漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。
初めに。この日はほとんどオタネタがありませんが、かといって3日目だけ無いのも変なのでアップさせていただきます。
この日の朝はちゃんと妻を起こし、2人で揃って朝食会場へ。私がどうやってメニューに変化を付けようかと算段していると、妻は山盛りにサラダを取り分けている。普段全くと言っていいほど朝食には固形物を受け付けないのに、旅行に出ると食欲おう盛になる不思議な現象。1年の半分くらい旅行していたらもっと健康になるのか、とか考えてしまう。 2人ともよく食べて、満足して部屋に戻る。まだこの時9時前。朝が遅い台湾の街に出ても、やっているお店は限られる。 なので、11時までは待機タイム。 ならば。 「お灸を受けにいかないか?」と提案する。台北駅から程近いところにある川堂養生館というところでへそにお灸を受けられるのだが、時間が90分かかるので今まで断念していたのである。ここは朝早くから開いていて、今回時間にも余裕がある状況ということで提案してみたが「お灸って熱いんでしょう」と妻は乗り気でない。「行くなら1人で」ということで、私1人で行くことになった。 ホテルを出て、地図を頼りにうろつくことしばし。途中、謎の鉄道車両に出会ったり、暑さに耐えかねてセブンイレブンでハンドタオルを購入したりしながらうろついて、なんとか目指す場所にたどり着くことができた。 ほぼフルに日本語で会話可能なため、意思疎通に何の問題も無く、施術が開始される。 上着を脱いでベッドに仰向けで寝ると、ヘソの部分が開いたタオルケットをかけられる。あとは何しろ寝ていたのでよく見えなかったのだが、何かをヘソに塗られたあと、お灸開始。独特の機材を使っていたようだったが、迂闊に動けないので確認できない。覚悟していた熱さは全くなく、むしろ心地よさにどんどん眠くなる。起きてまだ2時間と経っていないのに、すっかり眠りに落ちてしまう。定期的にヨモギの継ぎ足しかなにかをやっていたようで、その際だけ目が覚めたが、あとは完全熟睡モード。声をかけられた時にはもう終わっていた。 確かに身体が軽い。仕上げに明日葉のジュースをいただいて完了。6000元にプラス10%のサービス料ということだったが、「10%は結構です」とおまけしていただいた。多分カードではなく現金で支払ったのが良かったのだと思う(カードだとカード会社に手数料を取られる)。 お値段は張るものの効能はバッチリだったので、血行の悪い人にはお勧めである。というか、次回はなんとか説得して妻を連行したい。 終了報告のメールをしてからホテルに戻ると、妻は私のパソコンでネットをやっていた。つなぎ放題なのでフィーバーしていたらしい。 さて。どうするか。色々選択肢はあったのだが、前回行けなかったので故宮博物院へ行くことにする。今度も時間の節約を大義名分にタクシーで移動。途中の道行きはスムーズだったのだが、肝心の故宮の入り口がだいぶ混雑しており、観光バスの間を縫うようにして下車。 入り口がごった返していたので、一旦喫茶室に退避。ふつーに珈琲紅茶にしておけば良かったのだが、目についた珍しいものを頼んでしまい、飲み終わるまでちょっと時間を要した。 このインターバルが逆にいい結果を生む。若干ではあったが先程より空いてきていた。あんまりに混雑していたら順路を変えようかとまで思っていたが、無事に1階から順に見て回ることができた。前回来たときは無かった清朝時代の貴族が使用していた家具等の工芸品が私の目を引いた。今は亡き松江のティファニー庭園美術館の時もそうだが、どうも私はこの手のものに非常に弱いらしい。中国の伝統的な技術と西洋風のアレンジが加わった独特のデザインが実に美麗で、いつまでも見ていたくなる。 とは言え、実際はそうもいかない。妻に先導されるように順繰りに展示を見て見て回る。1階2階はまぁまぁノンビリ動くことができたのだが、3階がもういけない。大陸からのツアー客が文字通りひしめいていた。これは見て回るどころではないと退避。退避した先にあったのが本屋だったのはもう運命と思うしかない。ここで我々は長い時間捕まってしまった。 しかもここの本屋、当然と言えば当然なのだが、故宮博物院の図録だの図版だの研究書だのといったここで無いと手に入らないと思うようなものがずらりと並んでいた。元々歴史オタクで中国関係の研究をやっていた私と、バリバリの史学科卒でシルクロードオタの妻にとっては宝の山だ。しかしこの宝の山は有料でしかも持ち出すのも自前なのだから、目移りする。せざるを得ない。二手に分かれてチェック開始。 まず「乾隆重要戦争之軍事研究」という本が目に入った。中身を見てみると、清代乾隆帝時代の戦争で何人動員されどんなものが必要とされ、その用意と移動でいくらかかったか、ということを綿密に研究したものだった。以前なら間違いなく即確保だったのだが、もうそういう小説を書くことも無いだろうと思うと、若干購入意欲が削がれていく。あと、何しろ日本語じゃないので読むのもホネだろうし、と思いとりあえず保留。 図版関係は大きさがネックになって早々に断念。レア度合い&欲しい度合いで言うとかなり上位だったので、だいぶ諦め悪く算段したのだが、最後は常識が勝利した。しかしこれを書いている今でも若干後悔の念がわいて来る。 あと目についたのは博物院が定期刊行している雑誌。タイトルを失念したが、幅広く色んなネタが扱われているのでかなり魅力的だった。しかしこれもどの号を買うか絞りきれず、悩んだ挙句に断念。 30分近くを費やして購入した本は『四庫全書纂修之研究』という本。どんな本かというと、これは『四庫全書』という清代に時の皇帝の命令で作られた書物の編集過程を研究したもので、まぁまず日本では手に入るまいと思われる代物。国家事業としてどのように取り組まれたか、というのは小説のネタ云々を超えて(もちろんネタにできれば万々歳なのだが)非常に興味深く、時間をかけても読んでみたいテーマだった。 ちなみにお値段は350元。 妻は妻で散々悩んだ挙句シルクロードの研究書を手にしていた。揃いも揃って業が深い。 購入後、展示室に戻ろうとしたが、もはや鑑賞できる状況ではなかったので諦めて外へ出た。 さぁ。お昼ご飯である。故宮博物院の改装工事後、グランド・フォルモサ・リージェントがフードコートを出しているそうなのでそこへ行ってみることにした。ご存じない方のために簡単に説明すると、フォルモサ(漢字で書くと晶華)は台湾指折りの5つ星ホテルである。私は新婚旅行の時に1日だけ泊まった事がある。 正面玄関を出て右手に進み、階段を下りて地下に行くとそこが府城晶華。 メニューには麺、ご飯、点心、海鮮点心、肉類、スープ、デザートに飲み物と揃っている上、これらが一通り食べられるセットもある。 お腹が空いている上にメニューの豊富さが合わさってかなり迷わされたが、但仔麺2つに茹で青菜、香腸(台湾ソーセージ)と豆花(豆乳プリン)2つを注文。ちなみに注文はテーブルにある紙にチェックを入れて渡す方式な上、紙にはきちんとした日本語が表記されており、安心である。 値段は夜市よりちょっと高いかな?という程度で、味はフォルモサの名に恥じない高級感のある物だったのでお得感が高い。特に豆花はそれだけ食べにきても良かったくらいにうまかった。個人的なお勧めは小豆入りのヤツ。 すべてを綺麗に食べ終え、笑顔で店の外へ出る。室内の強い冷房と外の熱気のギャップに身体を慣らす作業もぼちぼち身に付いてきたので、そんなにくらくらはしなかった。 食べたおかげで気力体力も回復してきたので、人ごみへ再度突入することに。と言っても、展示室ではなく土産物売り場なのだが。職場への土産を買いたいという妻に付きあってただうろうろするだけのつもりだったのに、見ているうちにどんどん欲しくなって来るのが困りもの。 個人的に一番受けたのは中国歴代王朝有名皇帝チョコボール。世界史の教科書か資料集には大体載っている唐の太宗(李世民)、宋の太祖(趙匡胤)、元の世祖(フビライ・ハーン)、明の太祖(朱元璋)の4名の肖像画がそれぞれ味の違うチョコボールのパッケージになっている。 こういう発想はどっから湧いてくるのか。 ちょっと迷ったものの、職場の土産として購入決定。 妻は妻でネイルデコアートシールを確保している。これがまた漢字とか陶磁器とか普通では見かけないものがシールになっているという代物で、土産物としてはインパクト十分である。 この他、自分用に故宮博物院オリジナルTシャツと収蔵品を解説したDVDを買い込んで終了。 お会計を済ませ、再び外へ。 妻はカメラを抱えて風景の撮影に。その間私は荷物番。せっかくなのでデジカメを取り出してその場で撮れる範囲で何枚か私も撮影してみる。せっかくなので、とうっかり最高画質にしたばっかりに容量が大きくなりすぎてブログにアップできなくなることは勿論この時知る由もなく。 数枚撮った後は、欄干に寄りかかって眼前に広がる緑豊かな眺めを堪能。この時、庭園があることに気がついた。 妻が撮影から戻ってきたので「ちょっと行ってみよう」と誘い、眼下の庭園へ。意外と急な階段を下りていくと、至善園という看板が見えて来た。どうやらこの庭園は『至善園』というらしい。自動改札機に入場料20元を入れて中へ。 所謂中国式庭園というヤツで、思っていたよりもずっと規模が大きい。西遊記などの中国古典に出てきそうな、詩人たちが酒宴でもしていそうな雰囲気だった。 中でも松風閣という名前の楼閣は柱に龍や鳳凰の彫刻が施されている上、2階からは園内を一望することができるので、それこそ物語の登場人物にでもなった気分である。その他にも古典文学に由来する建物や池がそこかしこにあり、それこそ曲水の宴という遊びを再現できる川も流れており、中の展示に勝るとも劣らないほど我々を楽しませてくれた。 それに加えて、ここから眺める故宮博物院本館が実にいいのである。 そうして1時間程も居ただろうか。何時間でもここに居たいと思ったが、流石にそういう訳にもいかないので頃合いを見て撤収。出た後で、反対側に至徳園という庭園もあることを知り、次回訪れた際は必ずそこを訪れることが決まる。 出てからはロータリーに止まっているタクシーに乗り、一路ホテルに戻る。 戻って、まだ5時だった上にまだ体力的に余裕があったので「よし、今からもう1カ所行こう」ということになった。さぁ、どこへ行くか。ふと思いついて電車の時刻表をめくると、ちょうど頃合いの特急があったので台北の北にある港町基隆(キールン)まで足を伸ばすことを提案する。 良さげな夜市があることと、台北からわざわざ買いにいく人が居るくらい評判のパイナップルケーキ屋があること、そして台湾北部最大の港であること。その3点からずっと行きたいと思っていた あっさりと妻の同意も得られ、とっとと台北駅へ。せっかくなので指定席を取ろうと窓口に並び、『17:45自強號 台北→基隆 2人』と書いたメモを渡す。無事に意味は通じて、きっぷを手にすることができた。 売店で飲み物を買い、ホームで少し待つと入線してきたのは太魯閣(タロコ)号専用車両。JR九州885系と同じあの車両。あれ?おかしいな、と思ったら我々がホームを間違えていたのだが、折角なので記念撮影。 取って返して反対側のホームでさらに待つ事しばし。今度は間違いなく基隆行きの自強号がやって来た。さすがにこの距離で自強に乗ろうという人も少なく、車内はがらんとしていた。前後にゆとりがある座席と、深く倒れるリクライニングシートがまるでグリーン車のようだ。 テーブルを出して飲み物を置き、台鉄本舗で買った時刻表を見ながら、ようやく叶った念願のひとときを味わう。 途中までは地下を走るし、地上に出てからも都市近郊の風景なので、以前台南から隆田までのように目に焼き付いて離れないというような感動はあまり無かったが、それでも十分車窓は楽しめた。 18時23分、定刻どおり列車は基隆駅に到着した。ひと息入れてから、徒歩でまずはパイナップルケーキ屋『李鵠餅店』を目指す。その途上に基隆港があり、鮮やかにライトアップされた眺めに圧倒されて思わず足が止まる。島国台湾に来たのに、これまで海に縁がないところばかりうろついていたため、非常に新鮮。私は元々船好きなのでもうこの眺めだけでも基隆に来た甲斐があったとすら思えてしまった。 まぁ、さすがにそんな訳にもいかないので、移動再開。ガイドブックの地図を頼りに歩いていくと、それほど迷うことも無く店にはあっさりと到着できた。 しかし、問題はこれからだった。 小さな店に大量の客が溢れかえっており、商品の品定めをするのも一苦労。さすが人気店。ぼーっとしていてはいつまでたっても買い物ができないので、妻に必要な量を確認すると手空きの店員さんを捕まえて購入交渉に入る。まず、メインのパイナップルケーキを3箱。それと『蛋黄酥』というお菓子がうまそうだったので、これも4個購入。あまりたくさん買い込んでも、この後の夜市観光に差し支えるのでここで打ち止め。帰国後「ああ、もっと買っておけば良かった」と後悔するのはいつものパターン。 ちなみに蛋黄酥は外側がパイ生地、中が二重餡になっているお菓子で、我々が買ったのは小豆あんと卵あんのコンビ。小豆の甘さと卵の塩味がなかなか面白い組み合わせだった。 続いて基隆一と言われる廟口夜市へ向かった。店からは迷いようも無い程すぐのところの入り口があったのだが、これまた物凄い雑踏。前に進むのにスキマを見つけてそこに身体をねじ込むような感覚で歩かなければならず、紙袋を抱えて表面積が大きくなった私は往生した。その上、もともと人ごみに弱い妻があっという間にギプアップしてしまい、飲み食い1つせず撤収するという大変残念な結果になってしまった。 台湾に来てから曜日の感覚が無くなっていたが、この日は土曜日であり、混雑して当たりまえ。次回は平日に来ようと心に決めて駅に戻った。 どこかでお茶でも飲んで一休みしようかという提案にも妻は「早くホテルに戻りたい」と言うのみであったので、とっとと列車に乗って台北へ戻る。部屋に入るとベッドに倒れ込み寝てしまった。寝付く前に「夕飯はどうする?」と聞くと「1人でどっかで食べて来て」とのこと。こういう時は起こすと怒られるので、あきらめて台北地下街へ出る。 せっかくなので、前から気になっていたが妻に気兼ねして言い出せなかった吉野家へ行ってみた。日本の味とどう違うのかと箸を付けてみたが、日本とほぼ同じ味。むしろ違いを見出すほうが難しい。ショウガが紅ショウガではなく寿司屋に置いてあるような酢漬けのショウガだったことくらいか。しかし、これがまた不思議に合うので、あっという間に食べ終えてしまった。みそ汁もちゃんとダシが利いていてうまかった。こういう味付けが台湾の人たちに合うのか合わないのかはともかく、こっちに来ている日本人には有り難い存在だろう。 ビビって牛丼の並を頼んでしまったので、ちょっと物足りなく感じている胃袋をなだめるためにセブンイレブンであれこれ買い込んでからホテルに戻った。余ったら妻に手伝ってもらおうと思ったが、ネットをやっているうちになんだかんだで食べ終えてしまったのは、我が事ながらどうしたものか。 PR
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プロフィール
旧世代オタクなので言う事も発想も古いです。
HN:
ふさ千明
年齢:
48
性別:
男性
誕生日:
1975/04/02
職業:
今さらですが非公開に変更
趣味:
読書、創作活動(文章のみ)、野球観戦、旅行、食べ歩き
自己紹介:
四十路オタです。そんな年齢なので言う事やる事古くさくてすいません。
艦これ提督ですがリポートをここにあげたりとかいう事はしておりません。攻略記事を書けるほど上手でもないので。 一次創作及び二次創作に関してはpixivで発表しております。興味をお持ちいただいた方は上部のリンクからお願いいたします。
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