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漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。
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 1月4日。仕事始めの日だが、休みをいただいているので、職場から1000キロも離れたこの場所で目覚めることが出来ている。ありがたいことである。

 そしてやっぱりいつもどおり6時に起床してしまう。しかし、この日は悲しみを憶えたりはしない。寝坊すると『朝飯か朝風呂か』という身を裂かれるような二者択一を迫られる羽目になるからだ。

 妻はまだ寝ていたので、起こさぬよう注意して風呂仕度を整え、部屋を出る。

 風呂は空いていた。宿自体はほぼ満室に近い状態だったはずなので、みなさんまだゆっくりお休み中な模様。おかげで東雲から日の出までの時間を大浴場でのんびりと過ごさせてもらえた。

 ほっこりして部屋に戻る。まだ妻は起きてこないので、起こさぬように…と思ったがそろそろ起こさないとそれこそ『朝飯か朝風呂か』を選ばないといけなくなる。意を決して目を覚まさせる。この『意を決して』と言うのはレトリックでもなんでもない。寝起きの悪い妻を起こすにはそれなりの覚悟が必要なのである。

 この日は幸いにしておむずかりが発生することも無く、時短バージョンで朝風呂へ向かう。その間、私は職場への土産物を買いに売店へ。
 鹿児島土産数々有れど、職場での好評度で言うとかるかんがこれまでトップであった。だもので今回もそうしようと思っていたのだが。

 売店にあった『指宿のたまて箱 さつまの焼きドーナツ』に目を惹かれた。特急『指宿のたまて箱』号には前回の指宿旅行で乗ったのだが、こんな関連商品があるとは知らなかった。
 基本的に自分が食べたことのないものは他人様の土産にしないのだが、今回鉄道を使わない旅行をしていることに鉄オタとして忸怩たるものを感じていたこともあり、土産として購入決定。幸いにして職場では好評を博したので次回以降もこれにしようと思う。

 事のついでと自分用に地元頴娃茶のペットボトルなども購入し部屋に戻った。さて。無事に土産が手に入ったことでもあるし、と荷造りをしていると妻が戻って来た。

 若干せわしないが、そのまま朝食をとるべく会場へ向かった。ちょうど込み合う直前に滑り込めたのは実に幸いだった。海が見える場所に席を取り、バイキング形式で並べられた各種料理にアタックをかける。
 いつもは和洋折衷という感じで無造作に美味そうなものをチョイスしていたのだが、今年は期せずして和オンリーに。特に今回は味噌汁が異様に美味く感じて、これのみおかわりをしてしまったほど。
 また、ここでの朝食でお馴染みのことなのだが、売店販売商品の試食という形で各テーブルにかつおチリメンふりかけが置いてあり、これがご飯に大変よく合う。毎回買って帰りたくなるのだが、ここに来る楽しみのひとつということで敢えて買って帰らないことにしている。

 妻は妻でいつも生野菜たっぷりにパンの組み合わせなのだが、今回は粥に惹かれたようで、おかずもそれに合うものものばかりを選んでいた。

 ともあれ、家に居る時はこうやってふたりで朝食をとる機会もあまり無いので、こうやって朝から食卓を囲んであれこれと話すのは私の旅の楽しみのひとつにもなっている。

 とりとめのない話題に今日の予定のことも混ぜておく。この日は指宿から一気に下関まで駆け上る行程なので、途中の休憩ポイントのみならず、渋滞しやすいエリアについても話しておき、事前に腹をくくっておいてもらう。

 食べ終えて部屋に戻ると、もう9時を回っていた。しばし食休みをとってから身仕度と荷造りをし、チェックアウトへ。居心地の良いところなので、帰りのフェリーが新門司港発で予約できていればもう1泊したかったところだが…。ままならないものである。

 さて。チェックアウトして真っ先に向かったのは100mと離れていない砂むし会館『砂楽』という公共の砂むし施設である。「またか!」と思われるだろうが、「また」なのである。

 誘導係の方の指示に従って車を駐車場へ止め、いざ砂楽へ。

 にしても。今まで誘導係の姿を見たことが無かったのだが、今回は正月で書き入れ時だからなのだろうか。

 2階で受付を済ませ、更衣室で着替えを済ませ、浴衣姿で外へ向かうと従業員の方にショールを勧められる。これも前来た時には無かったサービスだったと記憶している。色々充実してくるのは年に1回しか来れない身ながら嬉しいものだ。
 しかし、砂蒸しの醍醐味のひとつとして向かう時の肌寒さと、終えて戻る時の寒さを寄せ付けない体温の高さを比べる楽しみがあるので低調にお断りする。

 砂むし場は砂浜にあるのだが、冬場は寒さ対策で囲いに被われており、残念ながら海を眺めながら蒸されることは出来ない。まぁ、眼鏡を外しているのでもし囲いが無くてもあんまり恩恵にはあずかれないのだが。

 まぁ、なんだかんだ言っても蒸される威力が全てである。気持ちよさにうとうととしたりして、存分に堪能する。

 そして、終わったあとの温泉がまた最適のコンボとしてヒットする。

 さっぱりして2階の休憩ホールへ。妻を待つ間に水分補給しつつ特産品コーナーを一回りすると、ここの砂を使った『砂蒸し気分』という健康グッズを発見。説明を読むと『指宿海岸の砂から不純物を取り除き、もういちど温泉水に漬け込み、乾燥させて、じょうぶな保温パックに封入しています。』とのこと。なんとも手間ひまのかかった話だ。
 もしコレを使って自宅でも砂むしに少しでも近い効果が得られるのであれば、ということで、妻と合流後合議の上でお試しとして腰用を購入。

 帰宅後使用したところ血行不良に効果大だったので、次回訪問時に追加購入することが決定した。

 さてと時計を見れば既に11時を回っていた。ここで昼食をとって出発するにはいささかまだ早いが、かと言って鹿児島市内のどこかで食べてから北上するルートだと夕食が危うくなる。
 九州道のサービスエリアのどこかで食べようという結論に到り、外へ出る。ここでとっとと出発すればいいのだろうが、向かいにある酒屋であれこれと買い物をしてしまうあたりが未練たらしい。
 最初は道中に飲むための飲み物を買うだけのはずだったのだが、我々2人とも酒は弱いが酒のつまみになるような食べものは大好きなので、山川漬とか豚みその缶詰とか色々買い込んでしまう。特に豚みその缶詰は指宿市内にある県立山川高校の生徒さん達が実習で作っているものだとのことで価格帯が一般のものよりも安く、2つ買う。

 思いのほか時間がかかってしまった買い物をようやく済ませて駐車場へ戻り、いよいよ指宿ともお別れである。

 スタートの音楽はやっぱり『1/6の夢旅人 2002』。イントロ部分を聞くだけで心が弾み、ワクワクが止まらなくなる。

 今日の行程は9割がたが来た道を戻ることになるのだが、それでもなおこういう気持ちになれるのは何故だろう。実際は来た道を戻る+αで、そのおまけの部分のハードルが意外に高いからか。

 この日も鹿児島の空はよく晴れていた。ただそれだけのことで、来たときとは道の印象がまったく違った。シラス台地特有の畑作オンリーな田園風景も、日暮れ後の往路と明るい空の下の現在とでは、まるで別物だ。昨夜は暗い&狭い道&未知という三大要素もあって緊張感溢れる光景だったのに、今はちょっとしたリゾート気分になっている。

 鹿児島の市街地まで出ず、指宿スカイラインという有料道路に谷山インターチェンジから乗る。この道路、名前に指宿と付いてはいるが南九州市の頴娃までしか伸びていないためこういう使用方法になってしまう。

 それでも、これがあるおかげで鹿児島の市街地を迂回して九州道に乗ることが出来る。

 途中の山田料金所がETC設備を持っていないため、駐車場の出口のようにお金を払って通過。このとき、窓を開けるに際して流れている音楽を止めたりする配慮に抜かりは無い。

 鹿児島インターチェンジからは九州道。昨日は薩摩吉田で降りてしまったので、コレで晴れて全線制覇出来る。………こういう発想はやっぱり鉄オタだからなのだろうか。鉄道であれば何々線全線乗り潰し、なんていう話はよくあるのだが、車に関しては何々道全線制覇云々ということを言う人を寡聞にして聞いたことが無い。

 まぁ、こういう時のために『業』と書いてカルマと読む便利な言葉がある。この便利さをフル活用して心の棚に片付けてしまおう。

 新年早々訳の分からない話題で盛り上がってしまう車中。今年も我が家はこれが平常運転な模様。

 そういう我々なので、昨日も立ち寄った緑川パーキングエリアをこの日の昼食場所として選定してしまうのもむべなるかな。

 時間的にちょうど良かったとか、ここで好物の日奈久ちくわが買える、とか動機は他にも色々あるのだが。ちなみに、手前の宮原サービスエリアでもその辺はクリアできるレベルだったことはここだけの話だ。

 ということで、緑川パーキングエリアにて熊本ラーメンをいただく。

 食べて思うのは、こういう場所でもちゃんと美味しいものがいただける有難味。今年度になってからお仕事のアレコレでサービスエリアやパーキングエリアで昼食をとる機会が増えたのだが、どこに行っても外したことがない。

 食べ終えて、売店で日奈久ちくわを買い込む。下り線には置いてなかったのにこちらには割と種類豊富に揃っていたので、ひととおり比較検討。結果、一番たくさん入っている10本入りに決定。

 車のテールゲートを開けて、後部座席のさらに後ろに、隠し金庫のように備わっているカーゴフロアボックスにちくわをしまう。

 食後休憩もバッチリ取ってあとは一路下関を目指して北上するのみ。しかし。ここに来て新たな問題が持ち上がった。

 渋滞である。

 熊本県を抜けるまでは割と好調だったのだが、久留米を過ぎるあたりから唐突に流れが悪化。前方の長い長い車列が視界に入ったためハザードをつけつつゆっくりブレーキを踏む。

 妻に携帯の道路交通情報サイトで確認してもらうと、渋滞距離は10km。しかもどうやら事故渋滞の模様。このあたりがもともと渋滞しやすい区間であることは事前に調べがついていたのだが、事故か…。

 渋滞が無ければ九州道名物とも言える基山パーキングエリアに立ち寄ってみてもよかったのだが、この状況下ではいかんともしがたく、あえなく断念。

「まだ外が明るい時間帯だからマシだけど、慣れない土地で、暗くなってからの渋滞はしんどいからなぁ」

等と言っていたら、うっかりフラグを立ててしまったようで今度は日が沈みかけたあたりでまた渋滞につかまってしまう。ちなみに今度も事故渋滞で、現場を通り過ぎた時に確認出来た状況を見るかぎりでは、どちらも側壁への自損だった。この辺は以て他山の石としたい。

 福岡県内だけでかなり消耗したが、それを抜けた先にはご褒美が待っていた。門司と下関の間にかかる関門橋。正確にはこの橋とその周辺は独立した高速道路で関門自動車道というらしいが、その橋がまばゆい光に包まれていた。
「すげぇ!」
「ライトアップ?」
全長1068mもある光りの橋を自らの運転で渡るのはちょっとした感動があった。
「頑張って運転して来た甲斐があったわ」
ひとりで運転したので達成感も大きい。これは口に出すと運転していない妻が気にするので心の中でひっそりつぶやくことにしたが。
 代わりに
「運転するのでいっぱいいっぱいだから、車窓を見といて」
と依頼する。大型船舶が航行する関門海峡に架かっているため、桁下から海面まではなんと61mもある。門司も下関も一望のもとにひろがっており、かなり見応えがあったことと思われる。
 橋を渡りきると、水曜どうでしょう『サイコロ2』で白眉の名場面の舞台壇ノ浦パーキングエリアに通りかかるが、ここは下り線のみ利用が出来るので、泣く泣く立ち寄り断念。
 無念を抱えつつ下関インターチェンジで高速を降り、本日の宿であるドーミーインプレミアム下関へと向かった。
 ぶっちゃけると、壇ノ浦パーキングエリアがあるところにインターチェンジがあればそのまま国道9号線に出られて至便だったのだが、そこから1キロ以上北上したため、県道57号線から市街地へ向かうことになる。カーナビがあるとは言え初めての道を真っ暗な中走るのでちょっとばかり手間取ったり戸惑ったりしつつも、どうにかこうにか無事にたどりつけたのは僥倖だった。
 ホテルの人の丁寧な誘導で立体機械式駐車場にも無事入庫完了。

 チェックインを済ませ、部屋へ。今回ツインが取れなかったので2部屋に分かれてしまったが、温泉付きのここに投宿できるだけでも良しとしたい。

 部屋に荷物を置いて、夕食を取るべく外へ。
 下関には春帆楼を初めふぐ料理の名店が数々あるのだが、諸事情によりふぐは翌朝に廻して門司港へと向かった。今回の旅行で初めて電車を利用して。
 わずかな距離でも電車に乗れることにウキウキしながら下関駅で発車を待っていると、観光列車みすゞ潮騒号が入線してくる幸運に恵まれる。
 デジカメを抱えてホームに降り、短い時間ながらも巡って来た撮影タイムにほっこりする。



 つい小一時間ほど前に渡って来た関門海峡をトンネルで潜り、下関駅から隣の門司駅へ。そこで乗り換えて2駅の門司港駅で下車。

 門司港レトロ地区。ここにある門司港地ビール工房。夕食はここで食べる。そして勿論地ビール工房なので飲みもする。

 普段滅多にお酒を飲まないくせに、旅行中は毎日かっくらっているのはどうしたものか。

 しばらく来ていない間に『門司港驛ビール』なるものが出来ていた。国の重要文化財である門司港駅舎の工事応援企画と銘打たれており、1も2もなく注文決定。

 あとはつまみだが、いつもながらアレも食べたいコレも食べたいで夫婦間討議を重ねる。その結果、小フグの唐揚げ、ごちそうサラダ、窯焼きピッツァのサルシッチャ、ジャーマンソーセージ盛り合わせ、牛肉の赤ワイン煮込みを選択。そして締めに食べる門司港名物の焼きカレーも時間がかかるため先に頼んでおく。

 うやうやしく運ばれて来たグラスを受け取り、門司港レトロ地区の夜景を楽しみながら乾杯。
 なんというか、我ながら似合わないことをしているな、という自覚はあったが、せっかくなので次々に運ばれてくる料理と合わせて堪能しておいた。




 いずれの皿も美味だったが、特筆すべきは牛肉のワイン煮である。どんな料理家と言えば、その名のとおり牛肉をワインベースのソースでじっくり煮込んだ料理で、『もやしもん』でマリーが作っていたものとほぼ同じものと思っていただいて構わないだろう。

 口の中でとろける牛肉の、その魅力を最大限に引き出すソースの味。美味いとしか表現できない己の語彙の乏しさが恨めしい。機会があれば一度食べていただきたい、としか言えない。

 調子に乗って2杯目のビールを頼み、間もなく運ばれて来た焼きカレーと共に味わう口福の時。この幸せは筆舌に尽くし難い。

 全てを綺麗に平らげて、大満足で店を出る。

 ビール2杯ながらすっかり酔っぱらっていたため門司駅での乗り換えが面倒になり、下関唐戸桟橋行きの船に乗って戻る。

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今さらですが非公開に変更
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読書、創作活動(文章のみ)、野球観戦、旅行、食べ歩き
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四十路オタです。そんな年齢なので言う事やる事古くさくてすいません。
艦これ提督ですがリポートをここにあげたりとかいう事はしておりません。攻略記事を書けるほど上手でもないので。
一次創作及び二次創作に関してはpixivで発表しております。興味をお持ちいただいた方は上部のリンクからお願いいたします。
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