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ふさ千明のおたネタ日記

漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。

お知らせ

 pixivに18禁男性向け小説の物凄く短い奴をアップしましたのでお知らせさせていただきます(私のpixivページにはブログに貼ったリンクをクリックしていただければ飛べます)。ド直球な内容のためここにアップするのがいささかためらわれますので……。

 pixivのアカウントをお持ちでない方で、読んでみたいと思ってくださる方のためにも何らかの方法をとりたいと思いますが、うっかりと睡眠時間をごりごり削ってしまったのでしばしお待ちください。

 にしても、タグやらタイトルやらにRー18って入れるだけでこんなに閲覧数が増えるとは。やはり大事なのはエロスですかそうですか。ちなみに、習作をステップにして書いているのもやっぱりRー18ネタですので多分ここにはアップ出来ないモノになると思います。



 一応、これでも最終着陸目標は一般向けなんですけども。
(追記:追加でもうちょっと長いヤツも別にアップしました。同じくご覧いただけましたら幸いです)

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落語「メイド寿司屋」

 以前、じょしらじの感想でちょろっと書きました「メイド寿司屋を舞台にした落語」が完成しましたのでこちらにアップいたします。

 もしかしたら似たようなお話が存在するかも知れませんが、一応オリジナルです。経緯を少しばかりお話させていただきますと、この噺は最初じょしらじの『おーぷにんぐこばなし』投稿用で書いていましたが、聞いているうちに「これは有名な噺をパロった内容の方が良いんだな」と感じ、それまで書いていたものを一旦止め、改めてその方向性で探ったものの形になる前にじょしらじが終了してしまいまして。

 まぁ、せっかく手を付けたんだから書き上げてしまおうと思い直して最初に思いついたメイド寿司屋の噺に再び取りかかり、なんとか完成にこぎ着けました。

 現在創作リハビリ中の身、大変つたない内容ではございますが、御笑読いただけましたら幸いでございます。


   メイド寿司屋

一席、おつきあいをお願い申し上げます。
えー、今や世の中にすっかり「メイド」というものが定着してございまして。初めはメイド喫茶くらいだったものがメイドマッサージやメイド耳かき、挙句はメイドトレインなんてものも実在するようになりまして、存在しないものをでっち上げようという者にはなんとも油断のならぬご時世でございます。

また、このメイド産業、アキバくらいだったものが、大阪ニッポンバシ、名古屋は大須、博多は天神と日本各地で見られるようになりまして…。みなさまも気がつくとご自宅のほど近くにそんなお店が出来ていたりする、そんな油断も隙もないご時世となっております。



ドンドン。
「おう、オタ吉、いるかい?」
「オタ五郎かい。知ってるだろう。俺が部屋に居ないのはトイレに行く時だけだよ」
「そう言うなよ。せっかく飯でも食いに行こうと声をかけに来たんだぜ」
「飯?飯ならさっき密林から届いたコロッケソバがあるからそれでパパッと済ませるつもりだった」
「おめぇのこったからそんなことだろうと思ったぜ。コイツを見な」
「なんだい、このいかにもなちらしは…メイド寿司?」
「そうよ。この街にもできたらしくってな。これなら普段引きこもりっぱなしのおめぇも外に出る気になるんじゃねーのかい?」
「おごりかい?」
「あたぼうよ!と言いたいところだが、まわらねぇ寿司だからなぁ」
「ちょっと待っててくれ。おっかさんにこづかいねだってくらぁ」
「お、行っちまいやがった。…なんだかあいつをダシにして俺がタカッてるみたいでどうにもかっこわりいな」
「おっかさん、外に飯食いに行くっつったら涙流して喜んで小遣いくれた」
「おめぇの普段が忍ばれるねぇ……さ、行こうか」
「おう」
というわけでオタ吉とオタ五郎、連れ立ってメイド寿司屋へと参ります。
「お、ここだここだ。思いっきり『メイド寿司』って看板が出てるな」
「というか、まんまなんだな店名」
「中へ入ろうぜ」
がらりと戸を開けますと、中はごくありふれた、回らない方の寿司屋の内装ですが、そこに立っている店員は全員が全員エプロンドレスを身にまとったメイドさんという、どうにも摩訶不思議な光景。
「おかえりなさいませー」「おかえりなさいませー」「おかえりなさいませー」
「2人だけど、いいかい?」
「どうぞこちらへ」
「お、おれ、回らない寿司もメイドさんの居るお店も初めてだ」
「そのふたつが並列ってのもどうなんだ」
「お茶をどうぞ」
「ああ、ありがとう」
「何になさいますか?」
「そうだなぁ……」とふたりが壁にかけられた品書きをサッと眺めますと、どうにも見たことの無い名前ばかり。いえ、正確にはオタ吉もオタ五郎も、その名前そのものを見たことはございますが、寿司屋ではついぞ見かけぬ名前ばかり。
「あのー、あそこの『若本』って言うのは?」
「はい。所謂アナゴのことでございますご主人様」
「……………ああ」
「そういうことか」
「お分かりかも知れませんが、ご説明させていただきますと、普通にメイドが寿司を握るだけではいささかインパクトに欠けると思いまして、お出しするネタ全部をその方面の名前で置き換えさせていただきました」
「……オタ五郎、どうする?なんだかちょっと思ってたのと違うよ?」
「どうもこうもあるかい。俺もお前もイッパシのオタクなんだから、こういう趣向はおあつらえ向きじゃねえか。楽しませてもらうとしようぜ。おう、せっかくだ。その、若本の握りを2貫頼むぜ」
「かしこまりましたご主人様」
「大丈夫かな?」
「まずかったら適当に頼んでとっとと引き上げてそれこそコロッケソバでもたぐりゃいいさ」
「お待たせいたしました。若本2貫でございます」
「おお、回転寿司と違ってちゃんと煮ツメが塗ってあるな。どれどれ」
「んぐんぐんぐ……これ、うまいよオタ五郎」
「こいつぁ驚いた。久しく食べたことがねぇ」
「お次は何になさいますかご主人様」
「そうだな。握り寿司と言えばマグロが定番だが、このメニュー表だとどれになるんだ?」
「オタ五郎、分かるかい?」
「おめぇもちっとは考えろ」
「あの『豊作』ってのは違うかい?」
「豊作?ほうさく…あれか、サーモン豊作か!」
「はい、ご名答でございますご主人様」
「なんだか正解しても負けた気がするが、せっかくだ。マグロの前にサーモンも行っとくか。豊作2貫!」
「かしこまりましたご主人様」
「あそこの、『チエちゃんの友達』ってのはなんだろうね」
「そりゃお前、ヒラメだろ」
「『三平』はカッパだね」
「これはサービス問題だな」
とまぁ、あれこれ類推していると、次から次からそのネタが「お待たせしましたご主人様」と、彼らの前に置かれます。
「注文してないけど、返すのも悪いしなぁ」
と、ふたりが食べていると、あれよあれよという間に腹一杯になってしまいました。
「ああ、もう限界だ。これ以上は食えねぇ」
「えい、降参だ。メイドさん、マグロは結局どれだったんだい?」
「あちらのモザイクがかかった札(ふだ)がマグロでございます、ご主人様」
「なんだってモザイクなんかかけてるんだ?」
「ネタも値段も大人向けですので」
おあとがよろしいようで。

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さよなら絶望先生SS(二次創作) 「絶望仕事人」プロローグ

   絶望仕事人プロローグ

「八千石の大身旗本、糸色家の子弟たる身でありながらこのような裏長屋で寺子屋を開いて糊口を凌いでおられるとは…なんということでしょう。お兄様かっこ悪い!」
島田髷を結い、絹ごしらえの小袖姿で高々と笑うは旗本糸色家の息女、倫。
「この糸色望。寺子屋稼業とは言え市井に身を置き我と我が身を養うに、なんら恥じるところはありません!」
「聞けば、寺子屋と言いながら通うてくるは若いおなごばかりとか」
「ど、どこでそれを!」
「ちなみに江戸では『こや』という名前が嫌われ、実際は寺子屋ではなく手習指南所などと呼ばれたそうですわ、お兄様」
「そんな通りの悪い名前だと読者が混乱するじゃないですか!学術論文じゃなくて時代劇なんだから寺子屋で良いんです!」
表の顔は冴えぬ寺子屋のあるじ。そしてその裏は、金にて晴らせぬ恨みを晴らす絶望仕事人の元締。

   ☆


「でもなんで絶望仕事人なんですか?」
「日塔…いえいえ、お奈美さん、金で殺人を請け負うこと以上に絶望の理由がありますか?」
無表情のまま、シレッとした声で答える。
「いえ、そっちではなく、なんで初代の『仕掛人』じゃないのかなーと思いまして」
「それも知名度の問題です!初っぱなからメタなツッコミの連発はやめていただきたい!」
「絶望した!のっけからこんな展開なことに絶望した!」
「はいはい、お約束お約束」
「ええ、ひととおり儀式も済んだことですし、そろそろ本日の依頼人とお会いしましょうか」
静かに立ち上がると、待たせていた別室へと赴く。
「お待たせしました」
部屋で待っていたのは頭巾で顔を隠した小太りの男だった。室内が薄暗いことと相まって、年齢は判然としない。
「私も天下りたいのです!」
望が彼の正面に座るや否や、開口一番、男は叫んだ。
「奴を始末すれば!奴が亡き者となれば枠が空いて私が…そうすれば念願の!」
そこまで言った時、背後から白い細帯のようなものが彼の首に巻き付いた。
「ぐっ」
ひとつ呻いて、がっくりとうなだれた。
「すいませんねぇ、生憎と先方から既にご依頼をいただいていたもので」
シュルルと音を立てて、仕掛の的だった男から、絡まっていたものが解ける。
「あびる殿、ご苦労でした」
「先生……いえ、元締。雑作も無いことです」
半身を繃帯で巻かれた少女がにこりともせずに応じた。
「これは取り分です。収めておいてください」
「ありがとうございます」




と、まぁ。こんな感じです。一次創作がなかなか進まないので創作リハビリの一環として書いてみました。あの面々を必殺仕事人の世界に放り込むと面白んじゃないか?という思いつきから生まれたものですが、せっかくなのでシリーズ化できればいいなぁ、と思ってます。とりあえず書きあがったらこちらとpixivのほうにアップする予定です。


 リハビリなので出来の方は正直自信がありませんが、お付き合いいただけましたら幸いに存じます。

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2013年 年始旅行記(4日目&5日目)

 この日も起床は定刻。昨夜入った風呂が心地よかったのでこの日も朝風呂へ。昨夜は混雑していたのだが、朝はほどんど人影もなくゆっくり楽しめた。

 風呂の後は食事である。ここの宿のバイキング形式な朝食もかなり魅力あるものだったが、我々にはひとつアテがあった。

 昨夜、船で戻ってくる時に使った桟橋のすぐ近くにある唐戸市場である。市場でありながらイートイン機能を有している店もあるため、寿司唐揚げ雑炊等のふぐ料理各種を手軽かつ格安に味わえる。

 以前フェリーを使って0泊2日で強行軍をしてまで食べに来たことがあるくらい、ここは魅力的な場所である。

 ホテルから唐戸市場までは車でほんのすぐの距離。昨日、船を降りてからタクシーで移動した道を逆にたどれば数分で到着する。

 早めに出発したことが功を奏してか、駐車場は余裕がある状態だった。場所を選んで好位置に車を止め、いざ市場へ。

 まだ時間が早すぎたため準備中の場所も多く、雑炊等も絶賛仕込み中だったので場内を2周ほどして我が家用土産の目星を付けておく。せっかくなので2階にも上がって生け簀を眺めたりもする。











 9時半になってイートインがオープンしたため、いざ突撃。寒かったこともあり、2人揃って雑炊にする。昨夜こってりしたものばかり食べたためだろうか、それとも久しぶりだからだろうか、さっぱりとした雑炊の味がこれまで以上に美味く感じた。

 妻は雑炊で打ち止めにしていたが、私はさらに寿司と唐揚げを追加。ふぐのみが持つ白身の魅力をみっちり堪能させていただいた。

 さて。腹を満たした後は買い物タイムである。ここにはふぐと名のつくものはトラフグ、マフグ、サバフグと揃っているので、大きさと値段とを見て選ぶことが出来る。
 質量共に豊富にあるからじっくり選ぼうと思っていたら、次々と売れていってしまうので慌てて購入。

 お店から自宅用に1つと、両方の実家用にそれぞれ1つ。計3箱発送する。

 ちなみに我が家用にはマフグを1匹まるまる鍋用に捌いたものを、食べ盛りの甥っ子がいる妻の実家方面には冷凍のふぐ唐揚げをたんまりと、老夫婦2人の我が実家にはトラフグの刺身と湯引きを少量。

 後で食べる用に寿司の追加購入をして、買い物終了。

 車に戻るべく外へ出ると、どう見ても野良という猫様がこちらに向かってくる。どうやらこの近辺に住み着いていて、人間にエサをもらい慣れているようでこれまで見たこともないような念のいった媚の売り方をしてくる。
 猫好きにかけては人後に落ちない我々はエサを献上したい強烈な欲求と戦うことになったが、理性が勝ってどうにか振り切る。

 入場待ちで長蛇の列が出来ている駐車場から車を出し、下関インターチェンジへ。このとき、途中で山口県警察高速道路交通警察隊下関分駐隊所属のパトカーが道を譲ってもらえず困っていたので入れてあげたところ、お礼のハザードを点滅された。割と譲った経験が多いつもりだが、警察車両からハザード出されたのは初めてである。

 どこまで一緒に行くのかと思えば、インターチェンジの入口に下関分駐隊の基地があるようで、そちらへ向かっていった。我々は当然、そのまま料金所を通って中国道に入る。

 入って間もなく、妻が
「ヘッドホンが…」
と言い出した。
 どうやら愛用のヘッドホンをどこかで落としてしまったらしい。記憶を辿ってみるとホテルで見たのが最後とのことなので、車中から電話で確認させる。フロントが預かってくれているそうで、次の小月インターチェンジで降り、引き返す。
 早く気づいたのが不幸中の幸い。渋滞も無かったので、大したロスにもならずに戻ることが出来た。
 ホテルの前に車を停め、妻に取りに行かせる。ものの5分ほどで無事に回収完了。金文字で『和』と入っている魔改造仕様で非常に人目を惹いたのもこの時はプラスに働いたようだ。

 さて。仕切り直して再出発する。ちなみに私も台湾で買ってきた洗顔フォームを忘れてたりするのでついでに聞いてもらったのだが、こちらのほうは発見されなかった。茶成分入りで大変肌に優しく、気に入ってたので残念だが、まぁ仕方ない。

 再び下関インターチェンジから中国道へ。この後一気にフェリー乗り場まで駆け抜けることにしたので、入ってすぐの王司パーキングエリアでトイレに行っておく。ここの売店で、今回入手し損ねていた東雲堂のにわかせんぺいが買えたのは大変ラッキー。

 用足しも休憩も買い物も済んで、あとはひたすら目的地に向かってひた走るのみ。

 下関ジャンクションを過ぎ、美祢の山々をくぐり抜け、山口ジャンクションから山陽道へ。
 時間に余裕があれば徳山東で降りて瀬戸内海と山陽本線に挟まれた私好みの国道188号線を走ってみようとかも算段していたのだが、出掛けのちょっとしたアクシデントで行程にちょっと不安が出たため又の機会に。

 その2つ先、玖珂インターチェンジで降り、インターチェンジのちょっと先にあるコンビニの駐車場でちょっとルート確認。ここからフェリー乗り場まで、カーナビは県道70号〜7号〜70号線のオール県道使用コース(実際は最後にちょっとだけ国道188号線を通る)を主張する。プロ野球オタでもある私としては広島東洋カープ由宇練習場の横を通ることが出来る国道437号線を使いたかったのだが、やはりここはフェリーの予約を優先し、泣く泣くカーナビの指示に従う。

 山道の県道ということで悪路に継ぐ悪路を覚悟していたのだが、思ったほどではなく、むしろインパクトに強く残ったのは道中なんどか目にしたラブホの広告看板である。
「多いな」
「こんな山間部で…どんな需要が?」
「今んところ、こんな時間から『満室』になってなかったか?」
「……見なかったことにしよう」
考えてみれば京都大阪でも高速道路のインターチェンジ付近には多いので、まぁ、山陽道の接続道路ということからするとごく自然なのかも知れないが…。玖珂インターから結構離れてからもまだ存在していたのでちょっと気になった次第である。

 それはさておき。

 勾配の急な山道をひた走ること約30分。立体交差で山陽本線の上を通り過ぎると、ようやく車窓は山から海へと転ずる。
 ここからは国道188号線。工業地帯やら柳井市民球場やらを駆け抜けて、柳井港フェリーターミナルに到着する。

 毎度のことではあるが、今回も係員の方の誘導に従い、車を止める。そして同じく毎度の流れで窓口へ。

 それなりにお金はかかるのだが、この柳井港〜松山三津浜港というショートカットがなかったらこのあと広島県をほぼ丸々横断した上にしまなみ海道を踏破して東予港までたどり着かなければならず、疲労度は比較にならない。ありがたい存在である。
 手続きを済ませると、出港時間までは温かな陽光に誘われて港内を散策する。こんなほのぼのした状況なのに段差に妻がすっこけて足を痛めるアクシデントがあったりするから油断ならない。

 捻ったり挫いたりしなかったのでまだ良かったが、一時はどうなることかと青くなった。

 足を痛めたので、散策中止。車中待機に切り替える。本来ならここでたんまりあるDVDの出番なのだろうが、思いのほか早く船内への移動が始まるようだったので、雑談でもして時間をつぶす。この時の主な話題はこれから乗る防予フェリーの船の名前。おれんじぐれいす、おれんじまーきゅりー、おれんじじゅぴたー、という3隻を見て「どうせなら『ぐれいす』じゃなくて『まーず』とか『ゔぃーなす』とか」「それだとタキシード着て仮面つけた男から出港のたびに薔薇を投げつけられる儀式とか発生しそうでいかがなものか」とか、そんな感じで。

 決して窓を開けられないこんな会話をしているうちに乗船開始。船内に停めるのもぼちぼち慣れてきて、初回よりだいぶ落ち着いて出来るようになった。

 さて。船内はカーペット席と椅子席とが存在していたが、カーペット席は子供が走り回ることが予想されたため陽当たりの良い最上階の椅子席にて仮眠をとることとする。

 唐戸市場で買い込んでおいた寿司でお腹を満たすと、後はもう眠りの世界へ。

 噂によると『ザ!鉄腕DASH!!』のDASH島として絶賛開拓中の島が、航路の近くにある由利島らしいが、その辺を探したりする余力も無く、2時間半のほとんどを睡眠に廻す。

 ぐっすり休めたおかげで、船を降りたときには快調そのものだった。

 降りてまず目指すは道後温泉…ではなく、我が思い出のうどん屋、大黒屋。

 学生時代、やはり正月に四国旅行をしたことがあるのだが、その時に松山駅の観光案内所に「正月でもやっている、美味しいお店はありませんか?」とたずねたところ、場所を丁寧に教えてもらっただけでなくオススメメニューまで教えてもらって訪れたのがこの大黒屋さん。実際に行ってみたところ、それまで蕎麦至上主義者だった私がうどんのうまさに開眼したという、個人史的エポックメーキングな店なのである。
 前回松山に来た時は諸事情あってパスする羽目になってしまったのだが、今回は妻のリクエストである「鯛飯」もばっちりメニューにあることから再訪が決まった。

 カーナビにちゃんとお店の情報が入っていたので、三津浜港から特に迷うこともなく、しかし既に夕暮れ時だったので割と緊張しつつの運転。ただ、ひとつ困ったのは店の駐車場に右折入庫となってしまったことくらい。これも、優しい松山のドライバーさんが道を譲ってくれて、事なきを得た。
 お店は混雑していたが、2名という少人数が功を奏してあまり待つ事も無く席に着く。

 注文は2人揃って鯛釜飯御膳。これなら釜飯以外にもうどんも茶碗蒸しも天ぷらも味わえるので、欲張りな我々向きである。

 ちなみに実食中はほぼ無言。それほど空腹だったわけでもないのに、ひたすら食べて食べて食べて。ようやく口を食事以外に使ったのは「ごちそうさま」の時だった。

 鯛の身の柔らかさと甘さが云々と長々書こうと思ったが、何を書いても言葉足らずになるのでやめておく。

 会計を済ませる際に、レジ前にあった冷凍釜飯セットを買って帰ろうかでかなり悩んだが、食べに来る甲斐ある味ということで断念。代わりに半生うどんを買ってしまうところは我ながら言行不一致と言うか未練たらしいと言うか。

 まぁ、割と本気でそのためだけに松山に来てしまいそうなくらいあの釜飯は見事だった。

 満ち足りたお腹を抱えて、次に向かったのは道後温泉。神話にも出てくるこの古き良き温泉は、どっしりとした和風建築で有名な本館ともうひとつ、椿の湯という共同湯も存在しており、我々はもっぱら混雑を避けてこちらを利用する。こちらも利用すれば駐車場の割引が効くし、お湯質は本館と変わりないのでゆったり入れる分こちらのが好みなのである。

 外観も内装も昭和のたたずまいを今に伝える椿の湯。湯の温度はやや熱めだが、これが気持ち良い。旅の疲れがじわじわ溶けていくようだ。割と早風呂なことが多い私でも長湯したくなる。

 自分としてはじっくりつかったつもりだったが、それでも妻はまだあがって来ていなかった。「待たせてたらどうしよう」とか思っていたのでそうならなくて何より。

 投入するのが10円玉という、これまた昭和なマッサージ機にほぐされていると後方から「お待たせ」の声がする。
 言われるほど待っていないのだが、むしろ私の方がマッサージ終了まで待たせる羽目になったのだが、ともあれ柳井港で痛めた足がだいぶ楽になったそうで、重畳。

 外に出ても寒くない!ということに心底感心しつつ。慌てて車に逃げ込まなくても良くなったため、坊っちゃん団子などを買い込んでみる。

 そう言えばここまで散々『水曜どうでしょう』ついて触れて来たが、記念すべき初っぱな企画『サイコロ1』で最初に訪れたのがこの松山道後温泉。何処かの店に写真があるとか聞いていたので探してみたが、見つけられなかった。

 日程に余裕があればここにもう1泊しても良かったくらい、松山道後はいいところだったが、さすがにもう財布も職場も許してくれない。
 道後温泉を後にして、松山道へ。道後温泉から松山インターチェンジまでが思ったより遠かったり、そのインターが工事中で入口が分かりにくかったりもしたが、乗ってしまえば東予港までは大して時間もかからない。高速道路も、それを降りてからもひたすら道が暗かったくらいはもうどうということもない。

 カーナビの案内に従って順調にフェリーターミナルに到着したのだが。窓口で支払う段になってクレジットカード不可なことを知って慌てることとなる。今回の旅行のフェリーに関する支払いは妻に一括で委任していたのだが、ここまでオールカード払いで来ていたため、ここでもいけるだろうと思っていたようで、手持ちが足らないとのこと。

 私の財布もあれこれの支払いでだいぶ軽くなっており、確保出来たのが特別室だったことも災いして2人分を引っ掻き集めても必要額には不足していた。

「よろしい!ならばコンビニだ!」

と。意を決して車を発進させる。カーナビで検索したところ、フェリーターミナルからの最寄りが1キロ程離れたところにあるローソンということが判明したため、一目散に走り出す。広い駐車場にやや慌て気味に停めてATMめがけて飛び出す。千葉銀行のキャッシュカードを入れて恐る恐るキーをタッチするとちゃんとお金が引き出せた。21世紀万歳。

 ローソンから取って返して、再びフェリーターミナルへ。もう乗船が始まっていたので、車を停め、支払い済ませたらそそくさと移動する。
 駐車スペースからキャビンへはエスカレーターが設置されており、これはむしろエレベーターよりもいいかもなぁ、なんて話をしていたら、キャビン部分にはエレベーターもエスカレーターもなく、エントランスがある3階から我々が目指す4階へは階段を上がっていかなければならなかったため足が万全ではない妻にはちょっとキツかった模様。

 ただ、部屋は良かった。私もフェリーなのにサンルームが備わっている部屋には初めて泊まる。冷蔵庫が無かったものの、乗船時間もそれほど長くないので大して問題にはならない。



 ちなみに、この船も大阪南港着が6時10分と早朝なので8時まで滞在出来る手続きも抜かり無く済ませてある。

 道後で入浴して来ているのでさすがに風呂に入る気にはならなかったが、ここまでの旅の無事を祝してレストランで夜食をつつく。この夜は酒には手を出さず、じゃこ天うどんとおでんを楽しむのみとした。

 翌日はもはや1日分として取り扱うほどのネタが無いのでこの稿にてこのまま続けさせていただくと、この夜は瀬戸内の穏やかな波と広々した寝心地の良いベッドのおかげでたっぷり熟睡し、気づけばもう大阪南港に入港した後だった。

 せっかくのサンルームなので朝風呂に入った後の水分補給をここでしてみたりする。朝の光に照らされる大型船とコンテナに満ち溢れた商工業港湾の眺めは人を選ぶとは思うが、工業地帯萌えや船オタならば一度は是非お試しいただきたいところである。

 船内放送に促され、荷物を抱えて車へと移動する。南港から我が家までの道のりは最早『旅路』という言葉が似つかわしくない。
 なので、この旅行記は大阪南港を出発する時に口にした、私のいつもの言葉で締めくくらせていただこう。

「さぁ、次はどこへ行こうか」

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2013年 年始旅行記(3日目)

 1月4日。仕事始めの日だが、休みをいただいているので、職場から1000キロも離れたこの場所で目覚めることが出来ている。ありがたいことである。

 そしてやっぱりいつもどおり6時に起床してしまう。しかし、この日は悲しみを憶えたりはしない。寝坊すると『朝飯か朝風呂か』という身を裂かれるような二者択一を迫られる羽目になるからだ。

 妻はまだ寝ていたので、起こさぬよう注意して風呂仕度を整え、部屋を出る。

 風呂は空いていた。宿自体はほぼ満室に近い状態だったはずなので、みなさんまだゆっくりお休み中な模様。おかげで東雲から日の出までの時間を大浴場でのんびりと過ごさせてもらえた。

 ほっこりして部屋に戻る。まだ妻は起きてこないので、起こさぬように…と思ったがそろそろ起こさないとそれこそ『朝飯か朝風呂か』を選ばないといけなくなる。意を決して目を覚まさせる。この『意を決して』と言うのはレトリックでもなんでもない。寝起きの悪い妻を起こすにはそれなりの覚悟が必要なのである。

 この日は幸いにしておむずかりが発生することも無く、時短バージョンで朝風呂へ向かう。その間、私は職場への土産物を買いに売店へ。
 鹿児島土産数々有れど、職場での好評度で言うとかるかんがこれまでトップであった。だもので今回もそうしようと思っていたのだが。

 売店にあった『指宿のたまて箱 さつまの焼きドーナツ』に目を惹かれた。特急『指宿のたまて箱』号には前回の指宿旅行で乗ったのだが、こんな関連商品があるとは知らなかった。
 基本的に自分が食べたことのないものは他人様の土産にしないのだが、今回鉄道を使わない旅行をしていることに鉄オタとして忸怩たるものを感じていたこともあり、土産として購入決定。幸いにして職場では好評を博したので次回以降もこれにしようと思う。

 事のついでと自分用に地元頴娃茶のペットボトルなども購入し部屋に戻った。さて。無事に土産が手に入ったことでもあるし、と荷造りをしていると妻が戻って来た。

 若干せわしないが、そのまま朝食をとるべく会場へ向かった。ちょうど込み合う直前に滑り込めたのは実に幸いだった。海が見える場所に席を取り、バイキング形式で並べられた各種料理にアタックをかける。
 いつもは和洋折衷という感じで無造作に美味そうなものをチョイスしていたのだが、今年は期せずして和オンリーに。特に今回は味噌汁が異様に美味く感じて、これのみおかわりをしてしまったほど。
 また、ここでの朝食でお馴染みのことなのだが、売店販売商品の試食という形で各テーブルにかつおチリメンふりかけが置いてあり、これがご飯に大変よく合う。毎回買って帰りたくなるのだが、ここに来る楽しみのひとつということで敢えて買って帰らないことにしている。

 妻は妻でいつも生野菜たっぷりにパンの組み合わせなのだが、今回は粥に惹かれたようで、おかずもそれに合うものものばかりを選んでいた。

 ともあれ、家に居る時はこうやってふたりで朝食をとる機会もあまり無いので、こうやって朝から食卓を囲んであれこれと話すのは私の旅の楽しみのひとつにもなっている。

 とりとめのない話題に今日の予定のことも混ぜておく。この日は指宿から一気に下関まで駆け上る行程なので、途中の休憩ポイントのみならず、渋滞しやすいエリアについても話しておき、事前に腹をくくっておいてもらう。

 食べ終えて部屋に戻ると、もう9時を回っていた。しばし食休みをとってから身仕度と荷造りをし、チェックアウトへ。居心地の良いところなので、帰りのフェリーが新門司港発で予約できていればもう1泊したかったところだが…。ままならないものである。

 さて。チェックアウトして真っ先に向かったのは100mと離れていない砂むし会館『砂楽』という公共の砂むし施設である。「またか!」と思われるだろうが、「また」なのである。

 誘導係の方の指示に従って車を駐車場へ止め、いざ砂楽へ。

 にしても。今まで誘導係の姿を見たことが無かったのだが、今回は正月で書き入れ時だからなのだろうか。

 2階で受付を済ませ、更衣室で着替えを済ませ、浴衣姿で外へ向かうと従業員の方にショールを勧められる。これも前来た時には無かったサービスだったと記憶している。色々充実してくるのは年に1回しか来れない身ながら嬉しいものだ。
 しかし、砂蒸しの醍醐味のひとつとして向かう時の肌寒さと、終えて戻る時の寒さを寄せ付けない体温の高さを比べる楽しみがあるので低調にお断りする。

 砂むし場は砂浜にあるのだが、冬場は寒さ対策で囲いに被われており、残念ながら海を眺めながら蒸されることは出来ない。まぁ、眼鏡を外しているのでもし囲いが無くてもあんまり恩恵にはあずかれないのだが。

 まぁ、なんだかんだ言っても蒸される威力が全てである。気持ちよさにうとうととしたりして、存分に堪能する。

 そして、終わったあとの温泉がまた最適のコンボとしてヒットする。

 さっぱりして2階の休憩ホールへ。妻を待つ間に水分補給しつつ特産品コーナーを一回りすると、ここの砂を使った『砂蒸し気分』という健康グッズを発見。説明を読むと『指宿海岸の砂から不純物を取り除き、もういちど温泉水に漬け込み、乾燥させて、じょうぶな保温パックに封入しています。』とのこと。なんとも手間ひまのかかった話だ。
 もしコレを使って自宅でも砂むしに少しでも近い効果が得られるのであれば、ということで、妻と合流後合議の上でお試しとして腰用を購入。

 帰宅後使用したところ血行不良に効果大だったので、次回訪問時に追加購入することが決定した。

 さてと時計を見れば既に11時を回っていた。ここで昼食をとって出発するにはいささかまだ早いが、かと言って鹿児島市内のどこかで食べてから北上するルートだと夕食が危うくなる。
 九州道のサービスエリアのどこかで食べようという結論に到り、外へ出る。ここでとっとと出発すればいいのだろうが、向かいにある酒屋であれこれと買い物をしてしまうあたりが未練たらしい。
 最初は道中に飲むための飲み物を買うだけのはずだったのだが、我々2人とも酒は弱いが酒のつまみになるような食べものは大好きなので、山川漬とか豚みその缶詰とか色々買い込んでしまう。特に豚みその缶詰は指宿市内にある県立山川高校の生徒さん達が実習で作っているものだとのことで価格帯が一般のものよりも安く、2つ買う。

 思いのほか時間がかかってしまった買い物をようやく済ませて駐車場へ戻り、いよいよ指宿ともお別れである。

 スタートの音楽はやっぱり『1/6の夢旅人 2002』。イントロ部分を聞くだけで心が弾み、ワクワクが止まらなくなる。

 今日の行程は9割がたが来た道を戻ることになるのだが、それでもなおこういう気持ちになれるのは何故だろう。実際は来た道を戻る+αで、そのおまけの部分のハードルが意外に高いからか。

 この日も鹿児島の空はよく晴れていた。ただそれだけのことで、来たときとは道の印象がまったく違った。シラス台地特有の畑作オンリーな田園風景も、日暮れ後の往路と明るい空の下の現在とでは、まるで別物だ。昨夜は暗い&狭い道&未知という三大要素もあって緊張感溢れる光景だったのに、今はちょっとしたリゾート気分になっている。

 鹿児島の市街地まで出ず、指宿スカイラインという有料道路に谷山インターチェンジから乗る。この道路、名前に指宿と付いてはいるが南九州市の頴娃までしか伸びていないためこういう使用方法になってしまう。

 それでも、これがあるおかげで鹿児島の市街地を迂回して九州道に乗ることが出来る。

 途中の山田料金所がETC設備を持っていないため、駐車場の出口のようにお金を払って通過。このとき、窓を開けるに際して流れている音楽を止めたりする配慮に抜かりは無い。

 鹿児島インターチェンジからは九州道。昨日は薩摩吉田で降りてしまったので、コレで晴れて全線制覇出来る。………こういう発想はやっぱり鉄オタだからなのだろうか。鉄道であれば何々線全線乗り潰し、なんていう話はよくあるのだが、車に関しては何々道全線制覇云々ということを言う人を寡聞にして聞いたことが無い。

 まぁ、こういう時のために『業』と書いてカルマと読む便利な言葉がある。この便利さをフル活用して心の棚に片付けてしまおう。

 新年早々訳の分からない話題で盛り上がってしまう車中。今年も我が家はこれが平常運転な模様。

 そういう我々なので、昨日も立ち寄った緑川パーキングエリアをこの日の昼食場所として選定してしまうのもむべなるかな。

 時間的にちょうど良かったとか、ここで好物の日奈久ちくわが買える、とか動機は他にも色々あるのだが。ちなみに、手前の宮原サービスエリアでもその辺はクリアできるレベルだったことはここだけの話だ。

 ということで、緑川パーキングエリアにて熊本ラーメンをいただく。

 食べて思うのは、こういう場所でもちゃんと美味しいものがいただける有難味。今年度になってからお仕事のアレコレでサービスエリアやパーキングエリアで昼食をとる機会が増えたのだが、どこに行っても外したことがない。

 食べ終えて、売店で日奈久ちくわを買い込む。下り線には置いてなかったのにこちらには割と種類豊富に揃っていたので、ひととおり比較検討。結果、一番たくさん入っている10本入りに決定。

 車のテールゲートを開けて、後部座席のさらに後ろに、隠し金庫のように備わっているカーゴフロアボックスにちくわをしまう。

 食後休憩もバッチリ取ってあとは一路下関を目指して北上するのみ。しかし。ここに来て新たな問題が持ち上がった。

 渋滞である。

 熊本県を抜けるまでは割と好調だったのだが、久留米を過ぎるあたりから唐突に流れが悪化。前方の長い長い車列が視界に入ったためハザードをつけつつゆっくりブレーキを踏む。

 妻に携帯の道路交通情報サイトで確認してもらうと、渋滞距離は10km。しかもどうやら事故渋滞の模様。このあたりがもともと渋滞しやすい区間であることは事前に調べがついていたのだが、事故か…。

 渋滞が無ければ九州道名物とも言える基山パーキングエリアに立ち寄ってみてもよかったのだが、この状況下ではいかんともしがたく、あえなく断念。

「まだ外が明るい時間帯だからマシだけど、慣れない土地で、暗くなってからの渋滞はしんどいからなぁ」

等と言っていたら、うっかりフラグを立ててしまったようで今度は日が沈みかけたあたりでまた渋滞につかまってしまう。ちなみに今度も事故渋滞で、現場を通り過ぎた時に確認出来た状況を見るかぎりでは、どちらも側壁への自損だった。この辺は以て他山の石としたい。

 福岡県内だけでかなり消耗したが、それを抜けた先にはご褒美が待っていた。門司と下関の間にかかる関門橋。正確にはこの橋とその周辺は独立した高速道路で関門自動車道というらしいが、その橋がまばゆい光に包まれていた。
「すげぇ!」
「ライトアップ?」
全長1068mもある光りの橋を自らの運転で渡るのはちょっとした感動があった。
「頑張って運転して来た甲斐があったわ」
ひとりで運転したので達成感も大きい。これは口に出すと運転していない妻が気にするので心の中でひっそりつぶやくことにしたが。
 代わりに
「運転するのでいっぱいいっぱいだから、車窓を見といて」
と依頼する。大型船舶が航行する関門海峡に架かっているため、桁下から海面まではなんと61mもある。門司も下関も一望のもとにひろがっており、かなり見応えがあったことと思われる。
 橋を渡りきると、水曜どうでしょう『サイコロ2』で白眉の名場面の舞台壇ノ浦パーキングエリアに通りかかるが、ここは下り線のみ利用が出来るので、泣く泣く立ち寄り断念。
 無念を抱えつつ下関インターチェンジで高速を降り、本日の宿であるドーミーインプレミアム下関へと向かった。
 ぶっちゃけると、壇ノ浦パーキングエリアがあるところにインターチェンジがあればそのまま国道9号線に出られて至便だったのだが、そこから1キロ以上北上したため、県道57号線から市街地へ向かうことになる。カーナビがあるとは言え初めての道を真っ暗な中走るのでちょっとばかり手間取ったり戸惑ったりしつつも、どうにかこうにか無事にたどりつけたのは僥倖だった。
 ホテルの人の丁寧な誘導で立体機械式駐車場にも無事入庫完了。

 チェックインを済ませ、部屋へ。今回ツインが取れなかったので2部屋に分かれてしまったが、温泉付きのここに投宿できるだけでも良しとしたい。

 部屋に荷物を置いて、夕食を取るべく外へ。
 下関には春帆楼を初めふぐ料理の名店が数々あるのだが、諸事情によりふぐは翌朝に廻して門司港へと向かった。今回の旅行で初めて電車を利用して。
 わずかな距離でも電車に乗れることにウキウキしながら下関駅で発車を待っていると、観光列車みすゞ潮騒号が入線してくる幸運に恵まれる。
 デジカメを抱えてホームに降り、短い時間ながらも巡って来た撮影タイムにほっこりする。



 つい小一時間ほど前に渡って来た関門海峡をトンネルで潜り、下関駅から隣の門司駅へ。そこで乗り換えて2駅の門司港駅で下車。

 門司港レトロ地区。ここにある門司港地ビール工房。夕食はここで食べる。そして勿論地ビール工房なので飲みもする。

 普段滅多にお酒を飲まないくせに、旅行中は毎日かっくらっているのはどうしたものか。

 しばらく来ていない間に『門司港驛ビール』なるものが出来ていた。国の重要文化財である門司港駅舎の工事応援企画と銘打たれており、1も2もなく注文決定。

 あとはつまみだが、いつもながらアレも食べたいコレも食べたいで夫婦間討議を重ねる。その結果、小フグの唐揚げ、ごちそうサラダ、窯焼きピッツァのサルシッチャ、ジャーマンソーセージ盛り合わせ、牛肉の赤ワイン煮込みを選択。そして締めに食べる門司港名物の焼きカレーも時間がかかるため先に頼んでおく。

 うやうやしく運ばれて来たグラスを受け取り、門司港レトロ地区の夜景を楽しみながら乾杯。
 なんというか、我ながら似合わないことをしているな、という自覚はあったが、せっかくなので次々に運ばれてくる料理と合わせて堪能しておいた。




 いずれの皿も美味だったが、特筆すべきは牛肉のワイン煮である。どんな料理家と言えば、その名のとおり牛肉をワインベースのソースでじっくり煮込んだ料理で、『もやしもん』でマリーが作っていたものとほぼ同じものと思っていただいて構わないだろう。

 口の中でとろける牛肉の、その魅力を最大限に引き出すソースの味。美味いとしか表現できない己の語彙の乏しさが恨めしい。機会があれば一度食べていただきたい、としか言えない。

 調子に乗って2杯目のビールを頼み、間もなく運ばれて来た焼きカレーと共に味わう口福の時。この幸せは筆舌に尽くし難い。

 全てを綺麗に平らげて、大満足で店を出る。

 ビール2杯ながらすっかり酔っぱらっていたため門司駅での乗り換えが面倒になり、下関唐戸桟橋行きの船に乗って戻る。

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今年の初夢

 1月2日夜、泉大津港から新門司港に向かうフェリーの中で今年の初夢を見ました。以下の内容は私の見た夢ですので、誤解無きように宜しくお願いいたします。


 本題に参りますと、その夢の内容というのが、さおりんこと後藤沙緒里さんの携帯電話向けネットラジオ『後藤沙緒里のいろはにほへと』が復活した上に、公開録音を日比谷公会堂で行なっており、私はそれに参加しているという状況でした。

 何年かぶりに是が非でも現実化させたい内容の初夢でしたが(例年割とどうでもいい内容が多かったので)、とりあえずそのためには何から始めるべきでしょうか。それなりに努力は惜しまない所存なんですが。

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2013年 年始旅行記(2日目)

 午前6時。目覚ましをかけていた訳ではないのに、出勤日と同じ時間に目を覚ましてしまうのがちょっと悲しい。

 この時、酒を飲んだ翌朝にしてはスッキリと目を覚ますことが出来たのは缶ビール1本でやめておいたことが良かったのだろうか。
 隣を見ると妻はまだ寝ている。

 船はもう既に新門司港に入港しているが、我々はゆっくりステイの手続きをしているのであと1時間半ここにいられる。

 というわけで、寝ている妻を起こさないように身支度を整えて朝風呂へゴー。貸し切り状態の展望浴場は、まだ外が暗かったために眺望はそれほど楽しめなかったが、空いていたおかげでゆったりとお湯を楽しむことが出来た。

 さっぱりして部屋に戻ると、その物音で妻が目を覚ました。朝風呂を堪能して来た話をすると、自分も行くと言い出した。朝食をどうするかとたずねたところ「いらない」と答えたので、昨日持ち帰りにした料理の皿を返しがてら私はひとり朝食をいただきにレストランへと向かった。

 朝がゆセット、朝カレーセットなどなど魅惑のメニューに目移りしながら選んだのは焼鮭の和定食。追加に辛子明太子もつけて、万全の構え。味噌汁に九州特有のアゴダシの香りを感じながら、美味しくいただいた。

 満腹&満足して部屋に戻り、荷物をまとめにかかる。私はこの手の作業が苦手なので妻より先に取りかかってちょうど同じくらいに終わる。程よいタイミングで妻が風呂から戻ってくる。2人とも荷物をまとめ終わった頃に、下船時刻10分前となる。

 部屋を出てエレベーターに乗り、わが愛車のもとへ。

 さぁ、ここからは知らない旅の形が始まる。自分で運転して、自分でたどりつく道のりのスタートである。若干の緊張と共に、車のエンジンをかける。頼みのカーナビはまだ大阪泉大津港にいる状態になっていたのがいささか不安だったが、スピーカーから流れてくる『1/6の夢旅人 2002』を聞くとそれも一気に吹っ飛んだ。
 この曲を知る切っ掛けになった『水曜どうでしょう』という番組の面々がしてきた旅のスケールや無茶加減を思い出すと、自分の不安が実に小さなものに思えて気持ちが落ち着く。

 船から外へ出てしばらくするとカーナビが現在位置を把握したので、その案内に従って新門司インターチェンジから九州自動車道に乗る。

♪せ~かいじゅうをぼ~くらのなみ~だで埋め尽くして~

樋口了一さんの声に乗ってアクセルを思いきりふかせ…れば良かったのだが、路面が白くなっているのを見て思いとどまる。
「凍ってる?」
「さぁ…?」
少し走ってみた感じでは通常の道路と変わりなかったので、これは凍結ではなく凍結防止剤だと確信し、ようやく安心して加速出来た。

 一路、鹿児島へ。

 いきなり山越えだったり、ちょっと長めのトンネルが2つ続いたりして軽いジャブを食らったが、それでも大過なく進む。そのジャブを乗り越えて遠賀川にさしかかると、これまで九州旅行の際に使っていた山陽新幹線の線路と並走することとなり、ちょっと不思議というか愉快というか。
 その少し先、若宮インターチェンジ手前では噂に聞いた『若宮 宮若』というちょっと珍しい看板を実際に見ることが出来てさらに愉快度アップ。

 心配の種だった天候も渋滞も特に問題は無く、三車線の高速道路を快調に走る。長丁場のドライブになるため、この旅行で視聴すべく用意したBGMやらDVDやらあったのだが、まずは妻が昨日初売りで買い込んで来た東方系CDが投入される。

 福岡インターを過ぎ、太宰府、筑紫野と過ぎていくに連れて並走する車の数は徐々に減っていく。ただ、どこまで行っても西鉄バスの姿だけは見ることが出来たのには驚くのを通り越して笑ってしまう。さすが日本一のバス会社。

 車窓も楽しみたかったのだが、さすがにそんな余裕は無く。せいぜい基山パーキングエリアの横を通過する際にちらっと視線を向けて、『パーキングエリア』という名前にそぐわぬ規模の大きさに感心した程度である。

 鳥栖ジャンクションを越え筑後川を越え、ひたすら南下していくと間もなく熊本県に入る。

 道中は退屈するだろうと踏んでいたのだが、まったくその気配もない。運転している自分はともかく、妻も楽しそうに車窓を眺めている。このままだとせっかく用意したものは出番無いままかな?と思ったりもしたが、まだまだ鹿児島までですら道半ばであるし、帰りもある。そう判断するのは早計というものだ。

 車は程なくして北熊本サービスエリアまで2キロのところまで来る。ぼちぼち距離も稼いだのでこの辺で休憩してもいいのだが、ちょっとした目論見があったので先延ばしにする。
 さらに25キロほど走った先、緑川パーキングエリアに車を止めた。

 ここを選んだ理由はズバリ、名前である。オタ夫婦である我が家的に『緑川』と言えば声優の緑川光さんを真っ先に連想せざるを得ない。特に、ガンダムWを長年追いかけ続け現役で二次創作を続けているうちの妻としてはやはり反応してしまう名前であったので、休憩場所にここをチョイスするのはある意味自然と言えた。ちなみに私にとって緑川さんと言えばスレイヤーズのゼルガディスが一番思い出深い。

 そういう訳で、駐車するとまずは看板を撮影。





 上に思いっきり『ヒライ』と入っているのがネタ的に膨らみを持たせている。
「ヒライっていう名前のキャラ演じてなかったっけか?」
「記憶にないなぁ」
「惜しい」
そんな会話をしてしまうのは、もうどうしようもない業のようなものだとして。

 撮影完了後はとりあえずトイレを済ませて買い物タイム。ローカルドリンク好きの私としてはまずドリンクコーナーをサーチする。熊本でローカルドリンクと言えばらくのうマザーズのコーヒー牛乳がまっさきに浮かぶが、これは鹿児島でも入手可能なのでパス。サーチの結果、“晩白柚(ばんぺいゆ)とはちみつドリンク”に決定。ちなみに晩白柚とは熊本県は八代市の特産品となっている巨大柑橘類で、ザボンの仲間である。以前、八代市にある日奈久温泉に宿泊した時には大浴場の浴槽にこれがいくつも浮いていたという愉快な思い出がある。

 味はやや甘めで、かといってべたつく感じはなく、運転の疲れを取るという意味ではいいチョイスだった。

 車に戻って椅子を倒し、しばし仮眠モード。カーステレオ使用権を交代してもらって私の用意してきたメモリーカードの音楽を流す。
 休憩中なので無駄にテンションをあげないようにと『魂のルフラン』及び『心よ原始に戻れ』をチョイスするが、うっかりとその次が『太陽曰く燃えよカオス』だったので仮眠が強制終了。車を発進させる。

 (」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー! ←これで頭の中を一杯にしつつ、とりあえず事故らないようにすることだけを心がける。

 この次も『お後がよろしくって…よ!』だったり『天体戦士サンレッドのテーマ』だったり。あとはニコニコ動画で拾って来た替え歌たちが続いて流れて、テンションは高いままでキープされる。
 その高いテンションのまま、八代ジャンクションに突入。この先は『危険物積載車規制区間』であり、山越えの急カーブが多数存在する上、23本のトンネルが連続する九州道最大の難所。それなのに、このハイテンションなBGMに後押しされて割と楽しく運転できてしまう。絶景だらけの車窓を台無しにしたようにも思えるが、気にしてはいけない。

 圧巻は全長6キロを超える肥後トンネルで『白金ディスコも無ェ(Fuli ver)』が流れ始めた時。意味も無く「これで勝つる!」と思ったものである。月火ちゃんと吉幾三の絶妙なコンビネーションに後押しされて、無事突破。

 もちろん、テンションが上がったからと言ってスピードまで上げるような真似はしない。急カーブと上り坂のコンビネーションが私からそういう浮かれた気持ちを根こそぎ奪い取る。

 人吉インターチェンジまで2キロ、の看板を目にした時には「あ、そう言えばめだかボックス関連の曲入ってないな」ということに気がついた。まぁ、気づいたからといってどうすることも出来ないし、よくよく考えてみたら善吉のキャラソンは出ていないので『人吉で人吉善吉の曲を流す』はそもそもとして実行不可能だったのだが。

 その後、門司から250キロの看板を目にするころには難所も抜け、やれやれと思ったら加久藤トンネルという強敵が待っていた。最長の座こそ肥後トンネルに譲ってはいるが、その長さは肥後トンネルより少し短い程度であり、十分に難所と言えた。ここも愉快な音楽の力を借りて無事に通過する。

 トンネルを抜けるとそこは鹿児島県…ではなく宮崎県。正確に言うとトンネルの中で既に宮崎県だったのだが。福岡から熊本に抜ける時にいったん佐賀県を通過するように、熊本から鹿児島に行くにあたっても途中宮崎県を通過するのである。えびのジャンクションを越えて少し行くともう鹿児島県なのだが。

 にしても。鉄オタの自分が肥薩線に乗るより先に高速道路で人吉~吉松間を駆け抜けることになるとは想像だにしなかった。肥薩線自体はループ線とか駅弁立ち売りとか見どころや楽しみの多い路線なので今でも一度は乗ってみたいと思っている。と言うかいつか乗ってやる。

 鹿児島県に入る際には桜島と西郷隆盛が描かれたカントリーサインがお出迎え。鹿児島と言えばこの2つ。鹿児島県は期待を裏切らない。

 栗野、横川と通過し、南下を続けると視界に鹿児島空港の文字が。次は溝辺鹿児島空港インターチェンジ。何度かお世話になった鹿児島空港のすぐ近く。ここの空港は『鹿児島』の名を冠するにふさわしく足湯を備えており、利用のたびにその恩恵にあずかったことが昨日のように思い出される。

 また、このあたりには『水曜どうでしょう』の名企画対決列島のラストを飾った場所である西郷公園も存在するのだが、それがどこなのか、巨大な西郷像のおかげで運転しながらでもすぐに分かった。

「時間に余裕があったらここで降りたいんだけどねぇ」
「まぁ、またの機会に」

 予定に遅れは無いものの、かと言ってあんまり寄り道をしていると昼食を取りっぱぐれる危険性がある。このまま一気に走りきろうと思ったのだが、ルート確認を兼ねて桜島サービスエリアに立ち寄る。

 桜島では無いのに桜島サービスエリアを名乗るくらいなので、当然桜島を一望できるポイントがあるだろうと思ったが、そうでもなかった。トイレの横にちょっと見晴らしのいい場所があって、そこからならば一応全景が楽しめたので、用足しのついでに撮影もしておいた。

 さて。実はこの先、指宿へ行く前に桜島に立ち寄り、マグマ温泉というステキな名前の銭湯に入り、また昼食もすませる計画なのだが、桜島行きフェリー乗り場によりスムーズにたどりつくためには鹿児島北インターで降りた方がいいのか薩摩吉田インターで降りた方がいいのか。サービスエリアの案内所で聞いてみたところ『どちらでもそれほど変わらないと思いますが…』とのこと。変わらないのであれば薩摩吉田で降りてしまおうという結論に到る。

 このとき、事のついでとばかりに抜け目無く好物のかるかんを購入。あったらあっただけ食べてしまうので、自重に自重を重ねて2個だけにしておく。

 桜島サービスエリアから薩摩吉田インターまではすぐである。延々走ってきた九州道とはここでお別れし、県道16号線へ。県道とは言え整備状況もよく、思っていたよりもずっと走りやすい。これは正解だった。

 県道16号線から国道10号線に入り、鹿児島港へ。出港間際だった12時45分発のフェリーに滑り込みで乗船(しかもラスト1台!)出来たのはラッキーだった。
 桜島フェリーは乗船時間も15分と短いため車中にとどまっていてもいいのだが、せっかくだから上部甲板にあがって眺望を堪能することにした。風は強いが、寒さはそれほどでもない。さすがは南国鹿児島。

「噴いてるねー」
「噴いてるなー」




桜島の御岳からもくもくと白い噴煙が立ち上る。この時は桜島に来た実感が湧くなあ、くらいにしか思わず暢気に構えていたのだが、あとでこれがどういう意味を持つのか思い知らされることになる。

 何しろ15分しか無いので名物のうどんを食べるヒマもなく桜島入港が間近となったので、車に戻り待機する。
 
 最後に乗ったため、降りるのも最後。他の車両が全て降りた後、誘導に従って地上へ、そしてフェリーの料金所へ。ここまでETCカードでの支払いばかりだったので現金払いの手間ひま、そして時間のかかりっぷりを思い知らされる。やっぱりETCは偉大な発明である。

 料金所からちょっと、本当にほんのちょっと進むとすぐそこに桜島マグマ温泉はある。駐車場に車を入れ、入浴用の最低限の荷物だけ持って中へ。

「すいません。ポンプが故障していて今日は温泉のほうが…」

あらら。残念ではあるが、コレばっかりは仕方が無い。それでも普通のお湯の風呂は使えるということなので利用することに。シャンプー&ボディーソープ完備で300円という格安料金なので、普通の風呂だけでも使う価値はある。そもそもからして私の好きな錦江湾を眺めながら入浴できるというのも高ポイントである。

 そんなわけで、食事の前に入浴タイム。思いのほか蓄積したダメージをここでしっかりほぐし、この先の運転に備える。広い窓から差し込んでくる穏やかな陽光は京都どころか朝上陸した北九州と比べても暖かく柔らかい。遠路はるばる走って来た甲斐を感じる。

 湯からあがって、隣の国民宿舎にあるレストランへ。私はずっと焦がれていた黒豚とんかつ定食、妻はなぜかブリ大根パスタという大変チャレンジャブルなチョイス。

 ブリ大根パスタは妻曰く「当たり」だそうで。私のほうはやや揚げ過ぎの感はあったが、そこはやはり黒豚。別格にうまい。

 食べ終えて、本来であればこの後は桜島一周する予定だったが、思いのほかフェリー乗り場が混雑していたこともあって予定を繰り上げて戻ることにした。

 行ってみると、フェリーの待機場所どころかその手前の料金所から既に車が長蛇の列を為していたのだが、並んでいる車を見て1つ気づいた。
「白いな」
そう。桜島の噴煙からもたらされる降灰を浴びて白くなっている車がそこかしこに存在していた。それを見て、このままいくとうちの車もこうなるんだろうなと腹をくくる。
 フェリーは30分以上待つことを覚悟していたが、臨時便でも出してくれたのかそこまで待つ事も無く乗船できた。
 帰りの便は比較的前の方になったこともあって、車から出ずに過ごした。

 鹿児島市街に上陸後、港の近くでガソリンを給油してから一路指宿を目指す。ここから先は一般道で延々走っていくため、距離に比して所要時間がやたら長い。それなりに覚悟してハンドルを握ったつもりだったが、渋滞がその遥か上を行っていた。

 比喩でもなんでもなく、動かないのである。カーナビは県道217号線、所謂産業道路と言われる路線を推奨するのだが、これが尋常ではない込み具合だった。信号が1回変わって1両分進むかどうかというのではどうしようもない。隣を走る国道225号線に変更する。こちらは多少混雑していたものの、それなりに進むので、だいぶマシ。
 市電と並走するというのも鉄オタ心をくすぐってくれてなかなかに良い。

 それでもカーナビが繰り返し繰り返し産業道路に戻れと言うので交通安全教育センター前交差点から戻ると、渋滞は解消していた。スムーズに流れていれば、確かにこちらの方が走りやすい。ガンガン飛ばす周囲の車に流されないようにスピードを抑制しつつ、ひたすら指宿を目指す。

 産業道路が終わり、国道226号線へと入るあたりから車窓は海岸線に変わる。錦江湾を左手に、指宿枕崎線を右手に見ながら走れる恵まれた行路。
 喜入の石油備蓄基地を過ぎるといよいよ指宿市である。しかし、まだここからが長い。指宿商業高校を過ぎたあたりから内陸の道になり、信号も多く、40キロ制限なのでどうにも時間がかかる。日が暮れ始めたこともあって、緊張感は2割増くらいになる。

 狭い上に街灯の少ない道を慎重に進み、宮ケ浜駅、二月田駅と過ぎて指宿駅も越えて、ようやく目指す指宿海上ホテルへと到着した。

 荷物を降ろし、ホテルの人に車のキーを預けて駐車を任せる。チェックインの際に「いつもご利用ありがとうございます」と迎えてもらえると、長駆ここまでやって来て良かったとしみじみ思った。
 部屋に荷物を置いて、一休み。まずは砂むしである。

 フロントで専用の浴衣とタオルを受け取り、外にある砂蒸し場へ。日暮れ後であるので、南国とは言えいささか寒い。これが、砂中に埋め込まれて地熱で15分蒸し上げられると寒くも何ともなくなるのだから、不思議だ。

 砂をシャワーで落とし、その後は5階にある大浴場でゆったりする。陽が沈んでしまった後なので景色はうっすらとしか見えないが、それでも温泉につかりながら海を眺める楽しみは至高のひととき。毎年毎年この瞬間のために1000キロを旅して来ていると言っても過言ではない。

 この砂蒸し→温泉のコンボアタックのあとは、部屋に戻ってくつろぎタイム。くつろぎタイムなのにパソコンを立ち上げてしまうのは業というものだろう。

 私のパソコンは部屋からはネットにはつなげないので、車内観賞用に持って来たDVDでも見ようかと物色する。

 ちなみに持って来たのは初代ガンダム映画編3本と水曜どうでしょうの『アメリカ合衆国横断』『ヨーロッパリベンジ』『サイコロ6』『onちゃんカレンダー』『30時間テレビの裏側全部見せます!』。

 2時間も3時間もあるわけではないので、一番短い『onちゃんカレンダー』にしておく。

 3月の撮影が完了したあたりで妻が帰ってきたので視聴を中止。

 水分補給をすませて、夕食をとるべく会場に向かう。

 出された食事は鹿児島の郷土料理をメインとしたもの。さつま揚げのせいろ蒸しとか黒豚鍋とか名物数ある中でも、『とんこつ』という骨付きの豚肉料理が我々一番の楽しみ。これは鹿児島以外ではなかなか口に出来ない。薩摩味噌で煮込まれた骨付き豚肉のとろける味わいは、砂むしと並んで指宿まで旅をする動機のひとつになっているほどだ。
 これを焼酎『さつま小鶴』の水割りと一緒に堪能する至福。

 もともとそれほど酒に強くない上に、旅の疲れもあってコップ1杯の焼酎ですっかり出来上がり、食べ終わると寝床へダイブして就寝。

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2013年 年始旅行記(初日)

 毎年年末は指宿で湯治をし、元気な身体で新年を迎えるというのが我が家の定番になっていたが、今年の年末は勤務の都合で不可能となってしまった。
 しかし、捨てる神あれば拾う神あり。仕事始めの1月4日に休んでいいという許可が上司からおりたため、1月2日出発の6日帰宅という長期旅行が可能になった。

 先日自動車を買い替えた際に「旅行にも使えるから」という口実を駆使したこともあり、今回は鉄道ではなく自動車での移動となったが、ここで問題となったのが、我が家は妻がペーパードライバーであるということ。
 自宅から指宿まで往復2000キロほどあるので、私ひとりで全て運転となるとさすがに無理である。しかし、かと言って前述の理由から妻にハンドルを握らせる気は毛頭なかった。

 そこで妥協案と言うか救済措置と言うか、フェリーを利用することで運転距離を短くしようと試みた。

 京都から鹿児島へフェリーでというのであれば大阪~宮崎航路か大阪~志布志航路を使いたいところであるが、船酔いしやすい妻の体調を慮って航路は瀬戸内海限定で探す。
 まず往路だが、いつも使っている名門大洋フェリーはこの時既に満席。そこでこれまで何度か候補には挙っていた泉大津港発の阪九フェリーを見てみると、一等洋室に1つだけ空きがあったのでこれをおさえることに成功。

 しかし、復路が難航した。名門大洋フェリーも阪九フェリーも4日発5日発ともに満席。ならばとあれこれ調べてみたところ愛媛東予港~大阪南港への便が見つかった。ネットで確認するとこれも満席だったが、思い切って電話してみると「1月5日発大阪南港行き、特別室でしたら1つ空きがございます」とのこと。1も2もなく予約を取り、無事帰りの足を確保した。

 となると、4日の宿をどこにするかが重要になってくる。一番いいのは道後温泉に1泊することだが、指宿~松山を1日で移動するならそもそも素直に松山から京都まで車で戻ってこいという話になりかねない移動距離なので却下。あれこれ計算してみて、行けて山口県までということで下関での宿泊が決定。

 かくて1月2日大阪泉大津港発~1月3日指宿泊~1月4日下関泊~1月5日愛媛東予港発~1月6日帰宅という4泊5日(うち船中2泊)の日程は組み上がった。


 明けて新年2日。
 フェリーが17時30分発なので早めに出て大阪でアレコレ買い物を(具体的に言うと冬コミの新刊漁り)しようと試み、10時には出発。

 渋滞とほぼ無縁な高速道路を快適に走り、予定より早く阪神高速環状線へ入る。いつもはなんば出口で降りるのだが、この日はカーナビが湊町出口で降ろそうとする。

「おかしいな」

 湊町出口からでは目当ての駐車場へ移動するのがちと厄介になる。なので気にせずなんば出口で降りようとした時に、私はようやくその意味を理解した。所謂出口渋滞という物が発生していたことは高速道路の電光掲示板で把握していたのだが、出口からその先の大規模駐車場への道までもがみっちりと車で溢れかえっていたのだ。しかも、反対方向の一般道からも無数の車両が駐車場を目指して列をなしているため、一向に進む気配がない。

 10分も待てば何とかなるだろうと高をくくっていたが、ある程度まで進んで以降動く気配が見られなくなったため、諦めて離脱する。

 目指した先はOCAT駐車場。距離は少しばかり遠くなるが、その分空いている。先程までの大渋滞が嘘のようにゆとりある駐車場へ車を止め、なんばウォークを通ってまずはメロンブックスへ。

 目当てが各々違うため、入口で二手に散る。私はまず何より『ハッピーウオーミー聖典』を探す。これはそもそも何の本かと言えば、着る毛布ハッピーウォーミーが修道服に似ている、ということを切っ掛けに結成された謎の組織ハッピーウォーミー修道会発行のぬくもり溢れる毛布同人誌である。これが冬コミで頒布された上、ここメロンブックスにも委託されていると知って最優先でサーチ。

 冬コミ直後の、しかも初売りなので店内はカオスにカオスを重ねたような状況。そのため店内を2周程まわる羽目になったが、なんとか確保に成功。聖典という名に恥じぬ重厚な表紙に思わず笑みがこぼれた。

 あとは多忙のために買いそびれていた『Virtual Red 2巻』『ムダヅモ無き改革 9巻』、『風評破壊天使ラブキュリ』、『俺に妹はいない』、『ヨウセイ狩り』、『コミックX-EROS#02』を購入(一部18禁)。『クモハ通信 vol.19』を見つけられなかったことを除けば、ほぼ満点の戦果である。

 自動車旅行の何が素晴らしいかと言って、これらの危険な書籍どもを積んだまま移動が出来るということである。

 私が戦線離脱後しばらくして妻も大量の戦果を抱えて出て来た。夫婦揃ってホクホク顔で店を後にする。

 概ね目的を果たしてしまったので、続いては消費したエネルギーを補充することにした。要は昼食なのだが、初売りで込み合う百貨店のレストランに突撃する根性は無い。どこにしようかと相談しながら歩いていると、ポンバシでも老舗のメイド喫茶e-maidの前を通りがかる。
「ここでどうだろう?」
「いいね」
ほぼ即決。

 店内、込んではいたが空席はあったので、待つ事なく中へ入れた。正月なので特別メニューとして雑煮なども存在したが、餅は元旦にイヤというほど腹に入れたのでここは通常メニューの洋食を注文。

 ここは近所に住む普通のおばちゃんたちが昼食を食べにくる程度には味が良い店なので、その味をしっかり堪能して腹を満たした。


 さて。この時予定よりちょっと早かったのだが、物欲も食欲も満たしてしまったのでとっととフェリー乗り場へ移動することにした。

 駐車場から車を出して、阪神高速に乗る。湊町入口から16号線に乗り、天保山ジャンクションから4号線へ。同人誌即売会にも使われるインテックス大阪や大阪湾岸の工業地帯を眼下に眺めながら、一路泉大津港を目指す。

 この日は年始ということもあってか渋滞とも無縁ですいすいと車は進み、あっという間にフェリーターミナルに到着する。

 係員の方の誘導に従って車を止め、乗船手続きに向かう。この時、新門司港到着後に船内滞在が可能なゆっくりステイも申し込んでおく。何しろこの便は到着するのが朝6時といささか早い。そのまま運転する身としてはこのシステムはありがたい。

 下船のタイミングが遅くなるため、通常の乗船列から外れて並びなおす。自ら運転してフェリーに乗るのは生まれて初めてなので、若干緊張する。その緊張がほぐれぬまま、乗船開始となり、誘導に従って船内へと進む。どうなることかと思ったがさすがに向こうは誘導のプロであり、不慣れな私でもスムーズに停めることが出来た。

 今回確保した部屋は個室なので荷物は好き放題持ち込める。だもんで、車内に置いておこうと思った不埒な書籍類も持っていくことにした。今回はうっかりしたことに旅の友たる本を他に持って来ていない。寝付けなければ先程購入したこれらの本を読むしかない。どうにもあんまり寝付きが良くなりそうにないものばかりなのがちょっと気がかり。

 そんなこんながありつつ、部屋で荷物を片付けて、まずはレストランへと向かう。

 若干せわしいかも知れないが、混雑を避けるためには何事も先手必勝である。

 この船のレストランはカフェテリア方式なので、カウンターにこれでもかこれでもかと並べられた料理をアレも食べたいコレも食べたいと悩みながら苦渋の選択を強いられることとなった。後ろに並んでいる人の迷惑にならないように極力短時間で決めたため、迷ったら両方取る、という荒業も駆使することになった。

 結果、ご飯、酢の物、焼き鯖、刺身盛り合わせ、イカの塩辛、トロロ小鉢、辛子明太子、ホルモン煮込みという名のホルモン野菜炒め等々、お盆に乗り切らないくらいの量になった。肉類少なめ、魚類多めだったのはやはり海の上だからか。ご飯はおかわり自由だったので、しっかり2杯めまでいただいてしまった。

 妻は私に比べれば割と控え目だったがそれでも普段の食事量からすると明らかに多い。

 海を眺められるカウンター席はいっぱいだったので、変哲の無いテーブル席になったが、乗り物の中での食事というのはそれだけでテンションが大いに上がるので問題無い。

 味わいながら、船の感想やこれからの旅の展望などについても確認。何しろ門司から指宿まで500kmの道のりをカーナビと私の運転技術のみで乗り越えて行かなければならないのである。途中、どこで休憩を取るか、昼食はどこで食べるか、その予定が狂ったときはどうするか、等々。

 考えれば考えるほど不安が増してくるので適当なところで切り上げて、楽しい話題に切り替える。具体的に言うと、出掛けにメロンブックスで買ってきた戦果について。私も割と遠慮なくつぎ込んだつもりだったが、妻は私より1ケタ上の金額をブチ込んだ模様。それでもまだ購入断念もしくは延期したものがあったそうで。

 なんというか、オタとは業が深い生き物である。食事とともに色んなものを噛み締めながら、今さらのようにそんなことを思った。


 食事を終えて部屋に戻ると、休む間もなく風呂へと向かう。出港した直後ではあるが、レストラン同様既に浴場は開いている。こちらも食事同様混雑する前にとっとと済ませてしまうが吉というのが、これまでフェリーに乗ってきて得た教訓である。

 阪九フェリー『やまと』の浴場は若干狭めではあるが、さすがに時間帯が早かったおかげでロッカーも椅子も湯船内でのスペースもちゃんと確保出来た。自宅を出発してからここまで、走行距離こそ短かったものの、今後の道行きへの緊張や不安もあって心身ともに思いのほか疲れており、ゆったり足を伸ばしてお湯につかれるのは本当にありがたかった。

 湯上がりにはマッサージ椅子も利用して万全の構え。これでかなりほっこり出来た。部屋に戻ってタオルを干してから、くつろぎタイム開始。個室というのは本当にありがたいもので、同人誌やら同人CDやら成人マーク付き商業漫画だの同系統商業誌だのを広げて堂々と読むことが出来る。

 妻は妻で、この日が予告していた更新日とのことでサイトにデータをアップしている。業の深さでは夫婦どちらも互いのことを言えないレベルである。というか、ブログを休止状態にしていなかったら私も同様の状況に陥っていた気はする。その場合、私のパソコンが通信手段を有しないため妻の作業が完全に終了してから借りる羽目になるのだが。

 作業の邪魔にならぬよう、粛々と『風評破壊天使ラブキュリ』を読破。内容についての感想はさて置くとして。大和田先生が東北大学で放射線のことを研究していた前歴をお持ちであることに何より驚いた。やっぱり面白い作品を描ける人というのは違うなぁ。

 1冊読み終えて、次を物色しているところで妻の作業が無事終了。打ち上げ代わりにレストランで祝杯をあげることにした。
 残念なことに間もなく閉店時間だったので、料理の持ち帰りをさせてもらい、プロムナード部分のテーブルにて缶ビールで乾杯。
「美味い!」
「美味いね」
 久々に飲むビールの味は実に美味かった。たまらなかった。フェリーは何が良いかと言って、運転するのに酒が飲める(ただし深酒は禁物)のが素晴らしい。

 つまみとしてチョイスした牛スジの煮込みとおでんが営業終了時間ギリギリ購入だったことで、これでもかというほどに味を染み込ませていたことも幸いした。
「寝台列車で旅行してた頃もこうやって車内で酒盛りしてたなぁ」
「なくなっちゃったもんね」
『銀河』『なは』『あかつき』『日本海』等々。ブルートレインで日本各地に出かけたのも今は昔。無くなってしまったことを惜しむ気持ちは今なお薄れることがないが、しかしフェリーというもののおかげでこうやってそれと似たような旅をすることが出来る。それがまだ救いである。

 そんな話をしているうちにビールもつまみも空になった。レストランに皿を返そうと思ったらもう閉店していたので、部屋に持って帰って明朝返すことにする。

 程よく酔った身体をベッドに放り出して、心地よく就寝。

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アニメ猫物語黒 感想

 皆様あけましておめでとうございます。

 休止中ではありますが、ニコニコ動画で視聴していたら書かずにいられなかったので書いてしまいました。小説のほうは一向にままならない状況だというのに…。

 新年早々何をやっているんだ、と御笑読いただけましたら幸いです。


アバン
・「二度寝するような兄は死んでいいに決まってるじゃない」二度寝こえぇぇ。
・「冒頭からキャラ設定無茶苦茶になってんぞ」見てる前提なんだ、化と偽を。
・「ヤンデレってーかそれ狂人だよ!」いや、ヤンデレ自体がそもそもとして狂気を多分に含んでるから。
・「コイについて語ろうぜ、月火ちゃん」鯉のぼりの時期に合わせてのカープ談義ですか。いや、違うんだろうけど。


オープニングソング
・オープニングの切ない感じがまた色んなところを貫いてくれます。
・これ、黒のほうの主題歌ということで、白の方は主題歌変えてくるんでしょうか。


・阿良々木くんは本当に土下座がよく似合うなぁ。
・CMまでBS11と一緒なのか。
・「百戦錬磨のお前にしか聞けないことなのだが」百戦錬磨にして百戦百勝っぽいのが恐ろしい。
・「なんとまぁ!」「驚くっていうか、轟くよ!」非難轟々、ではなくて何より。
・「犬が喋ったくらいの衝撃だよ」絶対来ると思ったよお父さん。
・「ごめんお兄ちゃん、もう1回言ってくれる?」「どの時点からが普通で、どの時点からが好意なんだ?」「乙女かお前、正座!」阿良々木くんは乙女だよね、うん。
・「対象をHさんとしよう」ひたぎさん、ではないんだよね。
・この本屋さん撫子スネイクにも出て来たなぁ。
・「兄の個人情報握りたくない」知らない方がいいことってあるよね。うん。
・「それは恋でしょう」「人を好きになったことって無いんだよなぁ」中学時代の恋にまつわる愉快な逸話とかは無いのですな。
・「そんなのはまぁ、なんとなくだよ」「そんなんでいいんだよ」そんなんでいいんです。というか、恋愛はそんなんのほうが上手くいくと思います。定義付けとか理論武装とかはむしろ足かせ。
・「どういう理由でっていうのを教えてもらおうか」「なんとなくでなんとなくで、なんとなくなんだよ」瞳で表現するのは実に良い手法ですね。
・「理由付けは色々可能だけどさ、そういうのはぜんぶ嘘だもん」「理由付けっていうか、こじつけだもん」ですな。だからこそ、恋愛を条件闘争にする傾向を私は好みません。
・「もう決めつけちゃえばいいよ」「かもしれるよ!」「決定したのか!」「予定は未定じゃない!」悪い顔してるな、月火ちゃん。
・バールのような物を自在に操る末妹。
・「その子の胸を揉みたいと思うのも」「違う」違わない。
・「触るとか、揉むとか、露骨な言葉を使わないでいただけますか」「タッチする」「露骨でなくなって、可愛くはなったけど」緩和はしたが解決はしていない模様。
・「ほれ、さわってみ?」大胆だな。
・「いたいわぁー」中学生の胸は敏感なので触るときは優しく柔らかく。
・「お兄ちゃん妹のおっぱい触り過ぎ」名言再び。
・「お兄ちゃん、欲求不満なんじゃない?」男子高校生なんて絶えずそんな感じ。everytime hungry.
・性欲を恋と取り違えてしまっても別にいいという気はする。プラトニックの良さは私も重々承知ですが、恋愛と性欲を完全に切り離すのも不自然極まる行為という物です。
・インフレスパイラルは007の用語じゃない。
・「タッチパネルって平面じゃねーか!」窪地でなかっただけマシだということで…。
・「Hさんを僕の魔手から護らなければ」そうだね。うん。
・「僕のために喜んで犠牲になれ」長女は割と喜んで犠牲になりそうな気がする。
・「Hな本を買えばいいよ」月火ちゃんのオススメを聞きたい。
・「なぜそれを!」兄が妹に対して隠し事など不可能だ!…でも彼女の存在は隠しきってたんだよなぁ。
・妹とエロ本談義とか、恵まれた家庭ですよね。
・「いや、これ汗だよ」「それが全部汗だと!」売れそうなくらい豊富に存在している。
・火憐ちゃんは相変わらず馬鹿だなぁ。いい意味でも悪い意味でも。
・躊躇無く脱ぐのは仲がいい証拠ですか?
・そして火憐ちゃんのアドバイスは相変わらず役に立たない。
・Hさん登場。
・「いえー、元気してる?」失敗。いいなぁ、こういう失敗をする茶目っ気。
・「えい」変態が変態行為を働いている。
・眼福。いただきました。ごちそうさまでした。
・「歩こうか、少し」腰を落ち着けて、ではなく歩きながらのほうが話しやすいことがあるんですよね。
・「いなくてもいいような妹が2人」空気のような存在というヤツですな。実際にいなくなるとこの上なく取り乱す訳ですが。
・羽川さん、化の頃よりなんか怖くなってる気がする。
・複雑な家庭環境。
・「笑えねえよ」笑う要素は皆無でしたな。
・「ままならないもんだよ、本当に」「ままならないし、つまらないよ」ままならないことは、苦痛に変換されやすい。
・「今朝、お父さんに殴られたの」と、いうセリフを聞いて自分がオヤジに殴られたことが無いことにハタと気づきました。
・「なんだその、自虐的な言い方」不幸が続くと自虐が定着するんです。
・「いいじゃない、1回くらい」本人がそう思っていないことを他人に信じさせるのはちょっと難しい。
・「このことは、誰にも言わないでください!」ここはPVでも使われておりましたな。
・「羽川が何でもしてくれるの?」「何をしてくれるのがベストなんだろう」ふくらんでるなぁ。
・「いや、サイテーの男だと思う」何を今さら、という程にはまだ付き合いが長くないんですよね、まだ。
・シリアスとギャグの入れ替えが高速で行なわれております。
・「選択肢が多過ぎる」「いや、むしろこれは小論文だ」受験生らしい単語のチョイスですな。
・「1つです!」「ホントもう、頭痛がしてきたよ」頭痛、ね。化でもキーワードでしたね。
・「どうせ行くトコなんてないしね」それが彼女の日常。
・「そうやって私の全身を舐めるように見ることが願いなの?」それはそれで素敵。
・「殴られた傷を舐め回したいのだ!」思ったより高レベルだった。


・舐め回しはしなかったのか。というか、治療させろという意味だったのか。さすがは紳士阿良々木。
・「たぶんあの人達は、私の顔も覚えてない」ガハラさんと入れ替わっても分からなかったりしたらどうしよう。
・「かわいい妹にただいまくらい言えよ」火憐ちゃんはブレない。
・「欲求不満の解消どころか、もやもやは増すばかりだ」そのもやもやは性欲とは若干違う何かだね。


・Mr.アロハことホームレス中年登場…の前に忍様登場。何か随分ラブラブじゃないですか、お2人。
・血よりドーナツっすか。随分堕落しておられますな。
・忍様、野獣の目でドーナツを欲する。
・犬扱い。こんなにも猫っぽいというのに!
・ゴールデンチョコレート。そんなにも、そんなにもですか忍様。
・そして忍野メメへの手土産だったはずのものは全て忍様へ。
・アロハ中年、随分久しぶりだなぁ。
・「言えないようなことが起こった」この辺はさすがと言うべきでしょうな。


・「障り猫」『さわり』がダブルミーニングなのは西尾節。
・「普通ならね」「委員長ちゃんは普通じゃないだろう」この言葉は説得力に溢れている。
・「あの委員長ちゃんに、障り猫はドンピシャだ」ドンピシャだからこそ、引き合っちゃったんでしょうな。
・「今から委員長ちゃんの家を訪ねるんだよ」「彼女の無事を確認してくるんだ」「こんな時間に家を訪ねて、どうやって羽川に会うんだよ」うっかりすると意味深な行動になってしまいますな。
・人物の識別がパンツですかそうですか。さすがです阿良々木くん…いや、阿良々木さん。
・「にゃんだ、おまえ」この猫語を待ってたぜ!
・「そいつらはご主人の両親って奴らしいぜ」「お前が適当に処分してくれ」「にゃんにゃらお前が殺してもいいぞ」物騒。
・「そうやってにゃんでもかんでもご主人に期待してんじゃねーよ!」期待、ねぇ…。期待になっちゃうのか、これ。
・猫は猛獣。
・「俺がご主人を自由にしてやるんだよ」「お前たちにはできなかった事だよ」他人は本人じゃないからね。
・忍様、見守る。
・「そのまま死んじゃうんじゃないかと思ったよ」勿論普通は死んでる。
・忍様、退場。
・「だけどこの場合、相手が悪かった」「相手と言うか相性かな」基本スペックが羽川翼だもんなぁ。
・「触らぬ猫に祟り無しだ」それでも触らなければならない場合には、この警句はマイナスかも。
・エナジードレインと言われるとリッチーというモンスターを思い出して私も頭痛が。
・「そういう意味じゃないんだけどねぇ…朴念仁」齢18にして初恋がまだと言い切れる男だからねぇ。
・着信146件か。12時間でこの数量って事はほぼ5分に1回ペース。
・「既に状況は開始されてしまっている」「素人の、それも未成年が出る幕じゃない」真っ当な大人のご意見。
・「バランサー失格だよ」こう殊勝に出られると強く言えない阿良々木暦の特性を理解しての発言なのかな。そこまで狡(こす)っ辛くはないとは思いたいですが。
・「技術の、実力の問題だ」「強いて言うなら、この僕の邪魔をしないコトこそ、君にとって大事な仕事なのさ」専門家にフリーハンドを与えることこそ、素人にできる最大のお仕事。しかし、そう簡単に割り切れないよなぁ。


・ブラック羽川、夜空に舞う。
・留守中に女の子の部屋に忍び込む。さすがです阿良々木さん。
・そして怪異の王も夜空に舞う。
・一体何を見たんだ。
・なんちゅうところにしがみつくのか。そして動じない末妹。
・「きもちわるーい」ひでぇ。
・「おまえたち姉妹はどれだけその場のノリで生きてるんだよ!」「しょうがないじゃないお兄ちゃんの妹だし!」大いに納得。
・家に部屋が無い。物理的に居場所が、無い。
・「だまりあぐねる」この一語から溢れ出ている言語センス。
・「なに?私達だけがたより?」嬉しそうだなぁ。らぶらぶだなぁ、この兄妹。
・悩むねぇ、阿良々木くん。
・寝相悪いなぁ、ファイヤーシスターズ。
・お、ガハラさん。さすがに今回は出番これだけかな。
・「そろそろ来るんじゃないかと」任せておけと言っておきながら、しれっとこう言えるのが『飄々としている』ということなのでしょうな。
・20回程バトルになって、20回程負けた。よく生きてるなぁ。
・「おじさんには目の毒だね」同意。
・意味の無いナイスポーズありがとうございます。
・「戦略と戦術を持って人を襲う怪異なんて聞いたことねーや」概ね怪異的なものは自然災害みたいなもんですからな。颱風や地震がもし与えるダメージをより大きくしようと工夫する存在だったらと思うと背筋が凍ります。
・完全に乗っ取られたら殺すしかなくなる。器ごと壊すしか、手段がなくなる。それはまさに最後の手段。


・善良なだけの人間なんているはずもなく、か。だからこそ、自己の無謬や完全を主張する人間はうさん臭いものです
・「そりゃあ猫ってのはかぶるものだからさ」ちょっと笑ってしまった。
・空蝉の術乙。
・直江津高校、相変わらずの奇怪な構造。
・黒板に予告編でお馴染んだあの絵が。
・舐めるな。机を舐めるな。
・「お前は限度額の無い変態か」阿良々木さんはなんというか、こう、色々青天井。
・「裁判じゃ何も認めないぞ!」地裁じゃなくて家裁だから、虞犯でも十分なんだよなぁ。
・シャフトメーブツ謎ポーズ、健在。
・ストレスの発散で人を襲うのは珍しくない現象。
・「悪事って楽しいからにゃ」でもその楽しさは続かないんだよね、これが。困ったことに。
・「ご主人を助けたいんだろう。だったらそれは俺に任せておけ」随分と力強い断言を。
・「ご主人は俺に同情なんかしていなかった」羽川翼の真骨頂はどうやらここからですか。
・「ふつうのおんにゃのこであろうというのがご主人の唯一の願いにゃ」普通でないからこそ、普通であることにこだわりがあって、普通であるために努力を惜しまない。日塔奈美の対極。
・「機械のように倫理を全う出来る」凄絶。
・「あばよ」「おまえはにゃんか、がんばって幸せに暮らせ」切ない別離の辞。
・「ダメだ。ぼくはやっぱり、羽川のことが好きだ」「好きすぎて触れない」「この気持ちは恋じゃないな」「もうとっくに、恋を超えていた」「羽川のために死にたいって思ってるんだもの」そういう恋があってもいいと思うんだけどなぁ…。恋じゃないと規定してしまうから、悲しみは繰り返されてしまったのでしょうね。


・一環して土下座。幼女に土下座。素敵な絵面。
・忍様に踏まれるとか、なんというご褒美。なんという恵まれた境遇。
・世界を取れそうな忍様のキック力。
・土下座で妖刀獲得。にしても、口からか。
・「委員長ちゃん軽量級だからねぇ」自分では『重い』って言ってたけどね。
・「気持ち悪いよねぇ。凄まじいまでの善性だ」「怪異より怖い」凄絶さというのは恐怖をもたらします。
・「あれだけ正しい人間とひとつ屋根の下で暮らすなんて」構成するメンバーの陰と陽がある程度まで噛み合ないと家庭は家庭として機能しません。
・「どう考えたって、羽川のせいじゃないだろ」「委員長ちゃんのせいだよ」あんまり清々しい気持ちにはなれない一刀両断。
・「それ以上言うな。殺したくなってくる」たとえ相手が恩人にして友人であったとしても。
・「僕はただ、下着姿のネコミミ女子高生に欲情してるだけなんだよ」完全な嘘ではないからこそ、真実を被い尽くすに足りる。


・「阿良々木くんのベストフレンドとして忠告しておきたいことはあるかな」ベストを名乗るのか。
・「僕には僕で策はあるよ」「策じゃないか。期待だよ」ある程度の根拠がある期待は成算を成り立たせる要素足り得ます。
・30分。
・下着が黒から赤へ。
・「阿良々木くん、大丈夫?」おお。形状はブラックだが喋りは翼だ。
・「ウソをついて人を信用させて。いけなんだ」普段の阿良々木暦ならば取らない方法だろう。なりふりかまわない、本気が伝わってきます。
・「語尾ににゃーにゃーくっつけるのが、キャラ設定だったんじゃないのかよ」あの状態の最初から、ある程度羽川翼自身の意思と意図が働いてたんですな。
・「いつからバレてたの?」あんまり動じてないな。
・「お前はお前のままなんだよ」「それがお前なんだよ」自分を自分として受け入れる作業には苦痛が伴う。飲み下せないこともたくさんある。
・「すげーやさしいし、すげー強ぇよ」これは褒め言葉のはずなのに、別の何かとして刺さってるなぁ。
・「だけど羽川、それがお前なんだよ!」「お前はその性格のままで一生生きていくんだよ」言い切っちゃった。
・「無茶言わないでよ」「私だってつらいんだよ」「私だってつらいんだよ」もっと早くこの言葉を言える相手が見つかっていたら良かったのにね。
・「お前は怪異に身を委ねた」自ら望まずにそうなってしまった阿良々木暦の言葉故に重たく響く。
・たとえ幸せになっても、今のことを一生夢に見るって言葉には貫かれました。実際、今現在の自分に起きていることなので。
・「猫を理由にするな」「自分で自分を引っ掻いてるようなもん」自傷行為というにはちょっと度が過ぎてますけどね。
・ストレス解消の方法がおかしいです阿良々木さん。
・「なってくれないんだ、私のヒーローに」なっていたら、この事件はそもそも発生してなかったでしょうなぁ。
・「死んじゃえ」この連呼、名演。
・「なにをしたのよ。私に!」「刀をあらかじめ飲み込んでおいた」これ、自爆というのもちょっと違うな。こういうのは何と言うべきなんでしょうね。
・「そんなデタラメな刀があるだなんて」刀も使用法もデタラメでしたな。
・「お前だってなんでも知ってる訳じゃないんだな」「お前だって知らないこと、まだまだ知らないことあるんだよ」「『なんでもは知らないわよ、知ってることだけ』って、いつもみたいにそう言ってくれよ!」なるほど。副音声での『ふたりだけの特別なフレーズ』理解。
・「なんて幸せなんだ」そうだね。望む相手に殺してもらえるのは、十分幸せだと思う。
・「僕たちは可哀相なんかじゃねーよな!」阿良々木暦が言いたかったのは、これですね。
・「アホかこの従僕は」( ゚∀゚)o彡゜忍様( ゚∀゚)o彡゜忍様
・「目の前の事しか見えておらんな」未熟者です故。
・「阿呆が」「見とれ。見蕩れとれ」忍様、お手本を示す。
・「いいよな、羽川」「一生このままなんだけど、それでいいよな」「いいわけ、ないでしょ」この時はまだ諦めてないどころか、ここからまだ射落とす気満々だったんだろうなぁ。私の中で『sugar sweet nightmare』の歌詞がこれまで以上に切なくリフレインしています。
・「これでは撫でられない」忍様、スネる。
・「ブラック羽川としての記憶は完全に失っている」憶えてたらちょっとしたどころではないトラウマでしょうからね。
・怪異すら取り込む女、羽川翼。
・「羽川にとって家族ってずっと怪異だったんじゃないかな」怪異的存在だったのは間違いないところかと。
・「結婚しちゃえばいいじゃん」「そうすれば委員長ちゃんにはずっと手に入らなかった家族が手に入るじゃないか」「妥当な取引だと思うけどね」忍野メメがバッサリ行き過ぎにも見えますが、この朴念仁にはほぼベストなアプローチかな、これが。
・「羽川の気持ちってのがあるだろう」「だけど、阿良々木くんの気持ちってのもあるんじゃないのかい?」嫌いではない、ということ、好意を抱いているということ、それだけでは恋愛を成立させることに十分ではない…。
・「僕は羽川に恋しちゃってねーよ」「そういうことにしておこう。それが一番幸せだ」阿良々木暦が踏み切れなかった、踏み込めなかった理由を思うと実に切ない気持ちになりますね。羽川翼という女性の背負った諸々に怖じ気づいたり重さに耐えられなくなったり、というのだったらまだしも、触れないくらい大事な存在になっちゃったせいなんですから…。
・「僕に求めてくれちゃったら良かったのに」「助けてって言わなきゃ、助けを求めてないってことにはならない」「好きって言わなきゃ好きってならないことにはならない」人間は常に表現することに苦しみ続ける不便な生き物ですから。
・「あいつのことを好きだなんて、一生言うことは無いんだから」「お前以外の誰かを好きになるだろう」「お前以外の誰かと恋に落ちる日がきっと来る」それでも、あの時間が無かったことにはならない、あの気持ちが嘘にはならない。これを以て瞑すべし、と言うにはまだ足りていないが…。
・そして、あの瞬間へ。
・実に面白かった。震えが来るくらい、背筋が凍るくらいに、痛みを覚えるくらいに面白かったです。この2時間は実に充実しておりました。この充足感は、なんとも久しぶりに味わいました。ありがとうございました。



追記
エンドロールの『仁鐵』ってやっぱりアンタだったのか、蝉丸P!

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休止のごあいさつ

 最近色々と忙しく、更新が遅れ気味でございます拙ブログですが、このたび一時休止とすることを決意しまして、その旨をここに表明させていただきます。

 多忙な中でもブログを更新するくらいの時間はなんとかなるんですが、そうしていると小説が書けないということが判明しまして、ここ数ヶ月悩みましたが、私はやはりどうしても小説を書きたいと思いまして、ここにブログを一旦休止とすることにいたしました。

 閉鎖ではなく休止としますのは、アーカイブとして活用される可能性、小説を書くのに支障のない突発的不定期更新をする可能性と、習作をこちらにアップする可能性、そして一番大きい理由がいささか情けないのですが、態勢を整えて挑戦したもののやはり小説が書けずブログに戻る可能性を考慮してのものです。


 2007年10月14日に開設して以来、本日まで読者の皆様方から総計23万以上の御アクセスをいただきまして誠にありがとうございました。

 拙ブログの更新を楽しみにしてくださった皆様には大変申し訳ないことですが、しばし、お休みをいただきます。

 また何らかの形でお目にかかれることを願いつつ、以上をもちまして休止のごあいさつとさせていただきます。

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