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ふさ千明のおたネタ日記

漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。

ここだけの話 人物雑感 桜井志信編

桜井志信という人物を一言で言うならば「実に悪役然とした悪役」でしたね。読み手からすると好きになる要素が見当たらないという。気に食わないけど有能だとか独自の価値観に惹かれるものがあるとかそういうこともなく。ただただ敵役として大いに存在感を発揮し、登場場面では遺憾無く活躍していたと思います。
 少なくともヒロインを「めちゃめちゃにしてやりたいって思う」と人前で、しかもこともあろうに青年の前で言葉にした時点で個人的にはアウトです。まぁ思ってる分には別にいいんですけどね。暗い情念自体は私も嫌いじゃないんですが。読んだ印象として彼は鎌倉武士かと言いたくなるくらいの倫理観なのでどうにもこうにも。
 あんまりダメ出しばかりでも読んでいて楽しくならないのでもう少し違う話を。何かと申しますと彼こと桜井は主人公である篠崎聡太のオルタ的存在であるというお話です。
 抑制的な聡太くんに対して放埒であり。お酒が一滴も飲めないのに対して酒豪であり。一方で長身イケメン等々外見はそれなりに似ているところが実にオルタ的であるな、という。
 そういう対比的な存在として見れば実に面白い存在で。青年が自らを省みる良いきっかけにはなっていたと思います。省みてもなおアレではありましたが。
 省みると言えば。周囲を善人に囲まれてふわふわと過ごしていたさわちゃん先輩に世の男の現実を突きつけたのも、青年との対比という点で非常に大きかったですね。
 いつ襲われてもおかしくなかった状況で3年も黙々と笑顔と寝顔を守り続けてくれたお人好しへの気持ちをより確たる物する一要素ではあったかと思います。
 桜井志信なる人物が暗い欲望を抱え、割と寂しい恋愛観を持つに至ったその過去にも興味がないわけではありませんが。最近ダークなお話を読むと諸々辛いお年頃になってしまったので。
 本編の言動から察するに留めたいと思います。

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ここだけの話 人物雑感 野上雪依編

初見でうわっ手強そうって思っちゃってごめんなさい。でも間違ってなかったので許していただきたい。
 一言で印象を言うとスペックの高さで逆に苦労してきた感じの人ですね。
 しっかりと自分の考えを持ち、目の前の出来事には自分なりの対処法を持ち。登場時から新卒なのにとても大人の女性感がありました。
 その後も実力は遺憾無く発揮され、手強いキャラだと思っていた桜井まで見事手玉に取りました。
 強キャラとしては瞳子先輩と双璧ではないでしょうか。
 そんな強キャラ野上さんも恋愛については割と難儀があったようで。「意外な話」では遊び慣れてるように見られることを憤慨しておられましたね。そしてまたそのことに理解を示す青年こと篠崎聡太くんにドキッとさせられるあたりから察するに、ご本人おっしゃるとおりそれほど経験値は豊富ではないのかな、と。
 美人で押しが強くてしっかり者となるとちょっかいかけるにもそれなりのハードルを超えていかないといけないレベルなのでご自身がどうと言うよりも男どもが不甲斐なくてうまくいかない感じじゃないのかなと思ってみたりします。
 こういうタイプは好みではない男性にアプローチされて「言っときますけどあなたは好みじゃないですからね。変な期待はしないでくださいね」「ええ、わかってます。こうして一緒の時間を過ごせるだけでありがたいと思っていますよ」みたいな接触から始まって。時間経過と共に情がじわじわと移っていって最終的には「私この人のこと好きでもなんでもなかったんだけどなぁ」って言いながらくっついちゃうイメージですね。
 相手の男性も包容力があってキツいことを言われてもにこにこと受け止めて「野上さんは今日も野上さんだね」なんて笑顔で返せるようだとお互い幸せになれるかな、と。
 オタクだものでどうしても作中でくっつかなかったキャラクターに幸せなその後を妄想してしまうんですが。
 野上さんについては特にその傾向が強いですね。それはそうさわの2人に劣らぬ魅力があり、また応援したくなる要素で満ちていることによります。
 現実でもしっかり者であるが故に貧乏くじを引いてしまう人間をそれなりの数見てきた身としては、ぜひ野上さんには青年よりもいい男を捕まえていただきたいな、と思う所存でございます。

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ここだけの話 人物雑感 蔵本瞳子編

出番はそこまで多くないんですが、場面場面のインパクトが強いので雑感を書きたくなりました。
 何しろ初登場シーンからして広島弁を操ってカマシを入れてましたので。非常にキャッチーでしたね、ええ。
 さわちゃん見守り隊隊長にしてそうさわ応援団長。応援していたにしては青年に対する当たりが厳しく映ることもありましたが、あれくらいやらないとどうにもならんと思われてたんでしょうな。
 実際あれだけ指導してもなおあの体たらくだったわけで。青年は感謝してもし足りないでしょうから三嶋亭の味噌漬けでも付け届けするべきですな。
 その迫力満点な登場シーンが出オチにはならず、その後も部長の妻にして4児の母というとてつもない事実で読む者を圧倒していくわけですが。
 母と言えば。おそらく母親として次男のれーくんこと礼二郎少年がさわちゃん先輩に懸想しているのをおそらく知ってはいるものの、特段の指導や介入をした形跡が見られませんのでおそらくはよくある初恋くらいに考えておられるものと思いますが。
 少ない出番にも関わらず私が青年最強のライバル認定するくらいにはガチもガチなので後々ややこしい事態になった時どんな反応を見せるのか、少しばかり妄想することがあります。頭抱えて苦い顔からスタートして、最後もやっぱり頭抱えて苦い顔で終わるのが常です。

 よく見ると眉目秀麗なのですが、有形力の行使に躊躇いのないところがどうしても先に立ってしまい、畏怖の対象になりがちな瞳子先輩。
 部署が違ったり産休取ったりで出番は少ないながらもホワイトデーの相談に乗ったり軍師として暗躍したりふたりをハロウィンに自宅へ招待したり付き合い開始早々浮気疑惑を招いた青年に制裁すると息巻いたりさわちゃん先輩の処女喪失を祝して赤飯炊いて寄越したりと節目節目にがっつりインパクトを残していくためこうして3番目にご登場いただきました。

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ここだけの話 人物雑感 瀬川佐和編

続きまして本作のヒロイン瀬川佐和さんについて。
 お名前にまつわる個人的なあれこれについてはもう書きませんが、そういうのを差し引いてもいい名前だなと思います。
 設定集によるとお誕生日が3月8日で長野県出身、そして毎月8日は信州地酒で乾杯の日ということで実になんとも素敵な運命のもとにお生まれです。
 というわけで。呑み助で大胆と繊細と臆病とその他諸々を兼ね備えた素敵に可愛い生き物。
 これがお酒に頼って溺れて自分の弱さを誤魔化していたのだと知った時の衝撃たるや。長い長い嘆息をつきました。
 思い返せば、我が乏しい女性遍歴をたどると初恋の人(自分にだけ見せてくれる表情、甘え下手)、初カノ(呑み助、巨乳、甘え下手)、嫁さん(自分にだけ見せてくれる顔、元呑み助、甘え下手)。そして3人とも自己評価が低いという‥‥。考えるまでもなかったですね。さわちゃん先輩を好きになるの確定ですよね、これ。
 読み進めていくうちに封印したはずの記憶や開かずの扉がばんばか開いていってこれを整理するどこかに吐き出さないと日常生活もままならないという程になりました。
 その結果はさておき。そういう経緯で思い入れがやたらと深くなっております。勿論、そんな個人的動機や勝手な思い入れをすっ飛ばしてもご本人単体で大変魅力的です。可愛いの洪水と言うか絨毯爆撃と言うか。なのに前半なかなか満面の笑みが見られなくて。これはなにか鬱屈したものを抱えているなと思っていたら前述の種明かしがされて。なのでもう、本当にあれ以降は祈るような気持ちで毎回読んでおりました。
 などというように私が拙い言葉で飾り立てることによって魅力が損なわれるのではないかと畏れを抱くくらい好きなキャラですし、いつも読みつつ幸せになってくれとを願う存在です。
 付き合ったことがない女性特有の距離の測り方のヘタクソ度合いなども愛おしくて愛おしくて。思わぬところに突撃したり、かと思えばあれっというような身の躱し方をしてみたり。まぁ、そんなふうにかわいくかわいく空回る姿も初恋の人や嫁さんとの思い出がフラッシュバックする要因だったりするんですが。
 土壇場で「カッコ悪くても好き」と告げて全てを許し、受け入れて。そして本当に欲しかったものを手にした以降は本当に屈託がなくなり、眩くきらきら輝いて見えます。
 関係性が確固たるものになると手綱の握り方もじわじわ覚えつつあるようで実にほほえましく映ります。やはり多少のゆがみなどは個性のうちと互いに受け入れあうのが幸せなのだとつくづく感じ入っています。
 物事には限度がありますが、その限度にも個人差がありますので。本人がいいと言うものはいいのでしょう。コスプレ大好きくらいは現代では通常性癖ですよ、ええ。
 どうか末永く、いつまでもさわちゃん先輩のきらきらした笑顔を拝見出来ますようにと願ってこのとりとめのカケラもない雑感を締めたいと思います。

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ここだけの話 人物雑感 篠崎聡太編

というわけで。本日からは感想の締めくくりとして総論的に登場人物への思いなどを書いてみようかなと思います。ただまぁ総論などと書くと仰々しくなりますので雑感として。

 まずは主人公、篠崎聡太君から。
 先日は名前を間違えてしまって大変失礼しました。彼は「しのざき そうた」です。作中で名前を間違えられるネタがあったのでネタだと思った方がいるかも知れませんが単なる油断です。普段から「青年」と呼んでいるのも祟った気がします。

 さて本題へ。
 お話が始まった頃は仏頂面がトレードマークで。シュッとしていて要領が良くて手練感あってなかなかイケメンなのに、他人を一定ラインより内側には決して入れないという斥力に満ちた空気を身に纏っていて。彼は本来は孤独を愛する青年で、物語が進んでいくうちにその本性に抗いきれず、もしかしたら最終的にはそうなっていくのかな、などと思っていたもんですが。
 大間違いでしたね、ええ。
 最近の自身の姿を初期の彼が見たら「え?誰このだらしない顔した男。俺?御冗談を」って鼻で笑うんじゃないでしょうか。今や依田くんにも「最近よくやらしい顔してる」などと言われているような始末で。すっかり社内評価も地に落ちていることだと思いますが。
 でもきっと、そんな今の方が彼は幸せでしょうね。
 これまで彼と付き合ってきた女性はおそらくその身に纏った斥力に惹かれた部分もあるのだろうなと思って読んでいたら元カノまどかさんが登場して。好きになった経緯は描かれていませんでしたが、見て感じた印象としてはまどかさんの方から告白してお付き合いをして、最終的には靡くそぶりのない青年を見て諦めて別れたようなので。何にも興味なさそうな言動と表情は時として人を惹きつける要素でありつつ、最終的には斥力として機能してしまうんだなと。悲しい恋の終わりに悲哀を覚えました。
 あと。それとは別の話ぬなりますが、あの修羅場で見せた子犬の目。彼の密かな必殺技なんでしょうね。

 自分に好意を寄せてくれた人と歩み寄ることもなく独りで居よう、居続けようと思っていた人間が、そのポリシーを捨てる理由としてもっとも相応しいのもまた恋なのだな、と思うわけです。

 恋と言えば。本作は恋に落ち、恋に狂っていく一青年の物語という面もあるわけですが。
 恋に狂ったことで自らのかつての恋愛への姿勢を省みる機会にもなって。いざ「大事にしたい」「大切にしよう」と思ったときに優しくは出来るけどそれ以上先に進もうとすると途端に身動きが取れなくなるのが実に生々しくて。
 彼は大事にするってなんだろうと自問していたこともありましたが、考えても考えてもわからないわけです。なぜかと言えば答えの出し方を身につけてこなかったからです。それこそホワイトデーのお返しの時のように、要領よく正解を引き続けてきた彼は答えの出し方が身についていないんですね。
 ホワイトデーの時なんかは「相手の好みに合わせて一番喜ばれるものすら発想の中に出てこないのか?」と思ったりしたもんですが。
 恋愛も追われるばかりだったので相手に合わせた贈り物をするという思考がないんだなと思い至った時は。こいつ想像以上にダメな男かも知れんと気づき。それが正解だったと判明してからはむしろ暖かい目で見守れるようになれました。

 まぁ、あと触れずには済まされない問題として性交渉への忌避感というか恐怖感というか。異常なほどの回避行動を取り続けていましたが、過去の恋愛でそっちに進んでから破局するパターンが多かったのかな、とも思ったりしました。
 自称淡白というのも、今となっては信じられないようなことですが。これまで付き合ってきた女性と致してもあんまり良くなかったんだろうなと。
 何の確証もないので下衆の勘ぐりもいいところ、とても下世話な話で恐縮ですが、男女の仲を語るにおいて外せない話題ですので取り上げさせていただきました。
 しかし、そのあたりを無事突破したと思ったら今度は自身がぐずぐずにハマり込んでしまい、ちょっと我慢すると「本音をおっしゃい」とまで言われてしまうほどに。どうしてこう、彼は極端から極端へ‥‥。
 でもダメになればなるほど幸せそうに見えるのはなぜでしょう。

 雑感なんでとりとめもないんですが、最後に。
 これまでの生き方から見れば見事に道を踏み外したとは言え、出会うべくして出会った最愛の女性と無事結ばれ幸せの絶頂にいるそうたくん。そして難敵シスコン大魔王の襲来時には男気を見せてしっかりと結婚宣言までしたそうたくん。いよいよ向かう所敵なしに見えますが、それでもまだまだこの後の道行きはどうにも平坦平凡とはいかないでしょう。
 自らの全てを擲ってでも欲しいと望んで手に入れた以上は自らの全身全霊をかけて幸せになっていって欲しいと思う次第です。
 今後も親戚もしくは近所のおっさんポジションで極力温かく見守っていきたいと思います。

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ここだけの話 第93話 誘拐の話 感想

※標題のお話はこちらからお読みいただけます。

・実に物騒なタイトル。
・御所川原さん、学生時代テストとかで名前書くの大変だっただろうなぁ。
・『今日は篠崎先輩の大切なお姫様を誘拐しております』身代金にいくら要求しても払ってきそうですな。
・「私そうたくんのいないところで飲んじゃだめって」普通なら束縛系彼氏とか言われそうですが、経緯が経緯ですのでね。ええ。無理もないことです。
・「大丈夫大丈夫!」「あとから来るようによんであるから!」呼ぶ文面が物騒。
・「なら‥‥ちょっとだけ‥‥」まぁ、もともと嫌いではないので。
・『瀬川先輩なんだか以前と酔った感じが違うような』『前はもっと気が大きくなって豪快に笑ってらした記憶がありますが』あったあった。青年の背中バッシバッシ叩いてましたなぁ。
・「篠崎とはどうしてるの」「結構お泊りとかしてるんでしょ~?」ああ、これは誘拐しないと訊けない話だ。
・「ときどきそうたくんが」「いっしょにお風呂入ってくれるようになりました!」「あんのムッツリ」わはははははは。ときどきって。実際の頻度はどんなもんなんでしょう。2日に1回をときどきって言ってそうなんですが大丈夫ですか?あと入ってくれるって言い方からもさわちゃん先輩のご要望と思われるので青年の罪は軽くしてあげてください。
・「そうたくん頭洗うのとかじょーずです」なんでもソツなくこなす要領のいい青年はここでも健在。
・「それだけ?ほかになにもされてない?」なにもされてないとそれはそれで問題ではないでしょうか、と経緯を知るものは思ってしまうわけですよ、ええ。
・「最初はからだ洗いながらえっちなとこさわってきたりしましたけど‥‥」えっちなとこってどこ?どこですか?具体的な部位は背景画像参照でいいですか?
・ひとりでゆっくり感触を反芻してんのかな青年。無駄打ちするような余裕はないはずなので多分そんな感じかと。後はひとり反省会とかでしょうか。
・お外デートの思い出で真っ先に出てくるのが下着売り場って!ほかにもあるでしょう!‥‥あったでしょう?ありますよね?と最終的には若干の不安が。
・しかし。青年ホントに連れてかれちゃったんですな下着売り場。
・『解せません』『篠崎先輩は前世で一体どんな徳を積んだんでしょうか』まぁ実際は現世で3年間黙々とおんぶしつづけた成果なんですけどもその辺はなかなか伝わんないでしょうからな。
・「水着売り場に連れて行った時はすごい嫌がったんですけど」『おっと?瀬川先輩そういうとこ大胆なんですね?』しかもそれ彼氏彼女になる前だから大胆も大胆。
・「なんか今回は」「お店の前でお~っきく深呼吸してから」「私の手をぎゅうって握りしめて」「行きましょう」「ってついてきてくれました」まぁ、下着なら人前で見せるものじゃないので『私が選びました』にならなくてすみますし。
・この人前での赤面青年は貴重も貴重な気がしますな。
・結局私が選びましたになってるじゃん青年!これ引いてない?ギャラリーのおふたり若干引いてないですか?
・「じゃあ温泉の夜はこれ着て盛り上がるわけか」地酒を堪能してきゅうっと寝落ちにならないことだけをひそかに願っておきます。
・「さわちゃんさあ」「そっちの意味でちゃんと篠崎に愛してもらってる?」「あいつ今でこそさわちゃんにでれでれだけど」「どうしても篠崎って」「そっけないというかスカしてるというか人に興味ないというか斜に構えてるというかそういうイメージだから」ご心配はごもっともなれど、依田くんがこれ聞いたら『もうその頃の篠崎はいないんだ‥‥』って遠い目しそうなくらいに過去の存在ですんでご安心を。
・「ていうかぶっちゃけどのくらいするの?」本当にぶっちゃけてるなぁ。
・「やじゃないんですけど」やじゃないんですかさわちゃん先輩。むしろ言いたいんですか言いたいんですね分かります聴きましょう。
・お三方の赤面御馳走様です!(赤面フェチ)
・「あ でも」「そうたくんはいっぱいいっぱいしてくれます」こちらもぶっちゃけてますなぁ。愛情が伝わっているのならそれが一番ですけども。
・幸せの渦中にいるとこれ以上先が不安になるのもよくわかります。
・「でもそんなもったいないくらいのひとが」「そばにいて手を握っててくれるなら怖いことなんかなんにもありません」とても素敵な決意表明。
・「そんなに好きなんだ?篠崎のこと」「‥‥はい」もうね、この笑顔。全てが詰まったこの笑顔に対して言うことは何もありません。
・「心配するまでのことぜんぜんなかったね」「ですね」読み手としては別のことで心配されるんじゃないかと思ってましたが杞憂でした。
・「あ‥‥」「そうたくんだおかーえり♡」もうおかえりなんですな。いらっしゃいじゃなくておかえり。
・そらこんな話を延々と聞いたら、当の本人見てにまにまもしますわな。
・「先輩も何聞かせたの‥‥」「ん~」「おんなどうしのないしょ~」おお、意趣返しだ。教えてほしくば直生くんとのないしょと引き換えないといけませんな。
・「そーたくん」「なあに」「あのね」「らいすき」童心に帰ったような、とても無邪気な笑顔からの寝落ち。大暴走の果てのエネルギー切れとも言えますが。
・青年が赤面したのは人前であることを忘れてうっかり「なあに」と返しちゃったことに気づいたからでしょうか。
・しかし君は既にもっと赤面に値する機密を暴露されているのだ。今更その程度では下がりきった評価はビクともしないので安心したまえ。
・いや、ちゃんと彼氏してるか危ぶんでいた面から見ると評価は上がっている?
・「お幸せに!」背負って帰る家路は今までと同じでも、その先に待つふたりの未来は大きく変わりました。読みながら心の底から言葉が出てきますね。お幸せに!


 作者ご本人のあとがきはこちらからどうぞ。

 94話の感想はこちらからお読みいただけます。

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ここだけの話 瀬川直生が知らないほうがいい10のこと

感想が追いつきましたので以後しばらくネタ企画をお楽しみください。
 まずトップバッターとして。これを書いている時点で公開済みの92話を振り返り、各場面の中からシスコン大魔王ことヒロインの兄瀬川直生が知らないほうがいいな、これはと思った10の場面を抜粋していきます。
 題して「瀬川直生が知らないほうがいい10のこと」

・東京で苦労しているであろう妹を励ますべく送った自作のワインが現彼氏(当時はただの後輩)との橋渡しの一翼を担ってしまったこと(第1話)
(選出理由:「僕はそんなことのために送ったんじゃないんだぞ!」「でも俺、一口どころか一滴たりとも飲んでませんけど」「飲んだかどうかの問題じゃない!」となりそうなので)
・彼氏になる遥か前から結婚式ごっこもどきをやってウエディングドレス姿を見た男がいること(第2話)
(選出理由:「僕だってまだ見ていないんだよ?僕が先に見るのがスジってもんじゃないのかい?」とか言いそうなので。なんだったら実際の結婚式でも散々駄々をこねそうな‥‥)
・風邪を引いて寝込んでいた時青年が看病していたこと(第12話)
(選出理由:「なんで呼んでくれなかったんだ!」「別に俺もさわさんに呼ばれていったわけじゃ」「じゃあなおさらだよ!真っ先に兄である僕に連絡してくれればよかったのに!」などと言いだしそうなので)
・妹が男と同じお風呂に入っていたこと(第13話)
(選出理由:「僕だってもう何十年も一緒には入ってないのに!」「一緒に銭湯に行っただけじゃないですか。人聞きの悪い」などとという悶着が予想されるため。なお第82話)
・妹が青年の選んだ水着を購入し、二人っきりで出かけたこと(第33~35話)
(選出理由:「僕の意見だって訊いてくれても良かったんじゃないのかい!?というか二人っきりで海へ行くなんて!」「参考までに、直生さんだったらどんな水着にしたんですか?」「ウェットスーツ」などという事態になりかねないため)
・妹が手編みのマフラーを贈っていたこと(第38~40話)
(選出理由:泣きながら「まずお兄さんから先にどうぞと譲って然るべきじゃないのかね」と駄々をこねそうなので。「それは俺に言われましても」)
・妹が看護服のコスプレを披露したこと(第43話)
(選出理由:「画像はあるんだろうな!送ってもらうぞ!」となるのは確実なので)
・妹が彼氏と同じ部屋でお着替えしたこと(第66話)
(選出理由:理由不要!)
・妹が選んで送ってくれたはずの贈り物に彼氏の意見が入っていたこと(第75話)
(選出理由:「さわが!さわが選んでくれたと思ったのに!」などと泣きわめきそうなので。「いや、最終的には本人が‥‥」「不純物が混ざった!」「なおくん?」)
・最愛の妹が彼氏のために高校時代実際に着用していたセーラー服を実家から取り寄せていたこと(第87話)
(選出理由:「犯罪だろ犯罪!」「いや、犯罪ではないと思いますが、心の底から申し訳ないとは思っています」「申し訳ないと思っているなら!あるだろ!」「何がですか?」「画像の2,3枚確保してるんだろう?じゃあ‥‥」「なおくん?」とグダグダになること間違い無いので)

 以上10件を挙げさせていただきましたが多分言い出したらキリがないというか全部当てはまりそうな勢いです。ここから更に知らない方がいいことが増えていくものと思いますが、まぁ、可愛い妹を持ってしまった身ゆえの不幸と言いますかなんと言いますか。同じ長男としては直生くんの人生に幸多かれと願わずにはいられません。
 なお、妹の中では自分がどうやら厄介な存在になっていることや妹が彼氏でもない男の背中で3年以上おんぶされていたことについては既に知っているため除外しております。

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ここだけの話 第80話 最低な話 感想

※標題のお話はこちらからお読みいただけます。

・怯えたような表情する青年。その理由が「今から私の処女もらって?」という発言だとしたらとてもとても悲しい話。
・「酔ってるときにそんなこと言ったら」「あとで後悔しますよ」「だいたいそんな急に言われてもゴムとか持ってないし」このとき彼が冷静であれば。「だって今からしたら先輩覚えてないでしょ?やですよ俺 せっかくの初めてを覚えてもらえないなんて」と至極真っ当な理由で回避することは十分可能なはずでした。それを言わずゴムに逃げたのは彼らしからぬことですな。言い出してくることを予期してなかったという何より雄弁な証拠だと思います。
・「‥‥やっぱりこんな年まで守っちゃった処女なんて重いかあ」むしろこれを言わせた方が不甲斐ないし罪が重い。愛する人に愛してもらえない理由を自分の中に見ちゃう辛さを思うとジクジクとした痛みを覚えます。
・「慎重にって」「私それなりに待ったよ」「はしたないかなって思ったけど誘ってもみた」「でもなんの意味もなかったじゃん」「そうたくんずっと私の負担を言い訳にして」「時間を稼ごうとしてるみたい」全部バレてたんだな。青年の逃避。まぁ、一番近くにいるんだからそりゃわかるよね。
・「私が初めてじゃなかったらこんなに悩まないで済んだっていうなら」「処女なんてどっかで捨ててきたらよかっ‥‥」「冗談でも言っていいことじゃないだろ!」言わせたのは誰だい青年。ここまで言わせてしまったのは、一体誰だ。
・「好きな人の初めてなんてそりゃ欲しいよ」「めいっぱい甘やかしてとことんまで気持ち良くさせて俺しか知らない体にしてやりたい」そんなパーフェクトゲームを夢想してたらそりゃ手なんか出せないよ。君に求められているのは完全試合を達成することじゃない。どんな結果になろうともマウンドに上がって対戦相手と真っ正面から向き合って勝負することだ。
・「‥‥ほらそうやって先送りして」「私の気持ちはどうなるの‥‥?」見えないところ、描写されていない場面でもきっとこの手のやり取りが延々繰り返されてきたんでしょうね。
・「‥‥‥‥‥わかりましたいいですよ」「なにを焦ってるのか知らないけど」「そんなに抱かれたいなら好きなだけ抱いてあげます」「その代わり痛くても怖くてもやめませんから」「いいですよね?どうせ捨てるはずの処女なんだし」「じゃあゴム買ってくるんで」「いやなら逃げるか鍵かけるかしといてください」一見、捨て台詞。でも実際は心の悲鳴。
・自制の効く理性ある大人はこんな捨て台詞吐かないって自分でわかってんのがなぁ。
・ゴムを持ちつつ何もなければいいとか、ただ俺が先輩に拒絶してほしいだけとか。彼は彼で鬱屈した悩みを抱えていたことがわかります。わかりますが、まぁ、許されるなら馬鹿野郎って言ってやりたいですね。
・好きな相手を神格化してしまうというのは私にも身に覚えのあることですので、まぁあんまり口幅ったいことを言う資格もないんですが。まぁ、その苦い経験から言わせてもらうとすれば。崇拝と愛情とは似て非なるものなので。崇拝がしたいなら彼氏彼女になるべきではない、ということですかね。
・どうしてこうなっちゃったかって、そりゃ君が告白なんかしたからだよ。おままごとじゃないんだ。生身の人間なんだ。男女が出会って恋に落ちればどうなるかなんて、神代の時代から変わらない営みでそれこそ古事記にも書いてある。そして君は経験者だ。知らぬわけがない。
・戻ってみれば素裸で。不退転の覚悟を示していて。それはもうこれ以上言いくるめられないための姿で。でも照れ隠しであれこれしゃべっちゃうところがやっぱり乙女で可愛いです。
・重力に負けない立派なクーパー靭帯が支える豊かに実ったお胸。
・首筋から鎖骨にかけてのエリアを舐めてんのがやっぱり複数経験者なんだなって思ってみたり。
・「ごめん」「乱暴にしたいわけじゃない」‥‥見ていた印象としては言うほど乱暴でもなかったような。でも致す前に腕時計は外そうな。思わぬ所に当たって傷つけることがあるから。
・震えるのも、乱暴だったからなのか初めてだったからなのか。すみません私には差が読み取れませんでしたが。まぁ、優しくするなら甘い言葉を囁きながらもっとゆっくりと時間をかけるべきだったと言うならそうでしょうな。でも冷静でいようとすればするほど今度は奮うべき部分が奮わなくもなるものでねぇ‥‥。
・「ぶち壊しにするのはこんなにも簡単なんだな‥‥」そうだよ。築くのにはとても時間がかかるけど、壊すのはあっという間だったりするんだ。
・この表情、だからいやだったのにって言いたげにも見えてしまう。
・「もういいよ」「もういいから」「ね」優しいなぁ。優しくて、そして篠崎聡太という愛する彼氏への情の深さを感じます。
・「無理言ってごめんね」「‥‥ううん」「あの‥‥さ」「どの面下げてって話なんだけど」「まだ俺とこういうことするのいやじゃないって思ってくれるなら」「次はもっと丁寧にいっぱい気持ちいいことしたい」「もし許してくれるならやり直すチャンスを俺にください」過去いち必死で、そしてとてもいい顔つきだ。許しを得るために、許しを得て先へ進むために。自分のために愛する人のために。よく言ったと思います。一歩間違えば破局していてもおかしくなかったですからね。
・「やっとちゃんと言ってくれたね」待っていた言葉。欲しかった言葉。これを聞くためにどれだけの苦悩と尽力があったのか窺い知ることもできませんが。おめでとうと言いたいですね。
・「今度こそ約束だよ」ここの表情の対比が切なくて。青年ちっとも嬉しそうじゃないのが、その理由が痛いほどにわかってしまうから。
・2人に幸あれ。幸多かれ。

 作者ご本人のあとがきはこちらからどうぞ。


 というわけで。全話感想、リアルタイムのほうに追いつきましたので81話以降の感想につきましては更新済みのものをお読みください。81話の感想はこちらからどうぞ。
 翌日以降につきましては企画物をいくつかアップいたしまして。その後は‥‥すみません未定です。

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ここだけの話 第79話 我慢の話 感想

※標題のお話はこちらからお読みいただけます。


・さわちゃん先輩のご帰還。無事のお戻り、なによりです。
・「おかえりなさい」「‥‥ただいま」出向前は先輩後輩、今は彼氏彼女。なのでこの挨拶ひとつとっても読んでいてしみじみと思うところが。
・「あーあ」「この仕事の間にさわちゃんモノにしたかったんだけどな」「こんな甲斐性なしのどこがいいんだか」「言ってろ」どこがいいかわからないからさわちゃん先輩をモノにできなかったんだよ君は。青年に「誰かを手に入れるのに必死になったことなんてありませんみたいな顔しやがって」みたいなことを言っていた割にはこの人もここまで顔と強引さで落としてきたんだろうなという印象です。
・「でさあ」「お前ちゃんとあの子のこと満足させてんの?」「含みのある言い方やめてもらえます?」「含んでねーよそのまんまだよ」もうちょっとこう、和やかになりませんか。まぁなりませんわな。
・「昼間からする話か!!」古くからの知己でもなんでもない、よその会社の人間とする話でもないですな。
・「第一まだ先輩とはそんな関係じゃ」別に言わなくていいのになぁ。お人好しそうたくん。
・青年が長年培ってきた想いというものがわからんだろうから絶句するのも不思議はないけども。不能扱いはやめなさい。
・「付き合って早々にヤるのも体目的みたいでまあどうかとは思うけど」意外な発言だな。それをどうかと思うんだ。かつては堂々と体目当てです、みたいな発言してたのに。
・「大事に大事に焦らしすぎるのもどうなんだって話」それは正しい。青年はお前が言うなって言いたいだろうけど。
・「お前が理性とか自制心だと思ってるもんって」「ただの自己保身じゃねーの」そういう関係になるのが怖いのはまぁ確かでしょうね。前も書きましたけどいずれいずれと言う割に具体的なロードマップを持ってないので。
・「せいぜい俺に取られてから立派な吠え面かいてくれや」負けドッグが遠吠えた。
・久々に飲み屋で一緒の2人を見た気がする。
・「そうたくんの酔ったとこ一度でいいから見てみたかったなぁ」「乗り物酔いでよければ‥‥」それは遊園地の回で見せた気がする。
・「わかってて言ってるでしょ!」そろそろ逃げの篠崎ってあだ名がつきそうですな。
・「俺を酔わせてどうするんスか」「さては取って食われちゃうとか‥‥」「‥‥それもいいかも」ああ、もうかなり重症だ。こんな顔でこんなこと言わせてしまって。
・「そうたくんをべろんべろんに酔わせてね」「ほんとのきもちを聞き出すの」ここのおててが大層えっちでございます。
・隠してないか我慢してないかって言われて答えずに話をはぐらかすの、悪い意味で経験値の高さを見せつけてますね。
・自分のためにあれこれしてくれるのを「我慢させてないか」って言っちゃうのもなぁ‥‥。そこは素直に俺のためにありがとうでいいんじゃないかなぁと思ってしまうわけですが。素直に感謝できない理由も見えてきているのでなんとも。
・まぁ要は俺が自制できなくなるようなことしないでっていうのの裏返しですよね、これ。
・「わざわざ俺の好みに寄せようとしなくったって」「俺は先輩がありのままでいてくれるだけでいーっぱい好きですよ」「これが俺のほんとの気持ち」好きという言葉で本心を誤魔化すとね、そのうちその言葉自体が嘘にしか聞こえなくなってしまうからやめときな。
・「まだなんか不安?」「‥‥ううん」「それがほんとならそれでいいの」いやこれ絶対納得いってないですよ。
・「やっぱり私の勘違いだったのかな‥‥」「寝ちゃった‥‥」「‥‥勘違いじゃないよ」本心聞き出すなら酔ったふりして寝るという手があった!でもこれガチ寝なんだろうなぁ。
・惚れ抜いた相手と致す、しかも相手が初めてとなればかかるプレッシャーも大きくなります。自分は経験があるとなれば上手くやらなきゃ、俺のこともっと好きになってもらえるようにしなきゃって思えば思うほどに逃げ出したくなる気持ちは当然湧いて出るでしょう。しかしいつまでもそうしているわけにもいかないのです。
・折衷案としては「俺の誕生日に最高のプレゼントもらえますか?」みたいなきっちり期限の決まった約束することなんですけども。それでも2ヶ月‥‥。貴重な一夏を棒に振るという。ううむ。
・『慎重に進まないと』進む気があるようには見えないからさわちゃん先輩焦ってるんだよ青年。
・いつものおんぶ、いつものさわちゃんち。しかし、いつもと違うお願い。
・「今から私の処女もらって?」こう言われて困った表情する時点で失格彼氏。



 作者ご本人のあとがきはこちらからどうぞ。

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ここだけの話 第78話 夜明け前の話 感想

※標題のお話はこちらからお読みいただけます。


・前回の続きっぽいですね。これ、最後までした?してない?
・下世話で大変申し訳ありませんが、非常に重要なことなので。だってああまで必死になって誘いをかけて空振りだったらあまりにも気の毒じゃないですか。
・かわいい寝顔。酔ってつぶれたお世話で何度も見たはずなのに、今こうして見つめるときっと全く別物に映るんでしょうな。
・攻守交代。さわちゃん先輩のターン。ああ、そうか。青年の寝顔見る機会はあんまりなかったから新鮮なんですな。なるほどなるほど。
・「す」「き」ほんとに不意打ち名人だあ。
・「起きてんじゃん!」分かるもんなんですな。流石彼女。
・「べたべた顔触るからですよ」嘘が上手い青年。
・「はは」「得した」その分はちゃんと還元しなさいよ。
・「そうたくんも好きって言ってくれていいよ」「はいはい好き好き」「もうちょっとまじめにやって!」また逃げてるなぁ青年。真面目にやってムードが形成されると困るんだな?
・ってことは今晩も未遂なのかな。流石にちょっとなぁ。
・胸に抱かれて二度寝モード。自分が寝られるかの心配よりも、抱きしめてくれている彼女の心配をしたほうがいいぞ。きっと、言わないけど秘めた想いがあるはずだから。


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