェアがあったので揉みほぐしてもらったりしていると、搭乗開始のアナウンス。人数が多いので、ある程度列が進みだしてから並ぶ。 特にトラブルもなくスムーズに座席へと。今回は窓際の席が取れたので、楽しく外を眺めながらのフライト…と思ったら翼が視界の何割かを持って行ってしまう。道理で空いていた訳だ。 離陸して少しすると、機内食が配られる。チキンとビーフがあって、チキンがライス、ビーフがヌードルと言うことなので私はチキンを希望。妻がビーフを希望。ビーフ大人気のため、私のチキンだけが先にやって来た。申し訳なく思いつつも、非常においしくいただく。私がほぼ食べ終えた頃に、キャビンアテンダントが申し訳無さそうに「ビーフがなくなってしまいました。ポークでもよろしいですか?」とたずねてくる。妻がOKを出すと、やって来たのは陶器のお皿。内容も私が食べたものより一段豪華なもの。勝手な推測だが、ビジネス用の予備ではなかろうか。 何にせよ、おかげで妻が上機嫌になったので私としては大助かりである。 食べてしまえば、あとはそんなに時間もかからず台湾はもうすぐそこに。なにしろ3時間15分のフライトなので、日本の国内線感覚でもそんなに苦にならない。 パソコンを広げている間もあらばこそ、気づけば眼下には台湾の街並が広がっている。着陸態勢に入るまで後少しだろうとパソコンをしまい、シートベルトを締め、椅子も戻しておく。 案の定、それから程なくベルトサインが点灯し、機体は徐々に高度を下げていく。さぁ、これから楽しい時間が始まるんだと思うと、身体にかかる負荷も気にならない。無事着陸して飛行機から降り、入国審査へ。キャセイパシフィックが使用する第1ターミナルは現在改装工事中。利用自体が少ないようで、前回2タミを使った時に比べて列が非常に短い。ほとんど待つ事なく通過出来た。 問題は、この後だった。預けた荷物を無事に回収しなければならないのだが、これが待てども待てども私の分が出てこない。妻の分は割と早くに出てきて無事手元に来たのだが、私のほうは人数が半分くらいになってもまだ出てこない。前回、私のが最後の1つになってしまいツアーの皆さんをお待たせしてしまった苦い記憶が蘇ってしまったが、今回はそこまで行かず、残り1/3くらいの状態で無事出てきてくれたが、何度経験してもこれだけは苦手である。 今回は、というか今回も手持ちに元(台湾ドル)がいくらかあるので、焦って両替をすることもない。レートだけ確認しておく。このあと行く免税店のレートが悪いようなら市中の銀行で両替するという手が使えるので、その判断材料にするためだ。 免税店などもとっとと通過して、ガイドさんが待つ空港ロビーへ。今回待っていたのは、台湾人ガイドの洪さん。勿論我々はフリーツアーなのでホテルに着くまでのおつきあいだが、お世話になることには変わりないので「よろしくお願いします」とあいさつしておく。 洪さんは聞き取りやすい日本語を話す方で、バスの車中で台湾での注意点を説明するにあたってもユーモアを交えて楽しくやっていた。毎回こういうガイドさんだといいのだが。 空港を出たバスは、まずエヴァーリッチ免税店へ。ここでホテル直行組とツアー参加組に分かれるのだが、そのための待ち時間が3~40分ほど。ここで両替が出来る。日本円で4万円ほど替えておく。 もともと持っていた700元とあわせて、かなりの額が手元に。クレジットカードがあちこちで使えるのだが、我々がいつも行く夜市や台南のお茶屋さんなどでは使えないので多めに現金にしておく。余ってもどうせまた来るので、次回調整すればいい。 あとはいつもどおり隣のファミリーマートで飲み物を買って、外のベンチでドリンクタイム。いつも夏に来ているので「暑い暑い」と言いながら飲むのが通例なのだが、今回は12月と言うことで寒くもなく汗もかかずという非常に過ごしやすい気候である。 我々が台湾に来た実感を味わう瞬間は何回もあるが、ここでのペットボトルの1杯というのは重視している。 飲み終えて程なく集合時間となり、我々はここまで乗ってきたバスに再度乗車してホテルを目指す。直行組の宿は4カ所に分かれていて、我々のシーザーパークは順路的に最後だったが、これは滅多に行かないところを車窓観光出来たのでむしろラッキーだった。 そんなこんなで多少時間はかかったが、無事ホテルに到着。初手から「你好」ではなく「いらっしゃいませ」と迎えてもらえるのは喜んでいいやら悪いやら。ちなみにチェックイン作業もオール日本語。 部屋はキャンセル待ちの末になんとか確保できたという経緯があるので、いつもと同じ作りなのにいつもより感慨深い。もう1つ、半分以上が思いつきでここまで来てしまった己自身の業の深さと言うよりむしろノボセ気質に苦笑を禁じ得ない。 まぁ、そんな感慨やら何やらは荷物と一緒に部屋へ置いていき、若干休憩をしてから外へ出る。 今回の目的のひとつ、夫婦揃ってハンコを作る作戦を行えるのが日程の関係上今日しかないので、まずは一路大友特産公司へ。場所は確認済なので、迷いなくどんどん歩く。京都や大阪の街並と同じように歩く。 空がやや曇りがちだったが、やはり台湾は温かい。首筋に刺すような感覚を覚えず、かと言って汗ばむこともなく悠々街歩きが出来るのはありがたいことである。寒くなって歩く楽しみから遠ざかっていたので、目指す大友特産公司に到着した時は「あれ?もう着いた?」という感じだった。 大友さんのお店は名前からも分かるようにオール日本語オッケーなので、日本のお店と同じ感覚で買い物が出来る。「すいません、ハンコをお願いしたいんですけど」と言うと奥のほうに案内され、素材をあれこれ紹介される。翡翠やら玉やら水晶やらも良いのだが、私はあくまでも公務で使うためのものなので、頑丈で長持ちする水牛の角にする。 夏に来た時に作ったものは思っていたより大きかったので、今回は一番小さいサイズでお願いする。これでまだ大きいようならあきらめもつく。書体は普段使いなので楷書で。妻は実印を、ということで若干複雑な書体にしていた。ちなみに素材は黒水牛の角。 これで印刻代から材料費から全て込みでも2人あわせて3000円弱というお値打ち価格。我々が真っ先にここに向かった理由をお分かりいただけただろうか。 もし今度時間に余裕がある時に来たらハンドルネームであるふさ千明のハンコも作ってみたいものである。 さて。この日の最優先課題をクリアしてしまったので、次の予定をどうしたものか。たずねる間もなく、妻はずんずんと歩き始めるではないか。聞くと「え?マッサージでしょう」とさも当然のことのように言う。異論はないので、後を着いて歩く。大友さんのお店から10分ほど歩くと夏にやってもらって非常に心地よかった沐錦堂足體養身會館というマッサージ屋さんがある。そこをめがけて、どんどん歩く。イルミネーション輝く街を歩いていると、翌日がクリスマスイブであることを思い出した。何だったら高速バスも一部クリスマス仕様だったりして、台北の街も盛り上がっているようである。 迷ったり間違えたりすることもなく無事に到着し、ちょうどすぐ始められると言うことなので40分の足底コースをお願いする。 まず薬湯を張った桶の中に足をつける。最初は熱いが、慣れてくると程よく感じる。要はそれだけ足の循環が悪いということなのだろう。 足が温まったところで、場所を移して足底マッサージ用の椅子へ座る。これが台湾ではお馴染みのテレビが付いた椅子で、多分このときつければアニマックスか何かで日本アニメの繁体字字幕付きが楽しめたはずだが、そんな余力は欠片もなく。イタ気持ちいいマッサージに熟睡モード。ほとんど寝ながら受けるという体たらく。大体テレビでやっている台湾の足底マッサージの光景は揉まれている人が痛みを訴えながらも、終わってみると身体が楽になっているというパターンが多く、実際アレはそんなに間違っていないのだが、今回の私はそれすら凌駕するほど疲れていたらしい。 妻の養生という名目で企画した今回の旅行だが、私にも休養が必要だった模様。 終わると、明らかに足が軽く感じる。足のむくみが取れて、靴を履くのが楽。さぁ、これでまだまだ歩き回れる。今度はここから交差点を渡ってすぐのところにある頂好というスーパーマーケットへ。普段使い用の烏龍茶のティーバッグや菓子類、ドライフルーツなどはこういう地元スーパーで買うのがお得なので、我々はいつからか必ず訪れるようになっていた。店内をチェックしてみると案の定安い。ただし、スーパーなので量が多いのが若干困りもの。この後も予定があるので、買いすぎないように注意しつつ、それでもあれこれ物色して確保する。 スーパーでの買い物が済むと、さらにここから4軒先くらいにある台北犁記餅店というお菓子屋へ。この辺から物欲が止まらなくなってきた。 ここのパイナップルケーキ、ケーキと言っても所謂ショートケーキ型のそれではなくどちらかというとパウンドケーキやカステラに近いのだが、これが絶品なのである。どのくらい旨いかというと、外の生地と中のパインジャムとの取り合わせが、キロカロリーという単語を記憶から抹消してしまう程である。また、初めてここのを買ったその日のうちにホテルで1個、試しに食べ始めたら止まらなくなってしまったため、急遽買い足したこともある。ちなみに、この夏私の職場でお土産として配ったら「こんなん初めて食べました」「もし良かったら金出しますから買って来て下さい」と言われたこともあった。 そんな事情から大量に買って帰らなければならないのだが、さていくつにしたものか。空港や土産物屋で売っているパイナップルケーキは1ヶ月くらい余裕で保つのだが、これはどちらかというと生菓子に近いため2週間しか賞味期限がない。その上、高級品扱いだからか箱が重い。大量に買うと持ち運ぶのに往生するという経験をこれまで何度も繰り返してきている。 そして、今回もその教訓は生きなかった。 とりあえずパイン味とメロン味のものを10個ずつ確保してレジに向かい、「你好」ではなく「こんにちは」と言ってくれた店員さんにこれを見せながら「あと20個ずつ、計60個お願いします」と。日本語で。20個入りの箱が3つ積まれ、盛大に詰め込まれる。割とこういう客がいるのであろう。ちゃんとこれに対応した大きな袋が用意され、大箱3つがその中にすっぽりと入った。 さて。コレを持ったまま夕飯のため夜市に向かう。時間が惜しいので、重くてかさばるコレを一旦ホテルに戻って置いてくるという選択肢は存在しなかった。道行くタクシーを止め、メモに『我想去饒河街観光夜市』と見せる。運ちゃんは大きくうなずくと、スムーズに発進。車中からクリスマス仕様の台北市内を堪能すること10分ほどで饒河街観光夜市に到着。 観光夜市と銘打ってあるものの、地元の人たちも大勢利用する点では、他のところとあまり違いはない。仮設とはいえ公衆トイレが設置されていたりするところは観光客への配慮なのかもしれない。 まずは名物の胡椒餅を食べなければ、ということで、売っている反対側のゲート前まで延々歩く。歩きながら、夕飯を食べる店をどこにするかのチェックもできるので一石二鳥。この日もなかなかの人出で、大きな袋を手に持った私はぶつからないように歩くのが一苦労だった。とはいえ自業自得なので、とにかく迷惑にならぬようにと、そればかりを考えて歩く。 ぼちぼち腹が減ってきているので、食べ物の屋台は自然と目に入る。台湾の地元の味以外に鉄板焼きやらたこ焼きやら寿司やらもある。日本風料理の中でも特に気になるのは「関東煮」と銘打たれているおでんの存在。名前からして多分関西からやってきたのだろうが、夜市だけでなくセブンイレブンでも大人気らしい。 まぁ、台湾に来たら台湾のものを食べたいのでその辺りはスルーするとして。まずは胡椒餅。相変わらず行列ができているが、何しろ1品種なので流れが早い。周囲の画像を確保しているうちに順番がやってくる。ピースサインを作って「2個(リャンガ)」と言い、100元冊を1枚渡す。程なくして胡椒餅2つと10元玉1枚が帰って来た。売っている屋台の周りには立ち止まって食べる場所もないので、のそのそ歩きながら食べることに。できたてアツアツな上に、皮が結構固いので割と毎回口の中を火傷させる危険と戦いつつヒィヒィ言いながら食べるのだが、そんなことは胡椒味の牛肉とネギがもたらす旨さで全て吹き飛ぶ。こういう食い物は多少肌寒いくらいの気候で食べるのが良いようだ。来るたびに食べているが、今回が一番旨いかも知れない。 これが結構ボリュームもあるので、食べ終えてしまうとそれまで荒ぶるほどだった食欲がストンと納まってしまった。もちろん食べずに帰るという選択肢は無い。無いのだが、アレも食べたいコレも行こうだったのが急に静かになるとどうにも落ち着かない。 マッサージでも受けて、その間に食欲の復活を待とうかというアイディアもあったのだが、昔ながらの所謂『盲人按摩』の店が一杯だったのでパス。端から端まで歩いての選択は『四神湯』という薬膳っぽいスープが看板のお店。いつも『四神湯』の名前ばかりが目に入ってしまって店の名前をチェックし忘れてしまうのだが、ここは名物スープ以外にも茹で青菜や魯肉飯など、定番屋台飯もしっかり旨いのでおすすめである。 我々はスープを1人1つの他に上記定番メニュー(魯肉飯は大盛)と坦仔麺を注文。屋台飯だがくどくなく、三十路半ばの私でもガツガツ食べて大丈夫な味付けはやはり台湾ならではか。 コレだけ食べて一人500円もいかなかったのであるから、如何に物価の安い国かお分かりいただけるだろう。 スープが薬膳なおかげで身動きが取れなくなるようなことにはならなかったが、それでも計画していたデザートをパスして宿に戻らねばならないくらいには満腹した。 ホテルに帰ってから飲み物の買い出しにセブンイレブンに行ったら台湾版週刊少年マガジンの新少年快報があったので、即購入。この号の表紙が芽留で、たとえ単行本の表紙と同じ絵の使い回しでも、これは貴重な一品。日本でもそろそろ表紙に久米田先生どうですかマガジン編集部。 [0回]
芽留が表紙! 台湾 2010年12月23日 優遇されてますぜ久米田先生。 ちなみに書いてある文章「你喜歡簡訊女孩嗎?」は「あなたはショートメールな女の子は好きですか?」というくらいの意味だそうです。「簡訊」でショートメールを表すそうです。 [2回]
チェックインしました 台湾 2010年12月23日 空港→バス→免税店→ホテルという流れで無事到着しました。これから足ツボマッサージやら夕飯やらに行ってきます。 台北のホテルからでも絶望放送が聞けることを確認しましたので、更新作業できますね。 [0回]