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私が少しだけ寄稿させていただいた「声を詠むひと。2016 夏」がCOMIC ZIN様において通信販売が開始されました。

 興味を持っていただけた方は下記のリンクよりお願いします。
http://shop.comiczin.jp/products/detail.php?product_id=30029


 ちなみに寄稿させていただいたのは『後藤沙緒里のいろはにほへと』と『タイラー無責任倶楽部』についてのコラムです。

 本命として準備していた『斎藤千和無責任編集 うらGおファンタジー』についての文章は私の力不足により完成させることができませんでした。申し訳ありません。

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帰国日。毎度のことながら自由時間となる午前中の使い方に迷うのが寂しく難しく、そして楽しい。

 予定を決めるにあたっていつもネックになるのが荷物の預け先。パズルゲームの苦手な私がどうにかこうにか苦心して詰め込んだ茶葉やらドライフルーツやら菓子やらで20キロオーバーになっているスーツケースは持ったままどこかに行くには大きすぎ、重すぎる。普通のコインロッカーでは手に負えない。

 台北市内、コインロッカーの数は増えているものの、日本の大都市と比べるとまだまだ少ない。当てにして行ったはいいがフルブックでした、となれば貴重な時間を無駄にしてしまう。

 そこで確実さを優先するため、宿から程近いところにある松山空港で預けることにした。ここならコインロッカーが埋まっていても手荷物預かり所があるのでなんとかなる。

 というわけで、チェックアウトするとそのままホテルの前に停まっていたタクシーで松山空港へ。

 数年前まで台湾国内専用空港だったが、最近国際化が進んでおり羽田便は定期で飛んでいる。金を惜しまず時間を惜しむが旅行のモットー(乗り鉄旅を除く)なので関西発着便があればここから出入国したいところなのだが。

 残念ながらこういう使い方しかできないのである。
 幸い大型ロッカーに空きがあり、そこに二人分の荷物をぶち込んで身軽になった。

 この日、残り時間の活用先に選んだのは行義路温泉街の川湯温泉。
 当初、この行き先はすんなり決定されたのだが。決定後、私がある情報を入手してしまったことでいささか話がこじれてしまった。

 単刀直入に言えば、『ガールズアンドパンツァー 劇場版』(台湾版のタイトル『劇場版 少女與戰車』)を上映しているのを発見してしまったのである。しかも上映しているのはホテルから1キロと離れていない信義威秀影城という映画館。
 しかもどうやら4DX版らしい。観たい。これは観たい。
 散々ごねてどうにかこうにか妻から「じゃあ一人で行けば」と諦めの許諾を獲得したのだが、よくよく調べてみると上映開始時間が昼から。2時間の映画なので、これを観てから高速バスに乗り空港に駆けつけるとなるとちょっとリスキー。それを乗り越えるだけの値打ちがあることは重々承知だったが、さすがに飛行機に乗り遅れるのだけはシャレにならない。
 結果、泣く泣く諦めて当初の予定どおり温泉行きと相成った次第である。

 松山空港からはMRTを使うと大回りになるのでタクシーで直行する。

 名前と住所を書いたメモを運ちゃんに渡すと、小さく頷き車を発進させた。基隆河を渡り、士林夜市の横を過ぎ、高級住宅街で知られる天母を通り抜けると見覚えのある交差点に出た。
 ここからは急傾斜の坂を登って5分ほど。川湯温泉に到着する。料金は300元弱だったように記憶している。1000円かからずたどり着けたわけで、ショートカット作戦としては申し分ない。

 平日は入浴のみでオッケーなので、受付で入湯券を購入し、中へ。日本のように番台でお金払って中へ入るシステムではないのは、防犯対策なのかな、とちょっと穿って考えてみたりする。

 平日の昼間なのでさすがに空いていて、数名の老人が命の洗濯をしている程度だ。
 お邪魔します、と中へ進みサッと身体を洗って湯船につかる。良い。
 昼間なので外の様子もよく分かる。壁の向こうは川が流れており、この川湯温泉という名前に初めて合点が行く。何しろここに来るときはいつも夜なので、眺めもなにもなく、ひたすらお湯を楽しむのみであった。
 何しろ暑いので敬遠していたのだが、川の流れを見ながら入れる昼風呂もなかなかに良いものだ。

 のぼせない程度に湯と景色を楽しんで、あがる。
 
 風呂上がりにバタバタするのは好きではないのだが、ぼちぼち空港に戻らねばならない。バスの時間を調べてみると、もうすぐにもやって来るようなのでとりあえずバスで駅まで出て、そこでタクシーを拾おうということになる。
 長い階段と坂をえっちらおっちら上がり、バス停にたどり着くとバスはすぐやってきた。
 椅子に座って車窓に目を向ければ、平日の昼間だというのに我々のような温泉好きで一帯はなかなか賑わっている。ふと車内を見渡せば、我々以外にも明らかに風呂あがりという人は少なくない。

 これならば「昼は客が来ないので開けるのやめます」ということにもならないだろうし、昼風呂を帰国日の楽しみ方とするのは継続的にやれそうだ。

 右に左に揺られながら山を下り、石牌駅で下車。タクシーで松山空港へ。荷物を拾い上げて桃園空港行きのバスに乗り込む。

 2タミでバスを降りてカウンターへ。時間が早かったおかげか行列もなくスムーズに手続き完了。これまた混雑を避けて早めに手荷物検査と出国審査をクリア。
 4階へあがってまずはマッサージを受ける。国の玄関口だけあって、ここの腕前はまさにトップクラス。このあと関空から自宅まで1時間半のドライブをしなければならない私にとっては強力なアシストとなった。
 たっぷり1時間ほぐされ、増した食欲を抱えて台湾料理の名店『青葉』へ。旅立ちを前にして、台湾の名残を惜しむ台湾料理の昼食。

 台北での滞在時間を短めに切り詰めて早めに空港入りしたのは、このふたつをゆっくり楽しむためと言っても過言ではない。

 これでやるべきことは全てやりきった感がある。あとは出発までのロスタイムをおまけとして味わうのみ…なのだが。出発案内の掲示板を見ると軒並み遅れている。現在桃園空港は3つめのターミナルを建設中で、その余波により遅延することはしょっちゅうなのだが。この日も例に漏れず1時間の遅れが見込まれるとのこと。
 とはいえこれを最初っから織り込み済みにすることは国際線の飛行機なので難しい。

 やむなく、空いている喫茶店を探してそこを拠点とし、交代で買い物に出た。と言っても目当てがあってのことではないので、とりたてての成果はなかった。
 そうこうするうちに搭乗ゲートが開放されたのでそちらに拠点を移し、ひたすら待つ。

 楽しかった旅を惜しむに惜しめないこの微妙な時間を毎年恨めしく感じるのだが、あまりにも定番化しすぎて「あ、これでもう旅も終わりなんだな」と心身ともに諦める風物詩となってしまった。
 そのことを苦く噛み締めていうるうち、空の向こうから機影がゆっくりと近づいてきた。

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明日は帰国日。1日をフルに使えるのは今日だけとなった。

 そろそろ毎年恒例基隆アタックを仕掛ける頃合いである。アタックと言いつつ、要は台北の北にある港町基隆まで名物のパイナップルケーキを買いに行くだけなのだが。

 そして。私がアタックをかけている間、妻はどうするのかとたずねたところ台湾の石鹸メーカーに『阿原』というブランドがあるのだが、淡水という街にその本店があるとのことで妻はそちらに行くと言う。

 ちょうどいいので互いに目的を果たした後に台北駅で合流しようということになった。

 私はホテルから歩いて5分の距離にある市政府バスターミナルから高速バスで基隆を目指す。毎年のことながら本数も多く速くて快適で安いとバスは鉄道に対してアドバンテージしかない。しかも今年乗った車両はUSB充電口まで備えていた。今回はiPad miniを使っているので、このありがたみが地味にわかるようになってきた。

 出発して程なく高速道路に乗ると、あとは基隆までノンストップでひたすら快走。この区間は眺めの良い車窓なのだが、ここ数日の疲れが抜けていないためか居眠りを始めてしまい、目が覚めた時にはもう基隆の街なかだった。

 降車場所は港の目の前なので、降り立つと急激に世界が変わる。視界に広がる船に血が沸き立つのを抑えきれない。遮るもののない直射日光の熱もなんのその、船の写真をガンガン撮っていく。首都の外港だけあって軍艦、漁船、客船と多種多様な船が場所を分け合って共存しているのが面白いので何度も来ているのに、来るたびにこうしてカメラを向けてしまう。
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 そうして身体がギブアップする寸前くらいまで熱心に動き回るが、ボーダーラインは踏み越さなかった。カメラをしまい、歩き出す。

 目指す李鵠餅店へは何度行っても一度間違うので、今では最初っから直接目指さず、地図のある夜市の入り口へ向かう習性が身についてしまった。遠回りをしてもそれほど所用時間が変わらないというのもあるが。

 無事到着したところ、店内は平日の午前中ということもあってか先客の姿はなかった。おかげで待ち時間なくゆったり購入。
 この時購入したのはパイナップルケーキを30個とイチゴケーキを30個。

 店を出ると、道向こうに『大正女僕(メイド)珈琲』という看板を見かけ、ちょっと惹かれたが、まだ営業時間外だったので看板を撮影するにとどめた。こんなところにもメイド喫茶の波が…というか大正って何。
 基隆には『昔の台湾を今に伝える港町』というイメージを持っていたのだが、着実にオタ化の波は押し寄せてきているということか。そのうち李鵠餅店の店員さんの制服がそっち寄りになったりするのだろうか…。

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 戸惑いを消化しきれないまま、李鵠餅店特有のピンク色をした派手な手提げ袋を手に台鉄基隆駅へ向かう。たどり着いて初めて、歴史ある古い駅舎が使用を停止しており現在台北よりの新駅舎へと移転していたことを知る。

 基隆の街はそれなりの規模なのだが、鉄道の駅としては盲腸線の悲しさ、朝夕以外は基本的に各駅停車が発着するだけの地味なターミナル駅である。台北からの距離の割には時間がかかりすぎるところにもその一端はあるのかも知れない。

 なので新駅舎も地味な造りなのだろうとさして期待せずに向かってみると、規模の大きさもさることながら行先案内のLED化など設備が最新のものになっており、面目を一新していた。
 改札を抜けて階段を降りれば地下化された2面4線の頭端式ホームに出る。これまたどんな特急列車が発着してもおかしくない厳かな雰囲気を持っていた。

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 まぁ、現実に停まっていたのは台北近郊のみを走る各駅停車なのだが。そして実際、列車に乗ってみれば線路が改良されたわけではないので台北までの所要時間は昔のまま。高速バスに押されてしまうのも無理のない話という悲しい結論になってしまう。

 個人的にはそんなのんびりした鉄旅は好きなのだが、時間を最優先にしなければならない海外旅行においては選択するのにいささか勇気を要する。今回待ち合わせ場所を台北駅にしたおかげで久々に乗ることができたのは嬉しい誤算と言える。

 とはいえ、汐科駅を出ると電車は地下に潜ってしまい、あとは台北駅までただ乗っているだけの時間になってしまうのだが。それでも、楽しいひと時だったことには違いない。

 台北駅に到着するも、妻はまだMRTの車内にいたので、構内をぶらついて時間を潰す。提携している日本の鉄道会社や駅の展示があってなかなか楽しい。西武、京急、江ノ電と関東の私鉄各社がパネルをずらりと並べている中、JR西日本大阪駅と台北駅が姉妹駅となったとのことで、関西勢では唯一展示がある。
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 時間潰しのつもりがなかなかに面白く、妻に声をかけられるまでメールにも電話にも気付かなかった。

 さて。互いに買ったものを抱えたまま次の目的地に行くのもためらわれるので、一度宿に戻って荷物を置いてこようとしたのだが。どうせ宿に戻るならもう一箇所さらに買い物をしてからにしようということになった。
 という訳で、台北駅から徒歩で10分とかからない老舗の茶商である峰圃茶荘へ。
 今回は先客がいたため、相席する形で試飲させていただく。先客の方たちは初台湾のようで、茶葉を聞香してはその違いや効能についてつぶさにたずねていた。
 我々はと言えば、この店に来てここに座り、聞香させていただくと、実家に帰ってきたような安心感を覚える。佳き茶の佳き香。世は移ろえど、変わって欲しくないものが変っていないという安心感。
 先客はあれこれ悩みながら、幾許かの茶を購入していった。我々はいつものように…と言いたいところだったが、今回は茶器の分荷物のスペースを広めに確保しなければいけないので、いつもよりいささか控えめ気味に購入。それでも大きな紙袋をいっぱいにするくらいは買ってしまうのだが。
 今回はいつもの阿里山や高山に加えて眼精疲労に良いという普菊茶も購入してみる。いささか癖があるので万人向けではないが、個人的には1箱しか買ってこなかったことを後悔したくらいには気に入った。

 今回もいつもどおり「ホテルに配送します」と言ってただいたのだが、今回は宿に戻る途中に寄ったので大丈夫です、と返したものの。思いのほか紙袋が膨れ上がっており、あれでMRTに乗るとなかなか迷惑かも知れないと思い直してご厚意に甘えた。

 帰り際、バックヤードにいた店主の蒋老人が出てきてくださり、「今年もおいでいただきありがとうございます。また来年もお越しください」とご挨拶をいただいた。白寿に近いお歳だというのにまだまだ矍鑠としておられ、「必ず来年も来ます」と約して店を出た。
 さて。当初の予定どおり宿に戻って荷物を置き、再び台北駅に戻る。

 この日の目的地は台湾を代表する猫の村、猴[石同](石と同で1つの字)。昨日行った鶯歌とは逆方向の電車に乗ってのんびり行く。
 昨日と違うのは方向だけでなく、乗った車両が最新のもので、輪行用に自転車を置くスペースが設定されていた。
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 台湾には外国人観光客でも手軽に借りられるYoubikeというレンタサイクルがあり、こういう車両があるのならば自転車を借りて見知らぬ街を駆けるのも楽しそうだ。もちろん、季節は夏以外という前提だが。


 小一時間で猴[石同]駅に到着。ホームに猫がお出迎えしていたりはしないが、ホームから遠目に猫が見られるくらいには猫の村である。
 そして駅名標示板にすら猫がいる。
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 改札を抜けた先にある売店は当然のように猫グッズを取り揃えており、ここが猫の国の入国ゲートであることを物語っているようだ。
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 猫の国なので前回来た時は家の軒先や庭先、裏路地や広場にとどこへ行っても猫の姿を見なかったことはなかった。とにかく猫好きには夢のような場所なのだが、この日はあいにくと雨が降り出しており、猫は引っ込んでしまっている可能性が高い。

 さてどうするか。
 実はここは元炭鉱の街でもあるので、鉱山好きでもある我々は雨宿りを兼ねて先に炭鉱跡を巡ってみることにした。

 炭鉱関連の施設は猫村とは駅を挟んで反対側にあり、基隆河にかかる橋が『運煤橋』という名前で、運炭トロッコの線路をモチーフにしたデザインだったりとなかなか楽しませる演出だ。廃線跡を辿っているようで、ワクワクする。
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 ただし、骨組みから下を流れる河がバッチリ見えてしまうということもあって、高所恐怖症が私よりも強い妻はおっかなびっくり渡っていたが。

 そして。橋むこうにはまさにトロッコそのもの何両か連結された状態で線路の上に待ち構えていた。
 中には石炭の代わりに観光客が数組。どうやらこれで炭鉱跡を巡れるらしい。
 ただ、チケットが必要なので、今にも出発しようとするトロッコたちに飛び乗って、というわけにはいかない。

 出発したトロッコを見送りつつ、受付で入園券と乗車券を兼ねたチケットを購入。
 周囲の様子が物珍しくて、ウロウロと見て回るうち先発のトロッコが戻ってきた。
 こういう時に一番前に陣取りたくなるものだが、さすがにここは子供連れに譲って後ろへ。
 車両というよりも箱と言いたくなるようなトロッコに腰掛けて待っている間に案内人がやってきて、チケットを確認しつつグッズの売り込みなどもしていく。

 小さな電気機関車に牽引されて出発する。何しろトロッコなのでサスペンションも何もあったものではなく線路の継ぎ目を通る衝撃が直接身体に響く。尾てい骨から脊髄にゴツゴツと来る。
 受付の横を通ってトロッコは坑道へと突入していく。
 途端、体感温度が数度下がる。地中は気温が変化しづらいので夏涼しく冬暖かいのである。
 坑道なので当然天井は低く、ほのかに明かりが灯されているのみなので雰囲気的に江戸川乱歩や横溝正史の作品世界を連想させる。このあたりは日本も台湾も変わらない。
 一応観光スポットなので坑道内には他の鉱山跡と同様にマネキンや道具の展示がなされておりその説明看板などもあるのだが、語学力の壁に加えて薄暗いため内容はあまり頭に入ってこない。ただ、マネキンのおかげで何をしている場面なのかはわかる。
 坑道を抜けて広場に出ると、広場というその名のとおり本当に広々と感じられるし、空が見えるということにありがたみを覚えた。
 この広場で機関車は停止し、全員一旦下車となる。採掘道具の実演を見たあとは、我々も道具に触れたり、自分で人力トロッコを動かしたりできる。
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 電動ドリルやツルハシ等、日本だと「危ないから触るだけ」になりそうなものも、実際に電源オンしたり振り下ろしたりできるのが台湾らしくて楽しい。

 自分の職場にも似たような道具があるのにもかかわらず、こういう場所だと不思議とテンションが上がって魅力的に感じる。

 それなりに堪能して再びトロッコに戻る。全ての乗客が乗り込んだのを確認すると、電気機関車は再び動き出す。
 途端、慣れたと思っていたゴツゴツに再び襲い掛かられる。継ぎ目の多い分岐器の上はひときわ響く。こんなものに毎日乗って坑道の奥深くまで『通勤』していた坑夫さんたちは本当に大変だったことと思う。
 そんな風に考え事ができるくらいには若干の余裕とともにトンネルを抜けると、出発した橋のたもとの停車場に到着する。短い時間ではあったが、なかなか楽しませてもらった。

 続いては本来の目的地である猫村へと向かう。
 降ったり止んだりの天気なので案の定猫の姿は少ない。右を見ても左を見ても視界に必ず猫がいた前回のようにはとてもいかない。それでも土産物屋の店先にでーんと陣取って眠る三毛猫や「記念スタンプを押したきゃ俺をどかしてからにしな!」と言いたげに眠る黒猫、雨天でも水に濡れないコースでパトロールを欠かさない別の黒猫、お気に入りの場所でくつろいでいるうちに平べったくなってしまう黒白猫等々、素敵な出会いはあったので来た甲斐がなかったということは全くない。
 前回のような集団芸にはお目にかかれなかったが、それはまた次の機会に期待するとしよう。
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 自家用土産に猫トートバッグ、職場の土産に猫パイナップルケーキを購入して撤収。

 台北駅までは電車内でひたすらあの猫が良かったこの猫が良かったと楽しく思い出を反芻し合う。

 駅に着くともう日暮れどきだった。ぼちぼち夕飯の算段をする頃合いである。台北駅で夕飯を、ということになると。選択肢は豊富なのだが最終的にはいつも2階のフードコートを選択してしまう。
 台南担仔麺というお店で夜市飯。名物の担仔麺を注文しないことに毎回心苦しさを感じつつ、好物の虱目魚(サバヒー)定食に香腸(台湾ソーセージ)をプラスしてオーダー。これが個人的にはほぼベスト台湾飯。
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 ここは虱目魚をワサビ醤油で食べられるのも嬉しい。コクのある白身とワサビ醤油は相性抜群でいくらでも食べられる。
 ここに香腸が加わるので箸が止めるタイミングが見つからない。

 この幸せも今宵限りだと思うと、一抹の寂寥感が調味料に加わってまた格別の味となるのである。

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今日も農市は開かれているが、この日は別に行きたいところがあった。台北から南西に30キロ弱行くと、鶯歌という街がある。ここは日本で言えば信楽や常滑、伊万里のような陶器の街。
 元々夫婦揃って陶器好きということもあり1日居ても飽きない街だと思われるが、その鶯歌で工夫茶用、つまりは要は中華式茶道用の茶器を探したかった。
 というわけで、朝食後台鉄台北駅へ向かう。
 台北から鶯歌へ行く場合、朝夕ならば日本の急行にあたるキョ光号も停まるのだが、日中の時間帯は各駅停車の區間車のみが停車する。ロングシートの座席に腰掛けて揺られること30分ほどで鶯歌駅着。
 ホームの階段を上がると、コンコースに唖然とするほど巨大な壺と茶壺(日本で言う急須)があった。手前のプレートには『全國最大茶壺』と書かれている。初手から強烈な歓迎である。



 駅からの道は線路沿いに案内板がそこかしこにあるため迷いようもない。線路の下をくぐり、橋を渡れば『歡迎光臨 陶瓷之鎮(ようこそ 陶器の街へ)』と書かれた石碑に出会う。



 そこでまず目に入ってきたのは、茶色がかった直方体の建築物。夏空の晴天であるにも関わらず薄寒くなるような謎の迫力。ファミコン世代としては反射的に『悪魔城ドラキュラ』とかあの辺りを連想してしまうような、そんな建物。



 中はもちろんドラキュラとその眷属が待ち受けていたりはしない。普通に陶器の展示や販売が行われている。飲み物の自販機とベンチがあるのをいいことに少しばかり休憩。駅からそれほどの距離を歩いたわけでもないのに、休憩が必要と思わせるほどには暑い。

 気力体力を回復させて再び歩き出す。坂を登りきった先に広がった景色は、まさに陶器の街。何しろ街の地図まで陶器で出来ている。



 道が左右に分かれていたので、とりあえず右側の道を進む。
 道の両側にある店は当然陶器の店がずらり。路上にも商品が置かれており、また食べ物の屋台がいくつも出店しており、常設陶器市の雰囲気も漂う。これだけ店の数があるので、焦らずゆっくりと気に入ったものに出くわすまで何軒でもまわろうと決めて出発。







 まずは試しに1軒、手近な店に入ってみる。それなりの床面積の店内にみっしりと陶器が並んでいる。食器、置物等々と共に茶碗もあったが、残念ながら工夫茶用のものは見当たらなかった。
 諦めて外に出ると、再び陽射しに焼かれてしまう。あまり長々とは歩けない。これで気候が街歩きに適してさえいれば1日かけても何の苦もないところなのだが。

 牧歌的だった光景に突如現代的なデザインの建物が現れる。看板によるとここは『鶯歌光點美學館』というショッピングモールらしい。涼を求めるのと、品物のチェックとを兼ねて扉を開ける。

 中へ入ると、吹き抜けとなっているので開放感からか実際以上の高さにも感じられる。

 ここには陶器以外にも中華圏ではおなじみの宝石『玉』や水晶の工芸品もある。玉は以前故宮博物院の企画で触ったことがあるのだが、手触りが滑らかで温かみがあり、身近に置いて日々愛でてみたくなる感触だった。とはいえ値段と重量という問題があり、なかなかに難しい。二兎を追う者は一兎をも得ずという言葉もある。今日のところは茶器のみに集中することとした。

 ここはさすがの品揃えで工夫茶用の茶器自体はあったのだが、なかなかにいいお値段がする。台北市内の専門店で買うのとあまり変わらない。
 
 続いて『老街陶館』という建物へ。ここは陶器窯を模したと思われる外観がインパクト抜群。



 そして。ここ2階でようやく探していた『入門用の安い工夫茶器』に出会った。
 あとはどのデザインを選ぶかだが、空腹だと判断を誤るということで、同じ2階にある食堂へ向かった。ここで甕仔麺という鶯歌名物が食べられるようなので、昼食。
 名物というだけあって人気があり少しばかり並ぶ。いい時間帯だともっと混雑していたであろうことは想像に難くない。
 手際よく運ばれてきたそれは、小型の甕にみっしりと具材と白いスープと麺とが詰まっていた。ソーキそばを連想させる塩味の効いた滋味深いスープが全身に染み渡る。

 美味しく腹も満たしたところで、いよいよ本命の買い物へ。
 入門用の安いものとはいえ、種類はそれなりに豊富で、かなり迷う。私が青磁好きというのもあって自然とそちらに目が向くのだが、当然白磁にも良いものは多い。おかげで大いに迷う。
 妻とふたりで店内をぐるぐると何周もして、ようやく決まった。青磁の青を池の水に見立て、水草と鯉があしらわれた柄を選ぶ。これで飲む茶はさぞ楽しいものになるだろうと心が弾んだ。

 主目的を果たしたところで、ひとつ気になるものがあったのでその場所まで引き返す。例の陶器要塞とも言うべき巨大な建物の敷地内に蒸気機関車を見かけたのだが、あれは実物の静態保存なのか客寄せの模造なのか。

 近づいてみると、ペンキはすっかり剥げ落ち全面に錆が浮いている。この年季の入り方はとても模造とは思えない。
 車両前面の顔ともいうべき部分には『鶯歌号』というプレートが掲げられ、その下には『旅途愉快 一路平安』『鶯歌鎭鎭民蘇有仁敬製』書いてある。



 文字の内容から察するに、この街の住人だった蘇有仁という人物が作ったようだが、とするとこれはその昔陶器の貨物輸送で活躍したものの静態保存ではなく模造と思われる。
 とはいえ周囲になんの説明も手がかりもないのでこれ以上は推測しようもない。それにしてもあまりにも無造作に置かれすぎている。展示しているようにはとても見えない。一歩間違えれば不法投棄である。

 まぁ、日本国内でも地方に行くと「もらったり買ったりしたはいいけど結局維持に困って雨ざらし」な鉄道車両は散見されるのだが。もう少し手を入れて整備すれば立派な観光資源になると思われるので、実にもったいない。

 もったいないといえば、駅まで戻るのに来た道をそのまま戻るのも惜しい気がして、別の道を辿ることにした。来た時に通った道は道幅が狭く店の規模も小さいものが目立ったのに比べ、帰途に歩いたところは道幅も広く、店もそれなりに洗練されているものが目に付いた。おそらくこちらがメインストリートなのだろうが、個人的には最初のほうが好みだったので、この順番で正解だったな、と一人納得する。

 駅に戻ると、何は無くともまずは給水せねばと構内のセブンイレブンでポカリを購入。
 気力体力に余裕があれば電車が来るまで駅構内及び近辺の探検に出るのだが、残念ながらそういうことができたのは30代までだった。今はただ、椅子に空きがあったのを幸い、休息を取るばかりである。

 電車の到着時刻が近づいてきたのでホームへと降りていく。

 この時初めて、鶯歌駅の広さに気がついた。ホームは2面4線でいささかこじんまりしているのだが、ホームのないところにも線路が何本も張り巡らされており、駅全体面積はそれこそ以前はここで機関車の運用をしていたのだろうなというくらいには広い。
 道路に面した場所には貨物の積み下ろしができそうな空き地もあり、とめどなく想像の翼が広がる。
 しかしその翼が広がりきる前に台北方面行きの列車が入線してきてしまい、お楽しみもここで中断。
 来た時と同じロングシートの車両に乗って台北へと戻る。

 いささか消化不良気味だったので、台北駅の中にある鉄道グッズ屋2つをめぐるが、ここでも大きな収穫はなし。この店に来るたびに購入していた台湾オリジナルの鉄道雑誌が見当たらなかったのが何よりの痛手だった。
 強いて収穫として挙げるとすれば鐵道旅行護照(パスポート)という台鉄の全駅が記載された5冊組のミニ手帳を購入したことくらいか。フルカラーでなかなかに出来は良い。
 ということで、いささか不完全燃焼気味ながら体力ゲージが尽きかけているので諦めて宿へと戻る。

 収穫物を片付けてからしばしの午睡。このホテルを選んで良かったと思うのはこういう時だ。

 目覚めると、窓の外はとっぷりと暮れている。となれば夕飯の算段をしなければならない。
 旅行中1回は高級中華を食べるのが新婚旅行以来の習わしなのだが、今日あたりそろそろ決行しようか、という結論に至る。
 ちょうど良いことにはホテルから2駅先の太平洋そごう復興館の中に鼎泰豊と點水樓という名店が2つ入っている。とりあえず行ってみて空いている方に入ろうということで出発。

 忠孝復興駅を降りて案内表示のままに進むと連絡通路の近くに鼎泰豊があるので行ってみると、入り口が遠く感じられるほどに長蛇の列が。めげずに待ち時間を聞いてみると50分とのことなので、一時撤退して11階の點水樓へ。
 こちらは幸いにして待ち時間なし。すぐに案内されて席に着けた。

 ここは日本語併記の安心メニューなので、店員さんに「これはなんですか?」といちいち確認をしなくても選ぶのになんの支障もない。互いに希望するものを挙げていき、そこから絞り込みをかけた。

 まず。鼎泰豊ほどの知名度はないもののここも小籠包の名店。スルーは許されまいと2籠注文。そして忘れてならない台湾ビールも。あとはベーコンと青梗菜が入った上海風ピラフ、トンポーロー、南乳風味のスペアリブ、空芯菜炒め等々互いの好物ばかりを欲望の赴くままに注文。

 ビールと小籠包で乾杯となるはずだったが、あれは作るのにいささか時間がかかるため、すぐに出てきた空芯菜炒めで乾杯。たかが空芯菜と侮るなかれという美味さで、ビールのつまみにする間もないほどスルスルと消えていく。

 後はもう、取っ組み合いの格闘でもするかのように、出てくる料理をどんどん平らげていく。小籠包が運ばれてきたとき調子に乗ってビール2本目を頼んだため最後はいささか苦戦したが、なんとか無事全ての料理を美味しくいただくことができた。
 どうしてもビールと小籠包をやりたかったので悔いはない。ジューシーな小籠包をドライな台湾ビールで流し込むのがなんともたまらない。
 下戸の調子こきが30分の休憩という代償で無事収まったのは奇跡という他はない。

 酔い覚ましにと地下鉄2駅分歩いてホテルに戻ったが、夜風に当たったのが良かったのか、せっかくだからと途中にある24時間スーパーで買い物が出来るくらいには回復していた。

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本日は休養日としていたが、朝実際に目が覚めてみると思いの外昨日のダメージは残っていない。とはいえ無理は禁物と、朝食をとってからは部屋でゴロゴロとする。

 ゴロゴロしているうちに「あれ?これなら全然動けるな」と気づく。とはいえ遠出は危険であり、体調の異変を感じたらとっとと宿まで戻ってこられるところへ行くのがよかろうという結論に至る。
 そこでMRT淡水信義線圓山駅前の花博跡地で毎週土日に開催されている台北花博農民市集へと向かった。

 台湾各地から農家の方々、そしてなぜか漁師さんも集まって産物を売りに来ている。台湾烏龍茶もさることながら、最近すっかりハマっている台湾珈琲は市場流通量が少ないのでここで買うのが一番簡単だ。
 果物も豊富なのだが、茶と違って日本に持って帰れないし、ホテルで食べるには量が多い。
 しかし、やはり美味そうなのでせめてジュースでも飲もうか、ということになる。葡萄や桃なども魅力的だったが、日本ではあまり見かけない梨のジュースにした。正直味への期待よりも物珍しさに惹かれたのだが、さっぱりとしていてなかなか良かった。


 
 さてさて。休憩も済んだところで買い物タイム。
 先に農市と同じ敷地内にある『神農市場』という台湾版成城石井っぽいスーパーも覗いてみる。ここも農市と同様台湾各地から集まった名産品が一堂に会している。農市と違って店舗内なので暑さを気にせずゆっくり品物を見られるのがありがたい。

 当然その分お値段は農市よりも上になるが茶、珈琲、はちみつ、ジャム、ネギペーストに始まって肉野菜果物ビーフンと実に豊富。少ないながら石鹸や食器等の生活雑貨も置いてある。
 ここで「相場」を頭に入れておけるのもありがたい。農市の値段は直販ならではの価格で、格安だということを忘れがちになるので。
 結局ここではお土産好適品の雑貨を数点購入するのみとなり、農市に戻る。

 第1目標の『自宅で普段飲みする用の安くてそれなりな烏龍茶』は1包200g入りが4包で1000元と破格のものがあったのでこちらのお店にアプローチする。試飲させてもらうと味はそれなり以上だったので、即決。

 第2目標の『台湾産珈琲』はドリップもいいが豆で欲しいと思っていたところにこちらも1袋100g入りが3袋で700元と大変お値打ちなものが見つかったのでこれも試飲の上で購入。台湾珈琲ならではの透き通った香りがたまらない。

 どちらも当然のようにおまけをあれこれつけてくれるので大変恐縮する。そして、こちらが日本人とわかると片言の英語や日本語を駆使して商品の説明に努めてくれるのも大変ありがたい。

 以上の成果を以て撤収し、昼食とする。
 ここ花博公園のフードコートは国際色豊かでイタリア、アメリカ、日本、ヴェトナム、インド等々各国の料理が楽しめるようになっている。ウロウロしている時からにおいに誘われっぱなしだったので1も2もなくここに決定。





 とはいえ、私は鶏肉飯、妻は麺線と結局ふたりとも台湾ご飯になってしまうわけだが。まぁ…日本はもとよりその他の国の料理は帰国後でも食べられるので。



 食べ終えてMRTの圓山駅へと戻り、まだ動けることを確認したのちに、今度は迪化街へと向かう。
 迪化街は台北屈指の問屋街で、ここは漢方薬や服飾関係等々が充実している。我々はなぜか漢方薬の問屋でドライフルーツを大量に購入しているのだが。

 しかもマンゴーなら六安堂參藥行、パイナップルは乾元參藥行とお気に入りの店がそれぞれ違う。各々の店で「シー(10)」とか「シーアル(12)」とか身振り手振りを交えつつ購入するのだが、数が先方の想定を超えているためか毎年店頭在庫では足りず奥の倉庫まで取りに行ってもらったりする羽目になる。待つあいだに店内をそれとなく見学していたらショーケースに北海道猿払のホタテが鎮座していた。さすが猿払。
 こんな感じでマンゴーとパイナップルを購入後、イチゴを一袋職場の別部署へのお土産用にと購入したのだが、これは大変ご好評をいただいた。

 迪化街と言えば。テレビドラマ孤独のグルメseason5において主人公井ノ頭五郎が訪れた食堂があるのだが。昼食は先程花博公園で食べてしまったので今回はスルー。
 
 私はさらにこのあと職場の同僚に頼まれた漢方薬を仕入れねばならないので、妻を一足先に宿へ戻してひとりその指定された店へと向かった。
 向かったも何も迪化街から100mも歩けばついてしまうのだが。

 預かった処方箋を店の人に渡し、調合してもらうのでそれなりに時間が掛かる。待つ間にお茶など出していただき、ゆっくりと店内の雰囲気を味わう。

 この時購入したのが3ヶ月分と大量だったのでさっき購入したドライフルーツと相まってかなりの体積。これで地下鉄に乗るのも憚られたため、通りでタクシーをつかまえて宿へと戻る。

 部屋で大量購入した荷物を整理しつつ夕飯の相談をする。

 この日は土用の丑の日。日本にいれば鰻を食べる展開となっただろうが、台北屈指の人気を誇る鰻店の肥前屋はおそらく人でいっぱいであろう。
 ならば鰻は諦めて台北市内の川湯温泉で夕飯と入浴を済ませてしまおうということになった。

 再び國父紀念館駅から板南線に乗り、台北駅で淡水信義線に乗り換えて石牌駅へ。ここからは路線バスで行義路三バス停まで。以前はタクシーで行ったが、今回はiPad miniとポケットwi-fiのおかげでバスの運行情報に関してその場で調べられるようになったので往復バスで、ということになった。

 待つというほどの時間も経たぬうちにバスはやってくる。夕刻ということで帰宅ラッシュも相まって結構な乗車率。幸いにして座れたが、この路線市街地を抜けるとその先がかなりな急傾斜の道でその上左右に振られるため座れるかどうかでかなりの差が出る。というか、座っていてもどこかに掴まっている必要があるくらいには揺れる。

 そんな道をバスは快調に登っていくこと15分ほど。目指す行義路三バス停に到着する。温泉目当ての乗客は我々以外にも数組いた。

 ここは山奥にあるが、派手なネオン看板が多数掲げられているので鄙びた雰囲気はない。我々が愛用する川湯温泉はバス停から坂を登ってから長い石段を延々下りた先にある。
 途中にあるスピーカーから聞いたことのない日本語の演歌が大音量で流れてくる。一説にはここのオーナーか誰かが日本の演歌が好きで、訪日するたびにCDを買ってきてはこうやって流しているのであまり有名でないものばかりになっているとのことだが、真偽の程は定かではない。

 いつもは200元払って風呂のみ利用していたが、この日はせっかくだからと夕食もここで食べていくことにした。
 ちなみにここは先に食堂でひとり400元以上食べると入浴代がタダになる仕組みである。先に風呂に入った場合は風呂の半券が食事の割引券になる。

 桜エビとキャベツの塩炒め、鰻の麹漬けの唐揚げ、スズキの蒸しもの、チャーハン等々の中華料理とともに、なぜかメニューに存在していた握り寿司1人前(6貫)を無性に食べたくなり、注文。
 それにしても、土用の丑の日の鰻をこういう形で食べることになろうとは。こういうことがあるから人生は面白い。

 中華料理が美味いのは想定していたが、寿司がかなりの本格派だったことには驚いた。少なくともネタは新鮮で、捌き方も厚過ぎず薄過ぎずと実に良好。台湾はオリジナルブランドの回転寿司があるくらいなので不思議とは言えないが、ネタもシャリも想定以上の味で大いに満足。



 想定外といえば鰻の唐揚げは完全に興味本位の注文で、未知の味だったので想定も何もなかったのだがこれも美味かった。鰻の白身魚独特の旨味が程よく引き出されていて、このあと入浴するのでなければビールを追加注文していたところだ。



 食べきれるか?明らかに頼みすぎなのでは?というくらいの量が来てしまったのだが、空腹だったからか美味さのためか全ての皿をきれいに平らげた。
 食べ終えると店のおばちゃんがやってきて入浴のタダ券を渡してくれる。これを受付の人に渡して中に入る。



 中はすぐに脱衣場で、ちゃんとコインロッカーもある。なお、有料なので要注意。荷物を預けて浴室へ。

 浴室にはあつ湯、ぬる湯、水風呂にサウナと揃っている。洗い場でサッと身体を流し、まずはぬる湯へ。程よい温度の優しいお湯が全身に沁みていく。実にいい。言葉にならない。
 身体がお湯に馴染んだところで今度はあつ湯へ。青湯と言われる濃いめの泉質で、ぬる湯の優しさはないが肌にじんわりとしみ込んでくるので効き目は実感できる。

 あつ湯は無理をせず短めに切り上げ、持ち込んだ飲み物で涼を取る。飲み物は途中で買ってきたものなのでキンキンに冷えたりはしていないのだが、これが実に染みる。
 続いて、温泉の湯を洗い桶に汲みタオルをつける。これをゆるめに絞って目の上に載せると、眼精疲労がスッと楽になる。いつも温泉に入るとこれをやるのだが、温泉成分のおかげか単なる思い込みなのか普通のお湯でやるよりも効き目があるようだ。

 湯船に出たり入ったりを繰り返して、のぼせる手前くらいに終了。きっちり身体を拭いてから脱衣場に戻ったつもりでも、汗がなかなか引かないので急いで服を着ると服がじっとりしてしまう。扇風機の風で身体を冷ましてからゆっくり着替える。

 身支度を整えて外に出ると、昼間の暑さが嘘のようだ。高地ならではの涼風が湯上りの身体に心地よい。

 ベンチに座ってしばし待つと、妻もあがってくる。

 さて帰ろうかというところで、ポケットwi-fiの電源を入れて、バスの時刻を調べる。バスがなかったらタクシーを呼んでもらわないといけないところだったが、この時間本数はまだまだ豊富にあるようだったので、降りてきた石段と坂道を戻ってバス停を目指す。
 天候のせいか星は見えなかったが、眼下に広がる温泉街の明かりが星のようだった。

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今回の旅行はいつもより長めに時間がある。すなわち、いつもは諦めざるを得ないところへも行くことができるということだ。
 たとえば、台湾最南端の鵝鑾鼻燈台。

 昨年『ローカル路線バス乗り継ぎの旅 THE MOVIE』を観たからというのもあるが、鵝鑾鼻燈台の南に広がるバシー海峡は太平洋戦争の隠れた古戦場のひとつだ。この目で見ておきたいという思いは以前からずっと持っていた。それに、単純に最南端まで行ってみたいという思いもある。

 行き方自体はさほど難しくはない。新幹線の終点左営から高速バスで恒春か墾丁まで出て、そこから先は路線バスの鵞鑾鼻行きに乗り換えるだけ。

 ハードルを押し上げているのは所要時間だ。何しろ遠い。距離にして大体450キロ程度だが、上記の最速ルートでも片道5時間程度かかる。行ってみたいというだけで行くにはいささか遠すぎるだろう。
 しかし。行ってみたいという思いはどうしても止み難かった。

 というわけで。日程的にもコンディション的にもこの日がベストと判断し、朝食後とっとと出発する。

 台北駅からは台湾新幹線こと高鉄で終点の左営まで。台中しか止まらない最速達列車で行こうとしたところ満席のためか券売機で切符の選択画面にすら出てこなかったので(存在自体は電光掲示で確認済み)、一部通過である準速達の切符を確保。このあとの長旅を考慮して商務車(グリーン車)を押さえる。

 乗るべき619号は台北9時21分発、左営11時20分着の予定。約2時間とそれなりの乗車時間だが、それでも今日の最終目的地到達所要時間の半分にも満たない。
 今までは台北が始発駅だったので早めにホームに降りて車内で待っていれば良かったのだが、南港駅開業に伴いその手は使えなくなった。やむなくホームのベンチでぼーっと待っていると、程なくして列車は入線してくる。
 乗り込むと、車内はそれなりに空いている。平日の午前中なのでこんなものだろう。台北を出て次の板橋に到着する頃にはアテンダントさんたちが姿を見せる。台湾高鉄においては商務車でおしぼりにお菓子とコーヒーが出るのはいつものことなのだが、今回はミネラルウォーターまで付いてきた。



 新聞の貸し出しもやっていたが、我々の愛読する蘋果日報(アップルデイリー)紙がなかったのでこれはスルー。

 板橋を過ぎて地上部分に出ると、窓から差し込む強い陽光。快適な車内だから平気だが、もし徒歩だったらあっという間に炒りつけられてしまいそうだ。

 北回帰線を越えるとこれがさらに強化されることは既に経験済みなので、商務車のおかげで割と優雅に構えていた気持ちがいささか引き締まる。

 11時20分、左営着。
 駅のコンコースを出たところに左営発墾丁行き高速バス『墾丁快車』の切符売り場がある。二人分を往復で購入。次は12時発で、少しばかり余裕がある。外のベンチで待っていても暑いだけなのでセブンイレブンで買い物を済ませてから駅ビルの三越へ退避する。
 最初は地下のフードコートでのんびりしようかと思っていたのだが。いつの間にか、ここにガンダムベース台湾の2号店が出店していた。






 これは行かねばなるまいと思い中を覗いてみると、1年戦争時代のモビルスーツから最新のオルフェンズまで実に種類豊富に在庫を取り揃えている。ただし1号店のように書籍類は置いておらず、プラモデルのみ。

 台湾の物価は日本の半分程度なのでガンプラと言えどもそれなりに財布を痛める。それでもなおこれだけの一等地に店舗を構えるだけの人気があるというのはさすがと言うほかない。

 思い入れがあるのでいささか長居をしすぎた。フードコートに行く余裕などとっくになくなり、急ぎ足でバス乗り場へ向かった。

 バスは到着していたが、まだ改札を開始していなかったので、最後尾に並ぶ。墾丁はリゾート地なので、我々の前に並んでいる人たちは皆それなりの装備をしている。ちょっとそこまで、みたいなノリは我々ぐらいだった。
 発車時間間際になってようやくバスのドアが開く。先ほど購入した切符を渡すと、代わりに行き先を書いた紙を渡される。どうやらこれは下車札のようで、降りる時に渡す模様。

 どうせ終点まで乗るからと最後列の5人並び席に陣取る。窓際にはUSBの差し込み口があり、タブレットやスマホを充電ができる。これは確かにセールスポイントとしてはなかなかに良い。ただし、事前に仕入れた情報と違ってトイレが付いていない。どうやら付いているのは一部の車両のみのようで、2時間半トイレ無しの旅路となるようだ。これは迂闊に水分を摂りすぎるとエラいことになるな、と気を引き締める。

 窓から差し込む光は、台北よりもさらに強い。今まで何度か高雄には来ていたが、高雄市内はほぼ素通りしてきたので目に入ってくる景色全てが新鮮だった。

 バスは左営の駅前を発車すると下道を少し走って高速道路に入る。平日の昼間なのでトラック等で渋滞していたが、空港横を過ぎる頃にはそれも解消し、快調に進む。
 高雄市と屏東県の境界である高屏渓を越えると、景色はぐんとのどかなものに変わる。所謂「熱帯」という言葉からしばしば連想されるような背のヒョロ高い樹があるので何だろうと思ってよく見るとバナナの樹だった。植物園以外で実物を見るのはこれが初めてだ。
 土地は平らかでそこかしこに農地が広がっている。屏東が物成り豊かな地であることが一目でわかる光景だ。実際、屏東産の果物をしばしば口にするが、いずれも滋味豊かである。

 その屏東の眺めも海が視界に入る頃には唐突に終わりを告げる。山が急激に迫ってきて、平地をぎゅっと狭める。その狭い平地をバスは縫うように走る。これまで離れて走っていた鉄道の線路も寄り添うように近づいてくる。鹿児島の市街地から指宿方面に南下していくとこんな光景だったことを思い出す。

 海の眺めは良いものなのだが、海岸線が単調でどうにも眠気を誘う。かてて加えてなんの前触れもなく豪雨が降り始めたこともあって、いつの間にか夢の世界へご招待されており目が覚めた時には既に恒春の市街地だった。
 ルートとしてはここ恒春のバスターミナルで降りて鵝鑾鼻行きのバスに乗り換えるという手もあったが、せっかくなのでこのバスで終点まで行くことにした。

 恒春の街を過ぎ、墾丁国家公園に入ってから見える海はリゾートの香りに満ちていた。穏やかな波に白砂が洗われる南湾海水浴場ではたくさんの人が夏の海を楽しんでいる。ここのバス停で降りていく人も少なくなかった。
 我々はもう少しだけ進む。夜市を思わせる飲食店街の真ん中に墾丁のバス停はあった。バスから一歩外に出ると、温度差にクラクラした。しかし、慣れると苦痛というほどでもなかった。やはり海沿いは過ごしやすいのだろうか。

 ここで鵝鑾鼻行きのバスを待つのだが、2時間半の長旅だったので、何は無くともまずはトイレ探しから。
 幸いバス停から少し歩くと派出所の敷地内に公衆トイレがあった。ここで用を済ませ、その先のバス停から鵝鑾鼻行きのバスに乗り込む。

 地図を見るとバスに乗った場所から鵝鑾鼻までは頑張れば歩いていけるんじゃないかと思うような印象すらあったが、実際に乗ってみるとそれなりに遠いことがよくわかる。うっかりと調子に乗った行動を取っていたらこうして旅行記を書くこともなかったかも知れない。
 街並みから外れ、森と海の狭間を順調に南下していたバスが、特にアナウンスもないまま道端に止まる。窓の外を見てもバス停もないのでなんだろうと思っていると、運ちゃんがやってきて何やら説明を始めた。どうやらここが終点な模様。
 というわけで我々含めすべての乗客が車外に出る。
 ちなみにバス停は信号のない交差点を挟んだ向こう側にあった。あの場所に止めてしまうと待機場所と思しき先程の停車位置(涼しげな木陰)まで戻すのはそれなりに骨が折れそうなので、なるほどと納得。

 バス停の向こうに鵝鑾鼻の文字が書かれた看板を見つけ、ようやく実感が湧いてきた。




 道は看板の手前で二手に分かれていたが、タクシーの運ちゃんが「鵝鑾鼻公園なら向こう」と教えてくれた。指し示された先、バスも停まれる大きな駐車場の向こうに鵝鑾鼻公園の入り口が見える。

 数百メートルしか歩いていないが既にどっぷりと汗をかいているので、入り口横のベンチで水分塩分補給。屋根付きで日陰もあるので大変心地良い。うっかり長居しそうになるところを、どうにかこうにか意を決して立ち上がる。
 窓口で一人60元の入園チケットを購入し、中へと進む。

 まずは案内板に従ってランドマークの燈台を目指す。最初はゆるかった上り坂が途中から徐々に傾斜を増していく。これが思いの外きつかったのは歳のせいか暑さのせいか。坂の途中の木陰が『涼しくて座れる』という抗しがたい吸引力を持っており、ここでくじけて一息入れる。どう見ても我々より若い人たちやこの人たち台湾人だなぁという人たちも同じところでくじけているので、暑さのせいということにしておこう。
 「あ、ここからでも十分見えるな」と汗を拭き拭き見上げた白亜の塔はタオルの手が止まるほどに凛として美しかった。かつては大日本帝國最南端の燈台であり、交通の要衝バシー海峡を今も昔も見守っている鵝鑾鼻燈台は神々しくすらあった。



 もっと近くで見たくなり、休憩もそこそこに木陰から出る。坂を上りきったところに『鵞鑾鼻(原文ママ)』と書かれた石碑があった。ここが台湾八景であることを示すこれもまた、日本統治時代のよすがである。




 そして。ここから見える海がバシー海峡だ。先述のとおり、太平洋戦争の隠れた古戦場のひとつ。日本と南方をつなぐ重要な交通路であったためアメリカの潜水艦に網を張られ、多数の輸送船が沈められている。私の祖父もここを通ってフィリピン、そしてビルマ(当時)へと旅立って行ったのだが、その時は幸い無事に通過している。




 この海で失われた数多の命を想い、深々と一礼。

 概ね目的は果たしたようなものだが、ここまで来たのでせっかくだから燈台の中も見学させてもらおうと足を向ける。しかし、直線で向かわず手前の売店に吸い込まれてしまうのは熱中症対策という点からもやむなしであろうか。
 いつもなら烏龍茶なのだが、それだと塩分補給にならない。さてどうするかとおもって店の冷蔵庫を覗く。「おお、ポカリがある」「助かった」しかもこれが日本からの輸入物でなく現地生産品なので安かったのもありがたい。1本30元なので円換算すると100円しない。

 店の前にあるベンチでキンキンに冷えたポカリをいただく。目の前に燈台を見ながらの休憩に心は逸るも、無理は禁物。1本をゆっくり飲み終えてから立ち上がる。

 改めて目を向けると、石畳で作られた道がまっすぐ伸びているので、見た目ちょっとドラクエを思い出させる。周囲に塀を巡らせてちょっとした要塞めいた作りになっているのは、実際ここが世にも珍しい武装燈台だったことに由来する。
 記念写真を撮っている人たちの横をすり抜け、下に立って見上げる。巨大とか壮大とかそういう圧倒感はないが、不思議な威厳に満ちていた。



 燈台手前の建物が小さな資料館になっており、せっかくなのでここも入ってみる。この手の資料館にお馴染みの模型に昔使っていた地図や印箱に入った大量のゴム印なども展示している。私も物好きなのでこの手の小さな資料館はあちこち回ってきた方だと自負しているが、ゴム印は初めて見た。『国は違っても似たような文言使うんだなぁ』とか『繁体字は字画が多いので作るのが大変そうだなぁ』等々割と興味深くてすっかり堪能する。
 さて。メインディッシュは終えたものの、公園内はまだまだ見所も多い。海岸線まで下りることもできるようなので、バシー海峡の波に足を浸してみてもいい。
 だが、この時既に時計は16時半を回っている。台北まで5時間かかることを思えば、ぼちぼち引き上げる頃合いであろう。

 この公園は入口の近くに専用出口が設置されているのだが、通路がそのまま土産物屋に直結しているという実に清々しいつくりになっている。
 日本語で「サンゴ」とか「珍しいお土産」とか声をかけられるが、省みる余力もあまりないのでそのまま素通りする。お廟の前だけは一礼したが。

 やって来た道をそのまま引き返し、屋根が付いてベンチもあるバス停でポカリを飲みながら待つ。鵝鑾鼻行き終点のバス停にはこのような設備はなく、待つ時間の長い始発のバス停にこういう設備をつけてくれるところはなかなかどうしてきめ細かい配慮。

 待っているうち、我々の他にも1組2組と徐々に人が集まってくる。3組目がやってくるのと時を同じくして、墾丁の街中をめぐる『墾丁街車』バスがやってきた。リゾート地らしく、路線バスなのにハイデッカーの豪華仕様。これに乗り10分ほど走った先の、墾丁快車の始発バス停『小灣』で降りる。
 ここでもまたしばらく待ち時間がある。近くにコンビニでもあれば良いのだが、生憎とシーザーパークとハワードビーチリゾートというリゾートホテルがあるばかりで、あとは何も見当たらない。
 無遠慮にホテルの売店へ突撃する気力もないのでおとなしく待つ。

 最初にやって来たのは空港行きなのでスルー。その数分後にやって来たバスは今度こそ高鉄左営行き。このバスもUSB充電はできるがトイレは付いていないという微妙にありがたくない仕様。

 バスは数時間前に来た道をひたすら戻る。
 この日、運動量としてはそれほどではなかったのかも知れないが、移動と暑さで疲労が溜まっていたのだろう、バスが走り出すと程なくして座席に取り込まれるように深く座り込んで居眠りに突入してしまう。

 途中、台鉄枋寮駅前バス停の手前で目が覚める。ここから台鉄に乗り換えて帰っても良かったが、実は特急である自強号に乗ってもこのままバスに乗っても所要時間はあまり変わらなかったりする。せっかく初めて乗るのであれば、もう少しコンディションの良い状態で乗りたいという思いもあって下車はせず、すぐまた眠りの世界に送り込まれる。結局この後も寝たり覚めたりで到着間近になるまで夢うつつの状態が続く。

 ただ、あとで気がついたのだが、トイレの問題があるので多少の手間は惜しまず鉄道で帰るのも良かったかもしれない。
 さて。無事左営に戻ってきたところで夕食タイム。高雄市内は六合夜市等々食事をする場所には事欠かないのだが、今から探して回る根性も尽き果てているので左営駅ビルの三越にて夕食とする。

 ここに来るとレストランよりもフードコートに惹かれてしまうのでとっとと地下に降りる。

 以前から丸亀製麺と寿がきや(台湾名『壽賀喜屋』)が入っているところに、『かつ丼 トンテキ 豚一屋』という店が加わっていよいよ自分がどこにいるのか分からなくなってきた。








 天婦羅を揚げる良い香りに誘われたりもしたが、そこはさすがに割り切って夜市風ご飯を食べられるお店へ向かう。なにしろ私の大好物虱目魚(サバヒー)を塩焼きにした定食が食べられる貴重な機会を逸するわけにはいかない。
 妻は台湾南部名物の担仔麺。
 ここの定食はメインの虱目魚もさることながら、付け合わせの青菜、メンマ、豆腐の醤油煮込み、わかめスープもなかなかに良い。そして白いご飯と一緒にいただけるというのが何より良い。ほどほどの塩加減が虱目魚の脂をグッと引き立ててくれて、どんどん飯が進む。



 隣のテーブルでは学生っぽい女子がひとりで丸亀製麺のうどんを前にいささか緊張した面持ち。どうしたのかと思って見ているとスマホを取り出し、うどんを撮影。撮り終えると箸を取り、恐る恐る食べ始めた。
 察するに『初めてのおうどん』なようだ。その様子を微笑ましく思いつつ、残りを平らげる。

 食べ終えて、まだ少しばかり時間に余裕があったので高雄牛乳大王というフルーツメインのジューススタンドでパパイヤミルクをいただく。

 高鉄左営の駅に戻る途中、地下鉄のコンコースを通るとグッズの売店があり、鎌倉の江ノ電とタイアップしている旨の広告看板とともに、日本でいう鉄道むすめっぽいイメージイラストの看板もある。







 あまり時間がなかったためチラ見してちょっと撮影するので精一杯だったが、なかなかどうして油断ならない。
 
 高鉄は左営20時55分発、台北22時28分着の160号の切符を購入。今度こそ台中しか止まらない最速達に乗る。夜の闇を切り裂いて走る高鉄の車中、気持ちは既に明日の行程に向いていた。

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毎年恒例台湾旅行、今年は10周年ということでいつもより1日長く設定してみた。期間が長い分、今までやってみたくてもできなかったことをひとつ、計画に入れる。
 
 出発当日まではいつもどおり紆余曲折に満ちていたが、どうにかこうにか片付けて無事出発できる運びとなった。
 フライトは関空発13時の便なので、諸々見込んで9時前に自宅を出発する。愛車のエンジンをかけると、この時カーステレオから『1/6の夢旅人2002』が流れるのは、すっかり儀式のようになっている。

 道中はさしたるトラブルもなく、スッキリと晴れた青空のもと関空大橋を渡る。
 駐車場からターミナルに移動し、いつもであればそのままチェックインカウンターへ行くところだが、今回はポケットwifiを借りる算段をしていたので、その受取場所へ先に行く。そこが我々の使う中華航空のチェックインカウンターと真逆の場所にあったので、混み合うターミナルを端から端まで延々移動する羽目になったりしたが、レンタル自体は無事に終わった。

 時間に余裕があったので、普通であればどこかで一服するところなのだが。
 wifiを借りるために1タミの4階を大横断をして、あちらこちらのチェックインカウンターに大量の団体客がひしめいていることを身にしみて実感したため、まだ混雑していないうちにとっとと保安検査を済ませてしまおうということになった。

 ただ、保安検査場の向こうには一服できるような店が少なく、以前まであったネカフェもなくなってしまったので安住の地を確保できるかどうかがネックだったが、行き場がなくなるようであればこれを口実にクレカをゴールドにしてしまおうと思っていた。

 さて。そんな事前の思惑をよそに、根城とするべき場所は意外とあっさり見つかったのだが、ここが別に喫茶店でもなんでもないところで単に座れるというだけの場所。なのでせめて飲み物くらいは調達してこようと売店に向かったところ、これがどの店も長蛇の列。やむなく自販機で緑茶を調達する。

 借りたiPadminiの練習とばかりにTwitterでつぶやいたりしているとやはり小腹がすいてくる。妻に諮ると、とりたてて空腹ではないとのことなので私一人でさまようことになった。

 さっき飲み物を求めてうろついた時には長蛇の列を形成していたプロントが一転すいていたためチャンスとばかりに並ぶ。妻へのお土産として十勝あんぱんやカットピザなどを購入しつつ、ビールとナポリタンでほぼ昼食に近いブランチとした。

 午前中から飲むビールはなんとも爽快で、人をダメにする味がした。ナポリタンにしたのは、台湾にもイタ飯屋はそれなりにあるものの、ナポリタンだけはついぞ見たことがなかったからである。

 そんなこんなで持て余すはずの時間はあっという間に過ぎ去り、搭乗ゲートに向かう頃合いとなったのでモノレール乗り場へ向かう。

 41番搭乗口付近のソファは既に人で埋め尽くされていたので、おとなり40番側のソファに座って待つことしばし。予定時刻より少し遅れて案内が始まった。

 機内がほぼ満席なのもいつもどおり。
 機内食。妻がシーフード、私がチキン。シーフードはエビと魚のビスクにサフランライス。チキンは鶏肉とキノコの中華炒め。サラダのドレッシングはキューピーだったのはまだしも、マンゴーケーキが台湾のものでなく宮崎製であることが衝撃的だった。台湾名物のマンゴーを、なぜ…という疑問が自然と湧いてくる。

 まぁ、考えても結論が出る話ではないし、とっとと平らげてしまうことにした。マンゴーケーキ自体は旅のおやつとしてとっておくことにする。

 例年であれば機内食のあとはパソコンを取り出して文章を打つなりなんなりするのであるが、今年はポケットwi-fiのおまけで借りてきたiPad miniがあるので、慣らし運転がてらいじり倒す。

 もともとmacを長く使ってきたので、感覚的に戸惑うところはさほどない。何を行うにもファイルではなくアプリで、というところだけが要注意だが。

 機内wi-fi(有料)という誘惑にも打ち勝ち、ある程度習熟した頃合いに飛行機は着陸態勢となる。

 台湾桃園空港着。

 トラブルなく入国審査も荷物の回収も両替も終わり。まずは地下のフードコートへ向かう。タピオカミルクティーの春水堂で一服。

 ここは激戦区なようで毎年少しずつ店が入れ替わっており、今年はヒゲ張のニックネームでお馴染みな魯肉飯屋さんを見つける。現在日本で唯一店舗がある金沢まで食べに行ったことがあるほどに好きなお店なので「ここで夕飯を済ませてしまおうか」という話にもなりかけたが、さすがに思いとどまった。

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 また、毎回ここのセブンイレブンでバス内で飲む用のお茶を購入しておくのだが、店内で売っているドーナツがミスドでちょっとびっくりする。日本でもやってほしいと思いつつ、夕飯が食べられなくなったら困るので購入は控える。

 1階に戻ってバス乗り場へと向かう。

 切符を購入して待っていると、韓国人と思しき女性から地図を片手に英語で話しかけられる。
 ハングルと英語の書かれた地図にはホテルの名前と場所が書かれており、どうやらそこへ行くバスを探しているようである。
 そのホテルはバスの路線から外れていたため、どうしたものかと悩みつつとりあえず「台北駅からタクシーに乗ったほうがいいのでは?」という結論に至る。
 至ったのだが、それを伝える前にその女性の連れの男性が解決策を見出したようで、礼を言いながら去っていった。

 まぁ、それはそれとして。
 我々の乗るべきバスも間もなく発車時間になっていたため、エアコンの効いた室内に別れを告げ、乗り場へと向かう。

 バス乗り場の係りのおっちゃんに切符を見せるとどこで降りるのかを聞かれたので「國聯大飯店、United Hotel」と答える。おっちゃんは二三度うなずいて並ぶ場所を示してくれたのだが、それに安心してバスに乗り込んだ時には「ニーハオ」しか言わなかった。

 思えばそれが間違いだった。

 我々が降りるべきバス停をスルーされてしまったのだ。やむなく終点の松山空港まで行ってタクシーにてホテルに向かったが、長年通っているからこそ油断せずちゃんと意思表明はせねばならないと痛感した。

 そんなわけでちょいと時間もお金も予定よりかかったが、無事宿にチェックイン。

 今回我々の根城となるのは801号室。ありがたいことに角部屋でちゃんと希望どおりのツインルーム。窓の外には台北101もしっかり見える。

 我々をシーザーパークからここに移る決意をさせた寝心地の大変良いベッドにてしばし仮眠をとり、気力体力を回復させる。
「さて、どこへ行こうか」
初日の夜の過ごし方はこの旅行全体に影響を与えるため、必ず確認を取るのだが、まぁ答えは決まったようなもので。

 最低限の荷物を持って饒河街夜市へ。ここの夜市の按摩店で足ツボをやってもらってから薬膳料理屋で夕飯というのがほぼ毎年おきまりのコースになっている。

 MRT板南線國父紀念館駅からふた駅乗って忠孝復興駅で文湖線に乗り換え、次の南京復興駅でまた乗り換え。松山新店線で終点松山駅に出れば、階段を上った先はもう饒河街夜市である。乗り換え2回はいささか手間だが、タクシーで行くしかなかった頃を思えば便利になったものだ。

 うっかり出口を間違えて按摩屋さんと逆方向に出てしまったので、混雑する夜市の人波をかき分けかき分け延々歩く。荷物を最低限にしてきて本当に良かった。

 激戦区の夜市なので毎年微妙に店が入れ替わっている。その中で年々勢力を広げ、今や出店4つ分くらいのスペースを有するようになった胡椒餅屋はさすがというしかない。それでも捌ききれない長蛇の列に、毎年スルーを余儀なくされているのだが。

 そしてこれも毎年のことだが、混雑している夜市ではひとの流れガン無視スマホぶんまわし勢に道を遮られることがしばしば。大抵日本人か大陸居民なので英語で注意すると割とすんなり道は開く。

 コツは「Please clear my way!」と、流れるようにハッキリと、そしてにこやかな笑顔で言う事。

 そうして5分歩いたか10分歩いたか。無事按摩店に到着。店内は繁盛していたが、運良く次の順番が取れた。我々よりも一足遅く到着したカップルは30分待ちと言われていたので本当にラッキー。

 空いた椅子に座り、先に足湯をしてもらう。程よい湯加減にほぐれていくと、既にもう眠気がやってくる。さすがにこれはどうかと思って、肘掛に据え付けられたテレビをつけてみる。3ケタに届こうかという多チャンネルなので一周全部チェックするだけでも結構手間取る。ファミリー向け、子供向け、ニュース番組といろいろある中で、台湾プロ野球の中継があったのでこれに決めた。
 ただまぁ、結局足湯の心地よさに負けて寝てしまったのではあるが。
 按摩師のおっちゃんに起こされ、挨拶もそこそこに施術を開始してもらうが、やっぱり寝てしまう。どれだけ眠かったのか自分。普通は足ツボマッサージを受けると痛い痛いを連呼してのたうちまわるイメージが一般的かもしれないが、ここの店ではそういうこともなく、毎回気持ちよさに寝てしまっている。

 そんなわけで「オワリマシタ」の声で目覚めるまでの記憶はほぼない。しかし、施術の効き目は靴を履くときにすぐわかる。足がすっと入っていくのだ。寝こけていた時の疲労感は何処へやら。心身ともにスッキリするとともに、食欲も湧いてきた。

 足取りも軽く薬膳の店『圍爐』へ。ここのメニューはシンプルに薬膳排骨(スペアリブ)、薬膳羊肉、魯肉飯のみ。このほかに飲み物もあるので、「せっかくだから」と調子に乗ってビールを注文。
 昔から「良薬口に苦し」と言われるように、身体にいいものは受けつけ難い味がするとイメージされがちだが、ここのは旨い。肉本来の旨味が滋養となって体内に元気を届けてくれる。さらにこの店オリジナルの辛味噌と合わせるとどれだけ食べても飽きが来ず、しかもビールにもぴったりの味となる。

2016072822580000


 酒にそれほど強くない私でもさすがにビール1杯をふたりで分け合ったので酔いがまわることもなく、完食して上機嫌で地下鉄の駅に向かった。

拍手[1回]

なんか久々に書くので色々忘れてます。不手際ご容赦ください。


・表紙を見て「え?姫ちゃん黒ぱんつなの?」とかいう感想を抱いたひとはわたしと一緒にスコップの刑を受けましょう。
・「隠し事は」「描く仕事でした」ラストから始まる物語。
・とりあえず開明墨汁のTシャツが欲しくなりました。
・「姫が知ったら」「どーする?」死んだらどーする?に匹敵する深刻さ。
・「父親が恥ずかしい漫画描いてるなんて知れたら」「学校でいじめられるだろ!」ですなぁ。
・「姫にそんな事言われたら」「パパはもう生きていけない!」めんどくさい人だなぁ。気持ちはわかるけど。
・「昔は全裸でしか描けなかったのだ!」あ、私そういう漫画家さん知ってます。
・誰かによく似た、メガネをかけた真ん中分け少女がツボです。
・担任の六條先生、今までの久米田キャラにはなかったタイプではないでしょうか。あと、久米田ワールドのキャラではないんですが、その昔『ろくじょうひとま』という名前のキャラがいた事を思い出してちょっと懐かしくなったりしました。
・『亀の雫』『夏子の豆』『風のタイツ』次回作は『さぶさん』とかどうでしょうか。
・「お母さんに捨てられちゃいました」あー。
・「着れるやつ」どんなデザインでも、貴重さを考えるとおいそれと着られないんですよ。
・もしクオカードがなくなったらこの手の読者プレゼントは何になるんでしょうねぇ。
・「お父さんは上場しないの」もし久米田康治株なるものがあったらとりあえず一株株主から始めさせていただきたい所存。
・「エピソードの8割方が実話からのフィードバック」8割は多いのか少ないのか。

・「ダークファンタジーとか描いちゃうぞ」「すし屋がケーキを握るようなもんですって‥」ケーキを作るんじゃなくて握るってのが生々しい。
・とりあえずどう見ても藤田先生なキャラが長髪なのはご本人からのリクエストに応えてですか?それとも配慮ですか?
・「漫豪」日本より先に台湾で定着しそうな…。
・「スクールカースト」おぞましい単語ですよねぇ、コレ。
・「私 読みたいです!」「先生のダークファンタジー読みたいです!」『楽園』でやりませんか?
・「作家の描きたいものを描かせないのが編集の仕事です!」この本で一番生々しいセリフはこれですかねぇ。
・「週刊マンガジン」創刊時は『漫画人』だったっぽいですねこの雑誌。
・この手の勘違いはプロ野球に入った事で満足しちゃう選手とかに相通ずるものが。
・橘地 莉子よ、眼鏡はどうした眼鏡は!
・古武 シルビアっていう名前が古武術→後藤強さんを連想させるんです。させるんです。
・「ここいらで暮らしているおしゃぴーはな」「自分の事にしか興味ないんだ」「他人がなにやってるかより」「今日の自分の靴下の色に興味があるのさ」石ころ帽子をかぶって生きられる平穏。
・私もりんごの小箱をいじくり倒してますが、意識はずっと低空飛行です。
・「しかしいくら漫画が売り上げで貢献しても」「漫画部門は出版社内ヒエラルキーの底辺である」漫画というものが登場してからずっとこうですよね。理由は知ってますが理解ができません。

・「まんが飯」既にそういう漫画ありますなぁ。
・バルサンを焚く、の危険度がMAXなのは、家の中に誰もいられなくなるからですね。ええ。わかります。
・「餃子作ったから間に合ったんだろうが」「このドシロウトが!」わかる。支持する。論理性は欠片もないけど。
・甘くておいしいカレーってどんなんだろう。
・「鎌倉病」ここから延々と生々しい話が。
・「不審者!」最近の学校の先生は刺股の使い方習います。
・「ママに教わらなかったの?」嗚呼…。
・「考えてないんじゃなくて」「あえて考えないようにしてるんじゃないかって気がします」防衛機制。
・部屋で水着着てると何かの撮影みたいですよね、ええ。
・「好きな子言い合いっこしようか!」「私先生!」わかりやすい人だなぁ。
・「楽しいなぁー」「漫画描くの楽しいなぁ」漫画も小説も現実逃避でかいてる頃が一番楽しいと言う話はよく聞きます。

・「もう少し可愛く描けなかったのか」「そこですか」親バカにとってはそこがすべて。
・「やっぱどう描いても本人の可愛さには勝てないよなー」自慢だ。自慢してる。
・「公安警察です」「中を改めさせてもらう」新撰組の市中見回りみたいな展開に。
・「タイツかぶってゴルフするか」「ですよねえ」落語か。
・「これで官邸攻撃するつもりだったのか!」アレは官邸が悪い。おかげで方々にとばっちりが。
・「ウチで国家転覆なら」「不二多のとこは世界征服目論む品揃えですよ!」…漫画の参考になりそうだからと目論んでても驚きません。
・「あの先生の仕事場や」BP懐かしいなぁ。
・「全裸写真は見逃してくれたんだ」「そもそも出版してるし!」その昔は出版できたものが今はアウトとかもありますけどね。
・8さい箱から16さい箱まであるということは、7歳頃かなぁ…。
・「だいたい帝国ホテルのパーティでTシャツとか信じられなくない」古くは結婚式で花嫁が春麗の格好するような業界ですから。

・漫画家じゃありませんが100M15秒を切れる自信はありません。
・「美輪明宏にバカにされた三島由紀夫かよ!」そういうところがむしろ精神のひ弱さを露呈してますよね、あの先生。結果、ああいいうことに。
・単行本の帯のあるあるネタは掘り起こし始めるとキリがないくらいありますなぁ。
・「私‥‥アイドル志願なんです」「良かったら」「聞かせてくれないか?」
・BBCクッキングスクールって講師がテリー・ギリアムだったりするんでしょうか。
・なんかどこかで見たようなめんどくさい展開になってる。

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先日お知らせさせていただきましたアニメ・声優ラジオを紹介する同人誌『声を詠むひと。 声優ラジオのすすめ』がCOMIC ZIN様において委託販売が開始されました。
 通販でも購入可能となっておりまして、そちらのページのサンプルのところには拙稿も掲載していただいております。興味がおありの方はこちらのリンクからお願いします。
 私も主催のレコン・ギス田さんから一部いただきましたが、アニメ・声優ラジオに詳しい方もそうでない方も総じて楽しく読める本に仕上がっていると感じました。
 何卒よろしくお引き回しのほど、お願い申し上げます。

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レコン・ギス田さんという方にお声がけを頂きまして、『声を詠むひと。 声優ラジオのすすめ』というアニメ・声優ラジオを紹介する同人誌に寄稿させていただきました。
 もちろんさよなら絶望放送について書かせていただいたわけですが。

 改めて振り返ってみて痛感するこの番組の化け物っぷり。年末年始の休みを削って久々に絶望放送と真正面から向き合い、その魅力を解きほぐすのに苦心惨憺しました。コンセプトが「声優ラジオを知らない人に、おすすめのラジオを紹介していく」でしたので。


 この同人誌はサークルRecord of the Deadさんによってコミティア115(1月31日(日)の11:00~16:00 東京ビッグサイト東5・6ホール)にて頒布されます。ジャンルはC、スペースNoはV27bとのことです。

 同人誌の詳細やその他の執筆者の方等々についてはレコン・ギス田さんのブログをご参照ください。

 お手に取っていただけましたら幸いです。

 どうかよろしくお願いします。

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旧世代オタクなので言う事も発想も古いです。
HN:
ふさ千明
年齢:
42
性別:
男性
誕生日:
1975/04/02
職業:
今さらですが非公開に変更
趣味:
読書、創作活動(文章のみ)、野球観戦、旅行、食べ歩き
自己紹介:
三十路オタです。そろそろ三十路の残りのほうが少なくなってきました。そんな年齢なので言う事やる事古くさくてすいません。

メールを送りたいという奇特な方はtom☆yf6.so-net.ne.jp(☆を@に変換願います)までお願いします。
拙ブログはリンクフリーですが、ご一報いただけるとありがたいです。
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