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疲労の蓄積度は昨日の朝よりも深い。しかし、丸一日使えるのは今日で最後。この日は土曜日なので待望の新光華商場ホリデーマーケット開催日でもある。ホテルで一日ゆっくりする、などという選択肢を取る気は毛頭ない。
 金門島は諦めるとしても、マーケット自体は10時くらいからスタートなので、それまでに用事のひとつふたつ片付けられる。

 あれこれと脳内で候補を挙げているうちに、基隆に行きたくなった。基隆は台北市の北に位置する港町。正確にはそこにあるパイナップルケーキの名店李鵠餅店に行ってみたくなった。というか李鵠餅店の味が恋しくなった。

 そして、基隆まで行くもうひとつの動機として、市政府駅バスターミナルから出ている基隆行きのバスを試してみたいというのもあった。

 今回は買物してとんぼ返りなので、ひとりでお出かけである。
 市政府駅バスターミナルへはホテルから徒歩圏内。ただ、暑いので遮るもののない北側(聯合報ビル側)ではなく木陰のある南側(國父紀念館側)を歩く。この街に緑が豊かであることをしみじみと感謝しつつ歩く。
 当然國父紀念館の前を横切るのだが、建物の大きさに驚きつつ、同時に何度も何度もこの街を訪れておきながらここを素通りし続けてきたことに思い至る。
 これは今日明日中に訪れておかねば。

 などなど考えているうちにもう市政府駅が見えてきた。
 早速中へ入ってチケットカウンターで乗車券を購入しようとしたところ、基隆行きは直接バスの中で支払うシステムとのこと。しかも、悠遊カードが使えるそうで。ちなみにお値段は40元。あと、これは降りる時に知ったことだが、乗る時にも降りる時にもタッチして金額を調整するシステムなので乗る時に機械にタッチして「お、34元だ。カード割引かな?」などと勘違いをしてはいけない。降りる時に注意されてしまうのでお気をつけいただきたい。

 乗り場に並ぶこと10分ほどでバスはやって来た。高速バスなのでハイデッカーの良いヤツだ。空いているのを幸い、車窓を楽しめる最前列に陣取った。
 ここを出るとバスは1カ所だけバス停を経由するとすぐ高速道路に乗り、快速に飛ばす。

 これがなんとも速い!
 台北駅西のバスターミナルから乗ったときは市内の渋滞に巻き込まれてなかなか高速に上がれなかったが、今回は乗車してすぐ高速に乗る経路だったので居眠りする間もあらばこそ、30分弱でバスは基隆に到着した。
 台北駅から鉄道を使うと最速の自強号でも39分かかるので、ホテルから駅までの移動を考えたらバスのほうが圧倒的ですらある。鉄道好きであるからこそ、この不利は残念である。
 基隆の空は美しく晴れていた。台北市内でも高雄市内でもうらめしく見上げることの多かった夏空にも、ここ基隆では笑顔になれた。目の前に広がる港の光景と相まって、どれほど暑かろうとも苦にならなかった。


 しばし見蕩れてしまったが、それもしばしの間。目的を忘れてはいない。

 李鵠餅店へ。

 うっかり道を間違えて廟口夜市の前に出てしまったりしたが、そこにある地図に思いっきり李鵠餅店の場所が書いてあったおかげで無事たどりつけた。さすが老舗、さすが名店。

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 まだ早い時間ということもあってか、店は混雑していなかった。バラで1個から買えるのだが、私は大量買付けをするので10個入りプラスチックケースを指差し、パイナップル味とイチゴ味を各2ケースずつ注文。
 そう。このイチゴ味というのが台湾でも珍しいので、私は足を伸ばして買いに来たという訳である。

 大きな袋に詰めてもらってホクホク顔で基隆駅前のバスターミナルへと戻る。帰りもやっぱりバスである。鉄道にも食指は動いたのだが、時間帯が悪く普通列車しかなかったのとホリデーマーケットがそろそろ始まっている時間だったのとでバスにした。

 台北市内方面のバスは本数が多いが、その分行き先も多岐に渡っているのでそこだけは気をつけないといけない。乗り場に大きく書かれている経由地を確認してから並ぶ。ここは台湾に珍しく冷房が入っていなかったのでぬぐってもぬぐっても滴り落ちてくる汗に往生したりしつつ、並ぶ。
 そうして10分ほど待っただろうか。やって来たバスに乗り込むと車内の涼しさに心の中で万歳三唱。

 帰りの便は市政府駅バスターミナルを経由しないので、ホテルに近い別のバス停で降りる。

 部屋に戻って荷物を置き、今度は妻と2人で連れ立って出発。今度はMRT國父紀念館駅から電車に乗って3駅の忠孝新生で下車。

 やっぱり焙られるような陽射しの中を歩いて光華商場ホリデーマーケットの会場へとたどり着く。
 私がこの催しにこだわる理由として『貴重なものが安く買えるから』というのが理解されやすいのでしばしば口にするが、実際のところは、この祭りの縁日のような雰囲気がたまらなく好きだから、というほうが大きかったりする。メイン会場をぐるっと取り囲むように飲食物を売ってたりするところなどはたまらない。

 さて。まずは中央会場から順に見てまわる。今回は彰化県主催ということでご当地名産の果物が多数出ている。
 元来台湾で果物と言えばマンゴー、パイン、ドラゴンフルーツなどが有名である。が、目の前で売られているのは梨、桃、ブドウといった日本でお馴染みのモノばかり。どうしたことか。それと、どれもこれもうまそうなのは大変いいのだが、販売単位が1箱(6個入り)とか1斤(600g)とかで分量的に手が出ない。
 せめて、とブドウジュースを購入してみる。その場で絞りました的な濃厚至極の味わい。

 売っている店の数は少ないものの茶もあるのだが、それよりも我々の目を惹いたのはコーヒー豆である。しかも、売っているだけではなく、どうやらその場で飲めるらしい。

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 早速オーダーしてみると、台湾コーヒー独特の澄んだ香りとスッキリした味わいに購入即決。

 去年まではあんなに入手に苦労したというのに…。ちなみに挽いたものではなく豆の状態で売っていたため、帰国後のコーヒーミル購入も同時に決定した模様。

P1030868


 早速の戦果だが、妻は茶の選択肢が少ないことにいささか困っていた。土産用にも自家用にも現在の分量ではいささか不足気味(何しろ1年分なので)とのこと。一昨日茶楽樓に行き損ねたおかげで計算が狂っているらしい。

 じゃあいっそもう一度茶楽樓に行ってみるか、と提案する。行ってみて今日も店が閉まっているようなら完全にあきらめもつくだろうし、その上で改めて段取りを組むことも出来る。

 ただ、前回のようにバスで行くと時間がかかりすぎる。大体どの辺りで止まってもらえばいいのかの土地勘も掴めたので、敢えて前回避けたタクシーで行くことにした。このあたりは流しのタクシーが多いのですぐにつかまった。ダメ元で『迪化街』のメモを見せると運ちゃんは大きくうなずき、速やかに車を発進させた。
 台北駅付近でちょっと混雑した以外は順調で、ものの15分もしないうちに永楽市場前で車は止まった。この先は道幅がグンと狭くなっているので、ここからは歩いたほうが確実である。
「謝謝」
「アリガトございました」
互いが互いの言語で礼を言い合う光景は珍奇と言えば珍奇かも知れないが、気は心というやつだ。
 ここから先は一昨日来た道なので迷いようも無く、ものの5分ほどで茶楽樓に到達。
「開いてる」
「開いてるねぇ」
しかも店内からは茶を焙じている時のような芳ばしい香りが漂ってきている。
 安心して中へと進むと、店内には店員さんと思しき女性と、客と思しき女性が何やらの会話をしている。
 とりあえずそれが終わるのを待つ間、店内の品揃えをチェックしてみたり。妻が気に入ったというだけあってモノも価格帯もなかなかによろしい。
 先客の用事も終わったようなので、妻が店員さんに茶の注文をする。
「試飲されますか?」
「いえ、前回来てモノは分かってるんで大丈夫です」
「以前も来ていただいたんですか?」
「その時は男の方が対応して下さったんですが」
「父です」
「え?あなた娘さんですか」
大変申し訳ないが、店の名刺に写っている非常に丸々としたお父さんとすらりとした娘さんがどうしても結びつかない。
 まぁ、その辺は些事である。それよりも一昨日店が閉まっていたことほうが気になった。
「一昨日はお休みだったんですか?」
「ええ、はい。体調が悪くて…、あ、すみません。いらっしゃってたんですか」
「年中無休って書いてあるのに閉まってたから心配しました」
「すみません。体調が悪くて寝込んでしまって。父が今日本に帰国中なのでお店が開けられなくて。ご迷惑をおかけしました」
「いえ。でももう大丈夫なんですか?」
「はい。もう大丈夫です」
そんな会話をしつつ、和やかに買物終了。
 茶に関してはこれで後顧の憂いを断てた。となれば再度ホリデーマーケットにアタックをかけてもいいだろう。
 大通りで再びタクシーを拾い、メモを見せて速やかに光華商場まで運んでもらう。
 マーケットは依然として盛況だった。
 とりあえず移動と暑さで消耗したエネルギーを出店の香腸(台湾ソーセージ)で補充。暑い中で熱いものを食べるので汗が止まらないものの、うまいという事実の前にはそれすら無力である。
 食べ終えて、取り入れたパワーを元手に周回再開。
 が、妻のほうはコーヒー豆も茶葉も手に入れてしまったので割と購入意欲は満足してしまったらしい。私はと言えば、まぁ何か珍しいものや良さげなものがあって値段や分量がネックでなければ買ってもいいかな?くらいの心づもりだったので、最後にもうひとまわりだけして撤収することにした。見事大好物の杉林渓烏龍茶を発見&購入して心の中でガッツポーズ。
 ちなみにこの品種、近年ようやく日本でもルピシア等で取扱がされるようになったが30g2,000円以上はするというお高いもの。これが300g1000元(約3,500円)で買えたのだから大変ラッキー。

 収穫物を手に手にホテルへ戻った。

 軽いお出かけのつもりが最終的にはあっちへこっちへと動き回った上、昨日一昨日とマッサージを受け損ねて疲労抜きが十分でないこともあって、部屋で荷物を整理していると急激に眠気に襲われ、お昼寝タイムになってしまった。というか今回は非常に暑かったということもあるが、とにかく休憩時間を挟むことが多くなってしまった。これがもう若くない旅の形というものなのだろうか。単に普段からの体力作りやこちらに来てからの身体のメンテナンスを怠ったとも言えるが。

 ともあれ。寝て起きればもう時刻は夕方。だいぶ楽にはなったが、さてどうしたものか。 

 國立故宮博物院。言わずと知れた台湾の一大博物館。
 東京は上野の国立博物館でここの収蔵品を借り受けての特別展示をやっていて、中でも国外へは初の移動となった翡翠製白菜は大人気のため4時間待ちにもなったらしい。
 その白菜が2週間の特別貸出期間を終えてこちらに戻ってきている。幸いにしてこの日は21時まで開館時間を延長してしているので夕方から見に行っても十分見る時間はある。というか、この時間であれば混雑もマシになっていて昼間に行くよりもゆっくり見られる可能性すらある。

 唐突な思いつきにしては割と良いアイディアであると自画自賛しつつ、妻に諮る。ダメ出しされるか心配だったが無事賛同が得られ、出発進行。

 ホテルの前でタクシーをつかまえ、メモを見せるいつものやり方で今回も無問題。

 土曜の夕方という割と込み合う時間帯だが、うまく渋滞を避けて台北松山空港の横を行き基隆河を越えミラマーガーデンホテルの大観覧車を過ぎると、自強隧道というトンネルが現れる。これを抜ければ、もう目と鼻の先に故宮博物院がある。
 軽快なハンドルさばきのおかげもあって、現地到着したときはまだ十分空が明るかった。

P1030869

 
 最初の想定よりはかなり有利な条件でのスタートだが、そもそもここはちゃんと見ようと思ったら丸一日かかるようなところなので、かなりの駆け足になることは覚悟完了済。要はポイントの絞り方である。

 まず白菜は外せないとして。あとは九州の国立博物館にこのあと貸し出されるトンポウロウそっくりな肉形石も見ておきたい。…我が国もかなり他人の事は言えないが、なんだこの方向性。
 もちろんそれ以外にも青銅器や磁器の名品を中心に観覧プランを組む。

 館内は思いのほか人が多い。よほど夜間開館が知れわたっているのだな、と思って見ていると、子供達を学芸員さんたちが引率し案内している。夏休みの企画かなにかでやっているのだろうが、問題は引率している人たちの格好だ。揃いも揃って展示を意識したと思しきコスプレをしているのだ。
 皇帝の衣装を身にまとった男性は思いのほか似合っていたのに足元がスニーカーで台無しだったり、別のお姉さんは例の翡翠白菜にしようとして単なる謎のフェルトパッチワークになってしまったり。特に後者は「Photo OK?」とたずねるのも憚られるほどで。
 それでも子供がわめいたり駆け回ったりしないし、何より大陸からの団体客が居ないので、以前来た時に比べたら実に静かである。この心地よさ、入館して10分も経たぬうちに、また夜に来ようと心に決める。
 そして件の翡翠白菜だが、確かに芸術的名品だとは思うものの、何度も見ているということもあってか心を奪われるというほどのことはなかった。この辺は好みの問題なのでご容赦いただきたい。肉形石もまた同様。

 私の好みは上述のとおり磁器と青銅器、そして家具類。
 家具については1階で清代貴族の部屋を再現した形での家具展示をしており、これがまた私を惹き付けてやまない。家具というのは各々役割を持っているので、バラバラに展示するよりも当時の状況を再現してその役割を観る者に対してハッキリさせたほうが魅力を増す。ここはその理想的展示のひとつと言える。故宮博物院の展示室どこか1カ所で1日過ごせと言われたら私は迷う事なくここを選ぶ。
 しかし実際はそんな贅沢など出来ようはずもなく、次へと急ぐ。
 
 古来『玉(ぎょく)』という名で親しまれた翡翠。これは特に漢民族に愛され先述の白菜を初め様々な美術品の素材となっている。その『玉』に手で触れるコーナーがあった。喜び半分緊張半分で手を伸ばす。
 宝石の一種なのでもちろん硬いのだが、不可思議な滑らかさというか柔らかさというか。金属とは違う暖かみのある硬さを感じた。

 そのあとは白磁、青銅器、古書文献等々を大急ぎで見てまわる。急ぎすぎて少しばかり時間が余ったので、最後は4階の三希堂というカフェレストランで一服。もう時間が遅いのでドリンクのみということだったが、もちろんOK。

 眼下に広がる夜景や店内に飾られた多種多様な調度品を眺めながら飲むお茶はまた格別だった。
 飲み終えて下に降りるとまだ入口横の土産物売り場は営業中だったのでこれ幸いとアタックを敢行。
 目当ては過去の特別展示の図録。古いものは半額で売っていたりして大変お買い得。そしてここで我々は残り福とも言うべき大当たりを引き当てる。『康煕大帝と太陽王ルイ14世』。どうやら過去に清王朝とフランスブルボン朝を代表する両君主にちなんだ特別展をやっていたようなのだが、こういうのが夫婦揃って大好物なので値段とか大きさとか諸々のハードルを突破して購入する。
 今手元に現物があるのだが、ページをめくるたびに自然と溜息が漏れる。

 嗚呼、本当に来て良かった。思いつきから始まった吶喊ツアーだったが、大いに満足出来る結果だった。

 その後タクシーで台北駅に出て、フードコートでパパッと夕食を済ませてホテルに戻った。
 明日はいよいよ帰国日である。たくさんの思い出を両手に抱えてゆっくりと眠りについた。

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