コミック乱1月号 感想
・貧乏剣道道場で遠慮なく3杯飯をかっ食らう三冬様は素晴らしい。まぁ、朝っぱらから身体を動かした後の白米は至高、というのはよく分かりますが。
・ラブコメ展開になると中学生みたいな剣豪2人が好きです。
・居ても立ってもいられなくなり、行きつく先は小兵衛先生のもと。
・そしていらつく小兵衛先生。こういう時は普通の親子なんですよねぇ。でも「早く早く、」「早くいえ!!」という反応はちょっと珍しい。
・「だまれ!!」から「う……」と呻いてがっくりくずおれる大治郎という流れが素敵です。
・酒と肴を挟んで親子差し向かい。酒を差しつつ、恋を語る。まぁ、正直羨ましいです。
・にしても、気づかなかったのか小兵衛先生。バレバレだと思ってましたよ。
・弥七も気づいてなかったのか。江戸時代の男は鈍いのかな。
・「先生のおっしゃることなら盗みでも致しますよ。」「御用聞きのお前がかえ?」「ええ…致しますとも。」書いていいのかどうかわかりませんが、似たような事を口走ったことはあります。実行はしてません。
・腕は立つけどろくでなし、というパターンですな。若くて腕が立つ人間で、人格も練れているのは変わり者なのでしょう。
・「まいりました」の声がたとえ聞こえなくても、動作でわかるはず。そこを撃つなら、せめて「反射的に身体が動いた」だろう。まだ「戦場でそのようなことが通じるか」のほうがいい。耳に入らなかった、は言い訳としても最低。
・それだけに大治郎の勝利がスカッとする。
・「これだから女武道は始末が悪いのじゃ…」全くですな。でも男武道も大概だと思いますよ?
・剣の上手い側用人か。護衛としてはいいんでしょうけど、この頃は完全に政治向きの役職ですからね。
・柳喜十郎、お見事!
・無礼討ちを仕掛けてしくじり、逆に自らが斬られるなど、これは剣に溺れた者の末路にふさわしい。
・本作に出てくる田沼様は、みなもと太郎先生の『風雲児たち』の田沼様や山本周五郎先生の『栄花物語』の田沼様と並んで私好みです。
・女武道は胸も引き締まっていると相場が決まっているのですが、三冬様はなんというか、こう、福々しくてらっしゃいますな。
仲蔵狂乱
・今月号で一番ショックだったのは、これが最終回だったということですね。非常に残念です。でも、いい最終回でした。
・細かい芝居を丁寧に描写しておられるので、読んでいてゾクゾクしました。「五…」「十〜〜両〜〜〜〜」のくだりは声まで聞こえてきました。
・イノシシが可愛い。
・撃たれたシーンの迫力。血の滴り。いいですねぇ。
・これがコメディだったら、すぐ反応がわかるんですけどね。息をのんでいるのか、白けているのか。これが分からないことほど怖いことはないでしょう。
・そして沸き上がる歓声。私は文字屋ですんで、地の文と違う挿絵ができあがってきた時に切ない想いをしたこともあったりして、立作者の気持ちも分からんではないんですがね。これはもう素直に認めるしかないでしょう。
・錦次はややこしいな。本人が「錦次でいいよもう」とか言っちゃうくらいに。
・ここから始まる快進撃もじっくり書いて欲しかったなぁ。司馬遼太郎先生の『新史太閤記』も長久手の戦いの後、家康と対面したところで終わっちゃってるのと同様、ここで切るのが粋なのかも知れませんが。
・ともあれ、高見先生お疲れ様でした。次作でもまた楽しませてください。
風雲児たち幕末編
・旅籠町になんか違うのが1軒混ざってますな。
・「宿場宿場が水戸の天狗でひしめいておる……」資金源が気になってしまうんですが、やっぱり水戸藩がこっそり支援したりしてたんですかね。
・神経過敏の状態で、ギリギリまで追いつめられればおとなしくなるどころか激発しますってば。やっぱり長いことチャカポン生活だったからその辺の機微には疎いんでしょうか。まぁそんなこと言ったら老中なんてみんなボンボン育ちのお大名ばっかりだから、疎い人の方が多いのかも知れませんが。
・「これでは日本が滅ぶぞっ」この人がやってる滅茶苦茶な粛清の方がよっぽど滅ぼしかねなかったんですけどね。人材は自然に生えてきたり庭に植わってたりするもんじゃありません。
・彦根行幸は計画されてたんでしょうねぇ。今なら新幹線で20分、新快速でも50分の距離ですから、当時でも1日あれば十分だったでしょうし。
・公武合体策の象徴、和宮殿下がついに登場。この時婚約解消させられた有栖川宮が後々思わぬ形で出てくるのは歴史の織りなす見事な綾でした。
・大獄の悲劇第二部。凄惨なのに、ちゃんとギャグが入っているのがみなもと先生の凄みですな。
・あとやっぱり、色々同情する面があるとは言え、私には直弼大老はフォロー不可能ですわ。
・矢部さんお久しぶり。
・永蟄居は現代の禁固刑より遥かに厳しいですね。こりゃみんなおかしくもなります。むしろこれは残酷だ。
・岩瀬さん…。無念。
・過酷な環境に見事順応する慶喜には、後年の姿が垣間見えますな。
・刑法の私物化…いつの世も居るものですなぁ。
・寅次郎先生も相変わらずで何よりです。
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