忍者ブログ

ふさ千明のおたネタ日記

漫画、アニメその他諸々の感想がメインのブログです。現在は「ここだけの話」シリーズについての感想を中心に運営しております。毎日15時の更新は終了し、現在は再び不定期更新に戻っております。

最近は放映終了後にこういうのが

 「偽物語 化物語 in ナムコ・ナンジャタウン」開催決定!だそうで。

 偽物語の公式サイトによると、開催期間は5月18日から7月8日まで。詳細は未定で、決まり次第随時追報ということのようです。せっかくなのでナンジャタウンの公式サイトに飛んでみましたが、現在はタイバニ、次に薄桜鬼と来て、その後で偽・化という流れになってますね。

 で、ナンジャタウンの公式サイトを見ると、現状では「ファイヤーシスターズの目玉焼きホットサンド」&「阿良々々々木さん!ソフトクリームパフェですよ!」が決定しているようです。いっそミスドとも組んで忍様ご推奨セットとかやらないかなぁ…。

 今年は本拠地千葉への遠征野球観戦すら自粛している状況なので、このためだけに池袋へ行くというのはちょっと難しい状態ですが、全国のナムコ系列のゲーセンなどでもキャンペーンを行なうらしいので、そっちはチェックしたいですね。京都にもナムコワンダータワーってのがありますんで、そこを中心に。あって助かりました。

拍手[0回]

PR


後藤沙緒里のいろはにほへと第185回「波平の情報待ってます!!」感想

・「新学期がそろそろ開始されたかな?みたいな時期ですかね」「はぁ〜いいですね」新学期というとそれまでの負債をリセットするいい機会でしたが、リセット出来た事は結局1回もありませんでした。
・クラス替えは確かに小学生の頃の大イベントでしたが、私の場合それ以上の大イベントである転校を2回もやってしまっているので、今イチ思い出が…。
・「仲良い子とは一緒でしたね」「運命?」さおりんと運命の友人な方がうらやましいです。ハイ。
・「変な派閥ありましたよね」小学生の頃はそうでもなかったんですが、中学以降は常に小派閥の長っぽいポジションを常に務めていた気がします。要はオタク的活動の主体と言うか。
・何にせよ環境が変わるというのは大変なものです。みんながみんな適応力高いわけではないですし。
・「今週もふつおたスペシャル」「似たような内容なんですけど」「この前部活中あまりにも眠たくて、トイレの便座に座りながら30分も寝てしまいました」「ハッと気付いて練習に戻ったのですが30分僕が消えていた事に誰も気付かず、それはそれでビックリしました。さおりんは眠気に負けてしまった事ありますか?」「もう1枚読んじゃおうっかな」「最近電車の中で寝たり、ゲームのコントローラー片手に爆睡したりとあらゆる状況で寝てしまいます」「眠気を払うにはどうしたらいいでしょうか。よければ教えてください」どちらも寝落ちに関するメールでした。私も眠たがりなので実にあるあるメールでした。
・「春だから?」「あたし年中眠い眠い言ってると思うんですけど」春は特に困りますねぇ。正直、色々キツいです。
・「30分居ない事に気付かれないって相当ですよね」臼井君?臼井君なの?
・「凄い覚えてるのが、学生時代、高校生だったと思うんですけど、普通に帰りの電車で結構満員で、立って、つり革、手すり?持って立ってたんですけど、寝ちゃって、膝かっくんみたいな状況に」「隣のサラリーマンに物凄い目で見られるっていうそんな事がありました」そのサラリーマンは多分ビックリしただけなんじゃないかなぁ。見ず知らずなのに思わず心配しちゃったんじゃないかなぁ。だってさおりんですよ?初対面の人間だって心配したくなるオーラの持ち主ですよ?
・「女子、ありますか」「『払う方法はこっちが聞きたいぐらいですけど』」「『負けたのは、お風呂でよく溺れそうになります』」私の場合“よく”ではありませんがたまにやります。本を濡らした事はまだありませんが。
・「お風呂出て、寝ちゃうことがある」「ほぼすっぱだかみたいな状況で」さおりんさおりん。色んな意味で危険ですよ、その行動。
・「お風呂だとまだ私正気を保っているんですけど」「汗かいたりして疲れちゃわないですか?」「ヘトヘトになって、出てきて、わぁって」「身体拭くのもそこそこに」「すっぱだか」「すっぱだかで」「何回言うんだ」言ってて楽しくなっちゃいましたか?いやいや、うっかり想像しそうになっちゃうので勘弁してください。
・「ツボ?」「眠気を抑える?ツボ?」「調べたらありそうですよね」基本、ツボというのは血流を良くするものなので、血行促進すると余計に眠くなるような。でも調べたらちゃんとありました。眠気を抑えるツボ。効力があるかどうかは不明ですが。
・夜勤のあるお仕事なので眠気との戦いは日常茶飯事でございます。12年以上の勤務経験から言いますと、仮眠が一番で、その次が辛いものを食べる、でしたね。よくある顔を洗ったり身体を動かしたりってのはあんまり長持ちしませんでした。
・「全然違うんですけど、アフレコ中にお腹が鳴りそうになった時に」「何処で聞いたんだろ」「分かんないんですけど」「波平さんの頭を思い浮かべろっていう」「何で聞いたのか分からないんですけど」「思い浮かべる事によってお腹が鳴るのを抑えられるよ」おまじないというにもかなり踏み越えていると言うか、色んなものを超越した内容ですねぇ。
・「寝ちゃいそうっていう時に波平さんの頭を思い出したり、とか、身近に居る波平さんを思い出したり、とか」波平さん、身近にはちょっと居ないかな…。
・「誰か同じようなジンクスみたいなの聞いた人居ないですかね」「なんか情報があったら教えてください」すいません。きいたこともありませんし、ググっても何にも出てきませんでした。謎謎&謎。
・「告知です」「4月の17日に竹書房さんから『加藤英美里と後藤沙緒里の沖縄よんな~散歩』なる書籍が発売予定です」「こちらはDVDも発売される予定です」「これにあわせてイベントもあるかも」「ふわふわした情報でごめんなさい」竹書だからなぁ。

拍手[1回]


追悼

 大好きな人の訃報に接するというのはいくつになってもつらいものでございますが、今日のは一段とつらいものでした。

 『ビックリマン』のスーパーデビル、『がんばれ!!タブチくん!!』のヤスダ、『宇宙戦艦ヤマト』の真田さん、『究極超人あ〜る』の成原博士、『天地無用!』の柾木信幸及び柾木勝仁、『GS美神極楽大作戦』の見鬼くん、『銀河英雄伝説』のムライ中将、『ロードス島戦記』のバグナード、『アベノ橋魔法☆商店街』の雅ジイ、そして最後に接したキャラになってしまった『ゼロの使い魔』のオールド・オスマン。
 アニメ以外でも『このまちだいすき』のシゴック先生や『モンティ・パイソン』のマイケル・ペイリンの吹替。ドラマCDでは『聖エルザクルセイダーズ』の森崎教頭、『宇宙英雄物語』の星海王ブラス、『未来放浪ガルディーン』のキリー・レステス。

 もうお分かりとは思いますが、声優界を代表する名優青野武さんが亡くなられたそうです。(ソースは所属の青二プロ公式サイトのWHAT'S NEWより)


 変幻自在摩訶不思議、シリアスからギャグまで縦横無尽。アニメでもドラマCDでもカセットブックでも。青野さんの声が聞こえてくるだけで嬉しくなれました。「だぁ〜〜〜っはっはっはっは〜〜」という独特の笑い声がとてもとても大好きでした。
 常に期待以上のものを提供し続けてくれた青野さん。声優さんの存在感、威力、影響力というものを子供の頃から私に教え続けてくれた青野さん。

 青野さんは私がアニメ好きで居続けた理由となった方のひとりでした。素晴らしい声と演技とアドリブを今まで本当にありがとうございました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

拍手[1回]


近代麻雀オリジナル2012年5月号 感想

ライオン
・1人死んだら負けだからってサメに噛み付くのか堂嶋。ムダヅモとはまた違うベクトルで麻雀漫画とは思えない展開。
・池田、足を喰われても命だけは助かった模様。そして堂嶋は無事。
・「土産のフカヒレだ」フカヒレってその部分だったっけ。
・「帰りたいよ〜っ」
・コツコツ上がるといつか死人が出るっていう極限状態。そのため堂嶋はついに最終手段に出る。「やっぱ手ぐらいは自由に動かしたいじゃねーか」と止血していたヒモをほどく。
・最後の賭け、成功。空腹と興奮で我を忘れるとサメは共食いする…。
・5度目生還、6度目も生還。ひたすら国士狙いと思わせる捨牌を続ける堂嶋。「殺し合い」か。殺伐もいよいよ煮詰まって来た感がありますな。


aki
・小島さんの背中か…。何人もの打ち手を魅了してきた背中ですな。
・伝説の目撃者なんですねぇ、二階堂さんも。
・放銃回避で廻し打ちして純チャン三色って。さすが小島さん。さらにその上リーチもかけてるんですよね、ここ。
・二軒リーチに挟まれて、フリテンツモ。「これじゃけん」「ギャンブルはやめられんたい!」こういうおっさんには魅了されるねぇ。
・「あれが麻雀だよ」これが麻雀だとしたら、私はまだ麻雀を打った事がないなぁ。


ワシズ−閻魔の闘牌−
・代打ちだからってペナルティを鷲巣様に押し付けるオイチョ。おかげで鷲巣様のお顔が別人のような惨状に。
・「が………学習したなら甲斐もある…………ぞ」「オイチョ………」器でかいっす鷲巣様。
・両腕を拘束された状態で石運び。もう鷲巣様の痛々しさが止まらない。
・一方、東京にて鷲巣様の忠臣たちは奪還作戦を練り上げる。
・積み上げた石をたたき壊す所長のゲスっぷり。
・監獄内の独自通貨、包(パオ)。これ、ニセ札騒動の伏線っぽいですね。
・鷲巣様、ボロボロ。
・「万全の計画を持って事に挑む………」「勝負は卓に座る前についているのだ」孫子の兵法ですか。しかし、鷲巣様は定石とか常軌とか色んなものを逸してるからなぁ。
・「リーチってのは」「門前じゃねぇとかけられねぇんだよ!!」「知ってるさ」「ロン」罠にかけたと思った瞬間こそ、罠にかかりやすい。
・「ひとつ……」「忠告………………だ………………」「牌を持ったら…………」「ワシがどうなろうと気にするな…………」「大切なのは最後まで自分のエゴを押し通す勇気…………」「勝負とはそういうものだ」この状況、この苦境でこの言葉。鷲巣様に惚れ直すのはこれで何度目か。

拍手[0回]


ソースが明示出来ないお話で恐縮ですが

 ネット上で西尾先生の物語シリーズが全部アニメ化するというお話が出ておりますね。ソース元の西尾通信号外が手元に無いので何とも言えませんが、実現したら嬉しい限りです。自分がこの先も安心して追いかけ続けられるアニメになると思うので。いつ頃になるのか分かりませんが、楽しみに待ちたいと思います。

 あと、傷物語は2012年中の公開予定というのが難しいというお話も出ておりますね。とりあえず後者に関しては「シャフトだからしょうがない」とだけ申し上げておきます。

 

拍手[2回]


『ふしぎの海のナディア』デジタルリマスター版第1話「エッフェル塔の少女」雑感

 大体約20年ぶりくらいにふしぎの海のナディアを見ることになりましたが、やっぱり見ると色々思うところがありまして。せっかくなのでいつもとはちょっと違う形でざっくばらんにあれこれ書いてみたいと思います。

 当たり前ですが、20年前の作品なので色んなところが古いです。これを見終えた後に最近のアニメを見るとその違いは歴然です。
 技術的な解説を出来るほど詳しくないのでその辺は省略させていただきますが、そうでないところで言いますと、例えば当時は非常に斬新だったナディアのヘソだし衣装も今ではそれほどインパクトのあるものでは無くなってしまっています。

 しかし。

 当たり前ですがアニメーションというのは新旧だけが評価の全てではありません。ちゃんと面白かったです。グイグイと人を引きつける力は、これはもう確実に持った作品です。第1話という事でキャラ紹介も兼ねているわけですが、会話のテンポもアクションも実に小気味良く、ギャグもバッチリキレキレで。内容を知っているはずなのにも関わらず、始まってすぐにすっかり取り込まれてしまいました。作業用BGVとして再生したはずなのに見入ってしまうので、まったく以てその役割としては使えませんでした。

 背景設定が妙なところがリアルで、一方別の妙なところが完全にSFだったりオーバーテクノロジーだったりという、現実と虚構とがばっちり入り乱れているのですが、これがまた神の采配のように奇跡的なバランスが取れていました。この辺も古びませんねぇ。

 最後に。
 ハヤリスタリはオタ業界の常ですが、20年経ってもちゃんとナディアが可愛かったのには安心しました。
 

拍手[0回]



昭和生まれの平成懐古話第10回「トラウマアニメシリーズその3『無責任艦長タイラー』」

 実家には資料が唸りをあげるほどにあるんですが、今は手元に無いのでネットで検索した情報と記憶で書きますので、不十分な内容になるとは思いますが、どうかご容赦ください。
 にしても調べてみたら食玩とか出てたんですな。ビックリ。

 本作は1993年1月25日から7月19日まで全26回に渡って放送されたテレビアニメでした。また、これも調べて知った事ですが、現在まで続く製作委員会方式の嚆矢でもあります。

 まぁ、今ですからわりかし冷静に書けてますけど、アニメ化発表当時は大いに困惑したもんです。何しろその頃の私は今で言う『原作信者』、しかもバリバリの。どっちかと言うとむしろ狂信者?というくらいに。
 その私が落胆とともに迎える事になったこのアニメ化。情報を入手すればするほどに「ほとんど別ものじゃねぇか!」と叫んだり叫ばなかったり。
 まぁ、ご存知の方はご存知しょうけれども、何しろ設定から何から改変というレベルではなく、初めてその事を知った時には正直落胆しました。まず絵柄からして小説版の挿絵とまったく違いましたし(後日、この影響で小説の挿絵担当が交代するという事態に)、肝心の主人公であるジャスティ・ウエキ・タイラーもおっさんから20歳の青年に。中身も無責任というよりは飄々とした性格に。その乗り込む軍艦も重巡洋艦『阿蘇』から駆逐艦『そよかぜ』に。その他の面々も大なり小なり改変が施されてしまっていました。

 そもそも。アニメ化の1年半ほど前に発売されたカセット文庫版の無責任艦長タイラーがあまりにも原作に忠実で、テープがすり切れるんじゃないかというほどに愛聴していた私には、耐え難いほどの大幅改変でした。
 カセット文庫版と言えば。アニメ化に伴って声優さんが全面的に交代となっていたのも残念要素でした。まぁ、そもそもテレビアニメ版が原作とはまったく異なるキャラクターになっているので、今思えばその辺はしょうがなかったんですが、カセット文庫版があまりに理想的だったもので当時は大いにがっかりしたものです。

 と、ここまで散々あれこれとネガティブな話を書いてきましたが、アニメの放映が始まるとしっかり全話見てしまったわけです。そりゃもう、ビデオに録画してしっかりと。

 オシャレでカッコイイオープニングテーマ『just think of tomorrow』、原作の事さえ忘れてしまえばちゃんと面白い本編、そして見事にクールダウンさせるエンディングテーマ『ダウンタウンダンス』。ぶつくさと文句を垂れつつも、見ないではいられないのが何とも悔しかったですねぇ…。
 「くそ!何でこれがタイラーなんだよ!これならタイラーじゃなくても良いじゃないか!」そんな嘆きを何度発した事でしょうか。これがオリジナルアニメだったら何のためらいもなく絶賛できたでしょう。しかし。『無責任艦長タイラー』と名がつけば、やはりそこには自分が大ファンである原作テイストを求めてしまうのです。ストーリーにもキャラクターにも世界観にも。
 ですんで、割と原作そのままに近かったセッシュウ・ミフネ中将及びススム・フジ中将などは安心して楽しめたキャラでした。

 苦い顔をしながら半年かけてこのアニメを見ていた私は、全て見終えて大きくため息をついた後「面白かった」と白旗を揚げました。高2の冬~高3の夏というある意味青春時代真っただ中の時期だったので、そうするのはかなりの精神力が必要でしたが…。
 敗北宣言をして吹っ切れた私は放送終了後間もなく始まったラジオ番組『タイラー無責任倶楽部』も録音しながら聞いていました。ただし、当時の資金力の限界から、OVAには手が出ませんでしたが。

 かくて私は原作とアニメの違いという大きな壁を克服し、大概のものを楽しめる身体になってしまったのでした。これがトラウマアニメでなくてなんでしょうか。

拍手[0回]


まんけんのおはなし(仮) シチュエーションその1

「お帰りなさいませ、ご主人様♪」
東瀬幸彦が漫研部室の扉を開けると、見慣れない装いをした茜浜和美が居た。しかも、たったひとりで。視界に入ったその姿を一目見てアゴが落ちなかったのは幸運だったと、心底思った。
「お前はなんでメイド服なんか着てるんだよ?」
見た目はそれなりによろしい和美なので、魅力が無いわけではない。むしろ、十分にグッと来るレベルである。
 しかし。実際にこうやって向き合ってみるとそういったことよりもむしろ妙なひるみを感じてしまう。メイド服は背の低い女性が着る分には保護欲をそそったりなんだりの効果があるのだが、自分より身長の高い女子が着ていると無性に圧迫感がある。
 なんだか、かいがいしく世話を焼いてくれる存在ではなく、怖い怖い教育係をイメージさせるのだ。子供の頃に見た何かのアニメの影響っぽいのだが、具体的な作品名が思い出せない。
「まぁいいからいいから。はい、これ。あんたの分」
「はぁぁ?」
状況の説明が一切無いままに衣装一式を手渡され、思わず声のトーンが上がる。
「あんたがメイド服着た画像を極秘ルートから入手したの。で、これはやはり直に勝負して思い知らせてやらないと!と思ったわけ」
鼻を鳴らして指を突きつける。
 その左手に握られている画像はどうやら幸彦が先日しでかしてしまった失態をおさめたブツらしい。極秘ルートってったって、どうせ部長だろ…。
「いやいやいやいや。おかしいだろそれ。勝負って何の勝負だよ?というかどんな勝負だろうと俺の負けでいいから勘弁してくれ」
「不戦勝なんて認めない!というかあたしにもちゃんと生で見せなさい!」
「本音いただきましたー!ていうかやめろー脱がそうとすなー!」
ズボンのベルトに手を伸ばしてきた和美を必死でかわす。
「イヤならとっとと着なさいっ。いや、やっぱり抵抗しなさい。こういうのも悪くないから」
「もうさっきから本音が止まらないな。ああもう分かったよ」
観念した幸彦はげんなりしながらも、和美の要求を受け入れる。
 それでも、無条件降伏という訳にはいかない。護るべきものは護らねばならない。
「ただし!女物の下着は穿かないからな!!」
「な~んだ。用意したのに」
「オイ!」
ポケットから取り出した何だか小さな布切れっぽい何かは、きっと普段なら男の夢の結晶なのだが、今この時だけは災厄を呼ぶ物騒な爆弾にしか見えない。
 というかそもそもとして同じ歳の女子が女性用下着を握りしめる光景に一向にときめかないしドキドキしないことに心底がっかりし終えると、ひったくるようにメイド服を受け取ってから本棚の影に移動する。
「覗いてもいい?」
「いい訳あるか!」
ボタンを外す手を止めて言い返す。
「というか出来れば部屋の外に出ててくれないか?着替え終わったら呼ぶから」
「えぇ~~~」
そこは抗議するところじゃないだろ、と、これは口に出さず。代わりにため息を人つつくだけに留めておいて着替えを再開する。
 外に出る気配が欠片もしない状況下で手早くボタンを外し、着替えを済ましにかかる。ブレザーの上着を脱ぎ、ネクタイを外し、シャツを脱ぐ。脱いだ衣類はさっと本棚に引っ掛け、問題のブツを広げる。
 上着が半袖なのはまぁいいとして。
「何でミニスカなんだよ!」
「何か問題が?」
「メイドさんは本来ミニスカとかありえねぇだろ。原点の時代背景的に」
「そっちか。そっちの抗議なんだ」
余裕あるじゃない、と笑う和美。
「まぁ、俺のスネ毛があらわになるのはむしろ見る方のダメージになるだけだからいいとして」
「えぇ~~~~。処理してないの~~?」
「なんでデフォで処理していると思う!」
己が風呂場でスネ毛をしょりしょりしているところを想像してしまって心理的ダメージを食う幸彦。できるならその場でのたうち回りたいくらいだったが、さすがに下着姿でそれをやったらそのまま通報されて入院させられかねないので、最後の最後で自制した。
「じゃ、これ穿いて」
そんな幸彦の苦悩も知らず、棚の向こう側から黒い塊が放り投げられた。
「なんだ、これ?」
塊をほどいてみる。
 それは2枚1組のやたらと細長い靴下だった。
「何かと思えばニーハイかよ!」
「それ穿けば誤摩化せるでしょ」
「ぐぬぬ」
用意周到にも程がある。猟師の熊罠でももうちょっとかわいげがある。
「あんまり時間かかってると他の人来ちゃうかもよー」
「あー。はいはい。分かった分かった」
一度着た事があるためか、着替えそのものはスムーズである。ただし、やはりズボンを脱いでスカートに穿きかえる事には心理的抵抗が伴わずにはいられない。
 しかし、モタモタすればちぐはぐで間抜けな状態の姿でいる時間がそれだけ長くなる。意を決してニーハイに足をつっこむ。
「しっかし、いつの間に俺のサイズを把握してるんだよ」
あつらえられたように身体にフィットするのだが、1個も嬉しくない。
「聞きたい?知りたい?」
「……やっぱりいいです」
うっかり聞いてトラウマになったり登校拒否になったりしても困るので丁重にお断りする。
 男の身でミニスカートを穿くのは余り気分のいいモノではない。そこから伸びる足にスネ毛が満ちていると特に。
 姿見は無いものの、我が目で十分違和感を味わう事が出来るその光景には言葉も出ない。
 それが、黒のニーハイソックスを履くと不思議な事になる。スネ毛を隠しても、所謂絶対領域が綺麗な状態ではないのでようやく見られるレベルという程度だが、最悪の事態だけは避けられている。少なくとも親に勘当されるようなことには…。
「なってるな。これで十分に」
自分で自分を騙しそうになったが、最後の最後で騙しきれなかった。
「これは…これはないよな」
何の罰ゲームなのか。一体なんで自分は人生で二度も女装させられているのか。本棚を隔てたホンのわずか向こうに、憎からず思っている女子が居るというのに。
 まぁそもそもその女子が元凶なのだが…。
「さっきから一個も嬉しくねぇ」
「マダー?」
「ああもう。もうちょっと待ってろ!」
穿きなれない物を穿くのは手間がかかるんだから、と言いながら、実はもう着替え終えている。
 人生初ミニスカなのだ。穿き終えても出て行くのにかなり勇気がいる。人生で何度もは発揮したくないタイプの勇気が。
「なんというか、俺がこの道に引き入れたようなもんだけど、どんどん茜浜に追い越されてるよ」
「早く来ないとこっちから」
「行くから!行くから待ってろ!」
脅迫めいた言葉に意を決して、恥をさらしに出る。
「どうだ!これで満足か!」
魔改造ビフォーアフター。そんな言葉が脳裏を巡って巡って止まらない。
 紺色の半袖メイド服。しかもフレンチメイド仕様、プラス、ニーハイソックス。頭にはホワイトブリム。そして顔はもちろん、化粧っけも何もないためにコラージュ画像のようにすら見える、いつもの幸彦の顔である。
「あはははははははは!」
「わ、笑いやがった!自分でやらせておいて!」
何この地獄絵図。
「あはははははははははははははははは!」
「あーくそう!」
怒り心頭し、髪飾りのホワイトトリムをむしり取って床に叩き付ける幸彦。
「やれって言っておいてこの仕打ちか!この仕打ちなのか!」
吼えるように熱を込めて抗議するものの、笑いの渦の中心にその心身を取り込まれてしまった和美には何を言おうが届かなかった。
「苦しい…」
そして呼吸困難の域に到達する。
 圧倒的な笑いの渦にただただ為すすべも無く呆然と立ち尽くす幸彦。己がサラシモノになっているという現実。さらにそれは、自分自身の姿を省みることで余計に虚しさが増していく。
「も、いい。好きにしてくれ」
がっくりとうなだれて椅子に座る。
「し、し、しゃ、写メるから…」
ようやく笑いがおさまりだし、携帯電話を構えるが、狙いが定まらない和美。
「やめろよ!こんな姿を残してどうする気だ!」
「まぁまぁ。あたしのも写メっていいから」
ようやく笑いがおさまり、撮影を終えると、くるっとその場で一回転する和美。その姿に、反射的に携帯を構えて1枚撮ってしまう幸彦。してやったり。
「折角だから、ツーショット撮る?」
「…じゃあ、まぁ、折角だから」
誘われると、ついつい乗ってしまう自分にあきれたり悲しく思ったりしながらも、和美の左隣に移動し、右側に和美、左側に幸彦の立ち位置で互いに携帯を構える。
「ほら、ポーズ!笑顔笑顔!!」
近い位置からせきたててくるイキイキした笑顔につられて笑おうとするものの、若干引きつり気味なのはどうしようもなかった。
 この時撮影した画像が出回って一騒動起こるのは、また別のお話。

拍手[0回]