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今日も農市は開かれているが、この日は別に行きたいところがあった。台北から南西に30キロ弱行くと、鶯歌という街がある。ここは日本で言えば信楽や常滑、伊万里のような陶器の街。
 元々夫婦揃って陶器好きということもあり1日居ても飽きない街だと思われるが、その鶯歌で工夫茶用、つまりは要は中華式茶道用の茶器を探したかった。
 というわけで、朝食後台鉄台北駅へ向かう。
 台北から鶯歌へ行く場合、朝夕ならば日本の急行にあたるキョ光号も停まるのだが、日中の時間帯は各駅停車の區間車のみが停車する。ロングシートの座席に腰掛けて揺られること30分ほどで鶯歌駅着。
 ホームの階段を上がると、コンコースに唖然とするほど巨大な壺と茶壺(日本で言う急須)があった。手前のプレートには『全國最大茶壺』と書かれている。初手から強烈な歓迎である。



 駅からの道は線路沿いに案内板がそこかしこにあるため迷いようもない。線路の下をくぐり、橋を渡れば『歡迎光臨 陶瓷之鎮(ようこそ 陶器の街へ)』と書かれた石碑に出会う。



 そこでまず目に入ってきたのは、茶色がかった直方体の建築物。夏空の晴天であるにも関わらず薄寒くなるような謎の迫力。ファミコン世代としては反射的に『悪魔城ドラキュラ』とかあの辺りを連想してしまうような、そんな建物。



 中はもちろんドラキュラとその眷属が待ち受けていたりはしない。普通に陶器の展示や販売が行われている。飲み物の自販機とベンチがあるのをいいことに少しばかり休憩。駅からそれほどの距離を歩いたわけでもないのに、休憩が必要と思わせるほどには暑い。

 気力体力を回復させて再び歩き出す。坂を登りきった先に広がった景色は、まさに陶器の街。何しろ街の地図まで陶器で出来ている。



 道が左右に分かれていたので、とりあえず右側の道を進む。
 道の両側にある店は当然陶器の店がずらり。路上にも商品が置かれており、また食べ物の屋台がいくつも出店しており、常設陶器市の雰囲気も漂う。これだけ店の数があるので、焦らずゆっくりと気に入ったものに出くわすまで何軒でもまわろうと決めて出発。







 まずは試しに1軒、手近な店に入ってみる。それなりの床面積の店内にみっしりと陶器が並んでいる。食器、置物等々と共に茶碗もあったが、残念ながら工夫茶用のものは見当たらなかった。
 諦めて外に出ると、再び陽射しに焼かれてしまう。あまり長々とは歩けない。これで気候が街歩きに適してさえいれば1日かけても何の苦もないところなのだが。

 牧歌的だった光景に突如現代的なデザインの建物が現れる。看板によるとここは『鶯歌光點美學館』というショッピングモールらしい。涼を求めるのと、品物のチェックとを兼ねて扉を開ける。

 中へ入ると、吹き抜けとなっているので開放感からか実際以上の高さにも感じられる。

 ここには陶器以外にも中華圏ではおなじみの宝石『玉』や水晶の工芸品もある。玉は以前故宮博物院の企画で触ったことがあるのだが、手触りが滑らかで温かみがあり、身近に置いて日々愛でてみたくなる感触だった。とはいえ値段と重量という問題があり、なかなかに難しい。二兎を追う者は一兎をも得ずという言葉もある。今日のところは茶器のみに集中することとした。

 ここはさすがの品揃えで工夫茶用の茶器自体はあったのだが、なかなかにいいお値段がする。台北市内の専門店で買うのとあまり変わらない。
 
 続いて『老街陶館』という建物へ。ここは陶器窯を模したと思われる外観がインパクト抜群。



 そして。ここ2階でようやく探していた『入門用の安い工夫茶器』に出会った。
 あとはどのデザインを選ぶかだが、空腹だと判断を誤るということで、同じ2階にある食堂へ向かった。ここで甕仔麺という鶯歌名物が食べられるようなので、昼食。
 名物というだけあって人気があり少しばかり並ぶ。いい時間帯だともっと混雑していたであろうことは想像に難くない。
 手際よく運ばれてきたそれは、小型の甕にみっしりと具材と白いスープと麺とが詰まっていた。ソーキそばを連想させる塩味の効いた滋味深いスープが全身に染み渡る。

 美味しく腹も満たしたところで、いよいよ本命の買い物へ。
 入門用の安いものとはいえ、種類はそれなりに豊富で、かなり迷う。私が青磁好きというのもあって自然とそちらに目が向くのだが、当然白磁にも良いものは多い。おかげで大いに迷う。
 妻とふたりで店内をぐるぐると何周もして、ようやく決まった。青磁の青を池の水に見立て、水草と鯉があしらわれた柄を選ぶ。これで飲む茶はさぞ楽しいものになるだろうと心が弾んだ。

 主目的を果たしたところで、ひとつ気になるものがあったのでその場所まで引き返す。例の陶器要塞とも言うべき巨大な建物の敷地内に蒸気機関車を見かけたのだが、あれは実物の静態保存なのか客寄せの模造なのか。

 近づいてみると、ペンキはすっかり剥げ落ち全面に錆が浮いている。この年季の入り方はとても模造とは思えない。
 車両前面の顔ともいうべき部分には『鶯歌号』というプレートが掲げられ、その下には『旅途愉快 一路平安』『鶯歌鎭鎭民蘇有仁敬製』書いてある。



 文字の内容から察するに、この街の住人だった蘇有仁という人物が作ったようだが、とするとこれはその昔陶器の貨物輸送で活躍したものの静態保存ではなく模造と思われる。
 とはいえ周囲になんの説明も手がかりもないのでこれ以上は推測しようもない。それにしてもあまりにも無造作に置かれすぎている。展示しているようにはとても見えない。一歩間違えれば不法投棄である。

 まぁ、日本国内でも地方に行くと「もらったり買ったりしたはいいけど結局維持に困って雨ざらし」な鉄道車両は散見されるのだが。もう少し手を入れて整備すれば立派な観光資源になると思われるので、実にもったいない。

 もったいないといえば、駅まで戻るのに来た道をそのまま戻るのも惜しい気がして、別の道を辿ることにした。来た時に通った道は道幅が狭く店の規模も小さいものが目立ったのに比べ、帰途に歩いたところは道幅も広く、店もそれなりに洗練されているものが目に付いた。おそらくこちらがメインストリートなのだろうが、個人的には最初のほうが好みだったので、この順番で正解だったな、と一人納得する。

 駅に戻ると、何は無くともまずは給水せねばと構内のセブンイレブンでポカリを購入。
 気力体力に余裕があれば電車が来るまで駅構内及び近辺の探検に出るのだが、残念ながらそういうことができたのは30代までだった。今はただ、椅子に空きがあったのを幸い、休息を取るばかりである。

 電車の到着時刻が近づいてきたのでホームへと降りていく。

 この時初めて、鶯歌駅の広さに気がついた。ホームは2面4線でいささかこじんまりしているのだが、ホームのないところにも線路が何本も張り巡らされており、駅全体面積はそれこそ以前はここで機関車の運用をしていたのだろうなというくらいには広い。
 道路に面した場所には貨物の積み下ろしができそうな空き地もあり、とめどなく想像の翼が広がる。
 しかしその翼が広がりきる前に台北方面行きの列車が入線してきてしまい、お楽しみもここで中断。
 来た時と同じロングシートの車両に乗って台北へと戻る。

 いささか消化不良気味だったので、台北駅の中にある鉄道グッズ屋2つをめぐるが、ここでも大きな収穫はなし。この店に来るたびに購入していた台湾オリジナルの鉄道雑誌が見当たらなかったのが何よりの痛手だった。
 強いて収穫として挙げるとすれば鐵道旅行護照(パスポート)という台鉄の全駅が記載された5冊組のミニ手帳を購入したことくらいか。フルカラーでなかなかに出来は良い。
 ということで、いささか不完全燃焼気味ながら体力ゲージが尽きかけているので諦めて宿へと戻る。

 収穫物を片付けてからしばしの午睡。このホテルを選んで良かったと思うのはこういう時だ。

 目覚めると、窓の外はとっぷりと暮れている。となれば夕飯の算段をしなければならない。
 旅行中1回は高級中華を食べるのが新婚旅行以来の習わしなのだが、今日あたりそろそろ決行しようか、という結論に至る。
 ちょうど良いことにはホテルから2駅先の太平洋そごう復興館の中に鼎泰豊と點水樓という名店が2つ入っている。とりあえず行ってみて空いている方に入ろうということで出発。

 忠孝復興駅を降りて案内表示のままに進むと連絡通路の近くに鼎泰豊があるので行ってみると、入り口が遠く感じられるほどに長蛇の列が。めげずに待ち時間を聞いてみると50分とのことなので、一時撤退して11階の點水樓へ。
 こちらは幸いにして待ち時間なし。すぐに案内されて席に着けた。

 ここは日本語併記の安心メニューなので、店員さんに「これはなんですか?」といちいち確認をしなくても選ぶのになんの支障もない。互いに希望するものを挙げていき、そこから絞り込みをかけた。

 まず。鼎泰豊ほどの知名度はないもののここも小籠包の名店。スルーは許されまいと2籠注文。そして忘れてならない台湾ビールも。あとはベーコンと青梗菜が入った上海風ピラフ、トンポーロー、南乳風味のスペアリブ、空芯菜炒め等々互いの好物ばかりを欲望の赴くままに注文。

 ビールと小籠包で乾杯となるはずだったが、あれは作るのにいささか時間がかかるため、すぐに出てきた空芯菜炒めで乾杯。たかが空芯菜と侮るなかれという美味さで、ビールのつまみにする間もないほどスルスルと消えていく。

 後はもう、取っ組み合いの格闘でもするかのように、出てくる料理をどんどん平らげていく。小籠包が運ばれてきたとき調子に乗ってビール2本目を頼んだため最後はいささか苦戦したが、なんとか無事全ての料理を美味しくいただくことができた。
 どうしてもビールと小籠包をやりたかったので悔いはない。ジューシーな小籠包をドライな台湾ビールで流し込むのがなんともたまらない。
 下戸の調子こきが30分の休憩という代償で無事収まったのは奇跡という他はない。

 酔い覚ましにと地下鉄2駅分歩いてホテルに戻ったが、夜風に当たったのが良かったのか、せっかくだからと途中にある24時間スーパーで買い物が出来るくらいには回復していた。

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今さらですが非公開に変更
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