ここだけの話 人物雑感 桜井志信編
少なくともヒロインを「めちゃめちゃにしてやりたいって思う」と人前で、しかもこともあろうに青年の前で言葉にした時点で個人的にはアウトです。まぁ思ってる分には別にいいんですけどね。暗い情念自体は私も嫌いじゃないんですが。読んだ印象として彼は鎌倉武士かと言いたくなるくらいの倫理観なのでどうにもこうにも。
あんまりダメ出しばかりでも読んでいて楽しくならないのでもう少し違う話を。何かと申しますと彼こと桜井は主人公である篠崎聡太のオルタ的存在であるというお話です。
抑制的な聡太くんに対して放埒であり。お酒が一滴も飲めないのに対して酒豪であり。一方で長身イケメン等々外見はそれなりに似ているところが実にオルタ的であるな、という。
そういう対比的な存在として見れば実に面白い存在で。青年が自らを省みる良いきっかけにはなっていたと思います。省みてもなおアレではありましたが。
省みると言えば。周囲を善人に囲まれてふわふわと過ごしていたさわちゃん先輩に世の男の現実を突きつけたのも、青年との対比という点で非常に大きかったですね。
いつ襲われてもおかしくなかった状況で3年も黙々と笑顔と寝顔を守り続けてくれたお人好しへの気持ちをより確たる物する一要素ではあったかと思います。
桜井志信なる人物が暗い欲望を抱え、割と寂しい恋愛観を持つに至ったその過去にも興味がないわけではありませんが。最近ダークなお話を読むと諸々辛いお年頃になってしまったので。
本編の言動から察するに留めたいと思います。
PR