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漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。
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 この日も起床は定刻。昨夜入った風呂が心地よかったのでこの日も朝風呂へ。昨夜は混雑していたのだが、朝はほどんど人影もなくゆっくり楽しめた。

 風呂の後は食事である。ここの宿のバイキング形式な朝食もかなり魅力あるものだったが、我々にはひとつアテがあった。

 昨夜、船で戻ってくる時に使った桟橋のすぐ近くにある唐戸市場である。市場でありながらイートイン機能を有している店もあるため、寿司唐揚げ雑炊等のふぐ料理各種を手軽かつ格安に味わえる。

 以前フェリーを使って0泊2日で強行軍をしてまで食べに来たことがあるくらい、ここは魅力的な場所である。

 ホテルから唐戸市場までは車でほんのすぐの距離。昨日、船を降りてからタクシーで移動した道を逆にたどれば数分で到着する。

 早めに出発したことが功を奏してか、駐車場は余裕がある状態だった。場所を選んで好位置に車を止め、いざ市場へ。

 まだ時間が早すぎたため準備中の場所も多く、雑炊等も絶賛仕込み中だったので場内を2周ほどして我が家用土産の目星を付けておく。せっかくなので2階にも上がって生け簀を眺めたりもする。











 9時半になってイートインがオープンしたため、いざ突撃。寒かったこともあり、2人揃って雑炊にする。昨夜こってりしたものばかり食べたためだろうか、それとも久しぶりだからだろうか、さっぱりとした雑炊の味がこれまで以上に美味く感じた。

 妻は雑炊で打ち止めにしていたが、私はさらに寿司と唐揚げを追加。ふぐのみが持つ白身の魅力をみっちり堪能させていただいた。

 さて。腹を満たした後は買い物タイムである。ここにはふぐと名のつくものはトラフグ、マフグ、サバフグと揃っているので、大きさと値段とを見て選ぶことが出来る。
 質量共に豊富にあるからじっくり選ぼうと思っていたら、次々と売れていってしまうので慌てて購入。

 お店から自宅用に1つと、両方の実家用にそれぞれ1つ。計3箱発送する。

 ちなみに我が家用にはマフグを1匹まるまる鍋用に捌いたものを、食べ盛りの甥っ子がいる妻の実家方面には冷凍のふぐ唐揚げをたんまりと、老夫婦2人の我が実家にはトラフグの刺身と湯引きを少量。

 後で食べる用に寿司の追加購入をして、買い物終了。

 車に戻るべく外へ出ると、どう見ても野良という猫様がこちらに向かってくる。どうやらこの近辺に住み着いていて、人間にエサをもらい慣れているようでこれまで見たこともないような念のいった媚の売り方をしてくる。
 猫好きにかけては人後に落ちない我々はエサを献上したい強烈な欲求と戦うことになったが、理性が勝ってどうにか振り切る。

 入場待ちで長蛇の列が出来ている駐車場から車を出し、下関インターチェンジへ。このとき、途中で山口県警察高速道路交通警察隊下関分駐隊所属のパトカーが道を譲ってもらえず困っていたので入れてあげたところ、お礼のハザードを点滅された。割と譲った経験が多いつもりだが、警察車両からハザード出されたのは初めてである。

 どこまで一緒に行くのかと思えば、インターチェンジの入口に下関分駐隊の基地があるようで、そちらへ向かっていった。我々は当然、そのまま料金所を通って中国道に入る。

 入って間もなく、妻が
「ヘッドホンが…」
と言い出した。
 どうやら愛用のヘッドホンをどこかで落としてしまったらしい。記憶を辿ってみるとホテルで見たのが最後とのことなので、車中から電話で確認させる。フロントが預かってくれているそうで、次の小月インターチェンジで降り、引き返す。
 早く気づいたのが不幸中の幸い。渋滞も無かったので、大したロスにもならずに戻ることが出来た。
 ホテルの前に車を停め、妻に取りに行かせる。ものの5分ほどで無事に回収完了。金文字で『和』と入っている魔改造仕様で非常に人目を惹いたのもこの時はプラスに働いたようだ。

 さて。仕切り直して再出発する。ちなみに私も台湾で買ってきた洗顔フォームを忘れてたりするのでついでに聞いてもらったのだが、こちらのほうは発見されなかった。茶成分入りで大変肌に優しく、気に入ってたので残念だが、まぁ仕方ない。

 再び下関インターチェンジから中国道へ。この後一気にフェリー乗り場まで駆け抜けることにしたので、入ってすぐの王司パーキングエリアでトイレに行っておく。ここの売店で、今回入手し損ねていた東雲堂のにわかせんぺいが買えたのは大変ラッキー。

 用足しも休憩も買い物も済んで、あとはひたすら目的地に向かってひた走るのみ。

 下関ジャンクションを過ぎ、美祢の山々をくぐり抜け、山口ジャンクションから山陽道へ。
 時間に余裕があれば徳山東で降りて瀬戸内海と山陽本線に挟まれた私好みの国道188号線を走ってみようとかも算段していたのだが、出掛けのちょっとしたアクシデントで行程にちょっと不安が出たため又の機会に。

 その2つ先、玖珂インターチェンジで降り、インターチェンジのちょっと先にあるコンビニの駐車場でちょっとルート確認。ここからフェリー乗り場まで、カーナビは県道70号〜7号〜70号線のオール県道使用コース(実際は最後にちょっとだけ国道188号線を通る)を主張する。プロ野球オタでもある私としては広島東洋カープ由宇練習場の横を通ることが出来る国道437号線を使いたかったのだが、やはりここはフェリーの予約を優先し、泣く泣くカーナビの指示に従う。

 山道の県道ということで悪路に継ぐ悪路を覚悟していたのだが、思ったほどではなく、むしろインパクトに強く残ったのは道中なんどか目にしたラブホの広告看板である。
「多いな」
「こんな山間部で…どんな需要が?」
「今んところ、こんな時間から『満室』になってなかったか?」
「……見なかったことにしよう」
考えてみれば京都大阪でも高速道路のインターチェンジ付近には多いので、まぁ、山陽道の接続道路ということからするとごく自然なのかも知れないが…。玖珂インターから結構離れてからもまだ存在していたのでちょっと気になった次第である。

 それはさておき。

 勾配の急な山道をひた走ること約30分。立体交差で山陽本線の上を通り過ぎると、ようやく車窓は山から海へと転ずる。
 ここからは国道188号線。工業地帯やら柳井市民球場やらを駆け抜けて、柳井港フェリーターミナルに到着する。

 毎度のことではあるが、今回も係員の方の誘導に従い、車を止める。そして同じく毎度の流れで窓口へ。

 それなりにお金はかかるのだが、この柳井港〜松山三津浜港というショートカットがなかったらこのあと広島県をほぼ丸々横断した上にしまなみ海道を踏破して東予港までたどり着かなければならず、疲労度は比較にならない。ありがたい存在である。
 手続きを済ませると、出港時間までは温かな陽光に誘われて港内を散策する。こんなほのぼのした状況なのに段差に妻がすっこけて足を痛めるアクシデントがあったりするから油断ならない。

 捻ったり挫いたりしなかったのでまだ良かったが、一時はどうなることかと青くなった。

 足を痛めたので、散策中止。車中待機に切り替える。本来ならここでたんまりあるDVDの出番なのだろうが、思いのほか早く船内への移動が始まるようだったので、雑談でもして時間をつぶす。この時の主な話題はこれから乗る防予フェリーの船の名前。おれんじぐれいす、おれんじまーきゅりー、おれんじじゅぴたー、という3隻を見て「どうせなら『ぐれいす』じゃなくて『まーず』とか『ゔぃーなす』とか」「それだとタキシード着て仮面つけた男から出港のたびに薔薇を投げつけられる儀式とか発生しそうでいかがなものか」とか、そんな感じで。

 決して窓を開けられないこんな会話をしているうちに乗船開始。船内に停めるのもぼちぼち慣れてきて、初回よりだいぶ落ち着いて出来るようになった。

 さて。船内はカーペット席と椅子席とが存在していたが、カーペット席は子供が走り回ることが予想されたため陽当たりの良い最上階の椅子席にて仮眠をとることとする。

 唐戸市場で買い込んでおいた寿司でお腹を満たすと、後はもう眠りの世界へ。

 噂によると『ザ!鉄腕DASH!!』のDASH島として絶賛開拓中の島が、航路の近くにある由利島らしいが、その辺を探したりする余力も無く、2時間半のほとんどを睡眠に廻す。

 ぐっすり休めたおかげで、船を降りたときには快調そのものだった。

 降りてまず目指すは道後温泉…ではなく、我が思い出のうどん屋、大黒屋。

 学生時代、やはり正月に四国旅行をしたことがあるのだが、その時に松山駅の観光案内所に「正月でもやっている、美味しいお店はありませんか?」とたずねたところ、場所を丁寧に教えてもらっただけでなくオススメメニューまで教えてもらって訪れたのがこの大黒屋さん。実際に行ってみたところ、それまで蕎麦至上主義者だった私がうどんのうまさに開眼したという、個人史的エポックメーキングな店なのである。
 前回松山に来た時は諸事情あってパスする羽目になってしまったのだが、今回は妻のリクエストである「鯛飯」もばっちりメニューにあることから再訪が決まった。

 カーナビにちゃんとお店の情報が入っていたので、三津浜港から特に迷うこともなく、しかし既に夕暮れ時だったので割と緊張しつつの運転。ただ、ひとつ困ったのは店の駐車場に右折入庫となってしまったことくらい。これも、優しい松山のドライバーさんが道を譲ってくれて、事なきを得た。
 お店は混雑していたが、2名という少人数が功を奏してあまり待つ事も無く席に着く。

 注文は2人揃って鯛釜飯御膳。これなら釜飯以外にもうどんも茶碗蒸しも天ぷらも味わえるので、欲張りな我々向きである。

 ちなみに実食中はほぼ無言。それほど空腹だったわけでもないのに、ひたすら食べて食べて食べて。ようやく口を食事以外に使ったのは「ごちそうさま」の時だった。

 鯛の身の柔らかさと甘さが云々と長々書こうと思ったが、何を書いても言葉足らずになるのでやめておく。

 会計を済ませる際に、レジ前にあった冷凍釜飯セットを買って帰ろうかでかなり悩んだが、食べに来る甲斐ある味ということで断念。代わりに半生うどんを買ってしまうところは我ながら言行不一致と言うか未練たらしいと言うか。

 まぁ、割と本気でそのためだけに松山に来てしまいそうなくらいあの釜飯は見事だった。

 満ち足りたお腹を抱えて、次に向かったのは道後温泉。神話にも出てくるこの古き良き温泉は、どっしりとした和風建築で有名な本館ともうひとつ、椿の湯という共同湯も存在しており、我々はもっぱら混雑を避けてこちらを利用する。こちらも利用すれば駐車場の割引が効くし、お湯質は本館と変わりないのでゆったり入れる分こちらのが好みなのである。

 外観も内装も昭和のたたずまいを今に伝える椿の湯。湯の温度はやや熱めだが、これが気持ち良い。旅の疲れがじわじわ溶けていくようだ。割と早風呂なことが多い私でも長湯したくなる。

 自分としてはじっくりつかったつもりだったが、それでも妻はまだあがって来ていなかった。「待たせてたらどうしよう」とか思っていたのでそうならなくて何より。

 投入するのが10円玉という、これまた昭和なマッサージ機にほぐされていると後方から「お待たせ」の声がする。
 言われるほど待っていないのだが、むしろ私の方がマッサージ終了まで待たせる羽目になったのだが、ともあれ柳井港で痛めた足がだいぶ楽になったそうで、重畳。

 外に出ても寒くない!ということに心底感心しつつ。慌てて車に逃げ込まなくても良くなったため、坊っちゃん団子などを買い込んでみる。

 そう言えばここまで散々『水曜どうでしょう』ついて触れて来たが、記念すべき初っぱな企画『サイコロ1』で最初に訪れたのがこの松山道後温泉。何処かの店に写真があるとか聞いていたので探してみたが、見つけられなかった。

 日程に余裕があればここにもう1泊しても良かったくらい、松山道後はいいところだったが、さすがにもう財布も職場も許してくれない。
 道後温泉を後にして、松山道へ。道後温泉から松山インターチェンジまでが思ったより遠かったり、そのインターが工事中で入口が分かりにくかったりもしたが、乗ってしまえば東予港までは大して時間もかからない。高速道路も、それを降りてからもひたすら道が暗かったくらいはもうどうということもない。

 カーナビの案内に従って順調にフェリーターミナルに到着したのだが。窓口で支払う段になってクレジットカード不可なことを知って慌てることとなる。今回の旅行のフェリーに関する支払いは妻に一括で委任していたのだが、ここまでオールカード払いで来ていたため、ここでもいけるだろうと思っていたようで、手持ちが足らないとのこと。

 私の財布もあれこれの支払いでだいぶ軽くなっており、確保出来たのが特別室だったことも災いして2人分を引っ掻き集めても必要額には不足していた。

「よろしい!ならばコンビニだ!」

と。意を決して車を発進させる。カーナビで検索したところ、フェリーターミナルからの最寄りが1キロ程離れたところにあるローソンということが判明したため、一目散に走り出す。広い駐車場にやや慌て気味に停めてATMめがけて飛び出す。千葉銀行のキャッシュカードを入れて恐る恐るキーをタッチするとちゃんとお金が引き出せた。21世紀万歳。

 ローソンから取って返して、再びフェリーターミナルへ。もう乗船が始まっていたので、車を停め、支払い済ませたらそそくさと移動する。
 駐車スペースからキャビンへはエスカレーターが設置されており、これはむしろエレベーターよりもいいかもなぁ、なんて話をしていたら、キャビン部分にはエレベーターもエスカレーターもなく、エントランスがある3階から我々が目指す4階へは階段を上がっていかなければならなかったため足が万全ではない妻にはちょっとキツかった模様。

 ただ、部屋は良かった。私もフェリーなのにサンルームが備わっている部屋には初めて泊まる。冷蔵庫が無かったものの、乗船時間もそれほど長くないので大して問題にはならない。



 ちなみに、この船も大阪南港着が6時10分と早朝なので8時まで滞在出来る手続きも抜かり無く済ませてある。

 道後で入浴して来ているのでさすがに風呂に入る気にはならなかったが、ここまでの旅の無事を祝してレストランで夜食をつつく。この夜は酒には手を出さず、じゃこ天うどんとおでんを楽しむのみとした。

 翌日はもはや1日分として取り扱うほどのネタが無いのでこの稿にてこのまま続けさせていただくと、この夜は瀬戸内の穏やかな波と広々した寝心地の良いベッドのおかげでたっぷり熟睡し、気づけばもう大阪南港に入港した後だった。

 せっかくのサンルームなので朝風呂に入った後の水分補給をここでしてみたりする。朝の光に照らされる大型船とコンテナに満ち溢れた商工業港湾の眺めは人を選ぶとは思うが、工業地帯萌えや船オタならば一度は是非お試しいただきたいところである。

 船内放送に促され、荷物を抱えて車へと移動する。南港から我が家までの道のりは最早『旅路』という言葉が似つかわしくない。
 なので、この旅行記は大阪南港を出発する時に口にした、私のいつもの言葉で締めくくらせていただこう。

「さぁ、次はどこへ行こうか」

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1975/04/02
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今さらですが非公開に変更
趣味:
読書、創作活動(文章のみ)、野球観戦、旅行、食べ歩き
自己紹介:
四十路オタです。そんな年齢なので言う事やる事古くさくてすいません。
艦これ提督ですがリポートをここにあげたりとかいう事はしておりません。攻略記事を書けるほど上手でもないので。
一次創作及び二次創作に関してはpixivで発表しております。興味をお持ちいただいた方は上部のリンクからお願いいたします。
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