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漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。
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明日は帰国日であり、フルに使えるのは今日が最後。
 ではあるが、本日の予定は完全白紙。昨日を休養日にあてたことで気力体力ともに十分ではあるもののそれをどう使っていいのかわからない。ちなみに先般地震の被害があった花蓮を訪れるという計画は列車の切符が取れないことであっさりと頓挫している。
 この日はあまり天気が良くなさそうであり、屋外系のネタは避けようということになった。
 ならばということで今日は台湾のローカル線に乗ることにした。

 ローカル線と一口に言っても六家線や集集線や内湾線、深澳線に平渓線とある(沙崙線は乗車済み)。
 時刻表を見つつ「一番近いところにしとこうか」という無難な結論に至る。というわけで今回は平渓線完乗の旅に決定。余力があれば深澳線もついでに乗っておくし、余力がなくとも帰りには侯[石同]で下車して猫村に立ち寄ることも合わせて決定した。

 台北駅で平渓線深澳線の1日乗車券を購入。これが80元で、瑞芳までの乗車券を別途購入。こっちは區間車料金で49元。
 
 台北駅を9時25分に発車した列車はのんびり走って乗換駅の瑞芳には10時23分着。平渓線直通の菁桐行きは11時2分発なのでちょっと駅前をブラブラする。
 
 ほんのちょっと歩いただけなのだが、駅前に猫を何匹か見かける。猫村の侯[石同]ほどではないがここも猫に染まり始めているのだろうが。

 駅に戻るとホームにずらり並んだ人の列に出くわす。こういう時は端っこに行くのが良い。その甲斐あって無事座れた。三貂嶺から線路は分かれていよいよ平渓線に入っていく。
 入っていくというか、宜蘭線はここまで寄り添ってきた基隆河と分かれていくのに対し平渓線は並走を続けるのでここだけを見ていると平渓線のほうが本線であるかのような錯覚に陥る。
 山道を分け入っていく旅人のような足取りで列車は平渓線最初の駅である大華のホームにたどり着く。ここには「十分瀑布(滝)に行く人は線路を歩かないで!」という注意書きがあった。
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 車窓から見える道が不安をそそる細道ばかりなので気持ちはわかるが線路を歩く行為は大変危険である。
 大華駅を出て数分、右手に遊歩道が見えてくる。十分風景区と呼ばれる景勝地に入ったようだ。そのまま十分老街の町並みを突っ切って十分駅に到着する。ここで行き違いを兼ねてしばし停車。
 空が雨模様でなければせっかくのフリーきっぷを駆使して改札を抜け、何か買ってこようかとも思ったのだが。列車が平渓線に入った頃から降り出した雨は分け入るほどにその強さを増していく。停車しているホームが改札から離れていることもあって、下車することがどうにもためらわれた。
 多くの人はそんな雨など物ともせずにどんどん降りて行ったのだが。この空模様ではランタンも打ち上げられないだろうし滝に行くのも一苦労ではあろうがそれはそれで旅の思い出になるのだろう。

 というわけで、乗客の多くが下車したおかげで乗客全員が着席してなお空席ができる程度の乗車率になる。
 十分を出てしまうと、再び人跡乏しい山際を張り付くように走る。四国の予土線を思い出すような河と緑の車窓が続く。元々この路線は台湾屈指の菁桐炭鉱から石炭を運ぶ運炭線だったそうだが、確かにここには石炭貨車が似合いそうだ。
 並走する車道にも自動車の姿をあまり見ない。実に長閑な平渓線であるが、空だけがどうにもあまり長閑ではない。
 雨粒に妨げられてあまり景色を楽しめないまま終点菁桐に到着する。これでとりあえず平渓線は完乗となった。
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 折り返しの列車が出るまで15分しかないため昼食をとるというわけにもいかず。せめて駅のスタンプでも押して帰ろうとしたが見当たらない。駅の隣にある土産物屋に何やらたくさん置いてあったが、残念ながら菁桐車站と書かれたものはなく、押さずに車両に戻った。
 深澳線直通八斗子行きと変わった車両は小止みになってきた雨の中12時15分定刻どおりに発車する。
 山中をゆったりと駆け戻り、侯[石同]駅で下車。ここは今やGoogleMapにも載るようになった猫が主役の村である。
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 思う存分猫を愛でるその前に駅前食堂で昼食をとる。陽春麺なる見慣れぬ名前の料理がメニューに載っていたので頼んでみると、これがシンプルな味わいながら実に美味い。あまりに美味いので他でも食べられないものかと調べてみると割と有名な料理らしく、これまで12年何を見てきたのだろうかと少しばかりショックを受ける。
 それはさておき猫である。幸い雨も止み、かと言ってギラつく暑さでもなく。のんびり猫を求めてさまよい歩くのには最適な日和となった。
 木陰、植木鉢の隙間、歩道の脇、土産物屋の台の上、段ボールの中、草むら。そこにもここにも猫がいる。寝ているもの、座っているもの、くつろいでいるもの、散歩しているもの。あるがままのその姿を見ているだけでしあわせになれる。やはり猫は素晴らしい。

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 村の中を端々までひたすら猫を求めて丹念に歩き回り、だいぶ汗をかいたので猫のいる喫茶店で一休み。ここでも店の看板猫がテーブルの上に乗ってくださるという熱烈歓迎を受けた。テーブルに乗るだけでこちらに媚を売ったりせず気ままに過ごすところがまた良いのである。
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 濃密な猫成分を充填して台北に戻る。
 いざ夕飯というその前に。今回の旅の前に脆皮鮮[女乃]甜甜圏なる店のドーナツが良いという情報を得ていたのだがここまで買う機会を得ずに最終日になってしまっていた。このままでは結局最後まで行かずに終わるだろうと判断し、思い切って先に買いにいくことにした。
 小さい店らしく、わかりにくそうだということで結構な覚悟を固めての出発だったが台北駅の地下街から北側に向かって歩いていくと割とすぐ近くのところに店は見つかった。
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 長くはないものの列ができており、客は皆結構な量を買い込んでいく。そんなに美味いのならば我々も大量買いしてみようかと思ったが夕飯が食べられなくなってしまうのでグッとこらえて4つで我慢。せっかく揚げたてだったので通りの脇で食べてみる。サクサクではなくもちもちの食感。軽い甘さは後を引く。小さいながらも行列店なのが頷ける味だった。
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 もう一度並んでこれを夕食代わりにしてもいいのではないかと真剣に話し合ったが、明日帰国途中にもう一度買いに来るということでなんとか踏みとどまった。

 では肝心の夕食は何にするのか。
 今回の旅では台湾料理は結構食べたし、かと言って和食に飢えるというほどでもない。フレンチやイタリアンも美味い店が増えたらしいが、あまり惹かれない。
 こういう時はフードコートで目に付いたものをパッと食べてしまおうといつもの台北駅2階へ向かった。
 日本でもおなじみ鶏三和の親子丼がちょっと気になったが、何かが違う。うろうろしているうちに「これだ!」となったのが海南鶏飯。
 今年の台湾最後の夕食はまさかのシンガポール料理となった。2人前セットで300元は実にお値打ちである。
 これが安かろう悪かろうならば悲しいオチになるのだが、本場物を何度となく食べてきた家人が太鼓判を押すハイレベルな味だった。シンプルな蒸し鶏にチリとジンジャーの2種類のソースが組み合わさって舌を飽きさせない。
 鉄道、猫、美食と実に言うことのない幸せな1日はこうして締めくくられた。

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1975/04/02
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今さらですが非公開に変更
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読書、創作活動(文章のみ)、野球観戦、旅行、食べ歩き
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四十路オタです。そんな年齢なので言う事やる事古くさくてすいません。
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一次創作及び二次創作に関してはpixivで発表しております。興味をお持ちいただいた方は上部のリンクからお願いいたします。
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