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昨日の疲労はそこまで残らなかった。帰りが在来線特急だったのが良かったのだろうか。
 明日は台北市内でお買い物デーと決めていたので、遠出ができるのは今日まで。となると、お出かけ欲が満ち満ちてくる。
 ただ、昨日の今日なのではるばる遠くにというのは難しい。候補地リストを眺めていると、宜蘭の文字に目が止まる。そういえば初台湾以来11年、東部地域にはまだ足を踏み入れたことがない。

 ただ、昨日同様列車の指定席が確保できないと予定が立てづらい。

 時刻表を調べてみると9時20分発のタロコ号に乗れるとちょうどいい。JR九州の885系をベースにした振り子車両で、従来型よりも高速かつ快適ということで大変人気がある。

 ネットで検索してみると、どうやら空きはあった。急ぎ駅まで走って券売機にお伺いを立ててみると、なんとラス2。席は離れるが、乗れるだけでも良しとしなければ。

 乗れば宜蘭到着は10時30分と、なかなかに良い。

 改札内のセブンイレブンで買い物をしていたところ『MOE GIRL WAVE 萌娘電波』という台湾の萌え系雑誌を発見してしまう。



 今から短距離とはいえ旅に出ようというのにこんなものを買っていいのかといささか迷いもしたが、表紙に「童貞を殺す服」と思い切り日本語で書いてあったのでとりあえず購入。



 この列車は2時間半前に彰化駅を発車してきているのですでに満席に近い乗車率。台北駅で多少の下車客こそいたが、その分当然のように乗り込んでいくので車内に空席は見当たらない。

 基隆方面との分岐駅七堵(厳密には隣の八堵)を発車すると次は宜蘭まで止まらない。
 鉄道よりあとに開通した高速道路は雪山山脈を貫いて台北から一直線に東海岸に及ぶため時間的距離的には鉄道が不利なのだが、このタロコ号が満席なことを見てもわかるように人気は高い。
 福隆駅を出て石城駅の手前で新北市から宜蘭県に入り、車窓に太平洋、というか東シナ海が広がる。いかにも南国の海という鮮やかな青に魅せられ、通路側の席だった私はデッキに出て夢中でシャッターを切り続けた。



 沖に見える島は亀山島というらしい。言われてみればたしかに大海原に横たわる亀のような姿をしている。



 一瞬与那国島かと思ったが、さすがにそこまで近くはない。そういえばこの辺りは石垣島よりも緯度としては北になるはずで、少しばかり不思議な感じがした。
 楽しい楽しい撮影タイムも宜蘭への接近を告げる車内アナウンスでおしまいとなる。妻の座っている号車まで出向いて合流。
 宜蘭には定刻どおり到着。
 嘉義の時ほどではないが、やはり日差しは刺すように強く、ホームに降り立つと一瞬クラッとした。
 テーマパークのような駅舎で、理由はよくわからないがキリンがいた。英名ジラフのことをキリンと呼ぶのは日本人だけで台湾では長頸鹿という名前になる。キリンは元々麒麟と書いて、霊獣を指す名前であったのを日本人がジラフを紹介するときに拝借したのである。
 閑話休題。
 まずは駅から少し離れたところにある観光案内所に向かう。
 建物は宜蘭およびその周辺が名高い観光地であることを示すかのようになかなか大きい。中にはちょっとした土産物や飲み物なども買えるようになっている。
 無料配布の地図を調達し、検討開始。
 ほど近い三星はネギで名高く、孤独のグルメseason5でも登場している。が、気軽に足を向けるにはいささか遠すぎるのでこれは断念。
 調べてみるとここ宜蘭は酒どころとして古い歴史を持つ土地で、宜蘭酒廠(工場)は100年を超える歴史を持ち、今なお稼働中という。中には紅麹を使った料理が食べられるレストランもあるとのことで、下戸ではあるが美味いものには目がない我々夫婦としては興味が惹かれる場所であった。
 また駅から酒廠に向かう途中にある宜蘭設治紀念館は日本統治時代の建物を再利用したものということで、酒廠に行く道すがらこちらに立ち寄ることも決定。

 宜蘭設治紀念館は旧宜蘭庁の長官官舎だった建物を利用しており、庭を枯山水にするなど当時の雰囲気を残してくれているのが興味を引いた。
 清王朝嘉慶帝の頃より現在までの宜蘭の歴史が展示されているのだが、ここで初めて上野公園の銅像でおなじみ西郷隆盛の息子菊次郎氏が宜蘭庁長官として赴任していたことを知る。ということはすなわちこの建物に住んでいたということでもある。
 ここの展示は数ある中でも特に菊次郎氏についての部分が手厚く、使用していた物品のみならず在任当時の新聞記事や亡くなった時の追悼記事、果ては彼の人事記録まで展示してあったのには驚いた。おかげで彼が西郷どんが奄美大島に島流しにあった際の子供であることや、西南戦争後に外務省へ入省しアメリカ公使館などで勤務していたことまで知ることができた。
 正倉院展などでもそうなのだが、我々夫婦はこの手の公文書にはやたら食いついて見てしまう。この手の一次史料を見るとやはり歴史マニアとしては大いに惹かれるものがあるのだ。
 屋内は畳敷きの板張り廊下で、とても台湾にいるとは思えない。枯山水の庭など眺めていると鹿児島の仙巌園にでもいるかのような錯覚に陥る。





 ふらっと立ち寄るくらいの軽い気持ちだったのだが、かなり堪能できた。
 続いて宜蘭酒廠へと向かう。向かうも何も見てわかる距離にあるので迷いようもなく到着するが、そんな短距離でも歩けば汗は自然と噴き出てしまう。
 宜蘭酒廠。台湾で最も古い歴史を誇り、そして今尚現役で稼働している酒造場である。現在は規模を縮小しているので、展示施設や売店にレストラン、そして酒銀行なるものまであった。
 さてどこから回ろうかとちょうど昼食の頃合いであり、レストランを探す。

 ちょっと奥まったところにあったのでうっかり手前にあるビールコーナーで済ましてしまおうかと思ったが、さすがにそれは思いとどまった。
 レストランは100人規模で利用できるほどに広く、ちょうど大口の客が引いた後で我々のほぼ貸切状態。
 紅麹チャーハンに三星ネギと牛肉の炒め物等々、計4品を注文。ほかにも魅力溢れる料理はメニューに並んでいたが、夫婦2人では量的にこれが限界。

 紅麹チャーハンは油っこくないのに独特のコクがあり、まさに本格中華。三星ネギは中華には珍しくシャキッとして歯応えが楽しい。また、見た目に比してさっぱりした食感であったのもありがたかった。





 いずれの品も美味しかったのは間違い無いのだが、中華料理の常として警戒していたとおり量が多いので食べきるのにいささか苦労させられた。
 食べ終えると、腹ごなしを兼ねて敷地内にある『甲子蘭酒文物館』という酒の博物館へと向かった。階段を上っていくと目の前に『中國歴代酒器介紹』と書かれたボードがある。
 見れば甕、壺、爵等々の酒器がどんな形をしてどんな用途に使われていたのかを分かりやすく表にしてある。


 今をさかのぼること15年以上昔の大学院生時代に『廣韻』という中国の古い辞書を現代中国語と日本語に翻訳する作業をやっていた為、この手の展示には当時を思い出してついつい一人で盛り上がってしまう。当時この一覧表があったらどれだけありがたかったか。
 
 このほか、酒の作り方から酒にまつわるあだ名(酒仙、酒鬼等)を持つ人物紹介、そして台湾で作られたビールやウィスキーの歴代缶やビンも展示してある。



 じっくり見れば半日くらいは優に楽しめそうだったが、そうもしていられないので駆け足気味に巡る。

 このほか、特筆すべきものとしては酒銀行などというものもあった。
 ここには買った酒を預けることができるとのことで、てっきり飲み屋のボトルキープみたいなものかと思いきや、解説を読むともっと情緒のあるものだった。
 そもそもの由来は、子供が生まれると酒甕を仕込み、娘ならば結婚式で息子の場合は志望校合格や就職決定の祝いの会でそれを割って振舞うという習慣からきているとのこと。
 そのほかにも小学校の卒業記念に酒甕を預けて成人式や同窓会で割るなどという使い方もあるようだ。今は金庫がいっぱいで長期間の預け入れはできないようだが、なかなかロマンがあって楽しい。
 わずか2箇所、しかも駅から徒歩圏内にあるところをまわったのみだが、結構充実していた。このまま台北に戻っても十分なくらい盛り沢山であったが、どうしてももう一箇所立ち寄りたいところがあったので互いの体調確認をした上で寄り道を決めた。
 それは礁渓という街で、宜蘭から鉄道でふたつ戻ったところにある。ここもまた温泉地として名高い。この小旅行の締めとして、ここで温泉に入るのである。

 礁渓駅前には足湯広場があったりして、山陰本線の浜坂駅を思い出させた。
 この街には所謂日本式の入浴ができるところがいくつもあって、どこにしようか駅前の喫茶店で休憩がてら相談する。
 その結果、日本人の設計技師がいる会社に委託したというところに期待を込めて礁渓温泉公園へ向かった。森林風呂と書かれた看板の奥にある窓口で料金を払い、暖簾をくぐる。




 中は屋根部分が少ない解放感溢れるつくりになっていて、いかにも南国の温泉地という楽園的雰囲気があった。その上お湯は比較的柔らかい肌触りで大変心地良く、人気があるのも納得だった。
 その後は公園のすぐ近くにあるバスターミナルから台北行きのバスに乗って戻る。
 鉄道より安いこともあり、あちこちでお勧めされているルートということで使ってみたが、リクライニングシートで104元は確かにお値打ちだった。道中の車窓については寝てしまったので生憎と覚えていないが。
 この日の夕飯は昼食が盛り沢山だったこともあって特にこれといった希望が思い浮かばなかった。いくばくかの候補をあげてはみたがピンとこず、結局バスターミナルからの道すがらに胡椒餅その他の台湾小吃をあれこれ買って帰り、ホテルの部屋でお酒と一緒に美味しくいただいた。

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